スペースXに搭載「ispace」月へ
2022.12.13

「月着陸船」 通信や姿勢など安定 来年4月末 月への着陸に挑戦

世界初の民間による月面着陸を目指す日本の企業が開発した月着陸船の打ち上げが日本時間の11日、アメリカで行われました。
ロケットから分離された後、地上との通信状況なども安定しているということで、計画どおり航行できれば、来年4月末に月への着陸に挑みます。

東京のベンチャー企業「ispace」が開発した月着陸船は、日本時間の11日夕方、アメリカの民間企業「スペースX」のロケットに搭載され、フロリダ州の発射場から打ち上げられました。

月着陸船は、ロケットから分離された後、地上との通信状況のほか、機体の姿勢なども安定しているということです。

「ispace」は、世界初の民間による月面着陸を目指していて、順調に進めば来年4月末に月への着陸に挑む予定です。

また、搭載した小型ロボットによる月探査なども計画されています。

月は近年、水の存在を示す研究論文が相次いで発表されるなど、人類が宇宙での活動領域を広げる上で拠点となる場所に位置づけられ、アメリカが進める国際的月探査プロジェクト「アルテミス計画」など、国家間の競争が激化しています。

これに伴って、民間企業の間でも、地球周辺にとどまっていた宇宙の商業利用を拡大しようとする動きが見られ、今回の計画が、月を舞台にした新たなビジネスの布石となるか注目されます。
2022.12.13 04:36 | 固定リンク | 化学
月面着陸船打ち上げ成功「ispace」
2022.12.12

月面着陸船打ち上げ成功 東京のベンチャー、民間初の月を目指す

 宇宙ベンチャー「ispace(アイスペース)」(東京都)は11日、独自開発した月着陸船を米フロリダ州のケープカナベラル宇宙軍基地から米スペースXのファルコン9ロケットで打ち上げた。着陸船は予定の軌道に投入され、打ち上げは成功した。

 月面への到着は約5カ月先で、成功すれば日本初かつ世界初の民間による月面着陸になる可能性がある。

 着陸船が目指すのは、月の表側にある「氷の海」と呼ばれる場所だ。宇宙航空研究開発機構(JAXA)とタカラトミーが開発した探査ロボット「SORA―Q」や、アラブ首長国連邦の月面探査車などを搭載。探査ロボは大ヒットしたタカラトミーの変形ロボ「トランスフォーマー」から着想しており、月面に降りて撮影し、画像データを地球に送る。

 アイスペースは、宇宙で採取した物質の所有権を民間企業などに認める「宇宙資源法」に基づく初の許可を11月に受けた。着陸船が撮影した月の砂の所有権を米航空宇宙局(NASA)に移転し、世界初の月資源の商取引を目指すという。

 当初は11月28日に打ち上げる予定だったが、ロケットの点検で延期していた。

 日本の月面探査では、国際月探査「アルテミス計画」の第1弾で同16日に打ち上げた米国の大型ロケットに搭載されたJAXAの探査機「オモテナシ」が、日本初の月面着陸を目指したが断念した。JAXAは2023年度にも月面のピンポイント着陸を目指す探査機「SLIM(スリム)」の打ち上げを予定しているが、アイスペースの着陸が先になる可能性がある。

 民間の月着陸を巡っては、19年にイスラエルの探査機が世界初を目指すも失敗。米企業も今後、月着陸船の打ち上げを予定しており、どちらが先になるかは「わからない」(アイスペース)という。
2022.12.12 13:07 | 固定リンク | 化学
200万年前のDNA発見・最古
2022.12.09

最古のDNA発見、200万年前の生態系ひもとく グリーンランド

 デンマーク領グリーンランド(Greenland)最北端の氷河期の堆積層から、これまで採取された中で最古となる200万年前のDNAが見つかった。コペンハーゲン大学(University of Copenhagen)などの研究チームが7日、発表した。古遺伝学の新たな扉を開く発見だ。

 英科学誌ネイチャー(Nature)に掲載された論文を共同執筆したコペンハーゲン大のミッケル・ウィンザー・ペデルセン(Mikkel Winther Pedersen)氏は、「遺伝子研究における壁を打ち破りつつある」「DNA生存の境界は100万年だと長年思われていたが、その倍に伸びた」とAFPに語った。

 現在は極砂漠となっている人里離れた無人地帯で凍結保存されていたDNAの状態は非常に良く、研究チームは最新技術によって、41個の断片が、これまで最古とされていたシベリア(Siberia)のマンモスから採取されたDNAより100万年以上古いことを突き止めた。

 2006年に始まった研究では、102種の植物を発見。200万年前のグリーンランド北部の生態系を再構築することに成功した。それは「マストドンやトナカイ、ノウサギが駆け回り、多種多様な植物の生い茂る森林風景」だという。

 ゾウの祖先に当たる大型哺乳類マストドンの存在がこれほど北方で確認されたのは初めてで、特に注目に値する。この発見により、種の適応性についてより多くの知見が得られた。

 200万年前のグリーンランドは、現在と比べて気温が11~17度高かった。しかも緯度が高いため、夏は太陽が沈まず、冬は昇ることがない。

「このような環境、このような種の混在は、現在の地球上ではどこにも見当たらない」とウィンザー・ペデルセン氏は指摘。「種の可塑性、つまり種が実際にさまざまな気候タイプにどのように適応できるかは、これまで考えられていたものとは異なるかもしれない」と述べた。(c)AFP/Camille BAS-WOHLERT
2022.12.09 08:26 | 固定リンク | 化学
ナスカの地上絵168点を新たに発見
2022.12.09

世界遺産「ナスカの地上絵」168点を新たに発見と発表 山形大学

南米ペルーの世界遺産、「ナスカの地上絵」について現地調査を続けている山形大学の研究グループが、人間や動物などを描いたとみられる168点の地上絵を新たに発見したと発表しました。

これは、山形大学ナスカ研究所の副所長を務める坂井正人教授の研究グループが、8日、大学で記者会見を開いて発表しました。

それによりますと、3年前の6月からおととしの2月にかけ、現地の考古学者と共同でAI=人工知能やドローンを活用してナスカの市街地付近などで解析や調査を行った結果、あわせて168点の地上絵が新たに見つかったということです。
人間やネコ科の動物、それにラクダ科の動物の群れなどを描いたとみられ、中には、長さがおよそ50メートルに達するものもあったということです。

また、これらの地上絵は、近くで見つかった土器などから、紀元前100年ごろからのおよそ400年の間に描かれたとみられるということです。

2004年に調査を始めて以降、研究グループが発見した地上絵は、今回のものをあわせて358点になりました。

坂井教授は「地上絵が描かれた目的は今もよくわかっていない。今後も、AIを活用して地上絵の分布調査や保護活動に取り組み、地上絵が描かれた目的の解明につなげたい」と話していました。



2022.12.09 08:06 | 固定リンク | 化学
「哲学のノーベル賞」柄谷行人氏
2022.12.09

「哲学のノーベル賞」バーグルエン賞に柄谷行人(からたに・こうじん)さん アジア初

 「世界史の構造」などの著書がある哲学者の柄谷行人(からたに・こうじん)さん(81)が、今年の「バーグルエン哲学・文化賞」の受賞者に決まった。米カリフォルニア州のシンクタンク、バーグルエン研究所が8日、発表した。この賞は、同所長で慈善家のニコラス・バーグルエンさんが「哲学のノーベル賞」を目指して2016年に創設し、「急速に変化していく世界のなかでその思想が人間の自己理解の形成と進歩に大きく貢献した思想家」に毎年授与している。

 柄谷さんの受賞理由は「現代哲学、哲学史、政治思想に対する極めて独創的な貢献」。そして「混迷するグローバル資本主義と民主主義国家の危機、めったに自己批判が伴うことのないナショナリズムの復活という今の時代において、その作品は特に重要である」とされた。アジア初の受賞。柄谷さんは「思いもかけなかった評価に喜んでいる。感謝しています」と話す。賞金は100万米ドル(約1億3700万円)。授賞式は来春、東京で行われる予定だ。

 柄谷さんは夏目漱石論から出発し、著書「日本近代文学の起源」などで、従来の文芸批評のあり方を一新した。その後、哲学・理論的な仕事に重心を移し、「トランスクリティーク カントとマルクス」や「力と交換様式」などを刊行してきた。著作は、英語をはじめ複数の言語に翻訳されている。05年から本紙書評委員。

 バーグルエン賞の過去の受賞者は、多文化の人間が共存する社会の構築を目指すカナダの哲学者チャールズ・テイラーさん(16年)▽社会的弱者に着目した独自の正義論を展開する米国の哲学者マーサ・ヌスバウムさん(18年)▽米国で弁護士として性差別撤廃訴訟を多く手がけ、リベラル派を代表する最高裁判事だった故ルース・ベイダー・ギンズバーグさん(19年)▽途上国での医療活動で知られた米国の医療人類学者で医師の故ポール・ファーマーさん(20年)▽環境保護や動物解放運動に携わる倫理学者ピーター・シンガーさん(21年)ら。
2022.12.09 05:48 | 固定リンク | 化学

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