「執行猶予付き死刑」解放軍反発
2024.05.06
冤罪の可能性を考慮 中国における「執行猶予付き死刑」とは、死刑判決を受けた人に対して2年間の執行猶予期間を設ける制度です。この期間中に故意犯罪を犯さなければ、死刑は無期懲役に減刑されます。さらに、その間に特に優れた行いがあった場合は、15~20年の有期懲役に減刑される可能性があります。

この制度は、中華人民共和国独特の死刑制度の一つであり、死刑判決が下された後、最終的な死刑執行命令書が交付される前に、被告人の改善の余地を考慮して設けられています。執行猶予期間中に再び重大な犯罪を犯した場合は、死刑が執行される可能性が高まります。

また、この制度は冤罪の可能性を考慮し、死刑執行に対してより慎重なアプローチを取る中国の法律の一環としても見られています。中国では死刑執行の数が多いことが国際的に指摘されており、死刑執行猶予制度はその中で重要な役割を果たしています。

解放軍内部の反発

中国軍内部での反発に関する最近の報道を見ると、いくつかの重要な動きがあります。特に、谷俊山事件と呼ばれる軍史上最大の汚職事件が注目されています。この事件は、軍の総後勤部の副部長だった谷俊山が巨額の汚職と地位の売買に関与していたとされ、中国国内で報道されたものです。

谷俊山事件は、中国人民解放軍の総後勤部の元副部長である谷俊山が関与したとされる、中国軍史上最大の汚職事件です。この事件は、谷俊山が巨額の汚職と地位の売買に関与していたとして、中国国内で大きな注目を集めました。

具体的には、谷俊山は兵站を統括する幕僚部門である総後勤部のナンバー3(副部長)として、200億元(約3000億円超)とも言われる巨額の汚職額だけでなく、地位の売買にも関与していたと報じられています。彼の背後にはより高位な高官や軍を代表する美人歌手の関与も取り沙汰されていました。

中国軍内で「軍中第一の美女」として知られる歌手**張瀾瀾(Zhang Lanlan)**さん。彼女は人民解放軍(PLA)所属の歌手で、数々のテレビドラマにも出演していました。しかし、2008年に新年を祝う政府の公式祝賀会で歌を披露した後、その消息は途絶えていました。

張瀾瀾さんは、中国南部・広東省の深センの地元紙によれば、中国国家主席**習近平(Xi Jinping)**の弟の妻だと報じられています。この記事は中国のインターネット上からすぐに削除されましたが、張瀾瀾さんが習主席の一族に関連して再登場したことは驚きを呼びました。

人民解放軍は創設期から専属の歌舞団を持ち、所属メンバーが共産党幹部の妻や愛人になることも少なくありません。習近平国家主席の妻である**彭麗媛(Peng Liyuan)**夫人もかつて人民解放軍所属の歌手で、新年の祝賀会で何度も歌声を披露していました。

しかし張瀾瀾さん再登場、中国軍内部の動きや政治的な背景を理解する上で興味深い要素です。

2015年8月10日、军事法院は谷俊山に対して贪污罪(汚職罪)、受贿罪(収賄罪)、挪用公款罪(公金横領罪)、行贿罪(賄賂罪)、滥用职权罪(職権乱用罪)を認定し、数罪を併せて死刑判決を下しましたが、執行猶予2年とされました。また、政治的権利を終身剥奪し、個人の全財産を没収し、赃款赃物を追徴するという判決が下されました。

この事件は、中国軍内部の腐敗問題の深刻さを示すとともに、習近平政権下での反腐敗キャンペーンの一環としても注目されました。谷俊山事件は、中国軍の綱紀粛正と規律強化の動きの中で、特に象徴的な事件となっています。

さらに、習近平国家主席が軍隊内部の反発に気付いていない可能性についての議論もあります。これは、軍内部での機構改革や綱紀粛正に対する不満が反発となって表れているのかもしれません。

これらの情報は、中国軍内部での動きや政治的な背景を理解する上で重要な要素となります。

習近平主席の軍の大改革に解放軍内部からの不満や反発が

習近平主席が推進する軍の大改革に関連して、解放軍内部での不満や反発があると指摘されています。

軍の粛清

一部の報道によると、習近平主席の権力基盤に影響を与える可能性があるほど、解放軍内での粛清が行き過ぎているとの見方があります。これにより、人材不足や不満が充満しているとされています。

軍の大改革

2015年末から断行された解放軍改革は、腐敗で有名だった解放軍を「戦って、勝つ」軍隊に変えることを目的としています。習近平主席は、解放軍が戦えないし、戦っても勝てない軍隊だと考えていたとされ、米軍と戦い、米軍に勝つことを目指しています。

軍の再編

最近では、習近平主席が人民解放軍の持つ宇宙戦やサイバー戦、電子戦、心理戦の諸能力を統合する目的で創設した戦略支援部隊(SSF)を廃止するという意外な動きに出ました。これは軍の抜本的再編の一環とされています。

これらの報道は、習近平主席が解放軍の近代化と効率化を進める中で、軍内部での反発や不満が存在することを示唆しています。しかし、これらの報道が現在の状況を完全に反映しているかどうかは、さらなる情報が必要です。中国の政治や軍事に関する情報は非常に複雑であり、公式な発表以外の情報源には慎重な検証が必要です。
2024.05.06 08:19 | 固定リンク | 国際

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