北朝鮮「ロシア極超音速ミサイル技術」ハッキング
2023.09.08

北朝鮮、ロシア航空宇宙機関に不正アクセス=マイクロソフト

米マイクロソフトは7日、北朝鮮のハッカー集団が今年3月に複数のロシアの外交官を標的にし、ロシアの航空宇宙研究機関への不正アクセスに成功していたと明らかにした。

マイクロソフトは東アジア地域でのサイバー攻撃に関するブログで「北朝鮮のハッカーは、ロシアがウクライナ戦争に集中していることをロシア企業の情報収集の機会として利用している可能性がある」と指摘。ただ、被害を受けた企業などの名称を含む詳細は明らかにしなかったほか、証拠も示さなかった。

この件に関して北朝鮮の国連代表部のほか、在米ロシア大使館からコメントは得られていない。

北朝鮮のハッキング行為を巡っては、ロイターとサイバーセキュリティー企業のセンチネルワン(S.N)が先月、北朝鮮のハッカーが2022年に少なくとも5カ月間にわたりロシアのミサイル開発大手に不正アクセスを行い、ロシアの極超音速ミサイルとロケット推進剤技術に関する情報を収集できる状態にあったと報告している。

ウクライナ戦争を進めるロシアが北朝鮮との関係を深める中、北朝鮮のハッカーによるロシアへの不正アクセスが事実なら事態が複雑化する可能性がある。

マイクロソフトは今回のブログで、米国の重要インフラを標的とする中国のハッカー集団などについても報告。この件に関して中国大使館からコメントは得られていない。

■事実かどうかは確かではありません。

北朝鮮がロシアをハッキングしたというのは、インターネット上で広まっている噂の一つですが、事実かどうかは確かではありません。ロイター通信によると、北朝鮮のハッカー集団がロシアのミサイル開発企業のネットワークに侵入したという分析があると報じました。しかし、この分析は米国のITセキュリティー企業によるものであり、中国政府やロシア政府の公式な発表ではありません。また、北朝鮮がどのような目的でハッキングを行ったのか、どのような情報を得たのか、どのような影響を与えたのかなどは不明です。

北朝鮮とロシアは友好的な関係にありますが、北朝鮮は自国の核・ミサイル開発を進めており、ロシアの先進的な兵器技術に興味を持っている可能性があります。特に、極超音速ミサイルや人工衛星などを開発するロシアのトップ企業であるNPOマシノストロエニヤ社は、北朝鮮にとって魅力的な標的だったかもしれません。しかし、ハッキングだけではミサイルの製作はできず、実践的な経験や試射などが必要だという専門家の見解もあります。

極超音速ミサイルや人工衛星といった技術を取得すれば、北朝鮮にとって大きな弾みとなり世界にとっては脅威になると思われます。極超音速ミサイルは、音速の5倍以上の速さで飛行し、レーダーで検知することが難しい兵器です。北朝鮮は、自国の核・ミサイル開発を進めるために、この技術を獲得しようとしています。しかし、極超音速ミサイルの開発は非常に困難であり、北朝鮮が実際に極超音速ミサイルを保有しているかどうかは確かではありません。もし北朝鮮が極超音速ミサイルを保有した場合、周辺国や米国などの安全保障に大きな脅威となる可能性があります。

人工衛星は、通信や観測などの目的で宇宙に打ち上げられる人工物です。北朝鮮は、自国の科学技術や経済発展に貢献するとして、人工衛星の打ち上げを行っています。しかし、人工衛星の打ち上げには弾道ミサイルと同じ技術が必要であり、北朝鮮が人工衛星を隠れ蓑にして核兵器を開発しているという疑惑があります。北朝鮮はこれまでに4回の人工衛星打ち上げを行っていますが、そのうち成功したのは2回だけであり、技術的な課題も多いとされています。もし北朝鮮が人工衛星を利用して核兵器を開発したり、他国の人工衛星を攻撃したりする場合、国際社会との対立や制裁が強化される可能性があります。

以上のように、極超音速ミサイルや人工衛星といった技術が、北朝鮮に何らかの影響を与える可能性はあります。しかし、その影響は必ずしも好ましいものではなく、北朝鮮自身や周辺国や世界にとっても危険なものです。北朝鮮は核・ミサイル開発をやめて、国際社会と対話することが求められています。
2023.09.08 11:52 | 固定リンク | サイバー攻撃

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