人気のシミ取り「HIFU(ハイフ)施術」神経損傷に!
2023.03.30
エステの超音波施術「医師に限定を」 消費者事故調が厚労省に提言

火傷や神経損傷も…「ハイフ施術」の事故増加 調査委が法規制求める 消費者庁

 エステサロンなどでしわやたるみの引き締めに使われている「HIFU(ハイフ)」と呼ばれる高密度の超音波を照射する機器による事故について、消費者庁の消費者安全調査委員会(消費者事故調)は29日、調査報告書を発表した。HIFUを用いた施術により、顔面のまひや急性白内障が起こるケースが相次いでいるとして、施術者を原則、医師に限定することを厚生労働省に求めている。

「美容効果が期待できる」として人気のHIFU(ハイフ)という機器を使った施術について、国の消費者安全調査委員会が火傷や神経損傷など健康被害の報告が増えているとの調査結果をまとめました。

小顔になったり、“たるみ”が解消されたりするとして人気の“HIFU施術”。

記者

「専用のジェルを顔に塗った後、機械でこのように照射していきます」

HIFUはガンの治療にも使われる超音波を出す機器ですが、超音波で筋膜を加熱することで引き締め効果が期待できるとされ、美容目的での利用が広がっています。

しかし、きょう、消費者安全調査委員会は…。

消費者安全調査委員会 中川丈久委員長
「エステサロン等では現在でもHIFU施術が行われ、事故が報告されているのが実情」

委員会によると現在、HIFUを使った施術に規制はありません。そのためエステサロンなどで医療の資格がない人による施術や、「セルフHIFU」として客に機器を貸し出しての施術が行われているといいます。

委員会の調査では…。

「施術後に顔がピリピリして、お面を被っているような感覚で、顔の皮膚が動きにくい」
「セルフHIFUをしていたらビリッと唇に痛みが走り、感覚が変になった。神経損傷で唇の感覚が無くなっていると診断された」

消費者安全調査委員会は、火傷や神経・感覚の障害などの健康被害がこの8年間に135件報告されているとの調査結果をまとめ、きょう、関係する省庁にHIFUを使った施術を“医療行為”と定めるよう求めました。

一方、業界団体は…。

日本エステティック業協会 迫千代さん
「エステで使えるレベルを超えた機器が出回っている。今の段階では法規制が無いので、自身で見極めるしかない」

調査委員会はHIFU施術のリスクについて「業界団体などとも協力し、引き続き注意喚起が必要」だとしています。

 HIFUは「高密度焦点式超音波」の英語略で、照射すると表面の皮膚にはやけどをおこさずに、体の内部の狙った部位を加熱し収縮させる。元々は前立腺がんの治療用に開発されたが、美容にも応用されるようになった。施術に必要な資格はなく、厚労省などが定めた具体的な安全基準はない。

 エステサロンなどで広く施術が行われる一方で、2015年以降、全国の消費生活センターには、「マヒが残った」「腫れが引かない」「やけどになった」などのトラブル報告が135件寄せられている。
2023.03.30 07:58 | 固定リンク | エステ

- -