ギザの大ピラミッド「謎を解明」
2022.12.23

ギザの大ピラミッド建設の謎を解明か…古代の植物の花粉がカギを握っていた

古代エジプト人は、現在の砂漠地帯に壮大なギザのピラミッドを建設した。

何トンもの重い石のブロックをどうやってピラミッドの場所まで運んだのか、長い間謎だった。

古代の花粉を追跡することによって、科学者たちは数千年前に消滅したナイル川の支流を発見した。

約4500年前にはギザの大ピラミッド群のすぐ近くを通っていたが、今は干上がってしまっているナイル川の支流を研究者たちが発見した。

この発見は、2022年8月29日、学術雑誌『米国科学アカデミー紀要(Proceedings of the National Academy of Sciences)』に掲載、発表されたもので、現在は砂漠になっている4マイル(約6.4キロメートル)の道のりを、古代エジプト人たちがどうやって何トンもの重いブロックを運んだのかを説明するものだ。

「このナイル川の支流がなければ、ここにピラミッドを建てることは不可能だった」と、この研究の著者で地理学者のハダー・シーシャ(Hader Sheisha)はニューヨーク・タイムズ(NYT)に語っている。

今なお科学者を悩ませる4500年前の驚異の建築物

カイロ郊外にあるギザのピラミッドは、その大きさと完璧な幾何学模様、複雑な装飾でエジプトの黄金時代のファラオの権力を示す役割を担っていた。

この遺跡群は3つのピラミッドとスフィンクスから構成されており、紀元前2560年から紀元前2540年の間に建てられたクフ王(Khufu)、カフラー王(Khafre)、メンカウラー王(Menkaure)の豪華絢爛な霊廟だ。

「大ピラミッド(Great Pyramid)」と呼ばれているクフ王のピラミッドは最初に建設されたもので、3つのピラミッドの中で最も大きく、石灰岩と花崗岩の推定230万個のブロックから構成されている。ナショナルジオグラフィック(National Geographic)によると、各ブロックの重さは2.5トンから15トンあるという。

大ピラミッドは「古代の七不思議」の中で最も古く、ほぼ無傷で残っている唯一のものだ。当初は約481フィート(約146メートル)の高さがあり、約4000年間、人工建造物としては世界一の高さを誇っていた。

しかし、ナイル川はピラミッドから4マイル(約6.4キロメートル)ほど東にある。この巨大な石のブロックをどうやってピラミッドの建設現場まで運んだのか、科学者や考古学者は長い間その謎に悩まされてきた。

難問を解明する支流の発見

科学者たちは以前から、エジプト人はブロックを水路で運んだのではないかと考えていた。

2013年に発見されたパピルスには、紅海近くにブロックを積み込んだ古代の港の位置が示されており、エジプト人がブロックを川に沿って運ぶ方法を知っていたことを示唆している。

他の発掘調査では、ピラミッドの隣に港が作られていたこと、また港の近くには入り組んだな水路が掘られていたことが示唆されている。

ナイル川が別のルートを辿っていたかどうかを調べるため、科学者たちはピラミッド周辺の砂漠を掘り、パピルスやガマなど水辺に生育する植物の花粉を発見した。

その結果、約4500年前のクフ王、カフラー王、メンカウレ王の統治時代には、ナイル川の支流がピラミッドに向かって伸びていたことが判明したのだ。

この支流は今はもう消失している。ニューヨーク・タイムズによると、干ばつに強い数種の草の花粉から、この川の支流はツタンカーメン王が権力を握った紀元前1350年頃まで、何世紀もかけて次第になくなっていたことが分かったという。

「環境についてより多くのことを知ることで、ピラミッド建造の謎の一部を解くことができる」と、シーシャはニューヨークタイムズに話している。
2022.12.23 23:16 | 固定リンク | 化学
米南部ウォルマート人質「6人死亡」
2022.12.23

警察が従業員を射殺、マネジャーら人質に立てこもり 米南部 6人死亡

米南部テキサス州アマリロの警察は14日、ウォルマート・ストアーズの店舗に人質を取って立てこもった54歳の男が特殊部隊の突入によって死亡したと明らかにした。テロとの関連は見られないという。

当局によれば、男は、昇進について口論となった後、マネジャーや他の従業員を人質に取った。口論の最中、男は天井に1発拳銃の銃弾を放った。その後、マネジャーを店舗の裏にあるオフィスに連れ込んだという。

午前11時6分ごろ通報があり、特殊部隊が約1時間15分後にオフィスに突入した。人質の1人がオフィスから出てきて、男が独りになったと考えられたという。

当局によれば、2人目の人質がいることが分かり、容疑者が拳銃で武装しており人質や特殊部隊員の脅威となる可能性があったため、部隊員が容疑者に向けて発砲したという。
2022.12.23 22:53 | 固定リンク | 事件/事故
コロナ感染、20日間で2.5億人=中国
2022.12.23


コロナ感染、20日間で2.5億人 中国政府推計、内部会議 議事録が出回る

 中国政府が21日に開いた内部会議の議事録が出回り、12月1~20日の国内の新型コロナ感染者数が2億4800万人に達するとの推計が示された。衛生当局関係者は数字について「あくまで推計」との見方を示すが、爆発的な感染の実態把握を、当局も試みている模様だ。会議では来年1月下旬の春節(旧正月)に向けて地方への感染がさらに広がると指摘。医療態勢の強化を急ぐよう指示した。

 会議は、コロナ対策を担う国家衛生健康委員会が主宰。全国の担当者をオンラインでつないで開かれ、その議事録が中国のSNS上で広がった。衛生当局関係者は朝日新聞に対し、この情報について「感染者数や各都市の状況は、あくまで推計として出されたものだ」と語った。

 議事録によると、中国疾病予防コントロールセンターは、20日まで20日間の累計感染者数が、総人口の約18%に相当する推計2億4800万人に達したとし、北京市と四川省では感染率が5割を超えたとした。天津市や湖北省、河南省など6省1市でも2~5割の感染率だとした。
2022.12.23 22:03 | 固定リンク | コロナ
北朝鮮「ワグネル」にミサイル供給
2022.12.23

北朝鮮、ロシア民間軍事会社「ワグネル」に歩兵用ロケットとミサイル供給

 米国家安全保障会議(NSC)のジョン・カービー戦略広報調整官は22日、記者団に対し、北朝鮮がロシアの民間軍事会社「ワグネル」に兵器を供給したことを確認したと明らかにした。ワグネルは、ロシアが侵略するウクライナに戦闘員を派遣している。米英両政府は北朝鮮からの兵器調達が国連安全保障理事会決議に違反するとして非難している。

 カービー氏によると、北朝鮮は11月、歩兵用のロケットとミサイルをロシアに搬入した。ワグネルが代金を支払ったという。カービー氏は「北朝鮮が更なる兵器の供給を計画していることを懸念している」と述べた。兵器供給について、近く国連安保理に提起するほか、ワグネルに追加制裁を科す考えも示した。ワグネルが、これまでにウクライナへ派遣した戦闘員は推計で約5万人に上るという。

 米政府は、ロシアが兵器不足を補うため、北朝鮮から武器の購入を進めていると指摘していた。

 英国のジェームズ・クレバリー外相も22日、兵器供給を非難する声明を出した。ロシアが北朝鮮に接近するのは「絶望と孤立の兆し」だと指摘し、「パートナー国と協力し、ウクライナでのロシアの違法な戦争を支援する北朝鮮に高い代償を払わせる」と強調した。
2022.12.23 21:19 | 固定リンク | 戦争
ゼレンスキー氏,「どうやって米国へ」
2022.12.23

ゼレンスキー氏の訪米、どうやってウクライナからワシントンへ?

ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領をウクライナから無事アメリカの首都まで送りとどけるには、高度な厳戒態勢がとられた。異例尽くしの対応は、両国にとって相手との関係がいかに重要かを物語っていた。

ゼレンスキー氏は20日にウクライナ東部の前線を訪れた後、ワシントンへ向かった。まず深夜に鉄道でポーランドへ入り、そこから米空軍機に乗った。北大西洋条約機構(NATO)の偵察機とF-15戦闘機が護衛していたと伝えられている。

ウクライナ大統領が訪米するかもしれないという話は今週前半に出回り始めたものの、確認されたのは21日朝になってのことだった。ゼレンスキー氏は確実に無事にワシントンへ向かっていると、アメリカ政府関係者が確信できるようになって初めて、訪米は発表された。

ゼレンスキー氏の訪米はもう何カ月も前から検討されていたものの、最終的な準備は素早く行われた。ジョー・バイデン米大統領とゼレンスキー氏は12月11日に、それについて話し合い、米政府はその3日後にゼレンスキー氏を招待した。訪米の実施が確認されてやっと、調整済みの計画を実行に移すことができた。

大方の予想通り、移動ルートは正式にはいっさい公表されなかった。通常の平時でさえ、国家首脳の訪問には厳戒態勢がつきものだ。ましてや戦時下の指導者の移動とあっては、リスクは何倍にも膨らむ。

ロシアによるミサイル攻撃の危険から、ウクライナ領内の飛行機移動は危険すぎた。そのためゼレンスキー氏は、ウクライナ国内を秘密裏に鉄道で移動して隣国ポーランドに入ったようだ。21日早朝には、国境の町プシェミシルの鉄道駅にいるところを目撃されている。

ゼレンスキー氏の訪米はもう何カ月も前から検討されていたものの、最終的な準備は素早く行われた。ジョー・バイデン米大統領とゼレンスキー氏は12月11日に、それについて話し合い、米政府はその3日後にゼレンスキー氏を招待した。訪米の実施が確認されてやっと、調整済みの計画を実行に移すことができた。

大方の予想通り、移動ルートは正式にはいっさい公表されなかった。通常の平時でさえ、国家首脳の訪問には厳戒態勢がつきものだ。ましてや戦時下の指導者の移動とあっては、リスクは何倍にも膨らむ。

ロシアによるミサイル攻撃の危険から、ウクライナ領内の飛行機移動は危険すぎた。そのためゼレンスキー氏は、ウクライナ国内を秘密裏に鉄道で移動して隣国ポーランドに入ったようだ。21日早朝には、国境の町プシェミシルの鉄道駅にいるところを目撃されている。

President Zelensky at a station in Poland
画像提供,REUTERS
画像説明,
ウクライナの隣国ポーランドの鉄道駅で撮影されたゼレンスキー大統領

ポーランドのテレビ局が撮影した映像には、ゼレンスキー氏を含む一行がプラットホームを歩く様子が移っている。背景には青と黄色のウクライナ国旗が見えた。一行はそのまま、待機していた車列に乗り込んだ。車列の中には、複数の黒いシヴォレー・サバーバンもあった。米政府が好んで使う車種だ。

これまでに多くの欧米政府首脳や当局者が、鉄道でキーウを訪れ、ゼレンスキー大統領と会談してきた。しかし、ゼレンスキー氏にとってはロシアの侵攻が始まって以来、初の外国訪問だった。

それから少しすると、ゼレンスキー氏が乗ったと思われる米空軍機ボーイングC-40Bが、プシェミシルから西に約80キロに位置するジェシュフ空港から離陸するのが、フライトデータで確認できた。

米軍機はいったんイギリスの方向に北西へ向かったが、北海上空からイギリス領空に入る前に、NATOの偵察機が周辺をスキャンした。北海は、ロシアの潜水艦がパトロールしている。

ここからはさらに、イングランドの基地から出発した米空軍のF-15戦闘機が、ゼレンスキー氏を乗せた飛行機を護衛した。

ついに、現地時間の正午ごろ、ゼレンスキー氏を乗せた空軍機はワシントン近郊の基地に着陸した。離陸から10時間近くたっていた。ゼレンスキー氏の移動はさらにそれより時間がかかっている。

着陸と同時に、米シークレットサービスが警護を開始。アメリカを訪れる外国トップは誰もがこの扱いを受ける。しかし、ロシアと戦争中の国のリーダーを守るため、シークレットサービスはいつにも増して厳しい警戒態勢を敷いた。

「この国にロシアのアセット(工作員、協力者の意味)がいて、何か行動に出ようとするかもしれないことは、重々承知している」と、政府幹部は米ABCニュースに話した。

「どれだけの大変なことになり得るか、我々も承知している」

訪問は滞りなく済んだ様子で、22日になるとゼレンスキー氏はすでに欧州に戻っていた。帰国途中でポーランドに立ち寄り、アンジェイ・ドゥダ大統領と会談したと、「テレグラム」などに投稿した。

その後、国境を越えてウクライナに入ったとされている。首都キーウに無事に戻ったと確認されるまで、米政府の警戒態勢は続く。「彼は帰宅しなくてはならない。プーチンもクレムリンも、それはわかっている」と、米政府関係者はABCニュースに話した。
2022.12.23 19:22 | 固定リンク | 戦争

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