LINEの法律違反「罰金たったの1億円以下」
2024.05.09
無料通信アプリ「LINE」の利用者の個人情報が不正アクセスで流出した問題に関連して、政府の個人情報保護委員会はLINE運営会社に対して個人情報保護法違反があったとして是正勧告を出しました。

また、LINEの情報流出に関連して、電気通信事業法で定める「通信の秘密」の漏えいがあったとして、総務省が行政指導を行ったとのことです。

個人情報保護法では、個人データの適切な取り扱いと保護を義務付けており、特に個人データの越境移転に関しては厳格な規制があります。企業は、個人データを海外の第三者に提供する際には、本人の同意を得るか、または個人情報保護法が定める義務の趣旨に沿った措置を継続的に講じる体制を整備している事業者に限定されます。

このような法律違反は、企業の信頼性に大きな影響を及ぼすだけでなく、利用者のプライバシーに対する懸念を引き起こす重要な問題です。適切な対応と改善が求められます。

具体的には、LINEヤフーは過去にも個人情報の取り扱いを巡り問題が発覚しており、最近の報道によると、同社のサーバーが第三者から攻撃され、LINEアプリの利用者情報など約44万件が流出した可能性があると発表しました1. 大株主である韓国ネット大手ネイバーと一部システムを共通化していたことが一因だとされています。

具体的には、以下のポイントが報じられています:

流出した情報

今回流出した恐れのある44万件の個人情報のうち約30万件は利用者に関するものであり、LINEの利用者は約9600万人に上ります。流出した情報には、氏名などのプロフィル情報や性別、LINEスタンプの購入履歴などが含まれている可能性がありますが、LINE内のメッセージの内容や利用者の銀行口座、クレジットカードなどの情報流出は確認されていないとのことです。

対応策

LINEヤフーは不審なアクセスを検知した後、ネイバーと共通化する認証基盤から旧LINEサーバーへのアクセスを遮断し、アクセス権がある社員に再ログインの強制実施やパスワードの変更を促し、今後は認証基盤をネイバー側から分離させる方針だとしています。

法的対応

総務省は電気通信事業法に基づいて詳細な報告を求めており、今後の対応を検討しています。

このような個人情報流出問題は、企業の信頼性に大きな影響を及ぼすだけでなく、利用者のプライバシーに対する懸念を引き起こす重要な問題です。適切な対応と改善が求められています。

LINEヤフーによる個人情報流出問題について、個人情報保護委員会は行政上の対応を行っています。以下はその詳細です。

不正アクセスによる情報漏洩

LINEヤフーのサーバーが第三者から攻撃され、LINEアプリの利用者情報など約44万件が流出した可能性があります。

流出した情報には、氏名などのプロフィル情報や性別、LINEスタンプの購入履歴などが含まれている可能性がありますが、LINE内のメッセージの内容や利用者の銀行口座、クレジットカードなどの情報流出は確認されていないとのことです。

勧告と改善策

個人情報保護委員会はLINEヤフーに対して、個人データの安全管理の問題を指摘し、体制の整備とともに改善状況を報告するよう勧告しました。

LINEヤフーは不審なアクセスを検知した後、ネイバーと共通化する認証基盤から旧LINEサーバーへのアクセスを遮断し、アクセス権がある社員に再ログインの強制実施やパスワードの変更を促し、今後は認証基盤をネイバー側から分離させる方針だとしています。

過去の問題と対応

過去にもLINEヤフーは個人情報の取り扱いに問題がありました。例えば、中国の業務委託先の従業員が日本のサーバー内にある利用者の氏名や電話番号などを閲覧できた問題が発覚しています。

総務省は利用者への周知が不十分なまま情報を外部に提供したなどとして行政指導を行い、情報管理体制の見直しが求められています。

LINEヤフーの違反は、日本で最も厳しい違反に適合しています。

日本におけるプライバシー保護の最も厳しい法律は、個人情報の保護に関する法律、通称「個人情報保護法」です。

この法律は、個人情報の適切な取り扱いと保護を義務付けており、国の行政機関や独立行政法人、地方公共団体はもちろん、個人情報を取り扱う全ての事業者や組織が守らなければならない共通のルールを定めています。

個人情報保護法の主なポイントは以下の通りです。

個人情報の定義

氏名、生年月日、住所、顔写真などにより特定の個人を識別できる情報が含まれます。

利用目的の明示

個人情報を取り扱う際には、利用目的を具体的に特定し、本人に知らせる必要があります。

安全管理措置

個人データの漏えい等が生じないように、安全に管理するための措置を講じなければなりません。

本人の同意

特定の個人情報を取得する際には、原則として本人の同意が必要です。

漏えい時の対応

個人データの漏えい等が発生した場合は、個人情報保護委員会に報告し、本人に通知する義務があります。

この法律は、デジタル技術の進展やグローバル化などの経済・社会情勢の変化に対応するため、これまでに数度の改正が行われています。個人情報保護法に関する詳細な情報は、個人情報保護委員会の公式ウェブサイトで確認することができます。

最新の最近の個人情報保護法の改正は。

2022年(令和4年)4月に施行されたものが最新です。主な改正ポイントは以下の通りです。

漏えい等報告・本人通知の義務化

個人情報の漏えい、滅失、または毀損が発生した場合、企業は個人情報保護委員会への報告と本人への通知を義務付けられています。

外国にある第三者への提供

個人データを外国の第三者に提供する際の取り扱いが見直され、提供先の第三者の所在国やその第三者による整備体制に応じた対応が求められています。

保有個人データ開示方法の改正

保有個人データの開示方法に関する規定が改正され、より透明性の高い開示が求められています。

利用停止や消去等請求権の拡大

個人データの利用停止や消去等の請求権が拡大され、利用者の権利が強化されました。

安全管理のために講じた措置の公表等義務の追加: 企業は、安全管理のために講じた措置を公表する義務が追加され、透明性が高まりました。

仮名加工情報の新設

個人情報の中でも特に識別が困難な「仮名加工情報」が新設され、その取り扱いに関する規定が設けられました。

個人関連情報の新設

個人情報とは異なるが、個人に関連する情報「個人関連情報」が新設され、その取り扱いに関する規定が設けられました。

これらの改正は、デジタル社会の進展に伴い、個人情報の適正な取り扱いと保護の重要性が高まっていることを背景に行われています。企業や組織はこれらの改正内容を遵守し、個人情報の適切な管理と保護に努める必要があります。

罰則に関しての法律

個人情報保護法に違反した場合、以下のような罰則が科される可能性があります。

個人情報取扱事業者等の違反

個人情報取扱事業者(企業など)が個人情報保護法の義務規定に違反した場合、個人情報保護委員会は以下の措置を取ることができます。

改善命令

是正命令に違反した場合、刑事罰の対象となります。法定刑は「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」です。

報告徴収・立入検査: 報告を求めたり、立ち入り検査を実施することがあります。

指導・助言: 違反行為をした事業者に対して指導や助言を行います。

法人の違反

法人が個人情報保護法に違反した場合、以下の罰則が科されます。

罰金

法人には「1億円以下の罰金」が科される可能性があります。
虚偽報告など。

報告を求められた場合に虚偽の報告をしたり、個人情報保護委員会の命令に違反した場合、刑事罰が科される可能性があります。

個人情報保護委員会への報告徴収・立入検査に応じなかった場合。

刑事罰(50万円以下の罰金)が科される可能性があります。

個人情報保護法の遵守は重要であり、違反を防ぐために適切な対応が求められています。

他国と比べた日本の個人情報保護法の比較は

日本のプライバシー保護は、国際的な基準と比較しても高い水準にあります。特に、個人情報保護法は日本国内での個人情報の取り扱いに関する基本的な法律として機能しており、個人の権利を保護するための厳格な規制を設けています。

国際的な比較を見ると、日本は以下のような特徴を持っています。

**欧州一般データ保護規則(GDPR)**との整合性

日本の個人情報保護法は、GDPRとの整合性を図るために改正されており、EUとのデータの自由な流れを可能にしています。

アジアの中での位置づけ

アジア地域においても、日本は個人情報保護法により、個人情報の適切な取り扱いと保護を目的としており、シンガポールや韓国といった他のアジア諸国の法律と比較しても進んだ規制を持っています。

ただし、プライバシー保護に関する意識や行動については、日本人の行動意識が他国と比較して低いという報告もあります。例えば、パスワードの定期的な変更やソーシャルネットワークのプライバシー設定のカスタマイズ、モバイルデバイスのパスワード保護などの面で、日本は他国に比べて行動意識が低いとされています。

プライバシー保護は法律だけでなく、個人の意識や行動にも大きく依存するため、法律の整備と並行して、プライバシー保護に対する意識の向上も重要です。
2024.05.09 16:33 | 固定リンク | 法律

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