遺書残し失踪した妻「11ヶ月後」連絡が
2022.12.30

遺書残し失踪した妻、11カ月後に身元特定 夫「気持ちに区切りついた」

長期間身元不明のままとなっている遺体が東京都内だけで3千体以上に上ることが29日、判明した。行方不明となったまま戻ってこない家族。帰りを待つ家族の元に帰そうと、「匠の技」で身元特定へ捜査を続ける捜査員。身元特定の今を追った。

平成29年11月18日夜、埼玉県富士見市の男性(81)宅で、同居していた内縁の妻=当時(78)=は突然、姿を消した。「ありがとう、ありがとう。葬式は安いところで良です」。そう書かれた遺書とともに、携帯電話や財布など身元を示すものは寝室に残されたままだった。

直前まで一緒に晩酌していたが、夜に目を覚ますと妻の姿はなく、慌てて夜通し捜し回ったが見つからない。その数年前、妻は愛犬の死や大病で手術を繰り返すなどし、鬱病を患っていた。男性は19日、埼玉県警に行方不明届を提出した。

妻とは元年に知り合った。男性が営む酒屋にパートとして勤めていたが、13年に閉店すると同時にプロポーズ。籍は入れずに約16年間、連れ添った。「必ず帰ってくる」。男性は心当たりのある場所は捜し尽くし、そう信じて帰りを待ち続けた。

失踪から約11カ月後の30年10月4日。男性の元に電話があった。警視庁で身元不明遺体の身元を専従で特定する鑑識課「身元不明相談室」の捜査員からだった。

29年11月下旬、東京都板橋区の新河岸(しんがし)川で見つかった女性の遺体が、妻ではないかとの連絡だった。自宅を訪れた捜査員が妻の通っていた歯科に確認すると歯の治療痕が一致。DNA型鑑定で妻と特定された。

捜査員が遺体の写真を全国の行方不明者のデータベースの写真と照合する中で、行方不明届の妻の生前の写真と鼻の形が似ていることが判明。遺体が県外で発見された上に、顔面が損傷していたことから、一致するまでに時間がかかったとみられる。

男性は「気持ちに区切りがついた。見つかっていなければ、何年でも帰りを待った」とし、「一番は生きて見つかることだったが、うちに帰って来られて本当によかった…」と話した。(王美慧)

■帰りを待つ家族の元に帰す 「身元不明相談室」

さまざまな事情を背負った死者の尊厳を守り、帰りを待つ捜索者の頼みの綱となっているのが、警視庁の「身元不明相談室」だ。

「かなり高い確率で、ご本人で間違いないでしょう」。今年9月、身元不明相談室の応接室で、ある2枚の写真をじっと見比べていた女性捜査員(35)は、行方不明の兄を捜して訪れた妹にそう告げた。

写真は、2月に都内で遺体で発見された身元不明の男性の写真と、妹が持ってきた兄の写真。男性は自殺とみられ、身分証など何も持っていなかった。相談室のホームページに公開された似顔絵を見た妹が訪問。約1カ月後、DNA型鑑定で兄の遺体と確定し、特定につながった。

捜査員が男性を特定した決め手は鼻の形とホクロだった。「遺体の鼻や耳は死後も形が変わりにくく、腐敗が進んでも特定につなげやすい」と、死後変化を踏まえた独自のノウハウで、捜査員は本人か見極める。

「自殺者の多くは誰にも知られないよう、あえて身分証や携帯電話など何も持たないとみられる」と主任の溝口和紀警部補(58)。

相談室では4人の捜査員が遺体の身元特定に専従。相談対応に加え、署だけでは特定が難しい遺体の捜査に当たり、並行して3千体を超える長期の身元不明遺体の捜査も担う。

全国の身元不明遺体と行方不明者を登録した警察庁の膨大なデータベースから合致者がいないかを捜す任務。1体に対し500~1千人以上の行方不明者の顔写真を見比べる。腕時計やメガネの製造番号、着衣の販売履歴から身元を割り出すなど、わずかな手掛かりから捜し続け、相談室は年約20体の身元を特定。溝口警部補は「ここは行方不明者を捜す人が最後に頼る場所。一日でも早くご家族の元に帰したい」と力を込めた。

似顔絵も重要な手掛かりだ。似顔絵捜査員が遺体の写真などを基に、生前の顔立ちを再現する。鑑識課の似顔絵捜査員、加藤治巡査部長(43)は遺体の死後変化も考慮するといい、「顔の陰影も起こした状態を想像し、目も開いた姿に描くなど、生前に接した方から情報が得られやすいよう工夫する」という。

白骨遺体も復顔法で、顔立ちをよみがえらせる。頭蓋骨の撮影と計測をし、骨格から目の位置や鼻の高さ、口の大きさを再現。筋肉や皮膚の厚みなどは医学的な統計値を参考に肉付けする。体形は、着衣や捜査で得た生活状況の情報を総合して判断する。加藤巡査部長は「似顔絵が身元特定につながる一助になってほしい」と話した。
2022.12.30 07:11 | 固定リンク | 社会
「中国産ゴボウ」国産と偽装=毛利商店(鹿児島県)
2022.12.26

「中国産ゴボウ」国産と偽装 福岡などで10年以上販売 鹿児島の会社「国産出しても赤字になる」

北九州市を中心に福岡県などで流通しているゴボウの一部が、中国産にも関わらず国産として10年以上にわたって販売されていたことが分かりました。

「ゴボウと書かれた箱が大量に積まれています。こちらのゴボウ、中国産にも関わらず、青森産と産地偽装されていました」

産地偽装をしていたのは、鹿児島県出水市の青果物販売加工会社「毛利商店」です。

中国産のゴボウを青森県産などと偽り、北九州青果などに卸していた事が関係者への取材で明らかになりました。

北九州青果が取り扱うゴボウのうち2割近くを占めていて、取引を開始した2010年から10年以上にわたって偽装が行われていたということです。

◆北九州青果担当者
「驚きも怒りもどちらもですね。少しでも早くですね、回収できるようにというところが一番ですね」

24日、TNCの取材に応じた「毛利商店」の男性社長はー

◆毛利商店 毛利強 社長
「『偽装しました』というのは100%間違いないです。国産を買って出しても、採算が…うちが出した時点で赤字になるから、従業員も抱えてるし支払いもあったし、偽装して少しでも売り上げを上げて」

「総額はいくら?」

◆毛利商店 毛利強 社長
「今年の売り上げで5000~6000万円」

長年に及ぶ偽装行為は12月20日、農水省が行った抜き打ち検査で発覚したということです。

「毛利商店」は北九州青果の他、飯塚市と愛媛県の青果卸売会社と取引を行っていて、今後、「補償などの対応にあたりたい」としています。
2022.12.26 16:16 | 固定リンク | 社会
売春「街に立つほうが稼げる」
2022.12.26

「パパ活より街に立つほうが効率的に稼げる」 25歳・実家暮らしの彼女が歌舞伎町にたたずむ訳は?

試しに立ったら、5秒で声がかかった

マスクをとった星野恵梨香は美人だった。

口調や人当たりも明るく、どう眺めても普通の一般的な女の子である。神奈川県で実家暮らしの25歳、仕事は非正規の倉庫作業をしている。2022年7月末から大久保病院前で街娼をしているという。

「キッカケはTOHOシネマズの前に、そういう女のコを探しているオジサンたちがいるって知ったから」

違法行為をしている街娼との会話は苦戦を強いられるが、星野恵梨香は一瞬で事情を察してくれて普通に語ってくる。

「(TOHOシネマズに上る)エスカレーター前に雨宿りできるような所があるじゃないですか。そこに立った。お金が欲しかった。そのときオジサンに声をかけられて、条件いくら? って。今日は時間ないから行けないけど、他にオジサンが集まるスポットがあるって大久保病院前を教えてもらって、連れて行かれた。そしたらホントに女の子がたくさん立っていた。オジサンもいっぱいいた」

星野恵梨香はオジサンに言われたとおり、病院前に試しに立った。中年男性から5秒で声がかかった。2万円という条件を言うと、相手はうなずいたのですぐに近くのラブホテルに行った。それが初めての売春行為だった。

それから時間を見つけては、大久保病院前に行って街娼をするようになった。

「月30万~50万円くらい欲しい」その理由は...
「お金が欲しい理由はホストに行きたいから。シンプルにお金を稼ぎたい。私はそんなにボンと使うタイプじゃなくて、飲むのが好きだから回数会いに行きたい。だから一度に使うのは5万円とか、それくらい。週2回は行きたい。だから月30万~50万円くらい欲しい。そのお金を稼ぐために立っている」

どうも、大久保病院前に立っている女の子たちのほとんどはホス狂いのようだ。

星野恵梨香は、担当に恋愛をして入れ上げるタイプではなく、ホストクラブで遊ぶのが楽しくて趣味になっているようだった。どうしてホストクラブに行くようになったのか。

「5月に女友だちと歌舞伎町に3人で行った。そのときキャッチから声をかけられて、ホストどう? って。最初は断った。でも楽しいよって言われて、お酒を飲めるし、安くいけるからって行った。それで、私だけハマっちゃった。お酒を飲むのがすごく好きで、それにカッコイイ人とお酒を飲めるのが楽しい。最高に楽しいと思ったので通っています」

イケメンとお酒が好きなので担当はコロコロ変わる。

「イケメンがいい。ついた担当と飲むのが楽しい。ホストってカッコイイし、話も上手で、ノリいいし話も聞いてくれる。それなら普通のバーに行けよって言われるけど、ホストってやっぱ違う。やっぱカッコイイ人と飲むお酒って特別おいしい。たぶん女の子にしかわからないけど、男の人がめちゃくちゃかわいい女のコと飲むお酒がおいしいのと一緒だよ」

正社員で就職したが、残業が嫌になり...
高校卒業後、新卒で地元のスーパーマーケットに就職している。レジ担当になって日々レジ業務をしていた。収入は手取りで月15万円、ボーナスは6万円だった。

低賃金は若い正社員なので仕方ないと思っていたが、残業も多かった。20歳のとき、残業が嫌になって派遣の倉庫作業に転職した。倉庫は残業がなく、黙々とピッキングする作業だった。

ラクで性に合っていて5年間続けた。

そんなときに、友だちと歌舞伎町のホストクラブの初回に行った。

ホストはライブとチェキ代だけで済むビジュアルバンドや、メンズ地下アイドルとは桁違いのお金がかかった。お金がかかる趣味をもってしまったので、倉庫以外にメンズエステでも働くことにした。

そして、歌舞伎町の街娼の存在を知って病院前に立つようになった。街娼で手っ取り早く稼ぎたいので、倉庫は辞めた。いまはメンズエステと街娼が収入源となっている。同居する親には「歌舞伎町のコンカフェで働いている」と伝えている。

20代前半で美人でも「1万5000円で渋られる」
星野恵梨香は街娼歴2カ月、歌舞伎町の街娼とは、いったいどのような仕事なのか詳しく聞いていくことにする。

「人が増えてくるのは19時過ぎ。19時くらいに立つと、すぐに声がかかる。『お姉さんは遊べる人?』って言われて、『遊べますよ』って。『いくら?』って聞かれるから、交渉して成立したら遊ぶ。ゴムありで1万5000円。私、ずっと2万円って言ってきたけど、9月になって一気に値段が下がった。いまは1万5000円でやるしかないです」

あまりに安い金額に驚く。20代前半の日本人、スレンダーで美人といういくつもの好条件をもっていてもその金額だという。

「未成年の女の子が安く売っちゃうせいで、それが広まって相場がどんどん下がった。いまはもっと、めちゃ下がっている。ちょっと前までだったらゴム1万5000円は即決なのに、いまはゴムありで1万円でヤッちゃう女の子もいる。最近は1万5000円って言っても、ごめん1万円でいける子を探しているからって断れることが増えた。7月は2万円でポンポンいけたのに、いま2万円でいけたらラッキーなくらい」

売春価格は需要と供給で決まる。ホス狂いの女の子たちがこぞって大久保病院前に立ったことで供給過剰になってデフレ状態になっていた。

40代、50代の中年男性たちが何も知らない未成年の女の子を買い叩いて、その価格が街娼全体に波及してしまっているようだ。

「おじさんが調子に乗って値下げしてくる。1万5000円でめちゃ渋られる。あそこは貧乏なおじさんしかいない」

シャワーは一緒に浴びる

立ち話で交渉、1万5000円で合意したとする。どこのラブホテルに行くかは男性が決める。高級ラブホテルに行く人はほとんどいない。大久保病院に隣接する安価なラブホテルを選ぶ。

「部屋に入ってまず雑談。そこからシャワーを浴びる前に前払いでお金をもらって、一緒にシャワーを浴びる。セックスが終わったら、また一緒にシャワーを浴びる。それでちょっとしゃべって一緒にホテルを出て、バイバイみたいな」

取りっぱぐれがないように前金でお金をもらうのは、売春の基本だ。それぞれでシャワーに入るとお金や物を盗まれるリスクがある。だから、一緒に風呂に入る。風俗のように時間が決まっているわけでない。女の子からすれば早く終わるに越したことはない。

「時間は人による。早い人は10分とかで終わる。長い人でも30分とか。でも、私はそんなに長くかかる人に当たったことないかな。早くイカせるためにアソコを絞めつけるとかやっている子もいるけど、私は何もしてない。すぐ終わる人は、シンプルにイクのが早いだけ」

メインは40代、みんなお金がない

割り切ったセックスだと、ガツガツして体力がある若者より、オヤジのほうがいいという女性もいる。彼女はどうなのだろうか。

「相手の年齢とかあんまり関係ないかな。たしかに若い人って体力があるから時間がかかる。だから回転したい人はおじさん相手でもそれなりに早く終わる人のほうがありがたい。それと若い人のほうが意外と長い時間一緒にいたい、みたいなのが多い。その見極めが難しい。若い人でも早く終わる人もいるし、やってみないとわからない」

客のメインは40代、みんなお金がないらしい。

「スーツ姿のサラリーマンでもお金がない。30代のちょっとスラッとした感じのサラリーマンもいるけど、そういう人たちでも1万円って人が多い。風俗より安いから立ちんぼってことだと思う」

売春価格1万5000円は風俗やパパ活と比較しても、立ちんぼの過去相場を振り返っても、圧倒的に安い。それでも街娼をするのは、短い時間で数をこなすことで売り上げを伸ばすという考え方のようだ。

男性の属性が中小企業経営者が中心のパパ活の場合、彼女だったら5万円以上は取れる。しかし、食事→ホテルというデートの形になるので時間がかかる。

長期的な人間関係を築くパパ活のほうが男性の質はいいし安全だが、大久保病院前に立っている彼女たちは、"不特定多数で手っ取り早く安価"という立ちんぼを選択している。

ここの相場はあまりに安い

「ムカつくのが『ここで立っているコのなかでいちばんかわいい』って声かけして、2って言ったら、2かあ......って渋る奴。そんなのばかり。みんなお金ないし、ケチ。あと、パパ活はワクワクメールでやってたけど、ドタキャンが多すぎ。待ち合わせ場所まで行って洋服まで教えたのにドタキャン。そんなのばかり。だからサイトは使いたくない。

あとは顔がわからないのは怖い。立ちんぼだと顔がわかるのはメリットで、この人とは行きたくないと思ったら断れる。ただ相場が安すぎる、それが一番の不満です」

星野恵梨香の話は終わった。今日は立つつもりで歌舞伎町に来ているので、大久保病院前に戻るという。お礼を言って5000円を渡すと、彼女は病院前に戻って行った。

お会計をして筆者たちも病院前に戻ってみると、彼女はすでにオヤジと立ち話をしていた。オヤジは星野恵梨香と必死に何か交渉するが、すぐに諦めて隣の女の子に移った。おそらく1万円と食い下がったのだろう、と思った。
2022.12.26 14:59 | 固定リンク | 社会

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