旧ソ連資源掘削に「小型核兵器124回」も
2023.05.19


旧ソ連は核兵器を平和利用と称して地下資源採掘に利用してきた。その後も秘密は封印され、ロシア指導部は否定も肯定もしていない。

地下資源採掘のため核兵器(広島型の6分の1)を124回も利用。旧ソ連は資源採掘に300百年分をたった1回の核兵器で採掘できることで、スターリンのもと124回も続けることになった。一方これらの事実は完全に封じられ、口外者は厳重に処罰されるのだった。

核エネルギー利用の危険性は、核兵器や原発事故を前提に語られてきた。だが原爆で国土開発する実験に失敗し、住民が被ばく、村が滅んだ特異な例がある。旧ソ連でちょうど50年前に起きた「原爆事故」の真相を探った。

ボルガ川と紅葉した対岸の森の対比が美しい。この森の奥、工業用核実験場グロブス1で1971年9月、「イワノボのヒロシマ型原爆」と呼ばれる事故が起きた。

当時の惨事を、現地メディア「ロシア・ビヨンド」はこう伝える。

旧ソ連は65年以降、人工貯水池を造ったり、地下資源を探査したりするために原爆を「人民経済のための核爆発」として、工業利用してきた。ツルハシで土を掘ったり、ダイナマイトで発破を掛けたりするよりも、核爆発の方が手っ取り早いと考えたからだ。

71年9月、グロブス1では、広島の原爆の6分の1の威力の核爆弾を地下610メートルで爆発させた。ところが想定外にも、放射性物質で汚染された地下水や土砂が地表に20日間にわたって噴出。最大1万平方メートルの土地が汚染された。

■当局は実験場に「立ち入り禁止」の看板を立て、技術者たちは安全な場所に撤退した。

ロシア・ビヨンドによれば、好奇心から事故現場の穴に立ち入った少年2人は「みるみる弱って死んだ」と伝える。奇形の家畜も生まれた。核事故の情報は隠され、自家用にと実験場の資材を取りに行った住民も死んだとされる。

核政策に詳しい元プラウダ紙科学部長、ウラジーミル・グバレフ氏(83)によると、ソ連は鉱物掘削などに絡む「平和的な産業利用」の核爆発を124回も実施。「300年の作業が数年で終わった」と評価している。

85年に就任したゴルバチョフ書記長は、米国と核軍縮に動き、ソ連の核の工業利用は封印されることになった。

■生存者が証言「ようやく話題にできた」

「グロブス1」跡地近くのレシュマ村で、ニーナ・ルィービナさん(57)から「ヒロシマ原爆事故」の証言を得た。一問一答は次の通り。

―事故の影響は。

「当時、私は7歳で爆心地から12キロの村に住んでいた。翌年から大きなキノコが生えてきた。事故について政府の説明はなかったが、森への立ち入りやキノコ狩りは禁じられた。年2回、医者が学校に来るようになり、ヨウ素入りの薬が処方された」

―奇形の動物が生まれたとの説がある。

「2年後、双頭の子牛が生まれた。母が勤めていた農場で私も見たので事実だ。事故後はがんで死ぬ人が増えた。若くして死んだ人もいる。私の2人目の子どもは皮膚が黄色くなり、モスクワの特別な病院に連れて行かれた。そこには(核関連施設がある)中部チェリャビンスクの子どもたちも治療に来ていた」

―実験場での爆発時は。

「地震があった。窓が割れるほどではなく、家がゆらゆらする感じ。母によれば、赤いトラックが来て土壌を交換していった。こうした出来事は口外できず、ペレストロイカ(1980年代後半の改革期)が来て、ようやく話題にできるようになった」

―原発など核エネルギーの利用に賛成か。

「太陽光はこの地で十分ではない。石炭も(埋蔵量が)いずれ尽きる。核エネルギーは神様が造ったものだから利用しなければ」
2023.05.19 22:59 | 固定リンク | 事件/事故
ゼレンスキー氏「G7出席or広島訪問」へ
2023.05.19
■ウクライナのゼレンスキー大統領、G7出席で訪日へ-関係者


ウクライナのゼレンスキー大統領は、主要7カ国首脳会議(G7広島サミット)に参加するため、広島を訪れる。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。

非公開情報を理由に関係者が匿名で語ったところでは、ゼレンスキー氏はアラブ連盟首脳会議出席のためサウジアラビアに立ち寄った後、米軍用機で日本に向かう予定という。

米国家安全保障会議(NSC)の報道官はコメントを控えている。

G7広島サミットでは、ゼレンスキー大統領のスケジュールに合わせてウクライナに関するセッションが21日に予定され、オンライン形式での参加になると日本政府の当局者はこれまで説明していた。日本の外務省報道官は19日の取材に対し、それ以上のコメントを控えた。

ロシアのプーチン大統領が、侵攻したウクライナで核兵器を使用するとの威嚇を繰り返す状況を考えると、78年前に世界で初めて原子爆弾が投下された被爆地・広島をウクライナの大統領が訪問することは、特に象徴的な意味を持つ。

■速報】ウクライナ・ゼレンスキー大統領 広島訪問へ

ウクライナのゼレンスキー大統領が、G7サミットが開かれている広島を訪れることが分かりました。

ウクライナのゼレンスキー大統領は広島を訪れ、現在、開催中のG7サミットに参加するということです。アメリカの政府関係者が明らかにしました。

ゼレンスキー大統領は、当初の予定ではきょうの会合にオンラインで参加する見通しとなっていましたが、きのうになって日本政府が予定が変更になり、あさって午前中の会合にオンラインで参加することになったと発表していました。

ゼレンスキー大統領をめぐっては、ブルームバーグ通信も先ほど「広島に向かいG7サミットに参加する」と関係者の情報として報道したほか、イギリスのフィナンシャルタイムズも「ゼレンスキー大統領が週末に対面でG7サミットに参加する」と伝えています。

■ゼレンスキー大統領が21日訪日 日本政府高官が「最終調整中」

 ウクライナのゼレンスキー大統領が21日に日本を訪問し、広島市で開かれる主要7カ国首脳会議(G7サミット)に出席すると英フィナンシャル・タイムズ紙などが19日、伝えた。日本政府高官は「戦況次第だが、最終調整中だ」と語った。訪日すればロシアによるウクライナ侵攻後、初めて。G7サミットではウクライナ情勢も主要議題の一つで、支援強化を訴えるとみられる。

 ゼレンスキー氏は3月に首都キーウ(キエフ)を訪問した岸田文雄首相と会談。岸田氏は議長国としてゼレンスキー氏をG7サミットに招待した。日本政府は18日夜、ゼレンスキー氏が21日の討議にオンライン参加するとしていた。ウクライナは近く領土奪還に向けた反転攻勢に出る見通しで、G7首脳に支援強化を直接求める必要があると判断したとみられる。

 ゼレンスキー氏は2022年12月、侵攻後初の外遊となる訪米でバイデン大統領と会談。G7サミットを目前に控えた今月13~15日には英仏独伊の4カ国を歴訪して各首脳に武器支援の強化などを要請していた。G7で訪問していないのは日本とカナダだけだった。

■ウクライナ支援継続を確認 岸田首相、仏独カナダ首脳と個別会談 広島サミット

 岸田文雄首相は19日午前、先進7カ国首脳会議(G7サミット)開幕に先立ち、広島市内のホテルでフランスのマクロン大統領、ドイツのショルツ首相、カナダのトルドー首相と個別に会談した。

 ロシアの侵攻を受けるウクライナに対し、引き続き支援していく方針を確認した。

 首相はマクロン氏との会談で「私の地元にようこそ」と歓迎。「フランスとの連携を一層深化させたい」と語った。マクロン氏はウクライナ情勢に触れ、「G7が連携し続けていることを見せる必要がある」と応じた。

 ショルツ、トルドー両氏とは、威圧的行動を強める中国に結束して対応することを確認。G7と中ロの双方から距離を置く新興・途上国「グローバルサウス」との連携の重要性でも一致した。 
2023.05.19 13:39 | 固定リンク | 国際

- -