ロシア軍司令部壊滅「ウ軍反転大攻勢」
2023.05.13

■ロシア軍爆撃機墜落 西部で露軍ヘリ墜落 2人死亡

ロシア西部のブリャンスク州でロシア軍機が墜落したと現地メディアが報じました。

ロシア西部のクリンツィで13日、ロシア軍機が墜落する様子を捉えた映像がSNSで次々に投稿されました。

タス通信によりますと、墜落したのはロシア軍のヘリコプターで、搭乗していた2人が死亡したということです。

ヘリが墜落した町の住人に死者はいませんが、ブリャンスク州知事は女性1名がけがをし、住宅5棟が損壊したとコメントしています。

さらにウクライナ国境付近でもロシア軍の戦闘爆撃機が墜落したという情報もありますが、いずれも詳しい原因は分かっていません。

■ウクライナが東部で反攻、ロシア軍司令部で大規模爆発…英ミサイル「ストーム・シャドー」か

ウクライナ軍報道官は12日、ロシア軍が全域制圧を狙う東部ドネツク州の要衝バフムト周辺で、過去3日間に約17平方キロ・メートルを解放したと強調した。米CNNも12日、ウクライナ軍の反撃を受けた露軍が市北郊で約5キロ・メートル後退したとの見方を伝えた。ウクライナ軍は大規模な反転攻勢の準備段階として、東部で反撃を強化し、露軍に揺さぶりをかけているとみられる。

露国防省も12日の発表で、露軍部隊がバフムト北郊の貯水池周辺まで撤退したと認めた。ウクライナ軍はバフムト南西でも集落を奪還した。いずれも幹線道路に近く、補給が改善する。

ウクライナ軍は、ドネツク州と隣接する東部ハルキウ州東端のクピャンスク方面などでも反撃を強めているとの情報がある。タス通信などによると、ロシアが一方的に併合した東部ルハンスク州の州都ルハンスク中心部で12、13の両日、露軍の司令部などで大規模な爆発が起きた。州都は最前線から約100キロ・メートル後方にある。露国防省は13日、ウクライナが、英国から供与を受けた長射程巡航ミサイル「ストーム・シャドー」を使ったと非難した。

一方、ウクライナ空軍によると、13日に発射された露軍の無人機21機のうち、17機を迎撃した。首都キーウ周辺では全て迎撃したが、西部フメリニツキー州では医療施設などに被害が出て、州知事によると21人が負傷した。

■ロシア国防省、バフムート北郊での後退を認める

ロシア国防省は12日、ウクライナ東部の激戦地バフムートの北郊からロシア軍が後退したことを認めた。より有利な防御陣地に移動したと主張している。

国防省は日次の情報更新で「防御の安定性を高めるため、ロシア軍『南部』グループの部隊はマロイリノフカ方面の戦線を占領した」と述べた。

国防省は、これにより「ベルヒフカ貯水池の有利な条件」を利用できるようになるとしているが、実質的には数キロの領域を失ったと認めたことになる。

ロシア民間軍事会社ワグネルの創設者エフゲニー・プリゴジン氏は国防省の発表に反応し、「これは逃亡であって、再編とは呼べない」と指摘。後ほどさらなる詳細を公表すると約束した。

今回の発表に先立ち、ロシア国防省は11日深夜に異例の声明を出し、ウクライナ軍がバフムート周辺の前線を突破したとの報道を否定していた。

ウクライナの国防次官は12日、ウクライナ軍が過去1週間でバフムート周辺のロシア軍を2キロ押し返すことに成功したと述べた。

■「自ら前線に入り状況確認を」ワグネル創設者がショイグ国防相に手紙 ロシア側への批判強める バフムトで激しい戦闘続く

ウクライナ情勢です。東部の要衝バフムトで激しい戦闘が続く中、ロシアの民間軍事会社ワグネルの創設者は、ロシア国防相に自ら前線で状況を確認するよう求める手紙を公開しました。

東部の要衝バフムトについて、ロシア国防省側への批判を強めるワグネルの創設者プリゴジン氏は12日、SNSでショイグ国防相に宛てた手紙を公開。

プリゴジン氏は「バフムト制圧に向けて攻撃を続けているが、ウクライナ軍も多くの反撃を成功させている」としたうえで、ショイグ国防相に対し、前線に入って「自分で状況を確認するよう求める」と呼びかけました。

バフムトをめぐっては、プリゴジン氏が国防省側からの弾薬供給が止められたとしてショイグ氏らを名指しして批判し、一時、部隊を離脱させると表明していました。

■ロシア異変!プーチン政権への公然批判が噴出 〝謀反の火種〟内紛状態に陥りつつ…「ワグネル反乱恐れ弾薬与えない可能性」

ウクライナ侵略を続けるロシアに異変が生じている。最激戦地の東部ドネツク州バフムトに参戦しているロシアの民間軍事会社「ワグネル」創設者のエフゲニー・プリゴジン氏が、ロシア正規軍を「陣地を捨てて敗走している」と非難した。弾薬の供給不足などでたびたび指導部にブチ切れるプリゴジン氏に、専門家は〝謀反の火種〟があるとみる。ロシア軍の元大佐もウラジーミル・プーチン政権を公然と批判するなど、内紛状態に陥りつつある。

■正規軍ののしる

プリゴジン氏は11日、「一部地域でウクライナ軍が反撃に成功している」とする声明をSNSで発表した。「事態は最悪のシナリオで進んでいる」とも述べ、正規軍のていたらくぶりをののしった。さらには「バフムトには戦略的重要性がない」とも訴え、同地域を制圧する意義に疑問を呈した。

ウクライナ軍も10日、露軍の精鋭である第72独立自動車化狙撃旅団をバフムトから撤退させたと報告した。米シンクタンク「戦争研究所」は10日、「ウクライナ軍がバフムト周辺で局所的な反撃に成功している」と分析した。

ウクライナ戦線で存在感を高め、「ポスト・プーチン」の見方もあったプリゴジン氏だが、ここにきて指導部批判を繰り返している。11日には弾薬供給の「約束が果たされていない」としてバフムト撤退の可能性を改めて示した。

筑波大学の中村逸郎名誉教授は「プリゴジン氏が非難を強めているのは、ウクライナの前線で多くの死傷者が出る中で、相当な不満がたまっていることを示している。プーチン政権が弾薬を与えないことも、クレムリン(大統領府)側がワグネルに反乱を起こされることを恐れているのかもしれない。前線ではワグネルの力が必要なだけに、プーチン氏も処遇に困っているのではないか」と指摘する。

■プリゴジン氏は「危険な存在」内乱か

プーチン政権批判は別のところからも噴出した。ロシア軍元大佐のイーゴリ・ギルキン氏らが創設した民間団体「怒れる愛国者クラブ」が12日、モスクワで記者会見し、ウクライナ侵攻は「停滞している」と批判した。ウクライナ侵略への異論が封じられているロシアで、公然とした政権批判は異例だ。

ギルキン氏はウクライナ東部の親露派「ドネツク人民共和国」で2014年に「国防相」を務めた。14年にウクライナ東部で298人が死亡したマレーシア航空機撃墜事件で殺人罪に問われ、オランダの裁判所から終身刑を言い渡されている札付きの存在だ。

ギルキン氏は、昨年2月から続く侵攻でのロシア軍の戦いぶりを「受け身に回っていて、作戦の目的が達成できていない」と訴えた。プリゴジン氏については「非合法の武装集団を操る危険な存在」と斬り捨てた。会見参加者の1人は、来年春の次期大統領選で独自候補擁立も視野に入れていると述べるなど、反プーチン、反プリゴジンの姿勢を明確にした。
2023.05.13 22:37 | 固定リンク | 戦争

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