バフムトからロシア軍が撤退=ウクライナ反撃
2023.05.11


■ウクライナ陸軍司令官「バフムトで効果的な反撃」ロシア軍が一部撤退

激しい攻防が続いているウクライナ東部・バフムトの戦況についてウクライナ軍の司令官は、「効果的な反撃を行っている」と述べ、一部でロシア側を押し返している模様です。

ウクライナ陸軍のシルスキー司令官は11日、SNSに投稿し、「ウクライナ部隊のよく考えられた守備で効果的な成果が出ている。このため敵は最大で2キロ後退した」と述べました。

そのうえで、「訓練された(ロシアの民間軍事会社)ワグネルの部隊が疲弊し、代わりに訓練の不十分なロシア軍部隊が配置されたが、戦闘で敗北し撤退している」と明らかにしています。

また、ワグネルの創設者プリゴジン氏は10日、ロシア軍の部隊がバフムト南部の陣地から逃走したため、ワグネルの戦闘員に多くの死者が出たと明らかにしています。

アメリカのシンクタンク戦争研究所は「バフムトではロシア側は場当たり的な対応と指揮系統の失敗で、効果的な作戦実施が妨げられている」と分析しています。

■激戦地バフムトで…ロシア側の“足並みの乱れ”表面化 民間軍事会社「ワグネル」再びロシア批判も

ウクライナ東部の激戦地バフムトで攻防が続く中、ロシアの民間軍事会社「ワグネル」の創設者・プリゴジン氏が9日、新たな動画を公開しました。動画によると、届いた弾薬は要求していた量のわずか10%で「我々はだまされた」とロシア側への不満をあらわにしました。足並みの乱れが表面化しています。

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ロシアでは9日、第二次世界大戦の「戦勝記念日」を迎えました。プーチン大統領は演説で「祖国に対して、再び本当の戦争が行われている」と述べ、西側諸国を非難しウクライナへの軍事侵攻を続ける考えを改めて強調しました。

同じ日の朝、ウクライナの首都・キーウ上空には一筋の煙が…。ロイター通信はウクライナ側の発表として、ロシア軍が9日朝にかけて巡航ミサイル25発をキーウなどに発射し、うち23発が迎撃されたと報じました。

ゼレンスキー大統領は、“ロシア側が戦勝記念日(9日)までにウクライナ東部の激戦地バフムトを制圧できなかった”として、攻防が続いていることを強調しました。

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戦闘の最前線となっているバフムト。今ここでロシア側の足並みの乱れが表面化しています。バフムトで戦闘を続ける民間軍事会社「ワグネル」創設者のプリゴジン氏は、9日に公開した新たな動画で「昨日(8日)戦闘命令が来た。(バフムトの)陣地を離れると、祖国に対する反逆とみなされることが明記されていた」と話しました。

バフムトから撤退した場合、「国家への反逆」とみなすと脅されたというのです。プリゴジン氏は5日、十分な弾薬が供給されていないとして「10日にバフムトから撤退する」と表明していました。そして、ロシア国防省を猛批判しました。

ワグネル創設者・プリゴジン氏(5日公開 プリゴジン氏SNSより)
「ショイグ(国防相)! ゲラシモフ(参謀総長)! 弾薬はどこだ!」

その後、7日になって方針を転換。“必要な弾薬と武器が約束された”として、バフムトでの戦闘の継続を示唆していました。

新たに9日に公開した動画によると、届いた弾薬は要求していた量のわずか10%で、「我々はだまされた」と不満をあらわにしました。その上で、プリゴジン氏は「“おじいさん”が最終的にクソ馬鹿であることが明確になったら、国はどうすればいい? 戦争にどうやって勝てばいいのか?」と批判しました。

具体的な名前は挙げませんでしたが、ロシア側の関係者を“おじいさん”と、やゆしたものとみられます。

■「我々はぬけぬけとだまされた!」プリゴジン氏、ロシア軍幹部にまたキレる 弾薬が要求の10%しか届かず…内輪もめ再燃か

ロシアの民間軍事会社「ワグネル」のトップ、プリゴジン氏が、再びロシア国防省へ怒りのメッセージを発した。

数日前、鬼の形相でロシア国防省への怒りをあらわにしていた、民間軍事会社「ワグネル」のトップ、プリゴジン氏。

軍の支援を受けることが決まり、プリゴジン氏の怒りも収まったはずだった。しかし…。

プリゴジン氏:
のんきなじいさん、まったくもって能ナシ野郎だ。

内輪もめに、再び火が付いた。

真っ暗な夜空に、ロシアの国旗を表した白・青・赤の花火が輝いている。

9日は、ナチスドイツへの勝利を祝うロシアの戦勝記念日だ。

モスクワでは、プーチン大統領が国民を鼓舞する演説をした一方で、戦場にいるプリゴジン氏は怒っていた。

「ワグネル」プリゴジン氏:
我々は、ぬけぬけとだまされたんだ。

プリゴジン氏は額に深いしわを作りながら、カメラに向かって訴えかける。

「バフムト離れたら母国への反逆とみなす」
軍から届いた戦闘命令には、こう書かれていたという。

「ワグネル」プリゴジン氏:
「バフムトを離れたら、母国への反逆とみなす」だと…。弾薬が無ければ、我々は離れる。本当に母国を裏切っているのは誰なのか、問いただしてやる。

弾薬の供給を訴え続けてきたプリゴジン氏。しかし、届いた弾薬は、要求のわずか10パーセントだということだ。

■ワグネル創設者「ロシア国家は国民を守れない」

「弾薬がない!」と激怒していた顔からは一転、悟ったような穏やかさでロシアの終わり?を示唆するプリゴジン

ロシアがナチス・ドイツに勝利を収めた戦勝記念日の5月9日、ロシア民間軍事会社ワグネルのトップ、エフゲニー・プリゴジンは、ロシア政府とロシア軍幹部は祖国を守れないと厳しく糾弾した。

プリゴジンはこの発言を自身のテレグラム・チャンネルでおこなったが、その前から「戦勝記念日の祝賀パレードが終わったら自身の見解を明らかにする」とほのめかしていた。

プリゴジンはこれまで、ウクライナでの戦争遂行に関してロシア軍の司令部をたびたび批判。東部の激戦地バフムトで戦うための弾薬を提供しないロシア国防省をも激しく非難、バフムトからの撤退もほのめかしていた。

ワグネルの部隊は結局バフムトに留まるとプリゴジンは述べた。部隊が持ち場を離れれば、それは「反逆」と見なされると言われたという。弾薬が足りなくて撤退する場合、反逆者はどっちだとプリゴジンは言う。必要な弾薬はすべて与えるとも言われたが、「それはワグネルに去られては困るからで、感情的な話だ」と冷めている。

ワグネルの部隊が撤退すれば、「ウクライナ軍は、ロストフ(ウクライナとの国境に面したロシアの州)に達するだろう」とプリゴジンは述べる。

ウクライナの反攻は近い
また「ロシア軍の一部隊が持ち場を放棄して脱走」し、前線に2キロにわたる穴を開けたという。「前線が崩壊しないようにするため、あらゆる手を尽くしているところだ」とプリゴジンは述べた。

また、ロシア西部のベルゴロド州に対して、ウクライナ軍によるものとされる越境攻撃(ウクライナは否定)が増えていることに触れ、当地の住民は「パニックにはなっていないが、おおいに心配している。なぜ政府は自国民を守れないのか?」と言った。

プリゴジンによれば、ウクライナ軍はバフムト防衛線の側面を突き、ザポリージャで再結集し、まもなく「反攻を始める」という。そんなときにロシア軍兵士が塹壕から逃げ出すのは司令官の責任だとし、「兵士は、リーダーの愚かさのせいで死ぬべきではない」。

「各地の部隊指導者たちは、上からくる犯罪的に愚かな命令に従わされている」と言う。「ロシアの破壊、祖国への裏切りともいうべき犯罪だ」

■「ロシア軍最精鋭72旅団、バフムトで壊滅し撤退」

ウクライナ軍が東部ドネツク州の要衝バフムトの前線地帯からロシア陸軍最精鋭部隊の第72自動小銃旅団を撃退した。米政府系放送「ボイス・オブ・アメリカ(VOA)」や英国の日刊紙インディペンデントなどが10日に報じた。

 これらのメディアによると、ウクライナ軍第3強襲旅団はこの日声明を出し「ロシア軍第72旅団が戦略の要衝バフムトから後退した」と発表した。

 ウクライナ軍アゾフ連帯のアンドリー・ビレツキー氏は「実際にバフムトでロシア第72旅団の第6大隊と第7大隊はほぼ全滅し、情報部隊も撃破された」と伝えた。

 ビレツキー氏は「ロシア軍が使っていた戦闘車両の多くが破壊され、かなりの兵力も捕虜として捕らえられた」と明らかにした。

 またビレツキー氏はロシア軍第72旅団の撃退に成功した作戦について「幅3キロ、縦2.6キロのウクライナ領土内で行われた。ロシア占領軍から完全に解放された」とも説明た。

 ウクライナ陸軍のシルスキー司令官も「反撃作戦の結果、ロシア軍がバフムトから最大で2キロ後退した」としてこれらの情報を認めた。

 ロシアの民間軍事会社ワグネルを率いるプリゴジン氏は9日、「ロシア軍がバフムトから後退している」とした上で「第72旅団は3平方キロの占領地を奪われ、ワグネルも500人の戦闘員を失った」と明らかにした。

 ウクライナによるバフムトでの戦果の発表は、プリゴジン氏によるロシア軍敗北の主張を裏付けている。

 ロシア軍旅団は通常の場合は数千人の兵力で編成される。ロシア軍は第72旅団がバフムト南西部で壊滅的な打撃を受け、陣地を放棄したとの報道に現時点ではコメントを出していない。

 一方のウクライナ軍当局は10日、第3強襲旅団第2大隊がロシア軍第72旅団部隊の駐留地域を攻撃する様子を撮影した映像をSNS(交流サイト)で公開した。

 米国のシンクタンク「戦争研究所(ISW)」もロシア軍がバフムトから逃亡する様子をツイッターで公開した。

■ワグネル部隊に「大きな被害」 ウクライナ軍幹部、SNSで成果主張

 激戦が続くウクライナ東部ドネツク州の要衝バフムート近郊の戦況について、米CNNは10日、ウクライナ軍幹部が「(ロシア軍に)多大な損失」を与えたと主張していると伝えた。CNNによると、この幹部は、SNSに投稿した動画で、ロシアの民間軍事会社「ワグネル」の部隊も「大きな被害をこうむった」とした。

 バフムートは、交通の要衝で最も激しい戦地の一つで、ワグネルの部隊を中心にロシア軍が昨年末から攻勢を強めている。ウクライナ軍も反撃を続けているが、3月上旬には、侵攻開始後もウクライナ軍が維持してきた市内にロシア軍が進軍。受刑者を勧誘して前線に送り込み、兵力を増強するワグネルが、部隊に膨大な死傷者を強いる消耗戦を続け、現在はその9割以上を掌握したとされる。
2023.05.11 19:44 | 固定リンク | 戦争
トランプ氏「性的虐待or名誉毀損6億8000万円賠償」
2023.05.11


■米陪審、トランプ氏による性的虐待と名誉毀損を認定 6.8億円賠償命令

トランプ前米大統領から性的暴行を受け、名誉を毀損されたとして元雑誌コラムニスト、E・ジーン・キャロルさんが賠償金を求めた民事訴訟で、ニューヨーク連邦地裁の陪審は9日、トランプ氏の性的虐待を認定し、500万ドル(約6億8000万円)支払うよう命じる評決を下した。

賠償金の内訳は暴行に対して200万ドル、名誉毀損で300万ドル。

キャロルさんはトランプ氏の行為がレイプ、性的虐待、同意なしの接触だったため性犯罪に該当すると主張して同氏を訴えた。陪審はレイプであることは認めなかったが、性的虐待と認定した。

昨年5月に成立したニューヨーク州の成人サバイバー法では、民事訴訟の時効を過ぎていてもその行為が法に照らして性犯罪であることを証明できれば、被害者が損害賠償を求めて加害者を相手取って訴えを起こすことができる。

評決の後、キャロルさんは笑みを浮かべ、弁護士らと手をつないで裁判所を後にした。キャロルさんには報道陣から質問が集中したが、コメントは一切なかった。

キャロルさんの弁護士のロバータ・カプラン氏が「我々は大変嬉しく思っている」と述べるにとどまった。

一方、トランプ氏はSNSへの投稿で、評決は「完全な恥辱」であり「史上最大の魔女狩りの継続」だと反論した。また、キャロルさんが誰だか知らないとこれまでの主張を繰り返した。

■「トランプにレイプされ、それを書いたら否定された」 元雑誌コラムニストが法廷で証言

米国の元雑誌コラムニスト、E・ジーン・キャロルさんは26日、トランプ前大統領を暴行と名誉毀損(きそん)で訴えた裁判の証言台に立った。ニューヨーク市内のデパートでトランプ氏から性的暴行を受けたと主張し、被害の詳細を生々しく証言した。

キャロルさんは「私がここにいるのは、ドナルド・トランプにレイプされたから。私が被害について書いたところ、彼はそんなことは起きていないと述べた」と証言。「彼はうそをつき、私の評判を破壊した。私は人生を取り戻すためにここにいる」と語った。

キャロルさんは訴訟で、1996年春にデパート「バーグドルフ・グッドマン」の試着室でトランプ氏からレイプされたと主張。何年も後に被害を公表した際、名誉を毀損されたと訴えている。トランプ氏はキャロルさんの主張を繰り返し否定している。

キャロルさんは証言台で、トランプ氏とショッピングができて「うれしかった」と振り返り、友人との会話で絶好の話の種になると思っていたと語った。

トランプ氏は気さくで面白く、怖いとは全く思わなかったといい、「私は完全に魅了されていた。絶好の話の種になるとしか思っていなかった」と振り返った。

おそらく、暴行が起きるまでずっとトランプ氏とふざけていたとキャロルさん。そこに親密さや真剣さがあるとは思わなかったという。

2人がランジェリー売り場に向かうと「おふざけはエスカレートした」ものの、トランプ氏からレイプを受ける可能性は全く思い浮かばなかった。

トランプ氏は上下一体型の補正下着に目を付け、キャロルさんに試着を勧めた。キャロルさんも冗談交じりに、代わりにトランプ氏が試着したらどうかと応じた。

キャロルさんは試着する気はなかったものの、トランプ氏の身ぶりに従う形で試着室に入った。コメディー番組「サタデー・ナイト・ライブ(SNL)」の面白い寸劇の一幕になるかもしれないと考えていたという。

キャロルさんの証言によると、トランプ氏は抵抗するキャロルさんを壁に押しつけ、指と男性器を挿入した。

キャロルさんは後頭部と女性器に痛みが走ったと振り返っている。

トランプ氏の暴行が続いた時間はわずか数分間で、アドレナリンが出ていたために恐怖を感じる時間はなかった。トランプ氏を押し返し、自力で部屋を出たという。

暴行の痛みは後まで残り、その夜は気持ちを落ち着けるのに時間がかかったが、キャロルさんは病院を受診しようとは思わなかったという。「とても動揺していた。自分が誰なのか分からず、自分の身に起きたことだとは信じられなかった」

友人の女性に電話で笑いながら話したところ、笑い事ではないと諭され、レイプされたのだから警察に通報すべきだと言われた。

キャロルさんは結局、二度とこの話をしないことで友人と合意。トランプ氏との間に起きたことが恥ずかしかったと振り返った。

翌日に相談した別の男性友人からは、トランプ氏の弁護士に「葬られる」ことになるので、絶対に通報や口外しないよう警告された。

キャロルさんはこの男性の意見に従った。「ドナルド・トランプが怖かった。彼に報復されると思っていたし、恥ずかしかった。自分のせいだと持っていた」

キャロルさんは自分が民主党員として有権者登録しており、トランプ氏のことを「邪悪」かつ「卑劣」でひどい大統領だったと思っていることを認めたものの、自身の政治的な見解は訴訟と全く関係ないと証言した。

トランプ氏が最初に大統領選に立候補したときに公表しなかった理由を弁護士から問われると、「告発女性の数が増えるほど、世論調査の結果がよくなっていたことに気づいた」と答えた。

■トランプ米前大統領の娘、ドイツで父を称賛、ブーイング

トランプ米大統領の娘のイバンカ・トランプ氏がメルケル独首相の招きでドイツを訪れ、ベルリンで25日に開かれた女性の活躍をテーマとするパネルディスカッションに出席した。女性の社会進出を後押しする大統領として父を印象付けようとしたイバンカ氏だが、聴衆からはブーイングも浴びせられた。

ドイツ経済誌の編集者は、米大統領の娘で補佐官というイバンカ氏の立場について、「あなたは誰を代表しているのですか。自分の父親、米国民、それとも自分のビジネスですか」という質問を投げかけた。

これに対してイバンカ氏は、「もちろん後者ではありません。私はこの役職についてあまりよく知らないのです。私にとって全く新しいことなので」と返答。続いてトランプ大統領の業績に話を移し、「まだ100日足らずですが、目覚ましい、素晴らしい軌跡でした」と称賛した。

女性に対するトランプ大統領の姿勢については、「父が大統領に就任するずっと前から女性の権利を支持してきたことを誇りに思います。これに関して父は予備選でも擁護していました。家族の支援においても素晴らしい擁護者です」と持ち上げたものの、この発言は観客の冷笑やブーイングに遮られがちだった。
2023.05.11 07:32 | 固定リンク | 事件/事故

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