「釘など544本」「水筒にお茶禁止」=小学校
2023.05.12

■小学校の校庭、地中に釘など544本 児童が転倒、十数針縫う大けが 水筒にお茶禁止「こぼすと人工芝が腐る」から

 東京都杉並区立荻窪小で4月、校庭を走っていた児童が転倒し、地面に打ち込まれていた釘でひざを十数針縫うけがを負っていたことがわかった。同小が調べたところ、運動会などで目印に使われた釘やフックが544本見つかった。校長は「安全確認が不十分だった。児童や保護者に申し訳ない」と話している。

 同小によると、事故は4月13日に発生。児童は体育の授業の鬼ごっこ中に転倒して釘に左ひざを打ちつけ、十数針縫った。学校はその後3日間、校庭を閉鎖して教職員全員で点検し、業者に依頼して金属探知機で2度調査。これまでに計544本の釘とフックが見つかった。同小は4月22日に臨時保護者会を開くなどし、事故の経緯や安全対策について説明したという。

 同小では、釘は長さ12・5センチ、頭の部分が直径1センチほど。運動会や体育の授業で整列したり、ダンスをしたりする際の目印の固定用に打ち込まれていた。児童がけがをした釘は、頭部の数ミリが地面から出ている状態だったという。

学校が校庭を調べたところ、500本を超えるくぎやかぎ型のフックが埋まっていた。放置は長期にわたるとみられる。同校は「運動会などでラインの目印となるマーカーを固定する際に打ち込んだまま、取り除かずに残った可能性が高い」としている。

 杉並区教委は、区内の全区立小中学校と子供園に点検を要請。同様にくぎなどが見つかったとの報告が複数あったという。

 荻窪小が保護者に配布した資料などによると、4月13日、体育の授業で鬼ごっこをしていた児童が転倒。約5センチの裂傷で十数針を縫うけがを負った。児童が倒れた場所には長さ約12.5センチのくぎが刺さっており、頭部数ミリが地面から浮いている状態だった。

 その後、教員らが校庭を調べたところ、くぎやかぎ型のフックが次々と見つかった。業者による金属探知機も使い、5月10日現在、計544本が発見されている。多くは腐食していたが、比較的新しいものもあったという。地中に埋まっているケースもあったが、地表の砂を払うと頭部が見えるものもあった。

◆運動会などで打ち込み、抜き取らず放置した可能性

 同校では、運動会や体育の授業で、ラインを引く目印としてマーカーなどを固定するためにくぎなどを打ち込むことがある。使用後に放置した可能性があるという。学校側は保護者への説明で「事故に関して『人災』と捉えられて、仕方のない状況」としている。一時、校庭は使用中止となったが、現在は再開している。学校は打ち込み式のマーカーをやめ、今後も調査と除去を続ける。

 荻窪小は1951年開校。2009年に現在の校舎に移転した。当初、校庭は天然芝だったが、養生ができず間もなく土に変えた。こうした経緯から、くぎの大半は約10年の間に打たれたとみられる。

◆「針の山の上で遊んでいる状態」憤る保護者

 10日、本紙の取材に応じた西脇裕高校長は「除去しなかったことが重なったと考えるしかない。安全点検の不十分さを申し訳なく思っている」と話した。教委事務局の担当者も「大きな問題だと思っている」との認識を示した。

 荻窪小の保護者は「針の山の上で子どもが遊んでいるのと同じ状態だ。使った道具を片付けるのは学校で教える常識だし、危険な物ならなおさら。大きなけがをした子がいるのに、対外的に発表しないことにも首をかしげる」と話している。

■対策「くぎ」の管理、学校ではどんな管理が必要?

 学校では校庭のどのポイントに何本埋め込んだのか、図に残して記録していました。

 そして、この図をもとに3日に1回、くぎが飛び出していないかなど教員が点検しているということです。

「必要なくなれば即撤去」撤去も迅速に行います。運動会を終えたあとはその日のうちに撤去するといいます。

 教員だけでなく保護者にも協力してもらい本数を確認しながらくぎ抜きを使ってすべて撤去するということです。

 この小学校の校長は「徒競走などを正確、公平に行うために利用しているが、子どものけがにつながることのないようしっかり日頃のチェックと管理をしていくことが大事だ」と話しています。

 杉並区の教育委員会によりますと区立の小中学校や幼稚園などの校庭や園庭の緊急点検では、これまでに荻窪小学校を含め、あわせて43の学校と園で速報値として1350本のくぎが見つかったということです。

 いずれも、すでに撤去したということです。

 教育委員会は「今月から多くの学校や園では運動会などが予定されていることからその前に再度の点検をするよう通知した。安全確保に万全を期したい」としています。

■小学校で水筒にお茶禁止「こぼすと人工芝が腐る」からって本当? メーカーに尋ねると…

 「娘の通う小学校の校庭は人工芝。持ち込みが認められているのは水だけで、お茶を持たせてあげたい」。東京都足立区の区立小学校に通う女子児童(10)の保護者から、そんな願いが届いた。お茶を持参した別の児童が教員から「こぼすと人工芝が腐る」と言われたという。調べてみると、そんなことはないようで、区によっては水以外の飲み物も認めていた。

◆お茶を捨てた話聞き、保護者が疑問

 保護者によると、6月上旬、運動会の練習時に、水筒にお茶を入れてきた児童が、担任教員から「お茶をこぼすと人工芝が腐って変色する」と中身を捨てさせられ、水道水を入れて練習に参加した。保護者は帰宅した娘からこの出来事を聞き、「そこまで徹底する必要があるのか」と憤る。この区立小の校長は「水筒の中身は水がルールだが、保護者から相談があれば応じる」と話す。

 足立区では、校庭の土砂が強風でまき散らされるとの近隣住民の苦情を受け、2010年から人工芝の導入が始まった。学校施設の維持管理を担当する中部地区建設課によると、降雨後に水はけが良いこともあって人工芝の校庭が増え、区立小学校69校のうち28校が採用している。

◆人工芝メーカー「懸念はない」

 人工芝メーカーは、お茶などをこぼしても製品に悪影響は及ぼさない、との見解だ。

 住友ゴム工業(神戸市)の広報部担当者は「糖分を含まない飲料は汚れなど衛生面での懸念はない。だが、取扱説明書には製品の品質を担保するために、分かりやすく水のみと記載している」と説明。「レジャーシートを敷いて汚れないようにしてはどうか」と提案する。

 泉州敷物東京支店の担当者も「水以外の飲み物をこぼしても人工芝が劣化することはない。ほとんどの汚れはデッキブラシで取り除ける」と話す。

◆対応、同じ区内でもばらばら

 人工芝の上での飲食について、区教育委員会は「原則禁止だが、生徒の命に関わることなので、学校ごとの裁量に任せている」とする。区内の別の小学校に聞いてみると「芝の上でなければ、水やお茶を認めている」「児童の体調を優先して、芝の上でお茶を認めている」など、対応はばらばらだ。

 都教育庁によると、人工芝の校庭は23区の区立小約120校で採用。飲食について足立区より対応が緩やかな区もあり、品川区教委は「人工芝の上では基本的に水とお茶だが、スポーツドリンクについては各校の裁量で決めている」。渋谷区教委は「人工芝の上での飲料物に制限はない。スポーツドリンクも認めている」という。
2023.05.12 18:04 | 固定リンク | 事件/事故
英・ウクライナに長距離巡航ミサイル供与
2023.05.12


イギリス、ウクライナに長距離巡航ミサイル「ストームシャドウ」を提供 射程は250キロ以上

 イギリスは11日、ウクライナに長距離巡航ミサイル「ストームシャドウ」を提供すると発表した。

 製造元によると、「ストームシャドウ」の射程は250キロ以上。アメリカがウクライナに供与している高機動ロケット砲システム「ハイマース」の射程は80キロだ。

 ベン・ウォレス英国防相は、「ストームシャドウ」がウクライナの自衛に「最大の好機」をもたらすだろうと話した。

「ストームシャドウ」は戦闘機から発射される。射程距離が長い分、ウクライナのパイロットは前線から遠く離れた位置にとどまることができる。

 発射後の「ストームシャドウ」は、敵のレーダー探知を回避するため低い高度へと移動したうえで、赤外線探知機で標的の位置を把握する。

 ウォレス国防相はこの日、英下院で「ストームシャドウ」供与を発表。ウクライナはこのところ、西側諸国に武器の追加供与を繰り返し求めていた。

 ウォレス氏は、「ストームシャドウ」によって「ウクライナは領土に駐留しているロシア軍を押し返せるようになるだろう」と述べた。

 供与決定の背景には、ロシアがウクライナの民間施設を標的にするという「暗い道を下り続けている」ことがあると説明した。

 ウォレ ス氏は昨年12月、ロシアのセルゲイ・ショイグ国防相に対し、ロシアが攻撃を続けるならイギリスはさらに強力な武器をウクライナに提供することになると、警告の書簡を送っている。

「ストームシャドウ」は「もうすぐ」あるいはすでにウクライナに渡っているという。ウォレス氏は、この動きは「ロシアのエスカレーションに応じて調整された」ものだと述べた。

「ロシアが侵攻しなければ、こうした動きは何一つ必要なかった」とも、国防相は述べた。

 ウォレス氏は、「ストームシャドウ」はウクライナが所有するソヴィエト連邦時代の航空機でも使用できると述べ、それを可能にした技師や科学者を称賛した。

 一方で、イギリスが供与する「ストームシャドウ」はロシアのミサイルシステムと「同水準」ではないと警告。ロシアは、さらに射程範囲の広いミサイルも所有しているとした。

 ウクライナのオレキシイ・レズニコフ国防相は今年初め、ロシア国内の標的を狙うために長距離ミサイルを使うことはないと強調していた。

 欧州連合(EU)での会合でレズニコフ氏は、「最大300キロメートルの距離から攻撃できるなら、ロシア軍は防衛できず、負けるしかないだろう」と説明。

 その上で、「みなさんの武器がロシア領土攻撃に関与することはないと、ウクライナは保証する用意がある」と「語った。

 イギリスのリシ・スーナク首相は今年2月、ウクライナに長距離ミサイルを供与する準備があると発言。イギリス政府が調達のための入札を開始したと明らかにした。

 スーナク首相は当時、「ウクライナがロシアの爆弾やイラン製ドローンから都市を守れるよう、我々は一丸となって助けなくてはならない」、「イギリスが最初にウクライナに長距離兵器を供給する国になるのはそのためだ」と述べていた。

 ロシアのドミトリー・ペスコフ大統領報道官は11日、イギリスが供与した「ストームシャドウ」をウクライナ軍が使用した場合、「適切な」軍事的報復措置を行うと述べた。

「ストームシャドウ」はイギリスとフランスの空軍が開発し、これまでにペルシャ湾やイラク、リビアで使われた実績がある。

 イギリスが供給するものは空中でのみ発射できるが、フランスの「ストームシャドウ」は船や潜水艦からも発射できるという。

■英、ウクライナに長距離巡航ミサイル供与

英国のベン・ウォレス(Ben Wallace)国防相は11日、ウクライナに長距離巡航ミサイル「ストームシャドー(Storm Shadow)」を複数供与すると発表した。ウクライナに長距離巡航ミサイルを供与するのは、英国が初めて。

 ウォレス氏は「ウクライナには自衛権がある。ストームシャドーを使用すれば領内にとどまるロシア軍を押し返すことができる」と説明した。

 製造元の防衛機器大手MBDAによると、ストームシャドーは空中発射型の長距離ミサイルで、静止した重要目標に対するあらかじめ計画された攻撃の要件を満たすよう設計されている。
2023.05.12 16:51 | 固定リンク | 戦争

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