大義も正義もないロシア軍侵略(5日の動き)
2023.02.05


2023年2月5日 5時07分,米国防総省 軍の戦闘機が上空飛行の中国の気球 撃墜と発表

2023年2月5日 5時07分,米国防総省 軍の戦闘機が上空飛行の中国の気球 撃墜と発表 米国務省 ブリンケン長官の訪中延期を発表 中国の気球飛行で

中国の気球が、アメリカ本土の上空を飛行していることが明らかになったことを受けて、アメリカのブリンケン国務長官は中国側に対し、「明確な主権の侵害だ」としたうえで、日本時間の4日に出発する予定だった中国への訪問を延期すると伝えました。

アメリカ国防総省は、アメリカ本土の上空を飛行してきた中国の気球を、南部サウスカロライナ州の沖合でアメリカ軍の戦闘機によって撃墜したと発表しました。

ロイター通信が配信したアメリカのノースカロライナ州で撮影された写真では、左上に白煙が確認できるほか、中央から右下にかけて白い煙の筋が見えます。

別の写真では、中央に破片が飛び散っているように見えるほか、その下には白い物体が写っているのがわかります。

バイデン大統領「撃墜するよう指示」

アメリカのバイデン大統領は4日、記者団に対し「国防総省に速やかに気球を撃墜するよう指示していた。彼らは地上への被害を避けるために、気球が海の上に出るのを待っていた」と述べました。

そのうえで撃墜の指示は今月1日に出していたことを明らかにしました。

そして、バイデン大統領は「撃墜に成功したパイロットたちをたたえたい」と述べました。
米主要メディアも撃墜について伝える

アメリカの複数の主要メディアは、アメリカ本土の上空を飛行してきた中国の気球が、4日、アメリカ南部の大西洋沿岸でアメリカ軍によって撃墜されたと伝えました。

アメリカのオースティン国防長官は、現地時間の4日午後、日本時間の5日午前5時すぎに声明を発表し、南部サウスカロライナ州の沖合のアメリカの領海の上空で、アメリカ軍の戦闘機が中国の気球を撃墜したと明らかにしました。

撃墜は、バイデン大統領の指示で行われたということで、大統領は今月1日の時点で、地上の住民に危険を及ぼすことなく撃墜できるようになれば、直ちに実行することを承認していたということです。

声明では、撃墜した気球について「アメリカ本土の戦略的な拠点を監視するため、中国が使用していたものだ」と指摘しています。

また、今回の一連の対応は、カナダ政府と連携して行われたとしています。

オースティン長官は声明で「バイデン政権がアメリカ国民の安全を常に第一に考え、中国による容認できない主権の侵害に効果的に対処することを示すものだ」と強調しました。

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。

ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる5日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナは7時間、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

ロシア前大統領 再び核戦力ちらつかせ威嚇

ロシアの前の大統領で安全保障会議のメドベージェフ副議長は4日、ロシアの記者の質問に文書で回答した中で「われわれは核抑止力の原則に従い、脅威の性質に応じてあらゆる種類の兵器を使う用意がある。その対応は迅速で厳しいものになる」と主張し、再び核戦力をちらつかせて威嚇しました。

メドベージェフ氏は、これまでも強硬な発言を繰り返し、欧米によるウクライナへの軍事支援をけん制しています。

ロシア外務省「欧米の努力はむだに終わる」

ロシア外務省は、EU=ヨーロッパ連合が、ウクライナへの支援を継続していく姿勢を改めて示したことについて、4日、報道官のコメントを発表し「欧米の努力はむだに終わる。ロシアの軍事作戦の目的は完全に達成される」として、軍事侵攻を続ける姿勢を重ねて強調しました。

ゼレンスキー大統領 米追加軍事支援「軍の機動力向上」

アメリカが追加の軍事支援を発表したことを受けて、ウクライナのゼレンスキー大統領は3日「われわれはアメリカとともに、テロに立ち向かう。射程の長い兵器はウクライナ軍の機動力を向上させ、ロシアの残虐な侵略を早く終わらせるだろう」と自身のツイッターに投稿し、バイデン政権に謝意を示しました。
2023.02.05 06:18 | 固定リンク | 戦争
ウクライナに軍事侵攻(4日の動き)
2023.02.04

2023.02.03ロシア ウクライナに軍事侵攻(4日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。

ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる3日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

ウクライナ東部・南部で砲撃 激しい戦闘続く
ウクライナ東部では激しい戦闘が繰り返されていて、ハルキウ州の知事は、3日の未明にロシア軍が住宅地に砲撃を行い、住民2人が死亡したとSNSに投稿しました。

また、南部ヘルソン州の当局は3日、過去24時間でロシア軍の砲撃によって、あわせて2人が死亡し、5歳の子どもを含む9人がケガをしたと発表しました。
ウクライナ国防省 プーチン大統領の演説に反発
ロシアのプーチン大統領が2日の演説で、過去のナチス・ドイツとの戦いと重ね合わせる形でウクライナ侵攻を正当化しました。

これに対して、ウクライナ国防省は2日「ナチスの精神的な継承者であるロシアはウクライナの都市を地上から消し去ろうとしている。占領できない都市は廃虚と化している」とSNSで強く反発した上で、徹底抗戦の姿勢を改めて強調しました。

ゼレンスキー大統領「ロシアへの圧力 一層強化が必要」

ウクライナのゼレンスキー大統領は2日、新たに公開した動画で「ロシアの戦略的な敗北はすでに明確な段階になっている。しかし戦術的にはロシアはまだ攻勢をかける力を持っていて、戦争の流れを変えるための選択肢を探している」と述べました。

そのうえで「ウクライナを守るための軍事支援を世界に求めるとともに、ロシアに対する世界的な圧力を一層強化することが必要だ」と述べ、各国にさらなる支援を訴えました。

また、ゼレンスキー大統領はウクライナが目指しているEU=ヨーロッパ連合への加盟について「すでに加盟に向けた交渉を始めるのにふさわしい状態になっていると信じる」と述べ、意欲を示しました。

EU ロシアの戦争犯罪を証明する「国際センター」設置へ

2日、EUのフォンデアライエン委員長らがウクライナの首都キーウに到着し、ゼレンスキー大統領と会談しました。

その後の記者会見でフォンデアライエン委員長は「この憎むべき罪を犯しているロシアに法廷で責任を負わさなければならない」と述べ、ロシアによる戦争犯罪を証明するための「国際センター」をオランダのハーグに設置すると明らかにしました。

センターではウクライナなどと連携して訴追に必要な証拠の収集などを行うとしています。

また、フォンデアライエン委員長は「ヨーロッパは侵攻の1日目からウクライナとともにいる。私たちがここにいることはEUが長期的にウクライナを支援する意思があることを意味する」と述べ、ウクライナへの支援を継続する考えを強調しました。

そして、侵攻から1年となる今月24日までにロシアに対してさらなる制裁を科す意向を示しました。

EUとしては、侵攻から1年にあわせて委員長みずからがキーウを訪問することで、ウクライナとの連携を示し、攻勢を強めるロシアをけん制するねらいもあるとみられます。

ロシア外相 “欧米側 ロシアに対抗するためモルドバを利用”

ロシアのラブロフ外相は2日、国営テレビのインタビューで、ウクライナの隣国、モルドバについて「西側はウクライナに続く『反ロシア』の役割をモルドバに期待している」と述べ、欧米側がロシアに対抗するため、モルドバを利用しようとしていると一方的に主張しました。

さらに「西側は民主主義とは程遠い手段で、NATO=北大西洋条約機構への加盟に前向きな大統領をモルドバに誕生させた。モルドバの大統領はルーマニア国籍を持ち、国をルーマニアに統合する用意がある」などと独自の見解を展開しました。

これに対して、モルドバ外務省は2日、直ちに声明で反論し「モルドバが目指しているのはEU=ヨーロッパ連合への加盟で、この方針は国民に支持されている。国民の選択を尊重してほしい」として、モルドバが欧米側に利用されているというロシア側の見方を強く否定しました。

モルドバのサンドゥ政権はEU加盟を目指していますが、国内には一方的に分離独立を宣言してロシア軍が駐留を続ける地域があり、ウクライナに軍事侵攻したロシアへの警戒感を強めています。

プーチン大統領 演説「ドイツの戦車に再び脅かされている」

ロシアのプーチン大統領は2日、第2次世界大戦で旧ソビエト軍がナチス・ドイツ軍と激戦を交わした南部の都市ボルゴグラードで演説しました。

このなかで「ナチスのイデオロギーが再びわれわれの国に対する直接的な脅威を作り出そうとしている。ドイツの戦車レオパルトに私たちは再び脅かされている」と述べ、ウクライナに対して主力戦車レオパルト2の供与を決定したドイツなどを強く批判しました。

ウクライナ国防相 “軍事侵攻1年 ロシアの大規模攻撃に警戒”

ウクライナのレズニコフ国防相は1日、訪問先のフランスで地元テレビ局のインタビューに答え「ロシア軍は2月24日前後に何かしらの試みをしようとするだろう」と述べ、軍事侵攻から1年となる時期に合わせてロシア軍が大規模な攻撃を仕掛けてくることに警戒感を示しました。

さらに「われわれはロシア軍を過小評価しない。ロシアは公式には30万人の予備役を動員したと発表したが、国境の部隊を観察するかぎり、それよりずっと多く動員されていると見ている」と述べ、ロシアが実際には50万人を動員した可能性もあるという見解を示しました。

そのうえで「われわれは可能なかぎり早く備えなければならない。敵を抑え込むための武器が必要だ」と述べ、今後のロシア軍の攻勢に備えるためにもウクライナへの軍事支援が迅速に行われる必要があると訴えました。
2023.02.04 07:10 | 固定リンク | 戦争
「首を刺した理由は確実に殺すため」=府中ホテル殺人
2023.02.03

殺害された平林さなさん(24)

府中ホテル24歳女性変死 現場から立ち去った54歳男を殺人容疑で逮捕「確実に殺すため首刺した」警視庁

東京・府中市のホテルで、きょう未明、24歳の女性が死亡しているのが見つかった事件で、警視庁は、さきほど、現場の部屋から立ち去っていた男を、殺人の疑いで逮捕した。

逮捕されたのは、府中市の職業不詳・石川晃容疑者(54)。

この事件は、午前1時半ごろ、府中市のホテルで、従業員から「宿泊客と連絡が取れない」と110番通報があり、駆けつけた警察官が、2階の部屋のベッドの上で、女性が死亡しているのが見つかったもの。チェックアウトの予定時間になっても退室してこないことを不審に思い、ホテル側が通報していた。

死亡していたのは、府中市に住む平林さなさん(24)。首から血を流して倒れていて、衣服を身に着けていなった。刃物のようなもので刺されたとみられていた。

平林さんと石川容疑者は、2日午前2時ごろホテルの部屋に入り、石川容疑者が、午前6時すぎに、ひとりで部屋を出たことが分かっている。警視庁が、殺人事件として、行方を捜していたところ、3日午前5時半ごろ、府中市内の自宅で、石川容疑者を発見、身柄を確保した。

調べに対して石川容疑者は、「2月2日の夜中に、府中市のホテルで、私が持っていたナイフを使って、ベッド上で寝ている被害者の首を3回刺して殺しました。首を刺した理由は確実に殺すためです」と供述。

身柄を確保された際、石川容疑者は、サバイバルナイフのようなものを2本所持していた。1本には血液のようなものが付着していたという。2人の関係は分かっていないが、複数回、会ったことがあるとのこと。

2日午後6時半ごろ、石川容疑者が、自宅マンションの敷地内で寝込んでいるとの通報があり、警察官が、不審者として話を聴いていた。その際、平林さんの身分証を所持していたが、石川容疑者は「友人が忘れた身分証で、次に返す」と説明していたとのこと。このやり取りから、警視庁が、石川容疑者の自宅を張り込み、帰宅したところを身柄確保したという。
2023.02.03 19:21 | 固定リンク | 事件/事故
ロシア兵「殺人光線」で殲滅される!
2023.02.03
【動画】ロシア軍兵士を殲滅した「殺人光線」の正体は?



「ウクライナが未知の新兵器を投入か」とネットをざわつかせた動画を専門家に分析してもらった結果は

ウクライナの原野を移動中のロシア兵がどこからともなく発射された謎のビームで一瞬にして殲滅される。そんな動画がネット上で拡散され、DEATH RAY(殺人光線)のキーワードが検索上位に浮上している。

この動画は今週、ツイッターに投稿され、2月1日午後までに250万回再生された。

動画の冒頭では、遮蔽物のない広大な原野をロシア兵の一行が歩いている。と突然、激しい爆発が起きて、標的エリアはもうもうたる煙に包まれ、尾を引くように帯状の砂塵の雲が形成される。

先頭グループを襲った最初の爆発の後、後方にいて命拾いした兵士たちがパニックになる様子もはっきりと見てとれる。逃げ惑う者もいれば、負傷した仲間を助けようとする者もいたようだ。

だが続く2回の爆発が彼らを直撃。動画の最後では、動けなくなった兵士たちが辺り一面に散らばり、どう見ても生存者がいるとは思えない。

動画には「殺人光線によるロシア兵の破壊」というキャプションが付いている。

国産の対戦車ミサイルか

昨年2月24日、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領の命令で、ロシア軍がウクライナに侵攻を開始してから、もうじき1年になる。ウクライナ国防省の推定によれば、ロシア軍の死者は12万8000人を上回るとみられ、未確認ながらこの動画の攻撃が最近起きたとすれば、さらにこれらの兵士が加わることになる。

問題の動画のコメント欄には、この攻撃に使用された兵器がいったい何かという質問が多数寄せられている。動画を投稿した@bayraktar_1loveは、その1つに返信し、ウクライナ国産の対戦車誘導ミサイルシステム「ステューフナP」による攻撃とみられると答えている。

2月1日午後の時点では、この動画が撮影された状況はよく分かっていない。いつ、どこで撮影されたかも不明で、肝心の兵器についても、明確に特定するには情報があまりに乏しい。

本誌はウクライナ国防省に動画の攻撃について問い合わせ、使用兵器を確認中だが、回答を待つ間、複数の専門家に動画を見せて見解を求めた。

「殺人光線でないことは確かだ」と言い切ったのは、軍事情報サイト「特殊作戦部隊リポート」を運営している米海軍の退役兵ショーン・スプーンツだ。「対戦車用の弾丸が地面すれすれを飛び、その通り道に砂塵の雲ができたのではないか」

スプーンツによれば、地面の近くを弾丸が飛べば、その振動が波のように空気中を伝わり、砂塵が巻き上げられて、地面を這う細長い帯状の雲ができるという。

コーネル大学の歴史学の准教授で、軍事史・国防政策に詳しいデービッド・シルビーの見立ては、HEATと呼ばれる成形炸薬弾が使用されたというもの。HEATはhigh-explosive anti-tank(対戦車榴弾)の頭文字を取った略称だ。

高い貫通力と破壊力を持たせるために特殊な成形を施した炸薬弾をステューフナから飛ばすことは可能だろうか。これについては、軍事技術専門家のデービッド・ハンブリングが「十分可能だ」と教えてくれた。

ただし、匿名を条件に本誌の取材に応じた米陸軍の元大佐は違う見方をしている。アメリカ製の軍用ドローン「スイッチブレード」が使われた可能性があるというのだ。これは弾頭を搭載して自爆攻撃を行えるドローンで、「神風ドローン」の名で知られ、米政府は昨年、少なくとも700機をウクライナに提供すると発表している。
2023.02.03 09:13 | 固定リンク | 戦争
ワグネルとの戦い「まるでゾンビ」
2023.02.02


まるで「ゾンビ映画」、ウクライナ軍兵士が語るワグネルとの戦い

ウクライナ・バフムート近郊(CNN) ウクライナ東部の要衝バフムートの南西区域、ウクライナ軍の兵士2人が蝋燭(ろうそく)の灯る掩蔽壕(えんぺいごう)の中で日々を過ごしている。凍てつく大地を掘って作ったこの場所で彼らが数週間にわたり対峙(たいじ)するのは、ロシアの民間軍事会社「ワグネル」と契約した数百人の戦闘員たちだ。これらの戦闘員はウクライナの守備隊に向かって、捨て身の攻撃を仕掛けてくる。

兵士の1人、目出し帽で顔を隠したアンドリーさんは、永遠に続くかと思われたある銃撃戦について回想する。ワグネル戦闘員の大規模攻撃にさらされた時のことだ。

「10時間くらい、戦い通しだった。波状攻撃なんてものじゃない。全く途切れることがなかった。敵が際限なく向かってくるように思えた」

撃ちっ放しのライフル銃は熱くなりすぎて、交換しながら使い続けなくてはならなかったという。味方の兵士20人前後で200人は相手にしていたと、アンドリーさんは振り返る。

ワグネルの戦い方では、主に刑務所で直接徴集した新兵からなる第1陣をまず送り込む。彼らは軍事的な戦術についてほとんど知識がなく、装備も貧弱だ。大半は、ただ半年の契約期間を生き延びて釈放されることだけを期待している。

「彼らは10人ほどのグループを組んで、30メートル進むと穴を掘り始める。そこで陣地を確保する」と、アンドリーさんは説明する。続いて別のグループがまた30メートル進む。そうした形で徐々に前進しようとするが、その間に多くの犠牲者が出るという。

第1陣が損耗し切るか進めなくなって初めて、ワグネルはより経験を積んだ戦闘員を送り込む。大抵は側面から、ウクライナ側の陣地の制圧を狙ってくる。

この攻撃は恐ろしいもので、現実と思えない経験だったと、アンドリーさんは振り返る。

「味方の機関銃手は正気を失いかけた。撃ったはずの敵が倒れないと言っていた。しばらくして血を流すか何かした後、ようやく倒れると」

アンドリーさんは戦闘の様子をゾンビ映画のワンシーンになぞらえる。「彼らは味方の死体を乗り越えてやってくる。死体を踏みつけにして」「攻撃の前に、何か薬物でもやっているとしか思えない。そんな感じだ」

CNNはこうした見方が真実かどうか独自に検証できていない。

アンドリーさんたちは敵に包囲され、弾丸も底を突いた。だが幸運にも、ワグネルは最終的に退却したという。ワグネルの攻撃に関するアンドリーさんの説明は、CNNが先週入手したウクライナ情報当局の報告と一致する。

その報告はワグネルの部隊について、陣地の奪取に成功後、火砲の援護によって蛸壺(たこつぼ)を掘り、獲得した陣地を固めるとしている。ただウクライナの傍受によれば、ワグネルとロシア軍の間には調整不足が散見されるという。

アンドリーさんの部隊は、ワグネルの戦闘員1人を捕らえたとしている。尋問記録によると、その戦闘員は技術者だが薬物の販売に手を染めた。自分の犯罪歴を抹消できると信じて、ワグネルへの参加を志願したという。犯罪歴が無くなれば、弁護士になるという娘の夢の実現に向けた問題が軽減すると考えたからだ。

アンドリーさんはこの技術者に向かって、戦場で殺されるのが分かっていても、ロシアで自らの自由のために戦うのは恐ろしいのだろうと告げた。

技術者は「その通りだ。我々はプーチン(大統領)を恐れている」と、答えたという。

CNNは、ワグネルを経営するオリガルヒ(新興財閥)のエフゲニー・プリゴジン氏に今週連絡を取り、ワグネル内部で虐待が横行しているとの疑惑について質問した。

同氏はCNNを「公然たる敵」と呼んだ上で、ワグネルは「模範的な軍事組織であり、現代の戦争に必須なあらゆる法規を順守している」と主張した。

アンドリーさんに取材する間も、掩蔽壕の上の戦場では砲撃の音がほぼ休みなく響いていた。甲高い発射音が鳴った数秒後、鈍い衝撃音が数キロ離れた地点から聞こえてくる。ロシアのドローン(無人機)らしきものを撃ち落とそうと、ウクライナ軍の兵士が銃を発射する音も聞こえる。

南西部の都市オデーサ出身のアンドリーさんは、ロシアによる侵攻の数日後に軍隊に参加した。今後陣地に何人の戦闘員が送り込まれて来ようと、抗戦し続けるつもりだ。

味方の大半は志願兵で、給料のいい仕事に就いていたにもかかわらず母国のために前線で戦っている。そこにロシア側との大きな違いがあると、アンドリーさんは語る。

「これは自由を守るための戦いだ。ウクライナとロシアの戦争ではなく、1つの政権と民主主義との戦争だ」(アンドリーさん)
2023.02.02 14:01 | 固定リンク | 戦争

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