「ヘルメット着用」どうする?
2023.02.19


髪が乱れる?どこに置く?努力義務化する「ヘルメット着用」 もうすぐ変わる 自転車 新ルール

コロナ禍で利用者が増えている自転車。街中で以前より見かける台数も増えてきました。広島県の条例にも自転車の活用促進が盛り込まれています。

「安全性にも気をつけながらエコで健康にも役立つ自転車をしっかり活用していただきたい」

そんな中、この春、自転車の交通ルールが変わるのをご存じですか? 大きな柱は2つ。「自転車保険加入の義務化」と「ヘルメット着用の努力義務化」です。

自転車の利用者たち

「義務化になるんですね。初めて知りました」

「ヘルメットを置いておく場所が用意されるんだったら、ありかもしれないです」

「手間が増えるので時間かかるし、髪型も崩れる」

■今回のテーマは、「ご存じですか? もうすぐ変わる! 自転車のルール」

「自転車に乗る人が増えてきている中、4月に交通ルールが変わります。大きく2つの柱があって、1つ目は、『自転車保険加入の義務化』。これは広島県の条例として施行されます。そして、もう1つが、『ヘルメット着用の努力義務化』。これは道路交通法の改正で全国一斉に始まるものです」

自転車の利用者たち

「ヘルメットをどうするのか。預かってもらうシステムとかあったらいい。変化することに対応したいけど、できることと、できないことがあるので」

「安全の面ではいいと思いますけど、大人はやるかどうかですね。学生はやるかもしれないですけど」

「今は着用していないが、ヘルメットがあった方が事故にあったときに大切なのではと感じます」

「自転車でのヘルメット着用」…。現状、街での着用率は決して高いとは言えませんが、ヘルメットは命を守るキーアイテムとも言えそうです。

おととしに起きた全国の自転車事故でヘルメットを着用していなかった死者のうち、約6割の致命傷が「頭部」への損傷でした。

また、ヘルメットを着用していたかどうかで致死率も1.6倍ほど違っています。

これは、自転車同士の正面衝突で破損したヘルメット。持ち主は、ろっ骨を損傷しましたが、医師には「着用していなかったら死亡事故につながっていたかもしれない」と言われたそうです。

「種類はさまざまありますが、SGマークのような安全基準をクリアした安全性の高いヘルメットを選んで使用していただければと思います」

全国で34店舗を展開するスポーツサイクル専門店の「ワイズロード・フジグラン広島店」です。

常時、20種類以上のヘルメットを扱っていますが、今回の着用義務化を受け、これまでの2倍のペースで売れているといいます。

「ことしに入って、ヘルメットご購入の方が増えていまして、メーカーさんの方でも欠品が増えている状態です」

一番人気は、スポーツバイク用の軽くて通気性の良い「レクト」。強化発泡スチロール製で日本自転車競技連盟の安全基準も満たしています。

とはいえ、今後、多くの人が必要となるのは、街乗り用のヘルメットです。この「リベロ」というモデルはSG基準を満たしていながら、カジュアル感覚で着用できるということで品薄状態だそうです。

ワイズロード・フジグラン広島 木谷洋美 副店長

「今までの一般的なヘルメットは、丸い通学用のヘルメットだと思いますが、帽子のカバーをつけて一般的な帽子風のヘルメットになるよう作られています」

さらに、女性の髪型に配慮したモデルもありました。

ワイズロード・フジグラン広島 木谷洋美 副店長

「わたしも髪が長いので結んでいるんですけど、このモデルは後ろが空いているので、高い位置にポニーテールをしていただくこともできます」

そして、もう1つ義務化されるのは、「自転車保険への加入」。これは、県の条例によるものです。

自転車の利用者たち

「義務化ですか? 義務までは知りませんでした」

「仕方ないんじゃないですか」

「保険には入っています。そんなに高くないので」

15年前、兵庫県内で起きた自転車が関係する事故で、歩行者の女性が意識不明の重体に…。

その後、自転車を運転していた少年の母親には、神戸地裁でおよそ9500万円の損害賠償が命じられました。

このことがきっかけとなり、兵庫県をはじめ全国の条例で保険加入の義務化が進み、このたびの広島県は全国で40番目の導入です。

「広島県では自転車の安全利用だけでなく、活用の推進も条例に入れて進めています。全国で4例目になります。罰則などはないんですが、県として、国としてしっかり取り組んでいただきたいということから規定をしていますので、みなさまにはルールを守って安全に自転車に乗っていただければと思います」

「自転車保険の値段については、自転車単体の保険なら対人補償が1億円で、月額140円から200円台のものが多い。そのほか、自動車保険の特約やクレジットカードの特約など、別の保険の特約によるものもありますし、児童や生徒などを対象にした、学校ごとにまとめて入れるものもあります」

「ヘルメットの方ですが、ワイズロード・フジグラン広島の木谷副店長が個人所有する『イザナギ』は空気抵抗も考慮されていて、なんと4万円近くするそうです」

「とにかく軽い! 通気性もいい」

「保険加入は義務化、ヘルメット着用は努力義務化となっていますが、どちらも罰則規定はありません。とはいえ、わたしたちの安全を守るものですので、ぜひ、自分に合ったものを選びたいものです」
2023.02.19 17:22 | 固定リンク | ライフ
ロシア兵「捕虜の実態」
2023.02.19
ウクライナ西部の戦争捕虜収容施設には、数百人のロシア軍兵士や志願兵、雇い兵などが収容されている


ロシア兵が戦争捕虜に……ウクライナの収容所、BBC単独取材

私たちがウクライナ西部の戦争捕虜収容所に入ろうとした時、ウクライナを嘲笑するかのようにロシアのミサイルが上空を通り過ぎた。

捕虜となったロシア軍の兵士や徴集兵、雇い兵など数百人が、この砂だらけの建物に収容されている。ウクライナにはこうした施設が50カ所あるという。

ウクライナ防空システムの爆音が遠くに聞こえる中、私たちは地下へ招き入れられた。そこでは、数十人の収容者がロシアの攻撃から逃れるため避難していた。

■取材した捕虜の多くが、身元の特定を防ぐために顔を隠した。

国連人権委員会は昨年11月、拷問や不適切な扱いを受けたと話す複数の捕虜との面談に基づき、ロシアとウクライナの双方で捕虜の虐待があったと報告した。

私たちが取材した場所では、自分たちは捕虜をきちんと扱っていると看守たちはことさらに見せようとしているようだった。

雇い兵グループにいたと話す戦闘員がいた。3日前にこの施設に連れて来られたというこの戦闘員は、1月にロシア軍が占領した東部ソレダルの近くで捕虜になったと語った。

何人かが鋭い目線でこちらを見つめていた。目が合ったその中の1人は、昨年12月29日に東部ルハンスク州で捕虜になったのだと話した。

「交換された後、軍隊に戻らなくてすむようにと願っている」と、この人物は話した。

「軍に戻るしかなかったら?」と私が聞くと、数秒だまりこんだ後、「いくつか案がある。自主的に投降してここに戻ることもできる」

防空シェルターから出ると、収容者の半数がけがをしていることが分かった。

手足に包帯を巻いている人もいれば、足を引きずっている人もいた。

自分は手榴弾の爆発で脚を失ったのだと話しながら、感情をあらわにする若者もいた。

■施設内の作業場では、捕虜となったロシア兵が庭用の家具を作っていた

ドリルの音がする方へ向かうと、戦争捕虜たちが屋外用家具を作る製造ラインが見えてきた。

捕虜たちはここでも、うつむいて作業をしていた。

地元企業がこの施設と契約しており、捕虜たちはいくらかの収入を得て、たばこや菓子類が買えるのだという。

捕虜の多くは、強制的にこうした仕事をさせられる。選択肢があるのはロシア将校だけのようだった。

昼食の時間になると、捕虜たちは最上階にある仮設食堂に並んで移動させられた。窓からは、ウクライナ国旗が寒空にはためくのが見えた。

捕虜たちは黙ったまま素早く食事をとった。聞こえるのは食べる音だけだった。その後、机ごとに完璧な勢ぞろいで一斉に立ち上がり、ウクライナ語で「ごちそうさまでした!」と叫んだ。

■昼食にはパンとコーンスープ、肉と麦の煮物が出た

捕虜たちはここでウクライナ語のテレビを見させられる。これにはウクライナや南部マリウポリの歴史を描いたドキュメンタリーも含まれる。マリウポリは数カ月にわたるロシアの爆撃で破壊され、占領された。

前回の捕虜交換では、マリウポリを守っていたウクライナ兵も何人かいたという。

私たちはそこにいた1人に、何を見させられているか理解しているかと尋ねた。

「大体は」、「教育的だと思う」という答えが返ってきた。否定的なことを言うはずもなかったのだろう。

見させられている番組の内容が理解できないロシア人捕虜も、そこにはいたかもしれない。たとえ理解できても、理解したくなかったかもしれない。

看守たちによると、捕虜は2週間に1回、1カ所に電話をかけることが許可されている。ロシアにいる家族はこうした電話で初めて、息子が捕虜になったと知ることが多い。

1人の若者がかけている電話越しに、「どこにいるの? どこにいるのかあちこち聞いて回ったよ!」と言う母親の声が聞こえた。

「母さん、待って。捕虜になっている。それ以上は言えない」

「あのひどいウクライナの?」と答えて、母親は泣きだした。

「そうだよ、母さん、静かにして」と、若者は話した。隣に看守が立っていたからだ。

「僕は生きていて元気だ。それが一番大事なことだ」

電話した相手が出ない場合もある。その場合、ロシア兵は次の電話の機会を待ちわびることになる。そして、いずれ捕虜交換の対象になることを。

2023.02.19 13:03 | 固定リンク | 戦争

- -