スーダン停戦守られず「日本人20人残留」
2023.04.24


■スーダンの日本人、20人程度退避できず 約100人の対象者 「日本人20人残留」

軍と準軍事組織の武力衝突が続くスーダンで、一部の日本人が退避に向け、陸路で首都ハルツームを出発したことがわかりました。

複数の日本政府関係者によりますと、現地に滞在する日本人たちの一部が退避に向け、移動を続けています。日本政府の関係機関の職員など数十人は、国連の職員を退避させる車列に加わるなどし、首都ハルツームを出発したということです。現在はスーダン東部の町を目指しています。

日本政府は、この町から国外に退避させたい考えで、ジブチに待機している自衛隊の輸送機をこの町の空港に派遣することを目指し、調整を本格化させています。

一方で、日本人やその関係者をあわせ、およそ100人の退避対象者のうち、今も退避できずに首都ハルツームなどにとどまっているのは20人程度だということです。

■スーダン滞在の日本人数十人が国外退避に向け首都出発

スーダンに滞在する一部の日本人が国外退避に向け、首都・ハルツームを出発したことがわかりました。

複数の政府関係者によりますと、スーダンに滞在する日本人のうち、日本政府の関係機関の職員ら数十人が、国連の職員を退避させる車列に加わり、首都・ハルツームを出発したということです。

職員らはスーダン東部の町を目指していて、日本政府は、この町から国外に退避させたい考えです。このため、日本政府はスーダン東部の町の空港に、周辺国・ジブチに待機している自衛隊の輸送機を派遣することを目指し、調整を本格化させています。

また、日本政府は、スーダン軍や、軍と戦闘を続ける準軍事組織のRSFとも接触を試みるなどして、ほかの日本人の退避も進めたい考えです。

こうした中、岸田首相は23日夕方、首相公邸で、担当者から現地の情勢などについて説明を受けました。

スーダンには、今月19日時点で大使館員ら約60人の日本人が滞在しています。日本政府は、日本人の家族や大使館が雇ったスーダン人ら日本人以外でも退避を希望する約40人はあわせて退避させることを目指しています。

■守られないスーダン「停戦合意」…退避中のフランス人車列に銃撃、1人負傷

アフリカ北東部スーダンでは23日、各国が自国民を退避させる動きが本格化したが、移動中に攻撃を受けて負傷者が出る事態が伝えられた。国軍と準軍事組織「即応支援部隊」(RSF)が合意した24日の停戦期限が近づく中、各国は厳しい治安情勢下での退避を巡り、難しい判断を迫られる。

スーダンに取り残された外国人の安全な退避に向けて、国軍とRSFは各国の要請を受け、22日までにいずれも全面的な支援を約束していた。イスラム教のラマダン(断食月)明けの祝祭に合わせた24日まで3日間の停戦合意は、外国人の退避にも主眼が置かれていた。しかし、国軍の声明によると、23日に首都ハルツームのフランス大使館から退避のために移動中だったフランス人の車列が銃撃を受け、1人が負傷した。

ハルツームでは停戦合意を無視する形で激しい戦闘が続いており、多くの市民は自宅など屋内への避難を余儀なくされている。国軍とRSFの両トップが安全な通行を約束したとしても、現場では必ずしも徹底されないことがあり、ハルツーム市内の移動は依然として危険なままだ。

15日の戦闘開始以降、双方が何度も一時停戦に合意しながら順守されない事態を繰り返す背景として、現場の兵士に命令が行き届かない可能性が当初から指摘されていた。特にRSFは、2003年に起きたダルフール紛争で、黒人農耕民族らへの集団虐殺やレイプを繰り返したとされるアラブ系民兵組織ジャンジャウィードを源流とする。スーダン国民からもRSFの体質を批判する声が上がる。

外交団狙う

国軍とRSFはいずれも、交渉による事態打開の可能性を否定している。停戦期限を迎える24日以降、戦闘の激化が予想され、各国の退避が一層困難になるのは必至だ。

エジプト外務省は23日、在スーダンのエジプト大使館職員1人が銃撃を受けて負傷したと発表した。スーダンでは17日にも欧州連合(EU)の大使が襲撃されたほか、米国外交団の車列もRSFとみられる兵士の銃撃を受けるなど、外交団を狙った攻撃が相次ぐ。

エジプト外務省の報道官は23日、「退避の安全を確保するためには組織立った計画が必要となる」と述べ、数万人とされる在留エジプト人の退避を慎重に進める考えを示した。
2023.04.24 15:49 | 固定リンク | 戦争

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