ウクライナ戦争「中国和平」可能か?
2023.03.17

中国はウクライナ和平を橋渡しできるか そんな中ポーランド、ウクライナに戦闘機供与へ 数日中にまず4機 ウクライナ、欧米製戦車を初受領 ポーランドの「レオパルト2」 スウェーデンも同日、ウクライナに10両前後のレオパルト2と防空システムを供与すると発表した。

■【2月25日 AFP】ポーランドは24日、保有するドイツ製の主力戦車「レオパルト(Leopard)2」4両をウクライナに引き渡した。ウクライナが欧米製戦車を受領するのは初めて。

(CNN) ポーランドのドゥダ大統領は16日、保有する旧ソ連製のミグ29戦闘機4機を数日中にウクライナに供与すると発表した。ロシアがウクライナに侵攻して以来、同国への戦闘機の供与は北大西洋条約機構(NATO)加盟国で初。

ドゥダ氏によると、ポーランドは1990年代にドイツ民主共和国(東ドイツ)から譲り受けたミグを12機ほど保有しており、現在もポーランド領空の防衛で運用している。

同氏は「数日中にミグ29戦闘機4機をウクライナに引き渡す。残りは整備中で、こちらも引き渡しの準備が進められている。我が国はミグ29に代わって韓国のFA50戦闘機と米国のF35戦闘機を運用する」と説明した。

■【3月16日 AFP】ロシア、中国、イラン3か国の海軍による合同軍事演習が15日、イラン・チャバハール(Chabahar)港近くで始まった。

ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は、ウクライナ侵攻により西側諸国から一連の制裁を科されて以来、中国とイランとの政治的、経済的、軍事的関係の強化を図っている。

■中国はウクライナ和平を橋渡しできるか

[北京 16日 ロイター] - 中国政府は2月24日、ウクライナ危機に関する中国の立場を表明する文書を公表し、ロシアとウクライナがともに歩み寄って全面的な停戦を目指すよう呼びかけた。習近平国家主席は近くロシアを訪れてプーチン大統領と会談する見通しで、ウクライナのゼレンスキー大統領ともバーチャル方式で話し合う機会を設けると報じられている。

中国外務省は双方と連絡を取り続けていると述べたが、習氏とプーチン氏ないしゼレンスキー氏と会談することは正式に認めていない。ただ中国が、ロシアとウクライナを和平協議のテーブルに招こうとしているとの観測が出てきている。

■中国が仲介に乗り出そうとする理由

中国は伝統的に他国の対立、特に自国から遠く離れた地域の対立には干渉しないという原則を堅持してきた。しかし先週には北京でサウジアラビアとイランの外交関係正常化合意をお膳立てし、習指導部の下で中国は責任ある大国として存在感を示そうとしている、と専門家は分析する。

香港城市大学のワン・ジャンギュ教授(法学)は「習氏は、国際社会において少なくとも米大統領と同じぐらい影響力のある政治家とみなされたいのだろう」と述べた。

中国としては、ウクライナ問題で侵略者ロシアの味方をしているとの批判を払しょくすることにも躍起となっている。

そこで仲介者を演じるのは、早期の事態打開が見込み薄だとしても、中国にとって「ローリスク・ハイリターン」の試みだともみられている。

■中国の和平案

中国は「ウクライナ危機の政治的解決」と題した文書で、ロシアとウクライナがともに緊張を徐々に和らげて包括的な停戦に至るよう促した。

この文書は民間人の保護やあらゆる国家の主権尊重を求めているが、ロシアの侵略行為に対する非難は差し控えた。

ロシアとウクライナいずれもそれほど大々的な歓迎姿勢は示さず、米国と北大西洋条約機構(NATO)は中国の中立性を疑っている。

和平を考えるのはロシアが全部隊をウクライナ領土から引き揚げてからだと主張するウクライナは中国の提案に対して、ロシアが旧ソ連崩壊以降に定められた国境線まで下がるべきだと言及しなかったと異議を唱えた。ただその後、この提案の幾つかの部分については前向きに考える姿勢も示した。

ロシア側は中国の提案を検討すると表明しつつも、今のところ和平実現の兆しはないとしている。

米国は、中国は自らを中立的であると示し、和平を求めながら、同時にこの戦争に関するロシアの「作り話」を受け入れて非軍事的支援を行い、軍事支援も検討していると批判した。

NATOは、中国はウクライナ問題で仲介者として大きな信頼は置けないと述べた。

■中国の演じる役割

専門家の見立てでは、サウジ・イランの場合と違って中国がロシアとウクライナを和平交渉の場に引き出すのは難しそうだ。

スティムソン・センターの中国プログラムディレクター、ユン・スン氏は「サウジとイランは実際に対話と関係改善を望んでいるが、ロシアとウクライナは少なくとも今のところそうではない」と指摘する。

ただユン氏は、習氏が裏方として働きかけ、現時点では期待できないロシアとウクライナの対話に向けた気運を生み出す可能性はあるとみている。

とはいえ、昨年の戦争開始の数週間後にトルコがイスタンブールにロシアとウクライナの代表を招いて話し合いを促したが何も実りがなかったことは、歩み寄りがいかに困難かを浮き彫りにしている。

■中国が行使できる手段

何人かの専門家は、中国はトルコに比べて仲介者として有利な要素があると話す。それはロシアに対する影響力がより大きいという点だ。

中国はロシアにとって最重要の同盟国で、これまでロシア産原油を購入し、西側が門戸を閉ざしたロシア製品に市場を提供してきた。

さらに中国はウクライナにも一定の影響力がある。オックスフォード大学のロシア専門家、サミュエル・ラマニ氏は、ウクライナとしても戦後の復興局面で中国から支援を受けられるチャンスを台無しにしたくはないはずだと述べた。

ラマニ氏は、2014年のロシアによるクリミア併合以降、中国はウクライナとの貿易を拡大しているし、クリミアをロシア領として承認をしていないとも説明した。

「最も大事なのは、ゼレンスキー氏が中国をことさら挑発してロシアに武器供与をし始める事態を望んでいないということだ」といいう。

■中国は誠実な仲介者たり得るか

ロシアと強い結びつきがある中国だけに、仲介者として振る舞っても大いに疑いの目を向けられるだろう。ウクライナ侵攻開始の直前、中国とロシアは「無制限」の友好関係にあると宣言していた。

中国は戦争開始以後ずっと和平を提唱しているものの、おおむねロシアの立場を尊重している。つまりNATOが東方拡大路線でロシアに脅威を与え、西側がウクライナに戦車やミサイルを供与することで戦争が激化したという主張だ。

ジャーマン・マーシャル財団のアンドルー・スモール上席研究員は、中国は和平の取り組みに参画しているとみなされたがっているが、ロシアとの関係を犠牲にしてまでプーチン氏に戦争をやめるよう迫る用意はないと分析。「中国は今のところロシアに圧力をかけたり、何かを強制的にさせたりはしていない」と述べた。
2023.03.17 16:17 | 固定リンク | 戦争
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2023.03.17
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA164BJ0W3A310C2000000/
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2023.03.17 08:52 | 固定リンク | 政治

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