ストームシャドウで「占領地半分奪還」
2023.07.24


■クリミアのロシア軍施設を攻撃したのはストームシャドウ?イギリスが供与した長距離ミサイルの戦果

ロシアとの全面戦争を恐れるアメリカがいまだに供与を拒否している長距離ミサイルが、ロシア支配地域の重要な標的を次々破壊している

ロシアが実効支配するクリミア半島キロフスク郡にあるロシア軍の施設で7月19日に爆発が起きた事件について、ウクライナ軍が長距離巡航ミサイル「ストームシャドウ」で攻撃したのではないか、という憶測が広まっている。

ロシアが任命したクリミア自治共和国のセルゲイ・アクショーノフ首長は、事件について、ロシア軍の訓練場で火災が発生し、周辺住民2000人以上が避難していると述べた。メッセージアプリ「テレグラム」のロシア連邦保安庁とつながりのある複数のチャンネルは、同基地で複数回にわたる爆発があったと報告したが、アクショーノフは火災の原因についての詳細は明らかにしなかった。

ウクライナはクリミア半島にあるこの基地を攻撃したことを認めていないが、ロシアの一部の軍事ブロガーやテレグラムのチャンネルは、ウクライナ政府が同基地を「ストームシャドウ」で攻撃した可能性を示唆している。

長距離巡航ミサイル「ストームシャドウ」は、ウクライナが6月初旬から始めた反転攻勢に先立って、5月にイギリスがウクライナに供与したものだ。

「偽の声明文」が出回る

ミサイル技術の専門家であるファビアン・ホフマンは5月にツイッターへの投稿で、「ストームシャドウ」にはクリミア大橋を攻撃できる潜在能力があると指摘していた。クリミア大橋はクリミア半島とロシア本土をつなぐ唯一の橋であり重要な補給路で、その破壊はウクライナ軍の重要な戦略目標になっている。

ロシア政府寄りで110万人の登録者を擁するテレグラムチャンネル「Rybar(リバル)」と、ロシアの民間軍事会社「ワグネル」とつながりのあるチャンネル「グレーゾーン」はいずれも、今回の攻撃は「ストームシャドウ」を使って行われたものだと主張した。ロシアの国内ニュースを扱うチャンネル「Brief」も、同様の推測を伝えた。

これまでのところ、「ストームシャドウ」が使われたことを示唆する証拠はない。ウクライナは攻撃を認めておらず、ロシア政府もまだウクライナ政府を名指しで非難はしていない。だが7月19日の朝には、ウクライナ国防省情報総局のキリロ・ブダノフ局長が攻撃を認めたものだとする「偽の声明文」がソーシャルメディア上に出回った。

■ウクライナ軍、南・東部でさらに16平方キロ奪還

ウクライナのハンナ・マリャル(Ganna Malyar)国防次官は24日、ロシア軍に対し反転攻勢を強める自国軍が先週、南部と東部で合わせて16平方キロメートルの領土を新たに奪還したと発表した。

マリャル氏はテレビ放送されたコメントで「先週(南部で)12.6平方キロの領土を解放した」と述べるとともに、東部バフムート(Bakhmut)一帯でも4平方キロを奪還したと説明した。

同氏によると、ロシア軍は東部ハルキウ(Kharkiv)州クピャンスク(Kupiansk)一帯で、ウクライナ軍部隊をオスキル(Oskil)川の対岸へ押し戻そうと攻撃を仕掛けているという。

■ウクライナ、ロシアによる占領地域の半分を既に奪回

リンケン米国務長官は23日、CNNテレビのインタビューで、ウクライナが「当初(ロシアに)占領された地域の約50%を既に取り戻した」と語った。

ただブリンケン氏は「まだ反転攻勢は序盤の段階にある」と指摘。残る地域の奪回に向けては、ウクライナは「非常に激しい戦い」に直面しており、すぐに成果が得られることはないだろうとの見通しを示した。

ウクライナはこれまでに南部の幾つかの村と、東部ドネツク州バフムトの周辺地域を取り戻しているが、ロシアの強力な防衛線の大規模な突破は果たしていない。ゼレンスキー大統領は先月、反転攻勢の進展スピードが期待よりも遅いと述べた。

ブリンケン氏は、ウクライナが米国製のF16戦闘機を入手することになるかとの質問に、そうなると信じていると回答。「大事なのは彼らへ実際に届けられた際に、適切な訓練や保守管理を行い、うまく使いこなせるようになることだ」と強調した。

欧州などの11カ国は8月にデンマークで、ウクライナのパイロットに対するF16の操縦訓練を開始する予定で、ルーマニアにも訓練センターが設けられる。

■モスクワにドローン攻撃、建物が損壊 1機が国防省の近くを攻撃

ロシアの首都モスクワで24日早朝、ドローン(無人機)による攻撃があり、少なくとも2棟の建物が損壊した。ロシアはウクライナが仕掛けた攻撃だと非難した。

ロシア国防省は、ドローン2機を「制圧し墜落させた」とした。死傷者はなかったとした。

同省はテレグラムに投稿した声明で、「キエフ(キーウのロシア語読み)の政権がドローン2機を使ってモスクワ市内の目標物に対してテロ行為を実行しようとしたが、阻止された」とした。

国営タス通信は、1機は国防省の近くに落下したと報じた。

ウクライナ当局はコメントを出していない。ロシア国内での攻撃について、ウクライナ当局が実施を認めることはほとんどない。

国防省から2キロの場所で破片

モスクワのセルゲイ・ソビャーニン市長は、この日午前4時(日本時間同10時)ごろ、ドローンが「住宅ではない」建物を攻撃したと明らかにした。建物に大きな被害はなかったという。

一方、複数の報道機関は、ドローンの破片が国防省の建物から2キロメートルほどの場所で見つかったと伝えた。

タス通信は、モスクワ市内のコムソモリスキー通り沿いでも、ドローンの残骸が発見されたと報じた。運輸省はテレグラムに、この通り沿いで交通が遮断されていると書き込んだ。写真からは、救急隊が現場で活動しているのがわかる。

リハチェフ通りでは高層オフィスビルが被害を受け、通行止めとなった。軍のテレビチャンネル「ズヴェズダ」の映像では、このビルの最上階の窓がなくなっている。

ロシアで相次ぐドローン攻撃

ロシアは自国領でここ数カ月続発しているドローン攻撃について、ウクライナによるものだと非難している。

ロシアは今月初め、ウクライナがモスクワにドローン攻撃を仕掛け、ヴヌーコヴォ国際空港からのフライトを変更させたと発表した。ウクライナは攻撃を認めていない。

5月には、モスクワのロシア大統領府に対してドローン攻撃があった。同国はウラジーミル・プーチン大統領の命が狙われたとしているが、ウクライナは攻撃の実施を否定している。

今回の攻撃の前日には、ロシアがウクライナの港湾都市オデーサをミサイルで攻撃。歴史的建造物のウクライナ正教会の救世主顕栄大聖堂を破壊した。

国連の教育科学文化機関(ユネスコ)は、オデーサの歴史地区への攻撃について、「深く憂慮し、これ以上ないほど強く非難する」とコメントした。

ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、報復を宣言。キーウでの毎夜恒例の演説で、「向こうは間違いなく、これ(報復)を感じることになるだろう」、「(ロシアによる)今回のミサイルの標的は、都市や村や人々だけではない。標的にしているのは人類であり、欧州文化全体の根幹だ」と述べた。

■クリミアの「燃料貯蔵庫攻撃」クリミア橋通行停止に

ロシア当局は22日、クリミア半島の燃料貯蔵施設がドローン攻撃を受けたとして、ロシア本土とクリミア半島を結ぶケルチ大橋を通行停止にするなど交通に混乱が生じたと明らかにした。

ロシアがクリミアを併合して現地に設けた行政当局のトップ、セルゲイ・アクショノフ知事は、証拠を示さないまま、ドローン攻撃はウクライナによるものだと主張した。アクショノフ氏は、攻撃から半径5キロ圏内の住民は避難したと話した。

車道と線路が平行して走るケルチ大橋について、現地当局は一時両方の交通を停止したものの、車両の通行は間もなく再開された。ただしその後、車両も再び通行止めになり、当面はその状態が続くと発表した。

アクショノフ氏は、クリミアのクラスノグヴァルデイスキー地区にあるインフラ施設が攻撃の標的だとした。メッセージアプリ「テレグラム」でアクショノフ氏は、「初期段階の情報では、損傷や人的被害はない」と書いた。

ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、ケルチ大橋は正当な標的だと主張している。21日にゼレンスキー氏は、「この戦争の弾薬を届けるのに毎日使われる」大橋を「無効」にする必要があると述べ、ウクライナ政府は大橋を「敵の施設」とみなしていると話していた。

「そのため当然ながら、(大橋は)我々にとって標的となる」。アメリカ・コロラド州アスペンで開かれた安全保障関連会議で、ゼレンスキー氏はビデオ演説でこう述べた。

ロシアは2014年にクリミアを違法に併合した後に、「クリミア大橋」とも呼ばれるケルチ大橋の建設を開始。プーチン氏が自ら先導し、2018年に開通した。クリミア半島とロシアの間のケルチ海峡にかかり、道路と鉄道が並行している。橋は、ウクライナ南部を占領するロシア軍にとって重要な補給ルートとなっている一方、ウクライナにとってはロシアによる侵攻の象徴でもある。

ケルチ橋では昨年10月に大きな爆発があり、一部が通行止めになっていたが、今年2月に全面的な通行を再開。今月17日にも爆発があり、2人が死亡したものの、線路は破損していなかった。

17日の爆発について、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領はウクライナによる「無意味」で「残酷」な「テロ攻撃」だと非難し、報復を約束していた。

■ウクライナ、米供与のクラスター弾を「効果的に」使用

アメリカの政府高官は20日、アメリカがウクライナに供与したクラスター弾が、ロシア軍に対して使用されていると明らかにした。

米国家安全保障会議(NSC)のジョン・カービー戦略広報調整官は、クラスター弾がロシアの防衛拠点や作戦に対して「効果的に」使われていることが、ウクライナ側からの初期の報告からうかがえると述べた。

カービー氏は、「ウクライナは適切に使っている」、「効果的な使い方をしており、ロシアの防衛陣形や防衛のための部隊移動に実際に影響を与えている。これについては、そのくらいにしておく」と述べた。

クラスター弾は、多くの小型爆弾を内包し、まき散らす。民間人にも脅威だとして、100カ国以上が使用を禁止している。

アメリカは、ウクライナが今夏の反転攻勢で弾薬不足状態だと訴えたことを受け、クラスター弾の供与を決定した。ウクライナの反撃は、大方が望んでいたより進みが遅く、犠牲も大きくなっている。

ジョー・バイデン米大統領はクラスター弾供与の決定を「非常に難しい」と表現した。同盟国のイギリス、カナダ、ニュージーランド、スペインは、クラスター弾の使用に反対した。

ウクライナはクラスター弾について、ロシア兵の集中を解く目的に限って使うと約束している。

アメリカが供与したクラスター弾の大部分は、「不発率」が2.35%未満とされる。不発の場合、何年にもわたって危険な状況を生む。

クラスター弾は、塹壕や要塞(ようさい)内の兵士への攻撃で効果的とされる。広範囲に小型爆弾がまかれるため、兵士は移動が困難になる。

ロシアはウクライナへの本格侵攻を昨年開始して以来、同じようなクラスター弾を使っている。民間人が暮らす地域でも使用している。

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、アメリカがクラスター弾の供給を決定したことを受け、ロシアも同様の兵器を保有していると発言。アメリカが供給した弾が「私たちに使われれば」、ロシアも使用すると述べた。

ウクライナ東部でのウクライナ軍の作戦を指揮するオレクサンドル・シルスキー司令官は先週、「敵の歩兵に最大限のダメージを与える」ため、クラスター弾が必要だとBBCに話した。

「素早く成果を出したいと思っているが、現実にはまず不可能だ。ここで兵士が多く死ぬほど、ロシアにいる兵士の親族らは自分たちの政府に『どうしてなのか?』と問い詰めることになる」

シルスキー司令官はまた、クラスター弾が「すべての問題を解決する」わけではないと付け加えた。

さらに、クラスター弾の使用には賛否両論があると認めつつ、「もしロシア軍が使わなければ、私たちも良心がとがめて使えないだろう」とした。
2023.07.24 19:42 | 固定リンク | 戦争
札幌ススキノ「首狩り族・逮捕」
2023.07.24


■速報 ススキノのホテルで頭部ない男性殺人、札幌市の29歳の女と医師の父親を逮捕…捜査本部が会見、父娘で死体遺棄などの疑い

札幌市の繁華街ススキノのホテルで、62歳の男性が殺害され、2日午後、首を切断された状態で見つかった事件で、捜査本部は24日午前、札幌市の29歳の女と、医師の父親の2人を死体遺棄などの疑いで逮捕しました。

死体損壊、死体領得、死体遺棄の疑いで逮捕されたのは、札幌市厚別区の職業不詳、田村瑠奈(るな)容疑者29歳と、同居する父親で、医師の田村修(おさむ)容疑者59歳の2人です。

2人は共謀し、1日深夜から2日未明にかけて、札幌市のススキノにあるホテル2階の客室の浴室で、刃物のような凶器で恵庭市の62歳の会社員の男性の首を切断した上、頭部を持ち去るなどした疑いが持たれています。

捜査本部によりますと、現場のホテル客室に男性と一緒に入ったのは、田村瑠奈容疑者で、父親の修容疑者は入っていないとみられています。

田村瑠奈容疑者は、父親の修容疑者、それに母親と3人暮らしで、捜査本部は、24日朝から札幌市厚別区の自宅に家宅捜索に入りました。

現場から無くなった男性の頭部、所持品、凶器などは捜索中としています。

事件は2日午後、札幌市のススキノのホテル2階の客室の浴室で、頭部がない全裸状態の男性の遺体が見つかり、発覚。

男性は司法解剖の結果、体に刃物で刺された致命傷があり、死因は出血性ショック、殺害された後に首を切断されていました。

捜査本部によりますと、遺体発見の前日、男性と同行する人物が2人で現場の客室に入った後、入室時とは違う服装の人物が1人でホテルを出て、大きなスーツケースを引きながら歩く姿などが防犯カメラで確認されていました。

その後、捜査本部は、防犯カメラの映像、男性の交友関係などから2人を割り出し、24日午前、死体遺棄などの疑いで逮捕しました。

捜査本部は、2人の逮捕容疑についての認否を明らかにせず、引き続き男性を殺害した疑いでも調べをすすめています。

■札幌ホテル首切断遺体 29歳の女とその父親を逮捕 死体遺棄などの疑い

札幌市すすきののホテルで今月2日、首が切断された男性の遺体が見つかった事件で警察は札幌市厚別区に住む29歳の女とその父親を死体遺棄などの疑いで逮捕しました。

死体遺棄などの疑いで逮捕されたのは札幌市厚別区の田村瑠奈容疑者29歳と父親で医師の田村修容疑者59歳です。

田村瑠奈容疑者らは、今月1日深夜から2日未明にかけ札幌市中央区すすきのにあるホテル客室の浴室で恵庭市に住む62歳の男性の首を切断し頭部を持ち去った疑いが持たれています。

男性の遺体は首が切断された状態で発見され体には致命傷とみられる刺し傷がありました。

警察は、男性と2人でホテルに入った人物が男性を殺害したとみて捜査を進めていて、防犯カメラの映像などから若い女であるとの見方を強めていました。

■20代女と父親の医師、死体遺棄容疑などで逮捕 札幌の切断遺体事件

札幌市の繁華街・すすきののホテルの一室で2日、頭部を切断された北海道内の男性(62)の遺体が見つかった事件で、道警は24日、いずれも札幌市厚別区南2丁目、職業不詳の田村瑠奈容疑者(29)、父親で医師の修容疑者(59)を死体損壊、死体領得、死体遺棄の疑いで逮捕し、発表した。両容疑者の認否は明らかにしていない。道警は、瑠奈容疑者と被害男性は知人とみている。

道警によると、両容疑者は共謀し、7月1日深夜から2日未明にかけ、札幌市中央区のホテルで、被害男性の首を刃物のようなもので切断し、頭部を不詳の場所まで運んだ疑いがある。

捜査関係者によると、男性の致命傷は体への刺し傷で、死後に首を切断されたとみられる。抵抗した際にできる傷がなく、室内は争った形跡がなかった。室内には男性の頭部がなく、衣服や携帯電話、財布など所持品がまったく残っていなかった。

男性は1日午後10時50分ごろ、小柄な人物と2人でホテルに入る姿が防犯カメラに映っていた。約3時間後の2日午前2時ごろ、フロントに「先に出る」と女性のような声で連絡があり、同行者が1人で出ていった。同行者はホテルに入る際、白っぽい服装をして大型のスーツケースを引いていた。ホテルを出る際は、上下黒っぽい服に着替え、リュックのようなものを背負い、同じスーツケースを持っていた。
2023.07.24 16:03 | 固定リンク | 事件/事故

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