「中国指導部も動揺」プリゴジン氏生存説で反乱第二幕が
2023.07.20
プリゴジン氏〝生存説〟浮上 「彼はまだ生きている」 MI6長官はロシア国民にスパイ活動への協力を要請

ウラジーミル・プーチン大統領率いるロシアが混迷を深めている。武装蜂起後に消息不明となっていた民間軍事会社「ワグネル」の創設者、エフゲニー・プリゴジン氏が動画に登場したと19日、ロシアの独立系メディアが報じた。英秘密情報局(MI6)のリチャード・ムーア長官も同日、プリゴジン氏が生存しているとの情報を明かし、ロシア国民にスパイ活動への協力を要請した。「ワグネルの乱」で軍部が混乱するロシア国内の「亀裂」が拡大する可能性もありそうだ。

■プリゴジン氏、生存説も浮上

「われわれはしばらくの間ベラルーシに滞在することが決まった」

報道によると、プリゴジン氏は通信アプリに投稿した動画でこう、ベラルーシに入ったワグネルの戦闘員らに述べたという。

動画は薄暗い野外で撮影したとみられ、プリゴジン氏の姿は確認できず、信憑(しんぴょう)性は不明だ。ただ、プリゴジン氏とされる人物は、ウクライナ侵攻に関して「最前線で起きているのは恥ずべきことで、参加する必要はない」と国防省幹部批判を繰り返し、プリゴジン氏の過去の発言内容と一致する。

プリゴジン氏は6月下旬の反乱後、消息不明となっている。このため、「粛清説」も流れていた。

こうしたなか、プリゴジン氏とされる動画が報じられた19日、MI6のムーア氏がチェコの首都プラハで演説を行った。BBCは、「ムーア氏は彼らが知る限り、彼(プリゴジン氏)はまだ生きていると述べた」と伝えた。

ロシアでは、収束したはずの「ワグネルの乱」の余波が続いている。プリゴジン氏に近いとされるウクライナ侵攻の副司令官、セルゲイ・スロビキン航空宇宙軍総司令官の「拘束」情報が流れたほか、ほかのロシア軍幹部についても「拘束」や「解雇」されたとの報道があった。

ムーア氏は演説で、「ロシア軍がウクライナの都市を破壊し、多数の子供を連れ去る状況にがくぜんとしているロシア人がたくさんいる」と述べた。さらにウクライナ侵略後にMI6の活動に協力したロシア人の存在を明かし、「流血を終わらせるため、協力したいというロシア人へのドアはいつでも開いている」と〝内通〟を呼びかけた。

■「中国指導部も動揺」プリゴジン氏生存説で反乱第二幕が

ロシアのウラジーミル・プーチン政権が、民間軍事会社「ワグネル」による反乱の余波収拾に追われている。収束後初の演説に臨んだプーチン大統領は、反乱を国家に対する「裏切り」と糾弾したが、蜂起を主導したワグネルの創設者、エフゲニー・プリゴジン氏の名指しを回避した。ワグネルの戦闘員に対しては、ロシア兵としての任務も続けられるとして「低姿勢」が目立った。一方のプリゴジン氏は、音声メッセージで健在をアピール。国際社会は、「ワグネルの乱」による政権内の亀裂拡大に注目し、反乱の「第2幕」が起きる可能性も指摘されている。混乱の影響はロシアにとどまらず、ウクライナ侵略でプーチン政権に理解を示してきた中国の習近平政権に動揺を与えているとの見方も浮上している。

「反乱の首謀者は国家を弱体化させる犯罪行為に手を染めた」「どんな場合でも反乱は鎮圧される」

プーチン氏は26日、ロシア国民向けの演説で、こう述べた。演説後には、軍や治安当局のトップらを集めた会議も開き、「現在進行中の状況を協議する」と表明した。

演説が同日午後10時過ぎに行われたにもかかわらず、終了後に会議まで招集するという「異例」の対応だった。

ただ、プーチン氏は演説で、首謀者が誰かを明言せず、プリゴジン氏を名指しもしなかった。ワグネルの戦闘員に対しては、その多くを愛国者だとし、流血の事態回避に謝意を述べた。そのうえで、今後について国防省と契約して任務を続けられるし、希望者はロシアの隣国ベラルーシに行くこともできると説明した。

一方、反乱を主導したプリゴジン氏は26日夕、通信アプリ「テレグラム」上で、約11分にわたる音声メッセージを公開した。反乱を「抗議の行進」だったとし、「現体制を転覆させる意図はなかった」と主張した。

頻繁な情報発信を続けてきたプリゴジン氏は24日、進軍停止を表明したのを最後に沈黙していた。その後の行方は分かっておらず、今回の音声メッセージの発信場所も明らかにしなかったが、ロシア軍やロシア防衛省の幹部を批判する従来の姿勢はまったく変わっていなかった。

ワグネル部隊の進軍に伴ってモスクワや首都郊外のモスクワ州に導入されていた対テロ作戦態勢は26日、解除された。「ワグネルの乱」は表面上こそ収束したかに見えるものの、主導したプリゴジン氏が再登場したことで、いろいろな憶測を呼んでいる。

イギリスのジェームズ・クレバリー外相は26日、下院への情勢報告で、反乱を「プーチン大統領に対する前代未聞の挑戦だ」とし、ロシア国内で「戦争支持のひび割れが表面化し始めた」と指摘。ベン・ウォレス国防相も別の会合で、プリゴジン氏が反乱を通じてウクライナ侵攻へのやり方に「真っ向から異議を唱えた」とし、ロシア国民に真実を語ったと指摘した。

ジョー・バイデン米大統領は26日、ホワイトハウスで記者団に対し、「事態の行方について最終判断を下すのは時期尚早だ」として、「さまざまなシナリオに備えるよう国家安全保障会議(NSC)に指示した」と明らかにした。

ロシアによる侵略に対峙(たいじ)するウクライナでは、ロシアに対してより厳しい見方が出ている。

米CNNによると、オレクシー・ダニロフ国家安全保障防衛会議書記は25日、プリゴジン氏について「集団の一部であり、計画の一部であり、不安定化の過程の氷山の一角に過ぎない」と述べた。

ダニロフ氏は、ロシアでは治安部隊や当局者、新興財閥(オリガルヒ)などの不満を持った人々の集団が形成されていると説明。今回の「ワグネルの乱」がプーチン政権にとって、即座に致命傷とはならないかもしれないが、そうなることは避けられず、「カウントダウンが始まった」と語った。

プーチン政権で広がり始めている「亀裂」の影響は、ロシアとの協力関係を維持する中国にも及ぶかもしれない。

米国家安全保障会議のカート・キャンベルインド太平洋調整官は26日、ワシントンのシンクタンクで行った講演で、ワグネルによる反乱が「中国の指導部を動揺させている」との見方を示した。
2023.07.20 13:45 | 固定リンク | 戦争
秦剛外相不倫疑惑「カショギ氏殺害に関与」
2023.07.20



中国・秦剛外相の「長期不在」に憶測広がる “不倫疑惑”が浮上した香港のアナウンサーと台湾が報道 「習氏の任命責任浮上」

中国の秦剛国務委員兼外相(57)が先月25日から23日間(18日現在)も公開活動を中断し、憶測が飛び交っている。北京外交関係者の間では「秦剛蒸発事件」が今年の中国外交の最大「ブラックスワン(突発事件)」になったという評価が出ている。

秦外相は6月25日に北京でスリランカ外相、ベトナム外相、ロシア外務次官と相次いで会談した後、突然、姿を消した。今月初めに青島で開催された韓日中フォーラム、先週のジャカルタASEAN地域安保フォーラム(ARF)まで外務次官でなく上級者の王毅共産党政治局員が出席し、異例という指摘が出ていた。

17日には海外の記者が「秦剛外相が香港フェニックスTVの傅暁田記者(40)との不倫疑惑で調べられ、彼女が米国で最近出産したという噂について立場を聞きたい」と質問すると、中国外務省の毛寧副報道局長は「状況について知らない」と答弁を避けた。「秦剛氏は現在、中国の外相なのか。なぜ数週間も姿を見せないのか」という質問には「最初の質問は中国外務省のサイトを見てほしい。私が提供できるそれ以上の情報はない」と答え、当惑した表情だった。中国外務省のホームページには秦剛外相の先月25日の活動が最新の動静として紹介されている。ただ、この日の秦外相に関する報道官の答弁はホームページに掲載されなかった。

秦外相の潜伏が長期化すると、まず健康不安説が提起された。親中性向の香港星島日報は10日、秦外相が新型コロナに感染して半月間ほど療養中で、近く活動を再開すると報じた。汪文斌報道官も11日、「秦外相が身体の問題」でARFに出席できないと伝えた。

秦外相の機関調査説は13日に提起された。香港明報がこの日、「療養中の外相と欠席した上将」と題して先月28日、軍進級式に異例にも出席しなかった李玉超ロケット軍司令官と秦外相の潜伏を一つのコラムにして掲載したのがきっかけだ。明報は先月末に逮捕説が浮上した李司令官だけでなく張振中連合参謀部副参謀長、劉光斌ロケット軍副司令官までが関与し、すでに3年前に退役した呉国華元ロケット軍副司令官が5日に突然脳溢血で死亡したと伝え、尋常でない軍部内の事件にまで言及した。

秦外相の不倫疑惑は先週末から海外ツイッターを中心に広まった。北京大学学士、英ケンブリッジ修士学位を持つ香港フェニックスTVのアナウンサー傅暁田氏が自身のウェイボー(微博・中国版ツイッター)に昨年3月、当時の秦剛駐米大使へのインタビュー写真と今年3月に彼女の息子の写真を載せたのが不倫疑惑の根拠になった。

中国外務省内の権力闘争説も登場した。10日、趙立堅元報道官の夫人がウェイボーに夫の写真と共に「今日はいい日」という意味深長なコメントを載せた。秦外相の就任直後に趙報道官の左遷人事を記憶するネットユーザーが各種憶測を出した。最近は、新任の駐米大使が5月末にワシントンに赴任した直後に秦外相事件を把握し、退職した元老の助けを受けて上部に報告したという主張も登場した。

在米時事評論家の鄧聿文氏は「秦剛報道官は第20回党大会以降に発生した最初の高官スキャンダル」とし「強権統治は政権自体が不安定で高官1人の非常識な行動が政権に無限の憶測を呼ぶという事実を証明した」と今回の事態の推移に懸念を表した。

中国外務省のホームページによりますと、秦剛外相は先月25日にベトナムの外相などと会談して以降、動静が途絶えています。

今週、開かれたASEAN(東南アジア諸国連合)関連の国際会議にも欠席し、代わりに王毅政治局委員が出席しました。

欠席の理由について、中国外務省は会見で「健康問題」と説明しましたが、ホームページには掲載せず、中国国内で秦剛外相の健康問題はほとんど報じられていません。

一方、中国国外のネット上で不倫が原因ではないかという憶測が広がり、台湾メディアなどが引用して報じています。

この件に関し外交筋は「新型コロナにしては長すぎる。重い病気なのか、別の事態を『病気』と説明している可能性はある」と分析しています。

中国外務省の毛寧(もう・ねい)報道官は17日の記者会見で、王氏の女性問題に関する報道について「状況を把握していない」と回答。「中国の外交活動は正常に行われている」と秦氏不在による外交への影響を否定した。中国外務省はホームページに報道官の会見内容を毎日掲載しているが、秦氏の動静に関するやり取りは削除しており、情報管理に神経をとがらせているとみられる。

秦氏は57歳で、外務省報道官や外務次官、駐米大使などを歴任し、昨年末に外相に就任。今年3月からは国務委員(副首相級)を兼任し、スピード出世を果たしている。

キャリア外交官で、習近平国家主席の最側近の1人とされる秦氏は、駐米大使を短期間務めた後、昨年12月に外相に抜擢された。外交部門ではトップの王毅(おう・き)政治局員に次ぐナンバー2だ。

中国の偵察気球が今年2月に米国上空に侵入し、米軍に撃墜された問題により悪化していた米中関係は最悪の事態に陥った。秦氏は外相として米国を痛烈に批判したが、6月中旬には緊急訪中したブリンケン米国務長官と会談し、双方の対話を継続することで関係安定化を図ることに合意するなど、重要な役割を果たした。

だが、秦氏は6月25日に北京でスリランカ、ベトナム、ロシアの当局者らと会談して以来、動静が途切れた。ロシアの民間軍事会社ワグネルによる反乱の後、中国当局に状況説明のため急きょ北京入りしたルデンコ露外務次官と並んで笑顔で歩いている様子が伝えられたが、それが公の場で確認された最後となっている。

元共産党紙・学習時報の編集長で現在米国在住のアナリスト鄧聿文氏は米CNNに、「世界における中国の地位と影響力を考えると、外相が20日以上公の場に姿を現さないのは実に奇妙だ」と指摘した。

秦氏は今月初めに北京で欧州連合(EU)のボレル外交政策責任者と会談する予定だったが、中国側はEUに「(日程は)都合がつかない」と通告したため、会談は延期されたとロイター通信がEU報道官の話として伝えた。ボレル氏は中国到着の予定日だった5日のわずか2日前に延期を知らされたという。

秦氏は先週、インドネシアで開かれた東南アジア諸国連合(ASEAN)年次外相会議も不在だった。代わりに王毅氏が出席した。中国外務省報道官は定例記者会見で、秦氏は「健康上の理由」でASEAN会議に出席できないと述べた。詳しい健康状態は説明しなかったが、香港紙は新型コロナウイルスに感染したと報じていた。だが、「健康上の理由」だけでは、憶測の高まりを鎮めることはできていない。

中国の高官らは過去にも公の場から姿を消した数か月後に、中国共産党の中央規律検査委員会によって拘束されていたことが明らかになった例は少なからず知られている。CNNによると、このような突然の失踪は、習主席の反汚職キャンペーンではよく見られる現象となっている。

アナリストの鄧氏は、秦氏の消息不明が注目される理由の一つは、昨年秋に異例の3期目続投を決めた習氏の新たな指導部にあって、習氏の厚い信頼を受けて外相に抜擢されたという事実だ。「秦氏は習氏の独断で現在の地位に引き上げられた。これは秦氏が問題を起こした場合、習氏の任命責任になりかねず、政権にとってダメージでしかない」と解説した。

■香港フェニックスTVの傅暁田記者との不倫疑惑

現在米国で保護されてます。

傅暁田氏の経歴と疑惑

彼女は北京大学学士、英ケンブリッジ修士学位を持ち、中国の秦剛国務委員兼外相との不倫疑惑が報じられています。

秦外相は先月25日から公開活動を中断し、憶測が飛び交っています。傅暁田氏は自身のウェイボー(微博・中国版ツイッター)に昨年3月、当時の秦剛駐米大使へのインタビュー写真と今年3月に彼女の息子の写真を載せたことが不倫疑惑の根拠になっています。

疑惑

彼女はカショギ氏殺害に関与「サウジ(カショギ氏)記者殺害に関して、カショギ氏に対し総領事館に書類を取りに行くよう促す電話をかけた」

CIAの分析では「彼女はムハンマド皇太子の指示で(カショギ氏)へ電話をかけた」と分析。

経歴

不倫問題だ。秦剛が駐米大使時代に愛人関係にあったとされる元香港フェニックステレビの美人キャスター、傅暁田が2022年11月に秦剛の子供を出産したという噂が流れた。

傅暁田は1983年生まれ、英国ケンブリッジ大学チャーチル学院留学などを経て、2009年にフェニックステレビに入社し、英国駐在記者も経験した。美人で、英国の政界関係者に食い込み、中英の架け橋的な評価もされてきた。帰国後の2013年から人気政客対談番組「風雲対話」の看板キャスターとして活躍し、2015年には同番組のプロデューサーも兼任。安倍晋三首相(当時)や、キッシンジャー・元米国長官、ゴードン・ブラウン元英国首相ら世界の大物政治家と対談してきた。

彼女は2022年3月放送の番組でゲストとして当時駐米大使だった秦剛を迎えたが、その後まもなく番組キャスターを降板し、単独で米国に移住。2022年11月25日に米国で未婚のまま男児を出産したことを自分のブログで報告していた。

彼女の子供の父親は秦剛だと噂されていた。彼女がブログに載せている赤ん坊の顔は秦剛によく似ているし、彼女自身、その赤ん坊の父親が秦剛であるような思わせぶりな発言をブログでしていた。

たとえば今年、秦剛の誕生日である3月19日の前の18日夜に赤ん坊の写真を掲載し、「パパ、誕生日おめでとう」とコメントしたが翌日削除。また、彼女はわが子をEr-kinと呼んでいるが、Erは中国語の二世の意味、kinはqin(秦)を英語発音にしたときの音で、「二秦」つまり秦二世の意味ではないかと思われた。
2023.07.20 11:13 | 固定リンク | 国際

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