ウ軍SBU特殊部隊「戦車次々破壊」
2023.06.12



6月10日に反攻したとみられるウクライナ軍「9両か10両か? 10両だ! それが、SBUの『ホワイトウルブス』が一晩でやっつけたロシア戦車の数だ!」と、SBUはテレグラムで興奮気味にコメントした。土曜の午後時点で、動画の再生回数は4万7000回にのぼった。東部と南部でロシア軍部隊を蹴散らす動画で士気上がる。

ウクライナは同国の東部でロシア軍部隊の車列を攻撃し、破壊する映像を公開。いよいよ始まったウクライナ軍の反転攻勢の勢いを見せつけた。

ウクライナ軍参謀本部は6月10日、ウクライナ保安局(SBU)管轄の特殊部隊「ホワイトウルブス(白い狼)」がロシア軍陣地に照準を合わせて攻撃を行い、ウクライナ東部でロシア軍部隊を蹴散らしたと発表した。

公開された映像はドローンで撮影されたものと見られ、ウクライナ軍は過去1週間でロシア軍の戦車7台と防空壕15カ所を破壊したと発表した。

ウクライナは、ロシア軍部隊の車両や兵器を破壊する戦闘の映像を頻繁に公開しており、その中には「ホワイトウルブス」部隊の手柄とされるケースも少なくない。

ウクライナのメディアは10日、ロシアに併合されたウクライナ南部ザポリージャで、ロシア軍の車列を破壊する模様を映した動画を公開した。国際社会の大半は、この地域に対するロシアの支配を認めていない。

ウクライナ・プラウダはこの動画に、「ロシア空挺部隊第83旅団の軍用車の車列が、ウクライナの大砲による砲撃を受けた」というコメントを付けた。

ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、ウクライナ軍が「反攻と防御の作戦」を開始したと述べたが、それ以上具体的な情報は提供しなかった。

ウクライナ軍の指揮官たちは「全員が前向きなムードだ」とメディアに語り、こう付け加えた。「このことをプーチンに伝えてくれ」

ロシア政府の声明によれば、ウラジーミル・プーチン大統領は9日に「ウクライナの反撃が始まったことは、絶対確実だと言える」と語り、「ウクライナ軍は与えられた任務を達成できなかった」と付け加えた。

イギリス国防省は10日、過去24時間にウクライナ東部と南部で「重要なウクライナ軍の作戦」が実施されたと述べた。

「いくつかの地域で、ウクライナ軍は順調に作戦を進め、ロシア軍の第一防衛ラインを突破したようだ」と、英国防省は毎日の更新情報として伝えた。「他の地域では、ウクライナ軍の進撃は比較的遅い」

英国防省によれば、ロシア軍の戦いぶりは「まちまち」だが、いくつかの防衛作戦を実施したようだ。ダム爆破もそのうちの一つだ。

ワシントンのシンクタンク戦争研究所は、ウクライナ軍が6月10日に前線の「少なくとも4つの地域で」反攻作戦を実施したと発表した。

ロシア国防省は同日、ウクライナは9日にドネツクとザポリージャ、そして激戦地のバフムートで反攻作戦を試みたが、失敗に終わったと発表した。しかし、ザポリージャは,ウクライナが進撃中で塹壕をいくつも破壊したとある(SBU特殊部隊)。
2023.06.12 19:57 | 固定リンク | 戦争
ロシア破壊作戦「ダム原発爆破・戦術核兵器・特別軍事作戦」
2023.06.12



ロシア破壊作戦エスカレート「ダム/原発爆破・戦術核兵器---特別軍事作戦」

11日のウクライナメディアによると、ウクライナ軍当局者は、東部ドネツク州と南部ザポロジエ州の境界付近のダムをロシア軍が爆破し、川の両岸に洪水を引き起こしたと主張した。ウクライナ軍の反転攻勢を遅らせるのが狙いとの見方を示した。

ウクライナでは南部ヘルソン州カホフカ水力発電所のダムが6日に決壊し、大規模な洪水を引き起こしたばかり。ウクライナはロシアが爆破したとして非難している。当局者は、これらのダムの決壊はロシア軍の「戦術」だと指摘した。

■ロシア国防省と契約せず、民間軍事会社ワグネル創設者-対立激化か

ロシアの民間軍事会社ワグネル・グループ創設者、エフゲニー・プリゴジン氏は、ウクライナでの戦闘に参加している同グループの雇い兵はロシア国防省と契約を結ばないと述べ、志願兵組織を正式化することを狙った政府側の新たな要求を押し返した。

国防省は10日、志願兵組織に対し7月1日までに契約を結ぶよう命じた。法的地位や社会的保護を提供し、志願兵とその家族に支援措置を講じるための取り組みだと説明している。しかしプリゴジン氏は11日のテレグラムへの投稿で、ショイグ国防相からの命令や布告はワグネルではなく国防省スタッフと軍兵士だけに関係したものだと指摘した。

国防省は契約が締結されない場合にどうなるのかは詳述していない

プリゴジン氏とロシア軍の確執がエスカレートする中で、同氏はかつて、プーチン大統領の戦争目標の結果やウクライナ側からの越境攻撃後の対応について国防省当局者を批判した後に、激戦地のウクライナ東部バフムトから部隊を撤退させると表明した経緯がある。

■ウクライナ反転攻勢、3村奪還

ウクライナ政府は11日、東部ドネツク州の3村をロシア側から奪還したと発表した。反攻開始を公式に認めて以降、初めての戦果となった。

ウクライナ国家国境庁はこの日、「ドネツク州ネスクチネ村に再びウクライナ旗が掲げられた」と発表。

ウクライナ軍も、南部ザポリージャ州との州境に位置する近隣のブラホダトネ村を制圧したと主張。部隊は、破壊された建物に兵士が国旗を掲げる動画を公開した。

さらに、ハンナ・マリャル国防次官も、ブラホダトネの北西のマカリウカ村を奪還したと発表した。

ウクライナ側がザポリージャ州まで進軍できれば、ロシアに併合されたクリミア半島につながる陸橋を支配下に置ける公算が大きくなり、ロシア側は劣勢に立たされることになる。

ウォロディミル・ゼレンスキー大統領は10日、ロシアに対する反転攻勢が始まったことを認めた。

■「特別軍事作戦は継続しており、当初の目標を達成するまで継続する」

これが本気の発言なら、目標達成のため使われる兵器はもはや一つしか残されていない。77年の歳月を経て、再び世界は核の炎による悲劇を目の当たりにするのか。

国内で活発化し始めた反戦運動も核使用の現実味を高める一因となっている。ロシア軍が守勢に回っているという情報が徐々に伝わり、9月11日に行われた統一地方選では、公然と反戦の声を上げる野党政治家や有権者が目立った。

さらに「プーチンの頭脳」と呼ばれるロシアの極右思想家アレクサンドル・ドゥーギン氏の娘ダリア氏が暗殺された事件でも、反プーチンを掲げる『国民共和国軍』が犯行声明を発表した。

今、ロシア国内ではプーチン更迭を求める動きがかつてないほどに大きくなっているのだ。
ウクライナ軍が米国から供与された最新兵器で攻勢を続けるなか、プーチンは一発の核ミサイルで戦況をひっくり返そうとしている。いったい、どこが狙われるのか。

「『威嚇』として人的被害が少なく、かつロシアの領土に放射能の影響が及びにくい地方の原野などに、広島原爆の3分の1程度の威力を持った核ミサイルを落とす可能性があります。首都・キーウとオデーサを結んだ直線から東に離れたウクライナ中央部が着弾地点になると思います」(軍事評論家の高部正樹氏)

プーチンは原発を使った「核攻撃」を行う怖れもある。特殊部隊などの手で故意に事故を発生させ、放射能をバラまくのだ。標的になるのは南ウクライナ原発だろう。

現在ロシアが実効支配している地域にあるザポリージャ原発とちがって、ここならば、支配地域や周辺国の汚染は最小限となる。国際社会からの反発は必至だが、ロシアは「偶発的な事故」としてシラを切るだろう。いずれにしても、南部で攻勢を仕掛けようとしているウクライナ軍に対して強烈な牽制となる。
2023.06.12 12:10 | 固定リンク | 戦争

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