両手両足を縛られ「女性殺害」
2023.06.07
両手両足を縛られた状態 福岡・水巻の女性殺害事件

5日、福岡県水巻町のアパートの部屋で女性が殺害されているのが見つかった事件で、捜査関係者によりますと女性は両手両足を縛られた状態で居間のテーブルの下に上半身が隠れるようにして死亡していたということで警察は殺害された状況やいきさつを詳しく調べています。

5日の夜、福岡県水巻町二東のアパートの部屋で、ここに1人で住むパート従業員の辻つぐみさん(52)が死亡しているのが見つかり警察は殺人事件として捜査しています。

捜査関係者によりますと女性は居間で倒れているのが見つかった際、両手両足を縛られた状態で居間のテーブルの下に上半身が隠れるようにして死亡していたことです。

また、警察が遺体を調べたところ女性は今月2日から3日にかけて死亡したとみられ、死因は首を圧迫されたことによる窒息死だったことがわかっていますが、捜査関係者によりますと、体にはほかにもすり傷やあざなど、争ったような痕跡があったということです。

女性が倒れているのを見つけ警察に通報したという近所に住む男性は「室内は、散らかった状態であさられたような感じだった。優しい真面目な人でトラブルがあるような人ではなかった」などと話しています。

事件の前に女性から警察に対してトラブルなどの相談はなかったということで警察は殺害された状況やいきさつを詳しく調べています。

 県警によると、死因は首を圧迫されたことによる窒息だった。2~3日ごろ殺害されたとみられる。遺体発見時、玄関は施錠されていなかった。これまで辻さんが周囲とトラブルを抱えていたとの情報はない。県警は殺人事件として折尾署に捜査本部を設置した。

■アパートに女性の遺体、福岡 無施錠、事件視野に捜査

 5日午後8時半ごろ、福岡県水巻町のアパートの一室で、警察官が女性の遺体を見つけた。折尾署によると、この部屋に1人で暮らす50代の女性とみられる。玄関は無施錠で、現場の状況から事件に巻き込まれた可能性もあるとみて捜査している。署が6日、発表した。

 部屋の中を見た近くの住民によると、引き出しが開いたままで荒らされたような形跡があった。

 署によると、女性は目立った外傷はなく、司法解剖して死因を調べる。2日まで出勤していたが、土日を挟んで5日に出勤しなかった。同日午後4時半ごろ、同僚の男性が「連絡が取れない」と通報した。

 現場はJR東水巻駅から西に約750メートルの住宅街。
2023.06.07 16:20 | 固定リンク | 事件/事故
プーチン狂気の沙汰「別の巨大ダム標的」へ
2023.06.07



狂気のプーチン〟ロシア、別の巨大ダムも標的か!? 決壊したウクライナのダム以外も…「もっと爆破するよう指示している」衝撃の計画報道 「ダム破壊狂気の沙汰」世界へ震撼

ウクライナ南部ヘルソン州で6日に発生したカホフカ水力発電所の巨大ダム決壊をめぐっては、ウォロディミル・ゼレンスキー大統領率いるウクライナと、ウラジーミル・プーチン大統領のロシアが、相手の破壊工作だと非難し合っている。こうしたなか、ロシアが別のダムを狙っているという衝撃情報が報じられた。ICC(国際刑事裁判所)による捜査打診の動きや、国際調査委員会設置を提案する動きも出ている。

「(ロシア側は)ドニプロ川のダムをもっと爆破するよう指示している」

ウクライナ国防相顧問のユーリ・サク氏は、英BBCラジオ4の番組で、傍受した電話の内容をこう明かした。決壊したダム以外も、標的になっている可能性があるようだ。

ダムが決壊した原因はいまだに判然としていないが、西側諸国ではロシアの責任を追及する声が高まっている。

6日に開かれた国連安全保障理事会の会合では、日本や欧米が、ロシアのウクライナ侵攻がダム決壊につながったと批判し、ロシア軍の撤退を改めて要求した。英国のカリウキ国連次席大使はロシアが民間施設への攻撃を繰り返してきたと前置きし「ダム決壊の責任が証明されれば、品位の低さを新たに示すことになる」と強く非難した。

これに対し、ロシア大統領府によると、プーチン氏は、ウクライナが西側の支援を受け、ロシア領内で破壊工作を行っていると強調。ダム破壊は「野蛮な行為の明白な例だ」と非難したという。

決壊原因の調査をめぐり、国際社会の関与を求める動きも出ている。

ロイター通信によると、ゼレンスキー氏は定例のビデオ演説で、同国の検察当局がダム破壊の捜査に国際司法を関与させるようICCの検察官に打診していると明らかにした。トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は7日、ゼレンスキー氏、プーチン氏とそれぞれ電話会談し、ダム決壊に関する国際調査委員会の設置を提案した。

一方、ダム決壊に伴う被害は甚大なものになるとの見方が出ている。

ウクライナの検察庁幹部は6日、ダム下流域の約80カ所の都市や集落が洪水被害に遭う恐れがあり、4万人超の避難が必要とする推計を明らかにした。州都ヘルソンでは残された人がいるもようだが、被害の全容は不明。米国家安全保障会議(NSC)のジョン・カービー戦略広報調整官は6日、「死者が多数に上る可能性がある」と述べた。


ウクライナが反攻開始か 国防次官「攻撃に移行」戦闘激化、ダムなどインフラ被害

■ロシア軍移動不可能に、最重要橋「ハイマース」によって使用不能に

南部へルソンの元地方行政庁舎前に駐車する親ロシア勢力の装甲車

ウクライナ軍は13日、ロシア軍が占領する南部ヘルソン州で移動に欠かせない主要な橋をまたひとつ破壊したと発表した。ウクライナは、ロシアが侵略開始から間もなく占領したヘルソン州を奪還しようと、激しい戦闘を展開している。

ウクライナ軍によると、ノヴァ・カホフカのダムにかかる橋はもはや通行不能だという。この主張の客観的な検証はされていない。南部軍管区はフェイスブックに、「ノヴァ・カホフカのダムにかかる道路橋の破壊が確認され、使用できなくなった」と書いた。

ウクライナ軍は7月末にも、ヘルソン州を流れるドニプロ川の渡河に重要なアントニフスキー橋を通行不能にした。西側消息筋は、アメリカ製の高機動ロケット砲システム「ハイマース」によって、この橋は「使用不能になった」としている。

イギリス国防省は13日、連日定例の戦況分析で、ウクライナ軍による8月10日の精密攻撃で、重い軍用車両はノヴァ・カホフカの道路橋でドニプロ川を渡ることができなくなったと指摘した。ノヴァ・カホフカは、ヘルソン市から約55キロ北東にある。

イギリス国防省はさらに、アントニフスキー橋についてロシアは場当たり的な修復しかできておらず、橋は構造的に破損したままだと説明。先週にはヘルソン近くの主要な鉄道橋もさらに破壊された。このため、ロシア軍は7月末から、鉄道橋の近くで浮橋を設置して補給を運んでおり、ドニプロ川の西側にいる数千のロシア兵は、「わずか2カ所の浮橋を使った渡河ポイント」に「ほぼ完全に依存している」という。

「たとえロシアが各地の橋をかなり修復したとしても、重要な脆弱カ所であり続ける」と、イギリス国防省は指摘している。

また複数の軍事アナリストは、ドニプロ川の西にいるロシア軍部隊は、他の占領軍から切り離され孤立する恐れがあると指摘している。

ウクライナ軍は橋の破壊によって、各地のロシア軍部隊を孤立させ、究極的にはヘルソン州を奪還したい考え。開戦前には人口約29万人だった同州は現在、ロシアが後押しする行政官が統治している。

2月末の侵攻開始以降、ロシア軍が新たに制圧した州都はヘルソン市のみ。それだけに、その奪還はウクライナにとって大きな成果となる。

■破壊されたダムの下流、数千人が避難 ウクライナは4万人超が避難必要と

ウクライナ南部ヘルソン州のロシア支配地域にある水力発電所のダムが決壊したことで、ドニプロ川の下流では数千人が避難している。

ウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、ノヴァ・カホフカにあるカホフカ・ダムが6日未明に決壊した後、80町村が浸水する可能性があると述べると共に、ロシアがダムを決壊させたとした。

ドニプロ川に大量の水が流出しており、下流のヘルソン市は壊滅的な洪水の危険に直面しているとされる。

カホフカ・ダムを管理しているロシアは破壊行為を否定。ウクライナの砲撃によるものだとしている。

双方の主張ともBBCは検証できていない。

巨大なカホフカ貯水池の下流にあるカホフカ・ダムは、地域の農家や住民らに水を供給すると共に、欧州最大のザポリッジャ原発にも冷却水を供給している。また、ロシアが占拠しているクリミア半島への重要な水路の一部にもなっている。

ウクライナの原子力事業者エネルゴアトムは、下流への水の流出のピークは7日朝との見通しを示し、注意を呼びかけた。その後、「安定化」の期間となり、水は4〜5日間で急速に引くだろうとした。

■「原発に直ちにリスクない」

国際原子力機関(IAEA)は、ザポリッジャ原発の状況について、管理ができており、「直ちに原子力安全上のリスクはない」としている。

複数の映像によると、ダムの決壊部分から大量の水が噴き出ている。いくつかの町はすでに浸水しており、より下流の地域で暮らす人々はバスや電車での避難を余儀なくされている。

ウクライナのテレビでは、同国のヴィクトリヤ・リトヴィノヴァ副検事総長が、ドニプロ川の西側のウクライナ領で1万7000人、東側のロシア支配地域で2万5000人が避難の必要があると説明。イホル・クリメンコ内相は、これまでに約1000人が避難し、24の集落で浸水被害が出ていると述べた。

内相はまた、住民が非難しているヘルソン南部をロシアが砲撃したと非難。住民らに対しては、水位上昇で地雷がむき出しになっており危険だと注意を呼びかけた。

カホフカ・ダムの近くに住むアンドリイさんは、ロシアが街を「溺れ」させようとしていると語った。同ダムはロシアが昨年2月にウクライナに本格侵攻を始めた直後からロシア軍が押さえている。

ウクライナ管理下のヘルソン市では、リュドミラさんという女性が、洗濯機などを古い車に連結したトレーラーに積んでいた。「洪水が怖い。少し高いところに家の物を運んでいる」と言い、ロシア軍については「ここから追放してほしい。(中略)私たちに向けて銃撃している。私たちを水浸しにするなどしている」と話した。

同じくヘルソン市で暮らすセルヒイさんは、「ここですべてが死ぬ」のを恐れていると心境を説明。近くの家や庭を手で示しながら、「すべての生き物や人が流される」と言った。

ロシアが制圧しているノヴァ・カホフカの川岸では、ロシアが任命したウラジミール・レオンティエフ市長が、街が水没して900人が避難していると説明した。

市長によると、同市と近隣の2集落から住民を安全な場所に移動させるため、避難用のバス53台を当局が手配したという。水位は11メートルを超え、住民の中には病院に運ばれた人もいるという。

小さな町オレシキーでも大規模な浸水が発生したと、ロシアが任命した町当局者らが明らかにした。

ロシア支配地域の川岸にあるカズコヴァ・ディブロワ動物園はフェイスブックに、同園が完全に浸水し、約300匹いたすべての動物が死んだと投稿した。

カホフカ・ダム決壊の原因について、ウクライナ軍の情報機関はロシアが意図的に爆破したとしている。

ロシア側は、ウクライナ軍が反転攻勢でダムの道路を通ってロシア支配地域に進入することを恐れていた節がある。そのことからすると、ウクライナ側の見方は理にかなっていると思われる。

ウクライナ南部の支配地域を死守したいロシアにとっては、カホフカ・ダムは明らかに問題だった。

ウクライナ軍は昨秋、ドニプロ川下流の道路や鉄道橋を攻撃し、ロシア軍をヘルソン周辺で孤立させるのに成功した。ロシアはウクライナによる多方面からの反撃を恐れており、ダムの破壊に踏み切ったのかもしれない。

一方、ロシア政府関係者は、ウクライナが反転攻勢と、クリミア半島に真水が届かないようにするのに「失敗」したことを目立たなくするため、ダムを攻撃したと主張している。

ウクライナの大規模な反撃はしばらく前から予想されている。ウクライナは予告はしないとしているが、ここ数日の軍事活動の増加は反撃の開始を示しているとみられている。

ゼレンスキー大統領は6日夜のビデオ演説で、ダムの破壊がウクライナを止めることはないと強調。「私たちはすべての領土を解放する」と述べた。

ウクライナ国防相顧問のユーリ・サク氏は、BBCラジオ4の番組で、ロシアが別のダムも狙っていることが、傍受された電話の内容からうかがえると説明。「(ロシア側は)ドニプロ川のダムをもっと爆破するよう指示している」と述べた。

ウクライナは、今回のダム攻撃を「エコサイド」(環境の大規模破壊)と呼び、エンジンオイル150トンがドニプロ川に流出したと明らかにした。

ウクライナの水力発電関連の事業者は、カホフカ・ダムとつながる発電所について、「完全に破壊された。(中略)水力発電の構造物が流されている」とした。

各国の指導者らは、今回のダム決壊はロシアの責任だと主張。戦争犯罪だとする人もいる。

イギリスのリシ・スーナク首相は、ロシアのせいだと判明すれば、「ロシアの侵略が新たなレベルへと悪化したのを示すことになる」と述べた。

北大西洋条約機構(NATO)イェンス・ストルテンベルグ事務総長は、ダム破壊はウクライナでのロシアの戦争における残虐性を改めて示したと発言。欧州理事会のシャルル・ミシェル議長は「前例のない攻撃に衝撃を受けている」と述べた。

戦争でダムを標的にすることは、民間人に危険が及ぶことから、ジュネーヴ条約で明確に禁止されている。

■ウクライナ反攻、開始の兆候 東部で戦闘が大幅に増加

欧米の当局者が、ウクライナによるロシアへの大規模な反転攻勢について、始まった兆候を目撃していると考えていることが分かった。北大西洋条約機構(NATO)当局者が6日、明らかにした。ウクライナ軍がロシア軍の防衛線の弱点を探っており、過去48時間の間に東部での戦闘が大幅に増加しているという。

「形成」作戦とも呼ばれる初期の攻撃は少なくとも2週間前から行われていたが、ウクライナ軍はこの数日、砲撃や地上攻撃でロシアの陣地を試し、突破が可能な脆弱(ぜいじゃく)な地域を見つけ始めたという。NATO当局者や欧州の情報当局者がCNNに明らかにした。

ウクライナ南部のロシア軍の占領下にあるダムが破壊され、洪水によって避難が始まったことで、ウクライナ側の計画の一部が複雑になる可能性があるという。

西側の当局者によれば、ダムの決壊によって、ウクライナ軍がドニプロ川を渡ってロシア軍の陣地を攻撃することが、より困難になる可能性がある。また、ダムの決壊によって、ウクライナ政府が対応して、人的・物的資源を投入する必要がある人道的な課題がすでに発生している。

米国に駐在している欧州の大使は、ダムの下流で計画していた作戦をすべて練り直さなければならない可能性があるとの見方を示した。最終的に水は引くものの、壊滅的な洪水が橋や道路に影響を与えており、以前の計画通りには使用できない可能性があるという。

西側諸国の情報機関はダム破壊の実行犯が誰なのか調べているものの、ロシアによるものとの見方に傾いているという。

NATO当局者によれば、専門家はここ数日、ザポリージャ州の南東部や、南部のヘルソン市とザポリージャ原発の間で、ウクライナ軍によるいくつかの顕著な軍事行動や探査の動きを目撃している。ウクライナ軍は、ドネツク市の南側でも軍事行動を行っており、これは新たな試みに見えるという。

米軍高官によれば、反攻作戦は複数の前線で実行される見通し。同高官は、大規模な地上戦を開始する前に「同期させなければならない多くの可動部品がある」と説明した。天候も影響を与えており、ロシアの防衛線に対するウクライナ軍の初期の攻撃が遅れている。

■ウクライナ軍、マリウポリでロシア軍の車列を急襲

ウクライナ軍の部隊が同国南東部のマリウポリでロシア軍の車列を急襲した場面を、ドローンで撮影した動画が、18日に公開された。

動画は超国家主義の民兵集団として結成され、現在はウクライナ軍に統合されている「アゾフ大隊」が投稿。CNNは位置と真偽を確認したが、襲撃の時期は特定できていない。

動画には、マリウポリ市内の道路を南下する6台の車列が映っている。車列はカフェの前で歩道にそれて止まった。

カメラがズームインすると、ウクライナ軍の兵士らが車列に忍び寄る様子が見え、次の場面では兵士らが車列に向かって発砲している。

動画はさらに、6台の車のうち少なくとも3台が炎上する場面に切り替わる。少なくとも2台の車には、ロシア軍の侵攻を象徴する「Z」の文字が書かれている。

続いてウクライナ軍の兵士らがれんがの壁越しに、1台の車と壁の間に隠れたロシア兵らの方向へ手投げ弾を放り投げている。

動画には手投げ弾がロシア兵らを直撃する場面も含まれるため、CNNは全編の放送を控えている。

■「まるで射撃場の七面鳥」、ドネツク州の激戦地で大損害被るロシア軍 今後の攻勢に向け暗雲も

ドネツク州の激戦地、ドローン映像が捉えたロシア軍の「混乱」

ウクライナ・キーウ(CNN) 現場は大混乱に陥っている。戦車は強引に向きを変えた後で爆発するか、一直線に地雷原へ突っ込んでいく。兵士らは四方八方に走り回り、中には体に火がついた者もいる。戦車にひかれた死体も見えている。

複数のロシアの軍事ブロガーがこの惨状を失敗、さらにはそれ上回る言葉で形容した。

これらの場面はウクライナ軍のドローン(無人機)が過去2週間、東部ドネツク州の町ブフレダール周辺を上空から撮影したものだ。現地ではロシア軍による襲撃が立て続けに失敗している。

ブフレダールでのこのような失態は、ロシア軍の指揮系統や戦術が慢性的な機能不全に陥っていることを示唆する。同軍は春季の攻勢に向けた準備を進めているが、ドネツク州からルハンスク州にかけて伸びる前線の他の場所でも同様の苦戦を強いられれば、より多くの領土の掌握を図るクレムリン(ロシア大統領府)の計画は失敗に終わる可能性がある。

現場を特定した約20の動画には、基本的な戦術上の大失策が映っている。現場の地形は障害物のない平地で、高台にいるウクライナ軍の弾着観測者は砲撃についての指示を出すことができる。地雷原の存在もロシア側の被害に拍車をかける。

ある動画では地雷原に進入した戦車が爆発。その後、歩兵戦闘車とみられる車両も同じ運命をたどった。別の動画にはウクライナ軍のドローンが小型の爆発物を複数の戦車に向けて落とす様子が映っている。戦車は開けた場所で動かず、じっとしている。現場は放棄された装甲車両の墓場と化している。

動画はウクライナ軍が公開し、CNNと軍事の専門家が分析した。その内容によると、少なくとも二十数台のロシア軍の戦車及び歩兵戦闘車が数日のうちに無力化もしくは破壊された。衛星画像からは、現場の樹木限界線に沿って集中攻撃が行われたことが分かる。ロシア軍の戦車はこの地点で前進を試みていた。

ロシア国防省はブフレダールへの攻撃について、計画通り進んでいると主張。プーチン大統領は12日のテレビ放送のために記録した演説の中で、攻撃を主に担う第155海軍歩兵旅団の働きを称賛した。

ウクライナ軍の砲撃の跡が集中するブフレダール周辺の衛星画像

■「真正面から突っ込むのは愚か者だけ」

しかしウクライナ東部の親ロシア派「ドネツク人民共和国(DPR)」の首長を自称するデニス・プシリン氏は10日、当該地域を「激戦地」と認め、敵が予備軍を大量に送り込んでくるため「現地の解放に時間がかかっている」と明かしていた。

ブフレダールは近くの炭鉱のために建設された町で、周囲の平地より高い地点に存在する。高層階を有する複数の建物は、強固な地下施設と並んでウクライナ軍の守備隊に相当の優位性を与えている。

ブフレダールの戦闘を検証してきた軍事史家のトム・クーパー氏はこの町を、「何もない平らな砂漠の真ん中に立つ、巨大で高くそびえる要塞(ようさい)」と形容する。

ロシア軍は3カ月にわたりブフレダールの奪取を試みている。これが成功すれば、ウクライナ軍は近くの鉄道を遮断するのが難しくなる。この鉄道はドネツク州とロシアの占領下のクリミア半島とをつないでいる。

クーパー氏によれば、ロシア軍はブフレダール周辺に兵士約2万人、主力戦車90両、大砲約100門などを投入しているという。

しかし、1月の最終週に始まった攻撃は致命的な失敗に見舞われていると同氏は指摘。相当狭いルートを進むロシア軍の部隊は、ブフレダールの高い建物に陣取るウクライナ軍の視界に常に入る。同軍の砲撃は前進するロシア軍部隊に大損害をもたらすだけでなく、後方からの戦力の供給や退却ルートに対しても打撃を与えているという。

ロシアの有力な軍事ブロガーの多くも、ブフレダールへの自国の攻撃を厳しく批判している。DPRで国防相を務めたイーゴリ・ストレルコフ氏は兵士らが「射撃場の七面鳥のように撃たれている」と非難。テレグラムへの投稿で、多くの優れた戦車や精鋭ぞろいの落下傘兵、海軍歩兵隊員が失われていると述べた。

別の投稿では「同じ場所に真正面から突っ込むのは愚か者だけ。町は重度に要塞化され、攻撃側には極めて都合が悪い。何カ月もそうした状況が続いている」と、指摘した。

ロシアの軍事ブロガーらには、テレグラムのチャンネルの登録者が数万人から数十万人いるとされる。

ブフレダール近くで任務に就くウクライナ軍の砲兵隊

■兵士の練度に疑問の声

英国防省は12日の報告で、ブフレダールのような戦場でのロシア軍の損失拡大について、「様々な要因が絡んでいる公算が大きい。具体的には熟練の兵士や連携の欠如、前線一帯での資材の不足などだ」と分析した。

ウクライナの当局者によると、ブフレダール周辺に展開するロシア軍には職業軍人からなる部隊のほか最近動員された兵士、DPRの民兵、「パトリオット」と呼ばれる民間軍事会社の歩兵などが不規則に加わっているという。パトリオットはロシア国防省に近い会社と言われる。

ブフレダール周辺での苦戦は、より広範なロシア軍の攻勢にとっても良い兆しとはならない。米シンクタンクの戦争研究所(ISW)は、こうした失敗がロシアの超国家主義者らの確信を一段と弱める公算が大きいと指摘する。これらの層は、ロシア軍に戦況を決定する攻勢をかける能力があるとの見解を示している。

しかし、ロシア軍が作戦のペースを上げる中、ウクライナ軍の部隊の一部では弾薬が不足しつつある。専門家らはウクライナ側の課題として、前線の部隊に砲弾や対戦車ミサイルなどを迅速に再供給することを挙げた。

■バフムートは「生き地獄」、ロシア戦力はワグネルから空挺兵に ウクライナの指揮官語る

バフムート近郊の前線でロシア軍の陣地へ自走式カノン砲を発射

ロシアの侵攻を受けるウクライナ東部の激戦地バフムートの内外では戦闘が絶えず「生き地獄」になっていると、ウクライナ国家親衛隊の指揮官の一人が30日、ウクライナのテレビのインタビューで語った。

国家親衛隊第4即応旅団スボボダ大隊の副大隊長ボロディミル・ナザレンコ氏は、生き地獄は「5~6カ月」続き、「兵士の戦闘能力や士気、生活状態に影響を与える天候の変化により気づくようになった」と語った。

ロシア軍が全面的な攻撃を仕掛けているのかや相手方の戦術の変化について確かなことを言えないとしつつ、ロシア側の兵力がワグネルから空挺(くうてい)部隊に置き換わったとの見方を示した。

ナザレンコ氏は、ロシア側が近隣のコンスタンチノフカとバフムートを結ぶ幹線道路を掌握しようとしていると指摘。ウクライナ軍と国家親衛隊は「素晴らしい仕事」をしていて、敵方には大きな損失が出ていると述べた。

CNNはロシア側の損失に関する主張を独自に検証できていない。

ナザレンコ氏は「ワグネルはほぼ完全に破壊された様子だ。今は空挺兵に置き換わっているが、その兵士らもほぼ毎日、人員だけでなく装甲車両で被害が出ている」とも語った。

■黒海のスネーク島周辺のロシアのセルナ級揚陸艇、ミサイル攻撃で沈没

ぎりぎりでミサイルかわす揚陸艇、衛星画像が捉えた黒海の攻防

米衛星運用会社マクサー・テクノロジーズが12日に撮影した新たな衛星画像には、ウクライナ南部の黒海に浮かぶスネーク島の近くの海上にミサイル1発が撃ち込まれる様子が写っている。

2筋の白煙の近くを航行する1隻の艦船について、マクサーはロシア軍のセルナ級揚陸艇と特定した。

同艦は急角度で向きを変えているように見える。ミサイルはその付近の海上に着弾している。

島の近くを写した別の画像には、重量物運搬用のクレーンが載った艀(はしけ)の隣で海中に沈んでいる艦船が見える。マクサーはこの艦船もセルナ級揚陸艇と特定した。

同艦がどのようにして沈没したのかは不明だが、オデーサ地域軍政の広報官は8日の時点で、揚陸艇1隻とラプター級哨戒艇2隻が攻撃を受けたと説明していた。

同広報官はまた、ウクライナ軍がロシア軍のヘリコプターをスネーク島で破壊したとも述べた。ウクライナ軍は8日、ヘリコプター1機がミサイルで破壊される動画を公開している。

上記の広報官は12日、ロシア海軍の補助艦「フセボロド・ボブロフ」で火災が起き、スネーク島の領域からクリミア半島南西部のセバストポリにえい航されていると発表した。同艦は今回の衛星画像に写っておらず、CNNはこの発表の信憑(しんぴょう)性を確認していない。

現時点でロシア側は、前出の艦船のいずれについても損失を確認していない。
2023.06.07 14:59 | 固定リンク | 戦争

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