FSBとSVRの代理人宗男氏
2023.10.03
党に届け出ずにロシアへ渡航したとして、日本維新の会が鈴木宗男参院議員の処分を検討していることが3日、分かった。党幹部が取材に「党がルールとして定めていた海外渡航の際の届け出はない。国会議員団の副代表を務める鈴木氏の責任は軽くない。帰国後に本人から話を聞いて処分内容を決めたい」と答えた。

ロシア外務省は2日、ルデンコ外務次官が鈴木氏を迎え、会談したと発表。鈴木氏がモスクワを訪れたもようだ。

■ロシア弾尽きる

ロシア軍〝弾切れ〟目前 年明けにも備蓄尽き…ウクライナに全土奪還される可能性 イランや北朝鮮からの供与苦しく軍の士気低下も

ロシアのプーチン大統領が主導したウクライナ侵攻がいよいよ行き詰まってきた。ロシアが一方的に併合を宣言した東・南部4州の5割超が奪還され、軍の砲弾は年明けにも備蓄が尽きるとの分析も出ている。対するウクライナは「全土奪還」へ意気軒高だ。

「ウクライナ軍はすぐそばまで来ている」。ロシアが併合を宣言した南部ザポロジエ州メリトポリのフョードロフ市長は13日、中心部で爆発があったと通信アプリで明らかにしたうえで、ロシア側を挑発した。メリトポリはロシア軍の物流拠点で、2014年にロシアが併合したクリミア半島の「玄関口」に当たる。

英国防省は、ロシアが侵攻開始以降に制圧した地域の54%をウクライナが奪還したとの見解を示した。ロシア軍が支配地域を制圧できるほどの軍部隊を編成するのはほぼ不可能で、今後数カ月で大きく前進する可能性は低いと分析する。

ロシア軍は士気低下も指摘されるが、ウクライナの独立調査機関「レイティング」は13日、クリミア半島や東部ドンバス地域(ドネツク、ルガンスク両州)の一部を含む全土奪還を「勝利」と認識する人が85%に上ったとの世論調査結果を発表した。侵攻直後の今年3月から11ポイント上昇した。

ロシアとの和平合意締結に賛同したのは8%にとどまった。ロシアの攻撃で大規模な停電が相次いでいるウクライナだが、国民の結束は引き続き強いとみられる。

米高官は、あと数か月に及ぶ侵攻でロシア軍の砲弾やロケット弾の備蓄が尽きつつあり、40年以上前に製造された古い砲弾を使う可能性があると述べた。ロイター通信が報じた。古い砲弾に頼らず、イランや北朝鮮からの供与もないまま現在のペースで攻撃を続ければ、来年初めには使用可能な砲弾の備蓄が尽きるとの見方を示した。

■鈴木氏、ガルージン外務次官と面会

鈴木宗男氏が訪ロ 侵攻後、国会議員で初 ガルージン外務次官と面会

日本維新の会の鈴木宗男参院議員が1日、ロシアの首都モスクワを訪問したことが分かった。4日まで滞在し、ロシア外務省高官や議会要人らとの面会を計画。昨年2月のロシアのウクライナ侵攻後、日本の国会議員のロシア訪問が確認されたのは初めて。停滞する日ロ関係について意見を交わし、元島民らの北方領土墓参や北方四島周辺での日本漁船による安全操業の早期再開をロシア側に要請する見通し。

ウクライナ侵攻が続く中、日本政府はロシア全土に渡航中止勧告を出している。鈴木氏は国会の許可を得て5月に大型連休中の訪ロを検討したが、維新執行部が慎重な対応を要請。最終的に訪問が見送られた経緯がある。

鈴木氏側によると、2日はアジア太平洋地域を担当するルデンコ外務次官、前駐日ロシア大使のガルージン外務次官とロシア外務省で面会した。3日以降はロシア上院のコサチョフ副議長やカラシン国際問題委員長との面会も予定しているという。

■維新 鈴木宗男議員訪ロで処分検討

日本維新の会の藤田幹事長は、党に所属する鈴木宗男参院議員がロシアを訪問していることについて処分を検討する考えを示しました。

日本維新の会の藤田幹事長はJNNの取材に応じ、鈴木宗男議員のロシア訪問について「党がルールとして定めていた海外渡航の際の届け出がなかった」ことを明かし、「届け出がなかった場合、“役員会通達違反”」だとして処分対象となる考えを示しました。

これに対し、鈴木氏の事務所関係者は「きのうの朝、党に海外渡航届を提出した」と主張しています。

鈴木氏が帰国した後に本人からヒアリングを行う予定だということです。

松野官房長官

「政府としては基本的立場としてロシア全土にレベル3、すなわち渡航中止勧告以上の危険情報を発出しており、どのような目的であれ、ロシアへの渡航はやめていただくよう、国民の皆様に求めてきています。その上で、鈴木宗男参議院議員のロシア訪問の詳細について政府として、お答えする立場にはありません」

一方、松野官房長官は、このように述べたうえで、鈴木議員から政府側に連絡は来ていないと明かしました。

また、自民党の茂木幹事長も会見で「鈴木議員がどのような経緯か目的かはわからないが、渡航は望ましいことではない」と苦言を呈しました。

■日本の対露制裁に遺憾の意を表明

鈴木宗男氏がモスクワ訪問、ロシア外務省「外務次官と会談」「日本の対露制裁に遺憾の意を表明」

ロシア外務省は2日、アンドレイ・ルデンコ外務次官が日本維新の会の鈴木宗男参院議員と会談したと発表した。モスクワで会談したとみられる。ロシアが昨年2月にウクライナ侵略を開始して以降、日本の国会議員の訪露が明らかとなるのは初めて。

事務所によると、鈴木氏は今月1~5日の日程でロシアを訪問している。参院には海外渡航届が提出されていた。

露外務省の発表によると、ルデンコ氏は鈴木氏が日露関係の発展に貢献したと指摘した上で、日露関係について「日本の対露制裁や西側の反露路線で破壊されていることに遺憾の意を表明した」という。鈴木氏は露側から、世界や地域の安全保障問題や現在の日露関係についての説明を受けたという。

2023.10.03 14:49 | 固定リンク | 戦争

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