来春ウクライナ勝利で戦争終了
2023.09.24
来春ウクライナ勝利確定、ロシアの敗北必至 国防省情報総局長 今年重要な勝利が...

ウクライナ国防省情報総局のキリロ・ブダノフ総局長(少将)は20日までに、ウクライナは今年末までに「重要な勝利」を収め、戦争は来年の夏までに「終わるであろう」との予測を示した。

情報総局が公表した発言内容で、ロシアの敗北は不可避であって止められないとし、ロシアの破壊につながるだろうとも主張。ウクライナが握るとする重要な勝利については「まもなくわかるだろう」とした。

この勝利に、ロシアが占領するウクライナ南部のヘルソン市が含まれることを期待するとも述べた。ウクライナ軍はここ数週間、同市などで大きな戦果を得ている。

総局長は「来年春の終わりには戦争は終わるであろうし、夏までには全てが終わるであろう」とも占った。

ウクライナが1991年時点での国境線を取り戻す意向も表明。2014年にロシアが一方的に併合したウクライナ・クリミア半島と親ロシア派勢力が占領した東部のドネツク、ルハンスク両州の奪回を意味するとした。

また、ロシアはウクライナで核兵器の投入はしないだろうとの見方も表明。理論的には使うことができるだろうが、そうなればロシア連邦の崩壊への道のりを速めるだけとなると指摘。「彼らはこのことを十分に理解しているし、我々が望むほど愚かではない」とも説いた。

「ロシア大統領府の指導者たちはウクライナ戦争の主要な目標について一致しており、それは敗北を喫しないことだ」と強調。「ハト派」もいれば「タカ派」もいるが、共に情勢が非常に悪化していることは認識しているとし、現状から抜け出すための方途についての意見が若干異なっているだけだと説明した。

その上で、「一部の者は戦争をやめ、ある種の平和的な解決方法を模索すべきと明確に理解している」とし、「(侵攻を)続けなかったり、敗れたりしたら、ロシアは存在しなくなると判断している者もいる」と続けた。

ロシア大統領府内の現在の判断について「もはや勝利の問題ではなく、敗北しないことが問題になっている」と分析。ウクライナが勝利すれば、「非常に深刻な政治的なプロセスが、現在のロシア連邦の組織の変化と組み合わせた形で始まるだろう」とも締めくくった。

■ロシア黒海艦隊司令官ら重傷

ロシア海軍会合に合わせクリミアを攻撃

ウクライナ軍は23日、クリミアのロシア黒海艦隊司令部に対する前日のミサイル攻撃について、ロシア海軍当局者の会合に合わせて実施したと説明した。クリミアでは23日も攻撃が続いた。

ウクライナ軍は短い声明を発表。22日の攻撃でロシア側は「黒海艦隊の幹部を含む数十人が死傷した」と主張した。詳細は明らかにしなかった。

ウクライナ国防省のキリロ・ブダノフ情報総局長は、ロシア軍司令官2人が重傷を負ったと述べた。

ウクライナ軍関係者は、攻撃にはイギリスとフランスから供与されたミサイル「ストームシャドウ」を使ったとBBCに話した。

ロシア政府は22日、攻撃で兵士1人が行方不明になったと明らかにしている。

BBCは戦闘に関する双方の主張の多くを、独自に検証できていない。

港湾都市セヴァストポリに拠点を置くロシアの黒海艦隊は、同国海軍で最強の艦隊とみられている。

クリミアに連日の攻撃

セヴァストポリ周辺は23日も再び攻撃を受けた。ロシア側が任命したミハイル・ラズフォザエフ知事は、防空システムで撃ち落としたミサイルの破片が桟橋の近くに落下したと説明。防空シェルターに行きにくい、行っても状態が悪いなどの批判が出ているため、点検を命じているとした。

そして、「みなさんに心から願う。パニックの種をまいて敵を喜ばせるのをやめてほしい。パニックこそが向こうの主な狙いだ」と、ソーシャルメディア「テレグラム」に書いた。

こうした中、ロシアのセルゲイ・ラヴロフ外相は同日、米ニューヨークで開催中の国連総会で演説し、西側は自分たち以外の世界と交渉できない「うその帝国」だと非難。その後、記者団に対し、西側勢力は「ウクライナ人の手と体を使って事実上、私たちと戦っている」と述べた。

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は昨年2月にウクライナへの全面侵攻を始め、国際的に非難されている。ロシアは、ウクライナのクリミア半島を2014年に不法に併合した。

クリミアの重要性

ウクライナ軍はこのところ、クリミア駐留のロシア軍に連日のように攻撃を繰り返している。

今月14日には、ロシアがクリミア半島の防衛に設置した防空システムS-400を、ウクライナ海軍が破壊したとされる。そのため、ロシアの防衛力は低下しているという。

その前日には、セヴァストポリでロシアの大型揚陸艦と潜水艦を損傷させた。ウクライナ側は、この攻撃にも「ストームシャドウ」ミサイルを使ったとしている。

クリミアへの攻撃は、戦略的にも象徴的にも重要だ。

黒海艦隊はロシアにとって、ウクライナを攻撃する際の基盤であると同時に、この地域における数世紀にわたる軍事的存在感を誇示する主要シンボルにもなっている。

ソヴィエト連邦崩壊後の1997年にウクライナは、黒海艦隊の大半の引き渡しとセヴァストポリ軍港の基地貸与で、ロシア側と合意した。そのため黒海艦隊はロシアによる2014年の併合前から、セヴァストポリを本拠地とし続けてきた。

■クリミアのケルチ橋に複数のミサイル攻撃

ロシア国防省は12日、ロシアがウクライナから併合したクリミアと、ロシア本土を結ぶ主要交通路のケルチ大橋が、ウクライナのミサイル2発に攻撃されたと発表した。

ロシア国防省は、ウクライナが同日午後1時ごろ、S-200ミサイル2機をケルチ橋へ向けて発射したものの、どちらも迎撃したため、橋に損傷はなかったとしている。S-200は冷戦時代にソヴィエト連邦で開発された誘導型長距離高高度防空ミサイルシステムで、ウクライナが地上戦用に改良したものとみられる。

ソーシャルメディアに投稿された動画では、ケルチ橋の近くで煙が上っている様子が見える。

ウクライナはこの件についてコメントしていない。

ロシア外務省は、「このような野蛮な行為には必ず対応する」と述べた。

ロシアがクリミア知事に任命したセルゲイ・アクショノフ氏は、ケルチ海峡で3発目のミサイルが撃墜されたと述べた。

アクショノフ知事の顧問は、橋の通行は一時停止されたと明らかにした。立ち上った煙は、軍による意図的な「煙幕」だと話した。

これに先立ちロシアは同日、クリミア近くでウクライナのドローン(無人機)20機を撃墜したとしていた。

ウクライナは今回のケルチ橋攻撃や使用兵器について認めていないが、ウクライナが奪還を目指すクリミアをはじめウクライナ南部と、ロシア本土を結ぶ重要な輸送路なだけに、昨年から繰り返しケルチ橋を攻撃している。

ウクライナのニュースサイト「ユーロマイダン・プレス」は7月、改良型S-200ミサイルがケルチ橋のほか、ロシアのロストフ州とブリヤンスク州の軍事拠点を攻撃するために使用されたと伝えた。

7月12日には橋で起きた爆発で2人が死亡し、1人が負傷した。

ウクライナは当時、攻撃したことを認めなかったが、BBCロシア語が取材したウクライナ治安当局の関係者は、攻撃は自分たちによるもので、水上ドローン(無人機)を使ったと話した。

ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は7月21日、ケルチ大橋は正当な軍事標的だと主張した。ゼレンスキー氏は米コロラド州アスペンで開かれた安全保障関連会議でオンライン演説し、「この戦争の弾薬を届けるのに毎日使われる」大橋を「無効」にする必要があると述べ、ウクライナ政府は大橋を「敵の施設」とみなしていると話していた。

昨年10月に起きた橋の爆発については、当事者はまだ判明していない。当時の監視カメラ映像には、上向きに傾斜する橋の路面を複数の車両が通行する間に、その後ろの片側で巨大な火の玉が発生する様子が映っていた。この爆発の影響でケルチ橋は部分的に閉鎖され、今年2月に全面通行が再開した。

ウクライナ軍は、ロシアが2014年に併合したクリミアをはじめ、2022年2月からの侵攻で制圧した東部や南部の地域を奪還しようと、春から反転攻勢を続けている。夏に入り、ケルチ橋周辺での軍事行動が歴然として頻度を増した。

ゼレンスキー大統領は6月下旬の時点で、反攻の進展が「望んだより遅い」とBBCに対して認めていた。ロシア軍が20万平方キロメートルのウクライナ領土に地雷を仕掛けて守りを固めているため、進軍は容易ではないと、ゼレンスキー氏は話していた。

ロシア政府は、首都モスクワのクレムリン(大統領府)や政府省庁の入る高層ビル群への相次ぐドローン攻撃も、ウクライナによるものと非難している。

モスクワへのドローン攻撃についてウクライナは自分たちによるものと認めていないものの、最初の高層ビル攻撃をロシアが発表すると、ゼレンスキー大統領は「戦争は徐々にロシア領に戻りつつある。ロシアにとって象徴的な中心地や軍の基地へ。これは不可避で自然で、まったく公平なプロセスだ」と発言している。

他方、ロシアはウクライナの民間施設への攻撃を続けている。ウクライナによると、今月5日には北東部ハルキウ州の輸血センターを破壊。南部ザポリッジャでも民間インフラの攻撃が続いているという。
2023.09.24 14:55 | 固定リンク | 戦争
李強首相退任
2023.09.24
習政権ナンバー2に蔡奇氏台頭

全人代では習主席に次ぐ党内序列2位の李強氏が首相に、序列6位の丁薛祥・党中央弁公庁主任が筆頭副首相に転じ国務院(政府)を固めた。2人とも習氏の元秘書官を務めた習近平派なので、習総書記と李克強前首相が対立した時代が終わり、党と政府が一体の習近平・李強体制が生まれると思われていた。

党に従属する「政府」
 はたして李首相は就任後、最初の国務院常務会議(閣議)で「国務院は政治機関である」と宣言した。政府は党の指導を受ける機関であり、党から独立した行政権力ではないという意味で、例のない動きだ。

 改革派の鄧小平時代は党が行政機関や国有企業経営に介入しない「党政分離」「党企分離」が基本だった。だが、習政権では、党がすべてを決め、政府はそれを忠実に執行するという毛沢東時代への回帰が色濃くなった。

 李首相は2度目の閣議で「国務院工作規則」を改定し、「重大な決定事項は、すべて、ただちに、党中央に報告して指示を仰ぐ」と国務院の権限を自ら縮小した。

 さらに、毎月1回、国務院で習近平思想の学習会を開き、習総書記が党中央政治局で行った重要演説を全官僚に学習させることも決めた。序列2位は名ばかりで、李首相の存在感は薄い。

 李首相に代わって急に台頭したのが序列4位の蔡奇・党中央書記処筆頭書記(政治局常務委員)だ。3月20日から22日まで習主…

■中国共産党“新指導部” 序列5位・蔡奇氏とは

新しい最高指導部で序列5位に入った蔡奇氏は、福建省出身の66歳で、現在は北京市トップを務めています。

蔡氏は地方勤務時代に習近平国家主席と接点があり、習氏の側近の一人に位置付けられています。

蔡奇氏は今年の北京冬季五輪も北京市トップとして取り仕切り、習主席の2期目政権のレガシーづくりに貢献したほか、新型コロナウイルス対策では、地方から北京への移動を厳しく制限するなど、習主席がこだわるゼロコロナ政策の下で首都防衛を徹底してきました。

蔡奇氏はまた、北京五輪の開会式のあいさつでは習主席を礼賛する言葉を述べたほか、今回の党大会を前にした会合でも、習主席について「我々が心から敬愛する人民の領袖だ」と絶賛するなど、習主席への絶対忠誠を常にアピールしていて、忠誠心を買われて最高指導部入りを果たしたとみられます。
2023.09.24 13:05 | 固定リンク | 国際

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