ウ軍・開戦後最大規模の攻撃「クリミヤ奪還の意思」
2023.09.14

ウクライナ軍「開戦後最大規模の空襲」ウクライナ、セバストポリの艦船修理工場に大規模攻撃 2020年就航の「ロストフ・ナ・ドヌー」大破火災発生、攻撃を受けたのは大型の揚陸艦「ミンスク」と潜水艦「ロストフ・ナ・ドヌ」大破、他4隻の主要艦艇も大破 「石油掘削施設2基奪還」

ウクライナ軍は、クリミア半島のロシア軍基地に対する攻撃を認めました。攻撃には、巡航ミサイルや水上ドローンなどの兵器が使われたとされています。攻撃の結果、ロシア軍の揚陸艦や潜水艦などが大きな損傷を受けたと報じられています。

BBCニュースは、ウクライナが13日にクリミア半島にあるロシアの海軍施設と港湾インフラを攻撃したと発表したと伝えています。攻撃には、西側諸国から供与された巡航ミサイルや水上ドローンが使われたとされています。攻撃の標的には、大型の揚陸艦「ミンスク」と潜水艦「ロストフ・ナ・ドヌ」が含まれ、4隻の主要艦艇が大破された。

Forbes JAPANは、ウクライナ軍部隊がどのようにしてセバストポリ港に侵入したのかは不明だが、爆発した乾ドックにはロプーチャ級揚陸艦とキロ型潜水艦が各1隻入っていたと伝えています。

この記事では、黒海艦隊がこれまでにウクライナ軍の攻撃で4隻の主要艦艇を失っていることや、ウクライナ軍が黒海西部で石油掘削施設を奪還したことも紹介しています。

BBCニュースは、ウクライナが7日にクリミア半島西岸のロシア空軍のサキ軍事基地への一連の空爆を認めたと伝えています。この攻撃では、1人が死亡したということです。

日本経済新聞は、ウクライナ南部クリミア半島のセバストポリにある黒海艦隊基地が水上ドローン7機と空中ドローン9機の攻撃を受けたとロシア国防省が発表したことを報じています。

この記事では、この無人艇攻撃が海戦の新時代を開いたと一部のアナリストが話していることも紹介しています。

ウクライナ軍が13日未明、南部クリミア半島セバストポリ港の艦船修理施設に対して大規模攻撃を仕掛けたことが分かった。ロシア国防省とウクライナの双方が明らかにした。

ロシア国防省は、ウクライナ軍が「セバストポリ市にあるオルジョニキーゼ艦船修理工場に対し巡航ミサイル10発による攻撃を仕掛けた」と説明。黒海艦隊の航行中の艦船に対しウクライナが無人艇3隻を送り込んだことも明らかにした。

ロシア国防省は、防空部隊が巡航ミサイル7発を迎撃し、哨戒艇がすべての無人艇を破壊したと主張している。ただ、「修理中の艦船2隻が敵の巡航ミサイルで損傷した」ことは認めた。

ロシアに任命されたセバストポリのラズボジャエフ市長も、夜間のメッセージで大規模攻撃があったことを確認。ミサイル攻撃で火災が発生したと明らかにした。24人が負傷したという。

ラズボジャエフ氏らが投稿した現場のものとされる映像と写真には、巨大な黒煙や激しい炎が上がる様子が捉えられている。

ロシアの非公式軍事ブロガーの一人によれば、ディーゼルエレクトリック潜水艦「ロストフ・ナ・ドヌー」と大型揚陸艦「ミンスク」の2隻が損傷した。両艦とも乾ドックで修理中だったという。

こうした証言について独自に検証することはできていない。別の非公式アカウントは、英国製巡航ミサイル「ストーム・シャドー」が使用されたと主張した。

一方、ウクライナ空軍のオレシチュク司令官は、空軍パイロットの「素晴らしい戦闘行為」に感謝の意を表明。「占領者は今もセバストポリへの夜間爆撃から立ち直ろうとしているところだ」とも述べた。

ウクライナ軍がセバストポリ港に対して仕掛けた攻撃としては最も野心的なものとみられる。これ以前、セバストポリに対しては無人機による攻撃が実施されたほか、無人艇による港への侵入が試みられていた。

■黒海艦隊司令部大規模攻撃

ウクライナ、クリミアのロシア黒海艦隊攻撃…「開戦後最大規模の空襲」

ウクライナ軍が13日にクリミア半島のロシア黒海艦隊司令部を攻撃し、艦艇2隻が破壊され海軍造船所で大規模火災が発生した。外信は今回の攻撃が昨年の戦争勃発後ロシア黒海艦隊本拠地に対するウクライナ軍の最大規模の攻撃だと伝えた。

ニューヨーク・タイムズとガーディアンなどによると、ウクライナ軍はこの日未明の攻撃によりクリミア半島のセバストポリ海軍基地でロシア軍の大型船舶1隻と潜水艦1隻を修理不可能なほど破壊したと発表した。

ロシア国防省も声明を通じウクライナ軍が巡航ミサイル10基と無人艇3隻でセバストポリ海軍基地の造船所を攻撃し、修理中だった軍艦2隻に被害をもたらしたと明らかにした。

ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)にはセバストポリ海軍基地から火柱が上がる写真が投稿された。

ロシアが任命したセバストポリのラズボザエフ知事はこの日、攻撃により造船所で最小24人が負傷したと明らかにした。

元ウクライナ海軍大尉のアンドリー・リジェンコ氏はロイター通信に「今回の攻撃は戦争が始まって以来セバストポリに対する最大規模の攻撃」と話した。

ニューヨーク・タイムズも「19カ月前にロシア軍が全面的な侵攻を始めてからロシア海軍基地に対する最大の打撃。ロシアの占領地の奥深くまで打撃するウクライナ軍の能力が強化されていることを見せる」と伝えた。

クリミア半島最大の港湾都市であるセバストポリは2014年のロシアによるクリミア併合後にロシアの黒海艦隊が駐留してきた戦略的要衝地だ。ロシア軍はこの海軍基地を活用してウクライナの黒海穀物輸出を封鎖してきた。

ウクライナ大統領府のポドリャク顧問は「ロシア黒海艦隊の非武装化は黒海穀物輸出での安全を長期的に確保するためのもの。これは食糧難を武器として活用しようとするロシアの試みに対する唯一の正しい対応であり、アフリカとアジアにウクライナ穀物輸出を保障する唯一の方法」と話した。

■最大規模の黒海艦隊への攻撃はウ軍の奪還を示す意思

クリミア半島でロシア黒海艦隊に対するウクライナ軍の攻撃は、近年の欧州の安全保障にとって重大な出来事。この攻撃により、ロシア軍の揚陸艦や潜水艦などが大きな損傷を受けた。

ウクライナ軍は、西側諸国から供与された巡航ミサイルや水上ドローンなどの兵器を使用したとされています。この攻撃は、クリミア半島の奪還を目指すウクライナの意思を示すものと見られる。

[Forbes JAPAN]は、ウクライナ軍部隊がどのようにしてセバストポリ港に侵入したのかは不明だが、爆発した乾ドックにはロプーチャ級揚陸艦とキロ型潜水艦が各1隻入っていたと伝えています。

この記事では、黒海艦隊がこれまでにウクライナ軍の攻撃で4隻の主要艦艇を失っていることや、ウクライナ軍が黒海西部で石油掘削施設を奪還したことも紹介しています。

[日本経済新聞]は、ウクライナ南部クリミア半島のセバストポリにある黒海艦隊基地が水上ドローン7機と空中ドローン9機の攻撃を受けたとロシア国防省が発表したことを報じています。

この記事では、この無人艇攻撃が海戦の新時代を開いたと一部のアナリストが話していることも紹介しています。

■ウクライナ軍のバイラクタル無人機部隊が劇的復活 ロシアには不吉な兆候

ここ数カ月、ウクライナの空からほぼ姿を消していたウクライナ軍のバイラクタルTB-2無人攻撃機が、再び戦闘に戻ってきた。

3日にネット上に公開された複数の動画には、ロシア軍の占領下にあるウクライナ南部で、TB-2がロシア軍の哨戒艇や補給トラックを空爆する様子が映っている。

ロシアが支配していると言われている空域へのTB-2の進入は、ふたつのことを示唆している。ひとつは、9カ月前、ロシアの防空網によってひどく損耗したTB-2部隊(70機規模)を、ウクライナがなんとか再建したということだ。

もうひとつは、ウクライナ南部の広い範囲で、ロシア軍の防空網が徐々に弱まってきているということだ。ウクライナ軍は4カ月前に待望の反転攻勢に乗り出し、南部ザポリージャ州と東部ドネツク州の主要な攻撃軸で、ゆっくりと、だが着実に前進を遂げている。

TB-2は全長6.5m、最大離陸重量700kgのトルコ製ドローンだ。通信衛星で制御され、航続距離は数百kmにおよぶとみられる。搭載されている光学機器によって昼夜を問わず飛行でき、ハードポイント(機外兵装搭載部)から射程8kmの小型ミサイルを発射できる。

「ロシア軍の防空網にわずらわされなくなると、ウクライナ軍は(中略)偵察と近接航空支援という、ほかのふたつの重要な任務のためにもTB-2を運用し始めた」。ロシア軍に詳しい作家のトム・クーパーはそう解説している。

防空網を引き剥がされたロシア軍の戦車や補給トラックは、TB-2の格好の獲物だった。TB-2は「キーウ周辺ではロシア軍の装甲部隊多数を攻撃し、損害を与えた」とクーパーは当時報告している。「南部ではヘルソン空港や、ミコライウを包囲していた(ロシア軍)部隊に大規模で正確な砲撃を加えた」

TB-2はロシア軍のいくつかの野戦本部にもミサイルを撃ち込んだ。効果は非常に大きかった。「TB-2はロシア側を極度の不安にも陥れている」とクーパーは書いている。「TB-2によってたった数両失っただけで、ロシア軍(の大隊)全体が向きを変えて逃げ出している動画をいくつか目にした」

ロシア側も反撃し、侵攻から半年でTB-2を少なくとも12機撃墜した。とはいえ、ウクライナ側には製造元のトルコのバイラクター社から機体が安定して(全面侵攻後、最初の1年間で少なくとも35機)供給されたため、TB-2部隊は戦闘を続けることができた。

ロシアがウクライナ侵攻を開始した初日に、ウクライナ軍が当時20機保有していたTB-2の一部は航空機やミサイルによる攻撃で破壊された。その後、態勢を立て直したウクライナの空軍と海軍は、中北部をはじめ各地の戦場にTB-2を投入した。 ロシア軍はキーウに向かって進撃していた。しかし、前進するごとに、補給線が延びるだけでなく、前線と後方の両面で部隊を守る防空範囲も広がっていった。

TB-2のオペレーターはこの過剰な拡張を突いた。ドローンはまず、ロシアの戦車大隊と補給車列を守る短距離防空システムを攻撃目標にした。TB-2は侵攻開始から1カ月足らずの2022年3月半ばまでに、ブーク、トール、パーンツィリといったロシア軍の地対空ミサイル(SAM)発射機を10基以上撃破した。

経費は安くなかっただろう。制御装置と6つの機体で構成されるTB-2の1ユニットは最大1億ドル(約147億円)する。

ロシア軍がキーウから撤退し、半年後には東部ハルキウ州や南部ヘルソン州からも退くと、戦線は安定した。ロシア軍は1000kmにわたる前線で防空網を急いで増強した。

こうなると、飛行速度の遅いTB-2が生き残るのは難しかった。「態勢を整えたロシア軍は多数のTB-2を撃墜できた」と米シンクタンク海軍分析センター(CNA)のアナリスト、サミュエル・ベンデットはネットメディアのインサイダーに述べている。ロシア軍はこれまでに、ウクライナ軍が運用するTB-2の3分の1ほどにあたる少なくとも24機を撃墜、もしくは地上で破壊している。

昨年末、ウクライナ軍はTB-2を後方に引き下げ、主に、接触線の自軍側の哨戒任務に当たらせるようにした。これにより、おおむね危険からは遠ざけられた。より危険な、ロシアの大隊上空での任務には、爆発物を積んだ小型のFPV(1人称視点)レーシングドローンを使い始めた。

FPVドローンは1機5000ドル(約74万円)程度と安価な半面、航続できるのはオペレーターがいる場所から数kmの範囲にとどまる。また、基本的に1回きりの使い捨ての使用になる。より深部を攻撃目標とし、繰り返し運用するドローンとしては、やはりTB-2のほうが優れている。しかし、再建されたTB-2部隊による攻撃再開に適した条件が整ったのは、ようやく今月に入ってからのことだった。

3日に公開された動画のうち、ロシア軍のKS-701哨戒艇に対する攻撃を映したものは、その様子がぞっとするほど克明に記録されており、とくに強い印象を与える。TB-2は、ロシア兵が岸辺で全長約9mのKS-701から物資を降ろしているところを、上空からじっと見つめている。

そしてKS-701にミサイルを撃ち込む。KS-701は破壊され、何人かの兵士が消し飛ばされる。ロシア兵たちはミサイルが命中するまで、監視されていることに気づいていなかったに違いない。

TB-2がどういう経緯で作戦上の自由を取り戻したかを理解するのは難しくない。ウクライナ軍は6月4日に反攻を開始して以降、大砲や爆弾、ロケット、FPVドローンで精密攻撃を実施し、ウクライナ南部のロシア軍の防空網を着実に弱めてきたのだ。ウクライナ軍は少なくとも13基の地対空ミサイル発射機を撃破したことが、独立した調査グループによって確認されている。

2022年2〜3月に、キーウ周辺のロシア軍大隊の上にTB-2が放たれたのと同様の力学が、現在のウクライナ南部にも働いているのかもしれない。TB-2は敵の防空網がとくに疲弊しているところで最も効果を発揮する。TB-2が再びロシア軍部隊に向けてミサイルを発射し出したことは、ウクライナ南部でのロシア軍の防空網が大きな問題を抱えていることを強く示唆する。

ロシア側にとって脅威になるのは、TB-2が防空網のすきを突いては無傷の防空箇所を攻撃目標にしていくというフィードバック・ループだ。こうやって、南部を覆う地対空ミサイルの傘が崩れていくと、TB-2はロシア軍占領下の地域をさらに自由に飛行し、ロシア軍の大隊や補給車列を意のままに攻撃できるようになるだろう。

■[Forbes JAPAN]クリミアのロシア海軍基地攻撃

ロシア軍の占領下にあるウクライナ南部クリミア半島セバストポリのロシア海軍基地を、ウクライナ軍部隊がどのように攻撃したのかはわからない。セバストポリはウクライナの前線から南へ240kmほどに位置する。

ウクライナ軍は、爆発物を積んだ水上ドローン(無人艇)を何隻か、厳重な防御が施されているセバストポリ港に潜入させたのかもしれないし、弾道ミサイルか巡航ミサイルを撃ち込んだのかもしれない。あるいは破壊工作員たちが港に忍び込んだのかもしれない。

いずれにせよ、本記事を執筆している現在、黒海艦隊にとって重要なのは攻撃の手段が何だったかではなく、13日未明に爆発したドライドック(乾ドック)の火災を消し止めることだろう。この乾ドックにはロプーチャ級揚陸艦とキロ型潜水艦が各1隻入っていたと伝えられる。

軍艦が大きく損傷する前に火を消し止められなければ、黒海艦隊は約30隻の大型艦艇をさらに2隻失う可能性がある。これらの大型艦は、ロシアがウクライナで拡大させた現在の戦争が終わり、黒海と地中海の出入り口であるボスフォラス海峡の通行禁止をトルコが解かない限り、ほかの艦艇で置き換えることもできない。

黒海艦隊にとって目下の戦争は非常に厳しいものになっている。8月には、クリミアから東へわずか110kmほどのロシア南部ノボロシスク港で、ロプーチャ級揚陸艦「オレネゴルスキー・ゴルニャク」を夜間に水上ドローンで攻撃された(編集注:同艦は北方艦隊に所属していたが、2022年2月の戦争開始前に黒海艦隊の増強に振り向けられた)。これにより、ウクライナ海軍の攻撃を受けて戦闘不能に陥った黒海艦隊の主要艦艇は計4隻になった。

ほかはタピール級揚陸艦「サラトフ」(2022年3月、弾道ミサイル攻撃で大破)、ミサイル巡洋艦「モスクワ」(2022年4月、対艦ミサイル攻撃で穴が空いた)、救助曳船「ワシリー・ベフ」(2022年6月、同じく対艦ミサイル攻撃の犠牲に)。オレネゴルスキー・ゴルニャクは攻撃を受けてから数日後にドライドックに入っており、たぶんこの戦争の間は復帰できないだろう。

ウクライナ側はさらに、ロシア海軍の複数の哨戒艇や揚陸艇も撃沈したり大きく損傷させたりしているほか、このほど黒海西部でロシア側が前哨基地として使っていた石油掘削施設2基の支配も取り戻している。

これらの撃沈や襲撃はウクライナ海軍にとって目覚ましい戦果だ。ウクライナ海軍はロシアの全面侵攻直後に唯一のフリゲート艦を失い、現在保有している大型艦は老朽化した揚陸艦1隻のみとみられる。この揚陸艦はドニプロ川の河口付近に潜伏し、時おり短距離のロケット弾をロシア軍部隊に発射している。

ウクライナ海軍は事実上、艦艇をもたない海軍になっているが、だからといってロシア側にとって危険な存在でなくなったわけではない。国産のネプチューン対艦ミサイルや西側製ハープーン対艦ミサイル、ミサイルを搭載したバイラクタルTB2無人機、自爆型水上ドローンなどを駆使して、ウクライナ海軍は黒海艦隊をたんに近づけないようにしているどころか、積極的に攻撃して後退させているのだ。

クリミアの港から展開するロシア艦艇は常に攻撃にさらされる。8月時点では、ロシア国内の艦艇も安全ではない。ロシアの艦艇は港から出る場合、短時間にとどめるようにしている。通常は、ウクライナの都市に向けて巡航ミサイルを数発発射して、そそくさと港に引き揚げている。

黒海艦隊の安全状況は今後、悪くなることはあっても良くなることはないだろう。ウクライナ軍が黒海艦隊に対する攻撃に使える長距離攻撃兵器は、数も種類も着実に増えつつあるからだ。

ウクライナは射程約1600kmの新型巡航ミサイルを開発しているし、米国のジョー・バイデン政権は射程約300kmの長距離ミサイル「ATACMS(エイタクムス)」のウクライナ供与を承認する意向と報じられている。

どちらのミサイルも、前線のウクライナ側からセバストポリを攻撃できるだろう。そして、これまでウクライナ側がロシアの艦艇を次々に攻撃してきているという事実は、ロシア艦艇の位置を特定するウクライナの諜報能力に問題がないことの明白な証拠である。
2023.09.14 15:17 | 固定リンク | 戦争
中国「左から右への大きな揺り戻しが」
2023.09.11

5年後か10年後は分かりませんが、 習近平 体制の『後』を考えるとすれば、やがて将来の中国には揺り戻しが発生するはずです。

中国人民解放軍大幅な改変 中国軍幹部も党に反旗 人事で左遷も インド国境、西部戦区の司令官2か月で更迭 ロケット軍トップも共産党に反旗

中国共産党は23日、第20期中央委員会第1回全体会議(1中全会)で、軍の最高意思決定機関である中央軍事委員会の体制を固めた。習近平総書記(国家主席)を頂点に、習氏に近くて台湾情勢に精通した幹部を相次ぎ引き上げた。台湾の武力統一も選択肢に軍拡を加速する見通しだ。

中央軍事委は習氏をトップに7人の幹部で構成する。台湾の武力統一の是非や核弾頭を搭載する,弾道ミサイルの中国の戦略ミサイル部隊である,ロケット軍のトップ2人が同時に交代したという報道がありました。

ロケット軍は、核兵器や弾道ミサイルを管轄する中国人民解放軍の独立軍種で、宇宙やサイバー戦などを担当する戦略支援部隊とともに、中国の新たな戦略力を構成しています。

ロケット軍のトップ2人が同時に交代した理由は不明ですが、背景には汚職や機密漏えいなど軍内の深刻な問題があるとの観測が出ています。

また、台湾有事の際の米国の介入に備えて核戦力の増強を図るなかで、ロケット軍の重要性は増しており、不透明な人事は国際的な信用を損ない、誤解が生じるリスクを増大させるとの懸念も指摘されています。

しかし2020年10月に「習近平主席」は、中国共産党中央委員会第五次全体会議で、習近平が「戦闘力」を重視する方針を示したことに対し、軍の幹部が「戦闘力」ではなく「戦闘能力」を強調すべきだと主張し左遷されました。

この違いは、習近平が政治的な忠誠心やイデオロギーを重視するのに対し、一部の軍幹部が実戦能力や技術力を重視するという考え方の相違を反映しています。

2021年3月、中国人民解放軍ロケット軍のトップ2人が同時に交代しました。この人事は、ロケット軍内で汚職や機密漏えいなどの問題が発生していたことや、習近平が核戦力の増強を図る中でロケット軍の重要性を高めたことなどが背景にあるとされています。

2021年7月、中国共産党創立100周年記念式典で、習近平が「台湾統一」を強調したことに対し、一部の軍関係者が「台湾有事」に備える準備や意欲が不十分だと指摘しました。

この指摘は、習近平が台湾問題で強硬姿勢を示す一方で、中国軍が実際の戦闘に対する不安や懸念を抱えていることを示しています。

以上のように、中国軍内には習近平に対する不満や批判が存在している可能性はありますが、それが反旗や反乱に発展する可能性は低いと考えられます。中国軍は中国共産党の指導下にあり、習近平は党中央軍事委員会主席として最高指揮権を握っています。

また、習近平は自らの権力基盤を強化するために、軍内の粛清や改革を断行し、忠誠心や政治的な信頼性を重視する人事を行ってきました。その結果、中国軍は習近平の統制下にあり、忠誠を誓っています。

中国共産党は2021年9月23日、第20期中央委員会第1回全体会議(1中全会)で、軍の最高意思決定機関である中央軍事委員会の体制を固めた。

習近平国家主席は中央軍事委員会主席に再任され、副主席には張又侠、劉亥慶の両氏が選出された。また、10人の委員には習氏の側近や台湾統一を念頭に置いた人事が目立った。

中国人民解放軍は2021年1月、国境地帯で軍務についている兵士や若くて優秀な将校を中心に、大幅な昇給を予定していることが明らかになった。習近平国家主席は戦争の危機を言及し、「中国人民解放軍は勝利しなければならない」と強調しており、軍将兵の待遇改善で、彼らを軍に引き留めようと躍起になっているという。

若い将校の給料は大佐級でこれまでの40%増、2万元(約32万円)の月給だったものが、4000元(約6万4000円)増の2万4000元(約38万4000円)にアップされることになる。

中国人民解放軍が、国境地帯で軍務についている兵士や若くて優秀な将校を中心に、今年中の大幅な昇給を予定していることが明らかになった。中国では昔から「好鉄不打釘、好人不当兵」(良い鉄は釘にはならず、良い人は兵隊にはならない)という成句が知られているが、軍のトップである習近平国家主席は最近、戦争の危機を言及し、「中国人民解放軍は勝利しなければならない」と強調しており、軍将兵の待遇改善で、彼らを軍に引き留めようと躍起になっているという。中国問題専門のネットメディア「多維新聞網」が報じた。

 中国ではこのところ、インドとの国境でインド軍と軍事的な衝突があり、数十人の中国兵が犠牲になったと伝えられたほか、チベット自治区や新疆ウイグル自治区、南シナ海などで過酷な任務が続き、軍を離れる兵士が増えている。

 また、大学や大学院を卒業した高学歴の若手将校の給料は、企業などに勤務している同世代よりも少なく、それが退役の大きな原因となっていると指摘されており、今回の軍将兵の給料アップにつながったと見られる。

 中国共産党中央軍事委員会主席を兼ねている習近平主席が決断したとされるが、習氏は軍の内部会議で「より近代的な軍事改革を推し進めた後、多くの才能と能力を持つ若い軍人や、辺境地区で人知れずに苦労して任務についている若い兵士の待遇を上げることが、中国軍が戦争に勝つ大きな要素となる」と指摘したという。

 とくに、若い将校の給料は大佐級でこれまでの40%増、2万元(約32万円)の月給だったものが、4000元(約6万4000円)増の2万4000元(約38万4000円)にアップされることになる。

また、チベットや南シナ海の島嶼部などの辺境で軍務についている兵士については、従来1万元程度の月給だったが、4000元アップの1万4000元に加えて、辺境手当として6000元が支給されて、計2万元に倍増するという大盤振る舞いだ。

 さらに、これらの将兵は退職したあとも、軍務についていた年数に応じて、毎月の年金も従来の2倍程度になる場合もあるという。

 ネット上では「習近平は(よい鉄はよい釘になり、よい人は良い兵になる)』となるよう軍事改革を進めようとしているようだ。この裏には、台湾への侵攻などの軍事的な野望がひそんでいるかもしれない」との見方も出ている。

■中国軍司令官、異例の「2か月」で交代…中央軍事委人事に関係か

中国軍でインドやアフガニスタンとの国境などを管轄する西部戦区の司令官が2021年9月6日、2か月で交代した。異例の短期間でのトップ交代は、軍の指導機関である共産党中央軍事委員会の人事に絡んだ動きとの見方が出ているほか、更迭説も浮上している。後任には汪海江氏を充て、上将に昇格させた。

中国軍でインドやアフガニスタンとの国境などを管轄する西部戦区の司令官が2か月で交代した。異例の短期間でのトップ交代は、軍の指導機関である共産党中央軍事委員会の人事に絡んだ動きとの見方が出ているほか、更迭説も浮上している。

習近平 中央軍事委主席(国家主席)は今月6日、7月に西部戦区の司令官に任命した 徐起零シューチーリン 上将(大将に相当)を交代させた。異動先は明らかになっていない。後任には 汪海江ワンハイジアン 氏を充て、上将に昇格させた。

徐氏は司令官になる前、同戦区の陸軍司令官を務め、2020年に起きたインド軍との国境衝突の対応にあたった。東部、北部、中部戦区での勤務経験があり、「通常戦のエキスパート」(関係筋)と評価されてきた。香港英字紙サウスチャイナ・モーニングポストは軍内部の関係者の話として、「北京は、徐氏に関し、より大きな計画がある」と伝え、来年秋の党大会を機に、大幅な人事異動が見込まれる中央軍事委に関連した人事との見方を示唆した。

習氏は7、9月、徐氏と汪氏を含む計9人を軍最高位の上将に昇格させており、中央軍事委入りの有資格者の育成を急いでいるとの見方が出ている。

汪氏は、新疆ウイグル、チベット自治区での勤務経験が長く、「西部国境の情勢に詳しく、アフガン情勢への即応に適任」(同)だとされる。

 徐氏の人事を巡っては、更迭説も出ている。関係筋によると、中印国境対立を巡り、外交当局が相手を威嚇する「 戦狼せんろう 外交」的な手法を取ったことに不満を抱いた徐氏が習氏に進言し、習氏の不興を買ったという。

 別の関係筋は「いずれにしても2か月での交代は極めて異例。上将人事は習氏が決めており、習氏の軍内部での権力集中はいっそう進んでいる」と分析した。

◆西部戦区 =中国軍が陸海空軍などを統合運用するために組織した五つの「戦区」の一つ。四川や重慶、新疆ウイグル、チベットなど中国西部の7省・直轄市・自治区を管轄する。隣接するインドやアフガニスタン、中央アジアとの国境管理にもあたる。司令部は四川省成都。内陸のため、陸軍、空軍を中心に構成されている。

■中国共産党政権が崩壊に直面している

世界では中国共産党政権が崩壊に直面しているという見方は、一部の専門家やメディアによって提唱されていますが、必ずしも定説とは言えません。中国共産党政権は、経済の減速、社会の不安、国際社会の圧力など、多くの困難に直面していますが、それらを乗り越えるための政策や戦略を展開しています。

米国の著名な中国政治研究者であるミンシン・ペイ氏は、習近平による統治は問題をはらんでおり、中国共産党政権は、毛沢東時代の終了後、最も崩壊に近づいていると主張しています。

彼は、習近平が権力を集中化し、反対派を弾圧し、改革を停滞させていることが、中国共産党政権のレジーム変容や社会変革を阻害し、長期的な危機を招くと論じています。

一方で、中国共産党政権は自らの正統性や安定性を維持するために、経済成長や国際競争力の向上を目指し、国内外の課題に対応しています。

例えば、24日に開かれた政治局会議では、「新たな困難と試練に直面している」としながらも、「高品質な発展」や「新たな発展段階」に向けた施策を打ち出しました。また、米国との対立や緊張を回避するために、「協力と対話」を求める姿勢も示しています。

しかし、中国共産党政権が直面する困難は軽視できないものです。特に、新型コロナウイルス感染症の大流行で死者が増える中、中国共産党が世界への約束を守れなかったことが、国際社会からの批判や不信を招いています。

米国のポンペオ国務長官は、中国共産党に対し、「互恵と透明性、説明責任」を要求し、「自由世界が変わらなければ、中国共産党が確実に我々を変える」と警告しています。

以上のように、世界では中国共産党政権が崩壊に直面しているという見方は一面的なものであり、その実態や将来性は複雑で多面的なものです。中国共産党政権がどのように変化し、世界とどのように向き合って行くかは今後も重要な視点です。

■左から右への大きな揺り戻しが起きる可能性も

中国の将来の見通しについては、様々な見方や予測がありますが、一般的には以下のような点が注目されています。

中国の経済は、改革開放政策によって高い成長率を維持してきましたが、近年は減速傾向にあります。特に、不動産市場のバブル崩壊や負債問題が深刻化しており、経済の質の高い発展を目指す習近平政権の課題となっています。

中国共産党は、今年10月に開催された党大会で、習近平総書記の3期目続投を確定させました。これは、党内の権力集中や強権化を象徴するものであり、改革開放時代の政治的土台を崩すことを意味します。

習近平政権は、米中対立や新型コロナウイルスの感染拡大などの外部環境の変化に対応するために、国内の社会統制やイデオロギー教育を強化しています。

中国の社会は、経済発展とともに多様化や複雑化しており、民主化や自由主義化への期待や要求も根強く存在しています。

しかし、現在の習近平政権は、これらの動きを抑圧する傾向にあります。歴史的に見ても、中国の政治状況は大きく揺れ動いてきたことから、将来的には左から右への大きな揺り戻しが起きる可能性も否定できません。

以上のように、中国の将来は不確実性が高く、予測が難しいと言えます。しかし、中国は世界第2位の経済大国であり、日本とも密接な関係にある国です。そのため、中国の動向には常に注意を払う必要があります。

■大きな揺り戻しが「5年後か10年後に変革が」

中国の現実問題として左から右への大きな揺り戻しはどのようにして起こり得るのか?

中国が左から右への大きな揺り戻しを経験する可能性については、様々な意見や分析があります。一般的には、中国の政治体制は歴史的に左右に揺れ動いてきたという観点から、現在の習近平政権の強権化は左に偏った状態であり、その後には必ず反動が起こるという考え方があります。例えば、ルポライターの安田峰俊さんは、強権・習近平体制に「やがて揺り戻し」 過去から予測する中国の将来という記事で、次のように述べています。

現在の中国は、共産党体制なりの『真ん中』よりもかなり左に偏った状態にあります。 5年後か10年後は分かりませんが、 習近平 体制の『後』を考えるとすれば、やがて将来の中国には揺り戻しが発生するはずです。

安田さんは、毛沢東による文化大革命や天安門事件など、中国の政治状況が大きく変化した歴史的事例を挙げて、今後は「左から真ん中に戻るだけではなく、場合によっては、たった10年前までは有力な選択肢だった右方向への大きな揺り戻しが起きてもおかしくない」と予測しています。

しかし、このような見方に対しては、中国の民主化運動を推進する米国最大のNGO・公民力量の主宰者である楊建利さんは中国の民主化、困難な理由と実現の可能性を問うという記事で異論を唱えています。楊さんは、習近平政権が党内民主化を阻止し、国家安全法や香港問題などで強硬姿勢を示していることから、「党内民主化」や「社会民主化」の道は閉ざされていると指摘しています。

楊さんは、中国の民主化に向けては、「市民社会」や「国際社会」の力が必要であると主張しています。2楊さんは、「市民社会」では、インターネットやSNSを通じて情報や意見を交換し、抗議や署名活動などで声を上げることが重要であると述べています。2また、「国際社会」では、米国や日本などの民主主義国家が中国に対して人権や自由を尊重するように圧力をかけることが必要であると説いています。

以上のように、中国が左から右への大きな揺り戻しを経験する可能性については、歴史的な視点や現実的な視点から異なる見方があります。中国の政治体制や社会状況は今後も変化し続けるでしょうから、この問題に関心を持ち続けることが重要だと思います。
2023.09.11 14:42 | 固定リンク | 国際
中国の三重苦「処方箋はないのか」
2023.09.10

「三重苦」ゼロコロナ政策、不動産不況、輸出減速が波乱要因

■中国のゼロコロナ政策は失敗

新型コロナウイルスの感染状況や行動制限の度合いに応じた政策の影響が避けられず、振れ幅が大きくなる可能性があります。

習近平国家主席は、その厳格さから物議を醸している「ゼロコロナ」政策を直ちに緩和するつもりはないことを示唆しました。

彼は「ゼロコロナ」政策を「ウイルスのまん延を阻止するための人民の戦争」と表現し、この政策は人命を救ってきたが、それと同時に中国国民と経済に大打撃を与えたと述べました。ロックダウンや移動制限に対する国民の疲労感は高まっていました。

中国のゼロコロナ政策とは、新型コロナウイルスの感染を徹底的に封じ込めようとする方針や政策を指す言葉です。中国は2020年の半ばには国内の新型コロナ新規感染者はほぼいなくなったとされるほど、都市封鎖(ロックダウン)などの強権的な措置を取りました。

しかし、2022年12月に突如、ゼロコロナ政策を大きく軌道修正しました。残された主な制限も2023年1月初旬には撤廃される予定であり、中国への渡航者についても入国時の隔離や新型コロナウイルス検査が免除されることになりました。この政策転換の背景には、全国規模の厳しいロックダウン措置に対する抗議行動や経済的自立の観点があったと考えられます。

しかし、ゼロコロナ政策の緩和に伴い、新型コロナウイルスの感染者と死者が急増しています。病院や葬儀場に行列ができたり、混雑した病院の待合室の真ん中に設置されたベッドに患者が収容されたりするなど、医療サービスのひっ迫が深刻化しています。中国で使用されている主なワクチンはオミクロン株に対する有効性に疑問があり、ワクチン接種率も高齢者を中心に低いままです。

以上のことから、中国のゼロコロナ政策は、国際的な摩擦や国内的な課題だけでなく、経済発展段階の変化にも関係していると言えるでしょう。

一方では、中国は2020年の半ばには国内の新型コロナ新規感染者はほぼいなくなったとされるほど、都市封鎖(ロックダウン)などの強権的な措置を取り、感染拡大を抑え込むことに成功しました。

また、ゼロコロナ政策の緩和に伴い、経済活動や社会生活が回復し、国民の不満や不安を和らげることにも成功しました。

しかし、他方では、中国のゼロコロナ政策は多くの問題や課題を残しています。まず、ゼロコロナ政策の緩和に伴い、新型コロナウイルスの感染者と死者が急増しており、医療サービスのひっ迫が深刻化しています 。

中国で使用されている主なワクチンはオミクロン株に対する有効性に疑問があり、ワクチン接種率も高齢者を中心に低いままです。これらの点から見れば、中国のゼロコロナ政策は失敗したと言えるでしょう。

また、中国のゼロコロナ政策は国際的な摩擦や経済発展段階の変化にも関係しています。中国は世界最大の経済大国であり、他国との貿易や交流が重要ですが、ゼロコロナ政策はそれらを制限することになります。

中国は高度成長期から成熟期へと移行しつつありますが、ゼロコロナ政策はその過程で必要な経済構造や産業構造の変革を遅らせる可能性があります。これらの点から見れば、中国のゼロコロナ政策は適切ではないと言えるでしょう。

■不動産市況の低迷

不動産バブル崩壊の影響で、不動産市場が低迷しています。不動産会社の多くは資金不足のため新規投資の余力がなく、市況の改善は期待しにくいとされています。

中国の不動産市況は、いくつかの要因により低迷しています。以下に主な要因を挙げます。

不動産バブルの崩壊

中国の不動産市場は、住宅価格が異常に高騰する「不動産バブル」の様相を呈しています。このバブルが崩壊すると、不動産市場全体が低迷します。

不動産会社の資金繰り問題

中国の不動産大手である中国恒大集団が巨額の負債を抱え、経営危機に陥っていることも影響しています。

政府の規制強化

中国政府は、バブル抑制のために不動産関連の金融規制を強化しています。これにより、新築マンションの販売が低迷しています。

新型コロナウイルスの影響

新型コロナウイルスの感染拡大とそれに伴う経済活動の停滞も、不動産市況に影響を与えています。

中国の不動産市場は、米中貿易戦争や新型コロナウイルスの影響により、住宅価格や販売、投資、建設などが大幅に減少しています。

中国政府は、不動産市場を安定させるために、金融規制や地方別の調整策などを強化していますが、効果は限定的であり、地方政府の財政難や開発業者の資金繰り悪化などの問題も深刻化しています。

中国の不動産市場は、高度成長期から成熟期へと移行しつつあり、経済構造や産業構造の変革が必要とされています。

中国は人口構造の変化や環境問題などに対応するために、住宅は住むもので投機の対象ではないという方針を堅持しています。

以上のことから、中国の不動産市況は、国際的な摩擦や国内的な課題だけでなく、経済発展段階の変化にも関係していると言えるでしょう。今後、中国はどのように不動産市場を調整していくかが課題と言えます。

■輸出の減速

世界規模の景気減速が鮮明になると、中国の輸出は成長エンジンとして機能しなくなる可能性があると警告されています。

中国の輸出は、いくつかの要因により減速しています。以下に主な要因を挙げます。

内需の低迷

中国国内の需要が低迷しており、輸出が減少しています。

外需の低迷

世界経済の減速に伴い、中国からの輸出需要が減少しています。

貿易摩擦

米中貿易摩擦など、貿易関係の悪化が輸出に影響を与えています。

これらの要因が相互に影響し合い、中国の輸出が減速しています。

中国の輸出の減速の理由には、いくつかの要因が考えられます。

一つは、米中貿易戦争による対米輸出の低迷です。中国は米国にとって最大の貿易相手国であり、米国からの関税措置や制裁措置により、中国の輸出品の競争力が低下しました。2023年8月の対米輸出額は前年同月比で20.1%減となりました。

もう一つは、中国国内の経済減速です。中国は不動産不況や若年層の失業率の高さなどにより、内需がふるわず、輸入も減少しています。これにより、中国向け輸出を行う他国の経済にも悪影響を及ぼしています。日本は中国にとって最大の輸入国であり、2023年7月の対中輸出額は前年同月比で13.4%減となりました。特に機械類や化学製品などが大きく減少しました。

さらに、中国は高度成長期から成熟期へと移行しつつあります。これは日本が40年前に経験したことと似ています。中国は人口構造の変化や環境問題などに対応するために、経済構造を変革しようとしています。その過程で、労働集約型から技術集約型へと産業構造がシフトし、輸出品の質や価値が向上する可能性があります。

以上のことから、中国の輸出の減速は、国際的な摩擦や国内的な課題だけでなく、経済発展段階の変化にも関係していると言えるでしょう。今後、中国はどのように輸出戦略を調整していくかが注目されます。
2023.09.10 09:31 | 固定リンク | 国際
「江沢民派の巻返しあるのか?」
2023.09.10
■「江沢民派の巻返し」は、中国共産党内部で権力と利益をめぐる対立が続く中で、江沢民元総書記の支持者や派閥が習近平現総書記に対抗し、巻き返しがあるのか? あるとすればどのような動きになるのか...

習近平氏は、自らの権威と思想を強化するために、党内の反対派や腐敗者を粛清する「反腐敗キャンペーン」を展開しています。このキャンペーンによって、江沢民派の重要な人物や利益集団が次々と失脚や逮捕に追い込まれています。

例えば、江沢民派の中でも最も強力な既得権を持っていた周永康元政治局常務委員は、2015年に終身刑に処されました。

また、江沢民派の中でも最も影響力のある人物の一人であった曽慶紅元政治局常務委員は、2019年に無期懲役に処されました。

これらの人物は、江沢民派の中核的な存在であり、その失脚は江沢民派に大きな打撃を与えました。

■習近平氏は、自らの政治理念や政策を「習近平思想」として党規約に盛り込み、毛沢東以来の権威として習氏の地位を確立しました。

また、2018年には国家主席や党中央軍事委員会主席の任期制限を撤廃し、無制限に権力を行使することが可能になりました。これらの措置は、習氏が中国共産党や国家の最高指導者として不可欠であることを示すものであり、江沢民派や他の派閥が習氏に挑戦する余地を奪うものでした。

習近平氏は、中国の経済発展や社会安定、国際的地位の向上などに貢献したとして、自らの指導力と権威を強化することを目指しています。しかし、その過程で、中国は米国や欧州などとの貿易摩擦や人権問題などで対立することが多くなりました。

また、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の発生や対応に関する批判や不信も受けました。これらの問題は、習氏の指導力や信頼性に疑問を投げかけるものであり、江沢民派や他の派閥が習氏に不満や反発を抱く原因となりました。

以上のように、「江沢民派の巻返し」は、習近平氏が行った粛清や権力集中、政策運営などに対する反発や抵抗として起こっていると考えられます。

しかし、「江沢民派の巻返し」がどの程度の規模や影響力を持っているかは、中国共産党の内部事情が非公開であるために、外部からは正確に判断することが難しいです。

また、「江沢民派の巻返し」が習近平氏の地位や権力に危機をもたらすかどうかは、今後の習氏の行動や政治体制の変化によって判断されるべきでしょう。

■江沢民派VS習近平派の闘争で既得権者の個人既得権を奪取された恨みはどのように継続されるのか?

習近平氏の「任期制限撤廃」の理由については、様々な見解がありますが、一般的には以下のようなものが挙げられます。

習近平氏は、中国の経済発展や社会安定、国際的地位の向上などに貢献したとして、自らの指導力と権威を強化することを目指していると考えられます。

任期制限撤廃は、その一環として行われたもので、習氏が党総書記引退後も中国の政治に影響力を行使することに道を開くための措置だと言えます。

習近平氏は、自らの政治理念や政策を「習近平思想」として党規約に盛り込み、毛沢東以来の権威として習氏の地位を確立しました。

任期制限撤廃は、習氏思想を長期的に実践するために必要なもので、習氏が中国共産党や国家の最高指導者として不可欠であることを示すものだと言えます。

習近平氏は、中国には2020年から2035年にかけて「安定し強力で一貫した指導体制」が必要だと主張しています。

任期制限撤廃は、そのために習氏が長期的に権力を握ることを可能にするもので、中国の国内外での課題や危機に対処するために必要なものだと言えます。

以上のように、習近平氏の「任期制限撤廃」は、同氏を権力において守り通すためだけではなく、中国の発展や安全保障などに関わる重要な目的があるという見方もあります。しかし、この改正によって習氏の権力が過度に集中し、民主主義や人権などが侵害されるおそれがあるという批判や懸念も多くあります。

習近平氏が「独裁者」になるかどうかは、今後の彼の行動や政治体制の変化によって判断されるべきでしょう。

■任期制限撤廃に反対する意見は、主に以下のようなものがあります。

任期制限撤廃は、習近平氏の権力を過度に集中させ、民主主義や人権などが侵害されるおそれがあるという批判や懸念があります。

任期制限撤廃は、中国共産党の内部民主主義や集団指導の原則を損ない、習氏の個人崇拝や独裁的な支配を助長するという見方もあります。

任期制限撤廃は、中国の政治体制や政策の安定性や連続性を損なう可能性があるという意見もあります。

任期制限撤廃は、習氏の後継者問題や政権交代のメカニズムを不透明にし、政治的な混乱や対立を招く恐れがあるという指摘もあります。

任期制限撤廃は、中国の国際的な信頼や評価を低下させる可能性があるという見解もあります12。任期制限撤廃は、中国が法治国家や責任ある大国として振る舞うことに疑問を投げかけ、国際社会からの批判や圧力を増加させるという懸念もあります。

江沢民派と習近平派の闘争は、中国共産党の内部で権力と利益をめぐる対立として続いています。既得権者の個人既得権を奪取された恨みは、政治的な報復や粛清、腐敗撲滅キャンペーンなどの形で継続される可能性があります。以下に、いくつかの事例を挙げます。

江沢民派の重鎮であった周永康は、2012年に習近平が党総書記に就任した直後に失脚し、2015年には反革命罪や収賄罪などで終身刑に処されました。

周永康は、江沢民派の中でも最も強力な既得権を持っていたと言われており、その失脚は江沢民派に大きな打撃を与えました。

江沢民派の別の重鎮であった曽慶紅は、2017年に習近平が党総書記に再選された直後に拘束され、2019年には収賄罪などで無期懲役に処されました。

曽慶紅は、江沢民派の中でも最も影響力のある人物の一人であり、その拘束は江沢民派の勢力をさらに弱めました。

習近平派の中でも有力な人物であった孫政才は、2017年に党中央政治局常務委員から解任され、2018年には収賄罪や国家機密漏洩罪などで終身刑に処されました。孫政才は、かつて江沢民派に属していたことがあり、その後習近平派に鞍替えしたと言われています。そのため、孫政才の失脚は、江沢民派からの報復だとも見られています。

以上のように、江沢民派と習近平派の闘争は、既得権者の個人既得権を奪取された恨みが根底にあると考えられます。この闘争が今後どのように展開するかは予測しにくいですが、中国共産党の安定性や統一性に影響を与えることは間違いありません。
2023.09.10 07:44 | 固定リンク | 政治
習近平暗殺未遂
2023.09.08

中共の内憂 習近平暗殺未遂

中国共産党内部の権力闘争が激化しています。主に江沢民派主導の反習近平派閥が何度も習近平主席の暗殺を計画するも失敗しました。そして、中共司法部元部長の傅政華氏など、複数の国家安全局、公安部の高位幹部が粛清されたのは、ほぼ全員が、習近平暗殺に関与していたためという噂があります。

江沢民派と習近平派の衝突は、中国共産党内の権力闘争の一つの側面です。江沢民派は、元国家主席の江沢民とその側近や後継者である胡錦濤派、温家宝派などを含むグループで、改革開放路線や市場経済を推進した派閥です。習近平派は、現国家主席の習近平とその盟友や支持者である王岐山派、李克強派などを含むグループで、強権的な支配体制や国家主導型経済を推進した派閥です。

江沢民派と習近平派の衝突は、2012年に習近平が党トップに就任してから激化しました。習近平は反腐敗キャンペーンを展開し、江沢民派の多くの高官や軍人を粛清しました。例えば、周永康元政治局常務委員や孫政才元政治局委員、郭伯雄元中央軍事委員会副主席などが逮捕されました。これらの人物は江沢民や曽慶紅元国家副主席などの側近であり、習近平に対する政敵でした。習近平はこれらの人物を「反党反革命分子」として排除し、自らの権力基盤を強化しました。

一方、江沢民派は習近平に対抗するために様々な手段を用いました。例えば、インターネット上で習近平の批判や風刺を流布したり、暗殺未遂事件を起こしたりしました。これらの行動は習近平に対する不満や反発を表現するものでしたが、効果は限定的でした。習近平はインターネットの検閲や情報統制を強化し、暗殺未遂事件に関与した人物を摘発しました。

以上のように、江沢民派と習近平派の衝突は中国共産党内の深刻な対立を示しています。この対立は中国の政治的安定や経済的発展に影響を与える可能性があります。今後も両派間の争いに注目が集まります。

■反対派残存勢力は顕在

習近平国家主席は、中国共産党のトップとしてほぼ権力を掌握していますが、反対派を完全に粛清したというのは正確ではありません。

習近平氏は、反腐敗キャンペーンを名目に、江沢民派や胡錦濤派などの旧派閥の多くの高官や軍人を逮捕や追放しました。しかし、これらの派閥は完全に消滅したわけではなく、習近平氏に対する不満や反発を抱いている可能性があります。

また、習近平氏は、自らの権力を強化するために、党章や憲法に自らの思想を盛り込んだり、任期制限を撤廃したりしました。

この「任期制限撤廃」は、反対派残存勢力からの巻き返しを恐れ、自ら身を護るため行われたと言われてます。

しかし、これらの強権的な措置は、国内外からの批判や反発を招いたり、国民の支持率を低下させたりする可能性があります。

以上のように、習近平国家主席はほぼ権力を掌握していますが、反対派を完全に粛清したというのは事実ではありません。

中国共産党内では、今後も権力闘争や対立が起こる可能性があります。また、習近平氏の強権的な支配体制は、中国の政治的安定や経済的発展に影響を与える可能性があります。

中国の不安定化の原因は、複雑で多面的なものですが、前述の要因も含まれ、以下のように挙げられます。

■経済的な要因

中国は過去数十年間に急速な経済成長を遂げましたが、その一方で構造的な問題や不平等な分配、環境汚染、不動産バブル、負債の膨張なども抱えています。新型コロナウイルスのパンデミックは、中国経済に大きな打撃を与え、成長率の鈍化や失業率の上昇、外国からの投資の減少などを招きました。中国政府は経済刺激策や金融緩和策を講じていますが、それらは根本的な問題の解決には至っていません。中国経済は「時限爆弾」であり、危機と根深い課題に直面しています。

■政治的な要因

中国共産党は国内の政治的安定を維持するために、習近平国家主席を中心とした強権的な支配体制を強化しています。しかし、その結果として、人権や民主主義の抑圧、反対派や少数民族の弾圧、メディアやインターネットの検閲、社会信用システムの導入などが行われており、国民の不満や反発を招いています。また、香港や台湾といった周辺地域では、中国政府の介入や圧力に対する抵抗運動が起こっており、中国政府はこれらを武力で鎮圧しようとしています。中国政府は国内の不安定化を防ぐために、ナショナリズムや愛国主義を煽り、外敵を作り出すことで国民を団結させようとしています。

■国際的な要因

中国は世界第二位の経済大国として台頭しており、その影響力や野心は世界各地に及んでいます。しかし、その一方で、中国は自国の利益や主張を優先し、国際法やルールに従わないことも多くあります。例えば、東シナ海や南シナ海では、中国は自らの領有権を主張し、軍事的な挑発や嫌がらせを行っています。また、「一帯一路」構想と呼ばれる巨大なインフラ整備計画では、中国は途上国に対して多額の借款や投資を行っていますが、それらはしばしば不透明で不公平なものであり、借金漬けや影響力の喪失につながっています。こうした中国の行動は、アメリカや日本をはじめとする西側諸国や周辺諸国との対立や緊張を高めており、新冷戦や衝突の危険性を増しています。

台湾侵攻のために「国防の国民動員」を強化

習近平主席のように、権力を固めるため、海外に向かって軍事挑発し、国内を団結させる手法は、中国共産党の十八番。これを反映しているのが、中国と周辺国の軍事衝突です。

中国共産党は、台湾に対して軍事的・政治的圧力を強めています。「福建省の軍部が、台湾への戦争準備に関する内部調査の資料を入手し、習近平が予定より早く台湾を侵攻する可能性がある」と報じました。福建省は台湾に最も近い省です。

10月1日の中華人民共和国の国慶節(建国記念日)の後、台湾では10月10日の双十節(中華民国の建国記念日)が祝われました。今年は中国と台湾がそれぞれ政治的に対抗する姿勢をアピールしました。まずは中国の国慶節に、習近平主席が「必ず台湾統一を実現する、中国領土の完整」とアピールしました。その後、実際の台湾侵攻の下準備とみられる工作がありました。「中国領土の完整」には、尖閣諸島の侵攻も視野に入っているはずです。

中国共産党は、台湾に対して軍事的・政治的圧力を強めています。「福建省の軍部が、台湾への戦争準備に関する内部調査の資料を入手し、習近平が予定より早く台湾を侵攻する可能性がある」と報じました。福建省は台湾に最も近い省です。

中国共産党軍は10月11日、SNSの「微博(ウェイボー)」を通じて、福建省南部で最近、海浜上陸訓練を行ったと発表しました。投稿に添付された動画では、ディンギー(小型船)に乗った少人数の「民間人になりすました」人民解放軍の兵士たちが、浜辺で発煙弾を投げたり、有刺鉄線を破ったり、塹壕を掘ったりしている様子が映し出されています。

習近平は、戦争に備えることや戦争をすることについて、公の場で何度も言及しています。近年、中国共産党は、戦争に備えることを目的とした、いわゆる「国防の国民動員」の可能性に関する統計調査を集中的に行っています。

中国共産党から流出し、防衛出動の可能性を示す、福建省泉州市にある恵安県国防動員委員会の「国防動員可能性調査に関する通知」と題した内部文書によると、調査・統計は「軍事闘争準備の必要に応じて」「国防動員資源を総合的に、正確に、タイムリーに把握することで、国防動員の迅速な対応能力と平和的戦力転換能力を向上させ、効率的な戦力参加と戦闘の支援・保障という目的を達成する」としています。

次に「政党・官公庁登録書」では、しめい、連絡先、所属以外の項目を記入し、18歳から35歳、36歳から45歳、45歳以上の年齢別にカウントすることになっています。

「国防動員法」は2010年2月26日に当時の中国共産党主席である胡錦濤氏によって公布され、2010年7月1日に施行されました。第3章の第15条には「国は、国防動員計画、国防動員実施計画及び国防動員可能性の統計調査の制度を実施する」と記載されており、2019年4月の中国国防報によると、潜在的統計調査は「国防動員の基本プロジェクト、基本システムであり、経済や社会に潜む戦力を把握することを目的とし、どのような戦争を、どのくらいの規模の戦争を、どのくらいの期間、国が軍隊を支えて戦うことができるのか、その底辺の数値を測定、評価すること」とされています。

まさに福建省で今、その国防の国民動員が実施されています。

■蔡英文総統、台湾死守をアピール

このような警戒の中、台湾ではCH47輸送ヘリコプターが、巨大な青天白日旗(台湾国旗)を掲げて総統官邸の上空を飛行し、記念日のクライマックスを迎えました。

 長さ18メートル、幅12メートルの旗は、式典で掲揚されたものとしては台湾史上最大のもので、国旗にはアメリカ製の戦闘ヘリ、アパッチと攻撃ヘリ、コブラが続きました。

 さらに、F16V戦闘機、ミラージュ2000戦闘機、C130H輸送機など12種類、計42機の軍用機が展示されたほか、地上では各種ミサイルランチャーやデコイ、レーダー車などの軍用車両も展示されました。

中共の軍用機が頻繁に台湾の防空識別圏に侵入するようになってから、まさに一触即発の状況下、蔡英文総統は演説で台湾を守る決心をアピールしました。

この蔡英文総統のスピーチに、中国共産党は猛反発しました。

10月10日の蔡英文総統の演説の直後、中国共産党の在台湾事務弁公室はその日の夜に長文の記事を発表しました。「蔡英文は台湾独立を唱えて、対立を煽っている」と批判し、両岸関係に関する中国共産党の主張は、「両岸関係の平和的発展を促進し、一つの中国の原則に基づいた、いわゆる平和的統一を最終目標としたい」ということだと主張しています。

■中国とインド国境での小競り合い

さらに、中国とインドの国境で、小規模の戦争が何度も勃発しました。昨年6月、ガルワン渓谷でインド軍と中国軍の間で45年ぶりの国境紛争が発生しました。

10月8日にさらに規模が拡大しました。「インディア・トゥデー」紙の報道によりますと、インド軍と中国軍のにらみ合いは、中国国境付近での定期的なパトロール中に起こりました。

同紙は情報筋の話として、インド軍が国境近くで約200人の中国人民解放軍兵士を迎え撃ち、数時間後に地元の指揮官が既存の合意に基づいて問題を解決したことで、にらみ合いが終わったと伝えています。

この間、インドの要塞は被害を受けませんでした。

また、インドのメディア企業と提携しているCNNの英語版テレビ「CNN-18News」は、政府高官の情報を引用して、約200人の中国人民解放軍兵士がインド側の無人の掩蔽壕(えんぺいごう)*を破壊しようとして、チベット自治区からアルナチャル・プラデーシュ州に入ったと伝えました。中国人民解放軍兵士が国境を越えてインド側に入ったところ、インド軍に激しく抵抗され、一部の中国兵士が一時的に拘束されました。結局その後、中国人民解放軍兵士は解放され、両国の緊張は一時的に緩和しました。

以上のように、中国不安定化の原因は経済的な要因、政治的な要因、国際的な要因が相互に影響しあっていると言えます。中国はこれらの問題にどのように対処していくのか、そして日本は中国とどのような関係を築いていくのか、今後の展開に注目が集まります。

■飛行機に乗れない習近平

飛行機に乗れない習近平というのは、インターネット上で流れている噂の一つですが、事実ではありません。

習近平国家主席は、新型コロナウイルス感染症の対策のために、海外から帰国した人は10日間隔離することが義務付けられている中国のルールに従っているだけです。習近平氏は9月27日に北京で展示会を視察し、党中央政治局常務委員会の全メンバーと並んで姿を見せました。

また、習近平氏は10月9日からインドで開かれる主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)に欠席することを決めましたが、これは飛行機に乗れないからではなく、政治的な判断だと考えられます。習近平氏は日米欧の主要7カ国(G7)への対抗軸としてG20の枠組みを重視してきましたが、今回はオンラインでの参加も見送りました。これは、中国が米国や欧州などの西側諸国との対立や緊張を高めており、新冷戦や衝突の危険性を増していることを反映していると言えます。
2023.09.08 13:59 | 固定リンク | 国際

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