金利上昇で破産のリスクに直面
2024.06.03
変動金利で住宅ローンを借りている方々が、金利上昇によって破産のリスクに直面していることは確かです。変動金利型の住宅ローンは、短期金利の変動に応じて半年ごとに金利が見直されるため、金利上昇による返済負担が増加します。

具体的な対策として、以下の点に注意することが重要です。

金利の影響を計算する:

まず、家計の現状を把握し、住宅ローンの金利が何%に達すると返済が苦しくなるかを計算してみてください。金利が上がると月々の返済額がどれくらい増加するかを理解することが大切です。

借り換えを検討する:

借り換えで返済負担を軽減できる可能性があります。複数の金融機関を比較し、借り換え費用も含めて判断しましょう。また、金利上昇への不安を感じる場合は、固定金利型への借り換えも検討してみてください。

支出を減らし、収入を増やす: 無駄の削減や節約で支出を減らし、働き方の変更、副業、転職などで収入を増やせないかを探りましょう。

売却を検討する:

自宅の売却を検討してみることも一つの選択肢です。通常の売却とセール・アンド・リースバックがありますが、売却代金でローンが完済できることが条件です。売却後の支出や新たな住まいの確保に注意しましょう。

金利上昇の影響は無視できないため、早めに対策を講じることが大切です。ご注意いただき、適切な判断を行ってください。

■住宅ローン金利が上がって破産者が相次ぐ

変動金利で住宅ローンを借りている人はこれから金利が上がって破産する――。最近、こんな声をSNSなどで耳にするようになりました。

きっかけは、日本銀行の植田和男総裁が9月9日付のメディアのインタビューで、年内にもマイナス金利政策の解除を判断する可能性を示唆したことです。

金利が上がると月々の返済はどれくらい増加するのでしょうか? そして、破産のリスクは本当にあるのでしょうか?

マイナス金利が解除されると、変動金利型の住宅ローン金利が上昇し、ローン返済の負担が増えることになります。

変動金利型の金利が上がるのは、短期金利の変動に応じて半年ごとに金利が見直されるためです。住宅ローンの種類には、固定金利型と変動金利型がありますが、固定金利型は、長期金利に連動し、ローン契約を結んだ時点の金利が契約で定められた期間の終了まで続きます。

破産のリスクは誰にでもありますが、家計の状態や住宅ローン返済の負担の重さなどによるため、リスクの程度は全員同じではありません。まずは家計の現状を把握して、住宅ローンの金利が何%に達すると返済が苦しくなるかを計算してみてください。

ここでは、日本の平均的な世帯を例に、金利の変動による住宅ローン返済の影響をシミュレーションしてみましょう。

▽シナリオ

年収:500万円

住宅ローン残高:3000万円

返済期間:30年

ボーナス払い:なし

返済方法:元利均等返済

▽シミュレーション1:金利が0.5%

月々の返済額:約9万円

▽シミュレーション2:金利が1.5%に上昇

月々の返済額:約10万3500円

金利が1%上昇した場合、月々の返済額は約1万3500円増えます。年間では約16万2000円の追加負担です。年収500万円の手取り収入は月30万円前後なので、手取りの5%分支出が増えることになります。

これは一例に過ぎませんが、金利上昇の影響は無視できません。もし金利がさらに上昇すると、返済の負担はさらに重くなり、破産のリスクも高まります。

住宅ローンの返済が困難な場合、対策はあるのか?

金利が上がるとたちまちローン返済が苦しくなるような状態であれば、今のうちに次のことをやってみてください。

1.借り換えを検討

借り換えで返済負担を軽くできる可能性があります。複数の金融機関を比較し(審査に出してみる)、借り換え費用の負担も含めて判断しましょう。

また、金利上昇への不安を感じるならば、固定金利型への借り換えを検討してみてください。ただし、固定金利は現在の変動金利と比べて高いので、無理のない返済額になっていることを確認した上で事を進めてください。

2.支出を減らし、収入を増やせないか探る

無駄の削減や節約で支出を減らし、働き方の変更、副業や転職などで収入を増やせないかを探ります。多少の金利上昇では揺るがない強い家計を築いておきましょう。

3.売却の検討

自宅の売却も検討してみましょう。通常の売却とセール・アンド・リースバックがあります。

いずれも売却代金でローンが完済できることが条件です。売却価格査定の段階でローン残高を下回るときはローン借入先に相談してください。

また、通常売却の場合、次の住まいを確保しなければならず、家賃など新たな支出が発生することになります。セール・アンド・リースバックは、自宅を売却し、売却した相手からそのまま自宅を借りる方法のため、同じ家に住み続けることはできますが、新たに家賃が発生することになります。

自宅の売却は以下のことに気を付けて検討してください。

・売却代金でローンが完済できる

・売却後の支出が、今のローン返済額+住居費より多くならない

・セール・アンド・リースバックの場合、できるだけ長く同じ家に住むつもりなら定期借家契約にしない(定期借家契約では、契約の更新が原則としてできず、契約が一定の期間で自動的に終了してしまうため)

4.金融機関に相談する

ローン返済が苦しくなると気付いた時点で、延滞する前に、必ずローン借入先である金融機関に相談しましょう。返済条件の変更によって一時的に負担を軽くしてもらうなど、破産を防げる可能性が高まります。

4つの対策はありきたりですが、焦ったり追い込まれたりすると、判断を誤ったり、交渉相手から足元を見られて思い通りにいきません。余裕のあるうちに行動を起こし、これらの準備をしておくことが一番の対策ということになります。
2024.06.03 07:31 | 固定リンク | 経済
ウクライナクリミア半島上陸「反転攻勢」
2024.06.02
ウクライナ、クリミア半島に部隊上陸と発表 旧ソ連からの独立記念日に「特別作戦」

ウクライナ国防省は24日、ロシア側が一方的に併合したクリミア半島で特別作戦を行い、部隊を上陸させてロシア側の兵器などを破壊したと発表しました。

ウクライナ国防省は24日、クリミア半島で特別作戦を行い、部隊が西部の海岸に上陸したと発表しました。ロシアの兵器などを破壊したほか、ウクライナの国旗を掲げたということです。

作戦の目的は明らかにしていませんが、ウクライナメディアは、上陸した付近の西部の村には、ロシア軍の通信基地があると報じています。

クリミア半島は、ロシア側が2014年に一方的に併合を宣言していて、ウクライナ側は「他の占領地と同じく奪還する」として、反転攻勢でも焦点となっています。

ウクライナ国防省は、作戦は終了し、部隊は撤収したとしていますが、ロシア軍は、これまでにこの作戦に関する公式の発表を行っていません。

■ウクライナ国防省は、ロシアが一方的に併合したクリミア半島に特殊部隊が再び上陸し、攻撃を行ったと発表しました。

この特別作戦では、ウクライナの部隊がクリミア半島西端の海岸に小型ボートで上陸し、ロシア側の兵器などを破壊したとされています。ウクライナ国防省の情報総局は、この作戦の目的は死傷者を出すことなく達成されたと述べています。

この日はウクライナの旧ソヴィエト連邦からの独立して32周年に当たる日であり、ウクライナの独立記念日の重要性が高まっていることも報じられています。ウクライナはロシアによって2014年にクリミア半島を不法に併合されており、今回の作戦はロシア側に対する抵抗の象徴となっています。

ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領はこの日、独立記念日のメッセージで同胞を称え「この戦いでは誰もが重要だ。全員にとって大切なもののための戦いだからだ」と述べています。

クリミア半島は南部戦線への露軍の物資補給地となっており、ウクライナ各地に向けた長距離ミサイルの発射拠点でもあります。ウクライナはロシアを追い出す反転攻勢を開始し、東部と南部で一部の領土を奪還しています。この奪還された領土は、面積だけで見ると少ないですが、ロシアの防衛線の構造上、戦術的に重要である可能性が高いとされています。

ロシア側はウクライナが国内にドローン攻撃を行っていると非難しており、ウクライナの攻撃はロシアの戦闘能力の弱体化を狙ったものとみられています。

ウクライナは24日、ロシアが占領するクリミア半島に部隊が一時的に上陸したと発表した。この日はウクライナの旧ソヴィエト連邦からの独立して32周年に当たる。

ウクライナ国防省は、この「特別作戦」のすべての目的は、死傷者を出すことなく達成されたと述べた。また、クリミア西部のオレニウカおよびマヤクでの銃撃戦で、「敵方に被害を与えた」とした。

ロシアは2014年にクリミア半島を不法に併合している。

今回のウクライナの作戦について、ロシア政府はまだコメントしていない。

ウクライナ国防省の情報総局は、24日の軍事作戦を主導したと、メッセージアプリ「テレグラム」で発表した。ウクライナ海軍が支援したという。

また、この地域に駐留するロシア部隊との戦闘後、「艦船に乗った特殊部隊が上陸した」と説明した。

「ウクライナ領のクリミアに再び、ウクライナ国旗が立てられた」

情報総局は、ウクライナ兵が国旗を掲揚している様子だとする短い映像を公開した。映像では銃声も聞こえる。

ウクライナの公共放送サスピルネは、衝突には航空機と海軍艦が関与していたと伝えた。ロシアのテレグラム・チャンネルも、その地域での戦闘を伝えていた。

ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領はこの日、独立記念日のメッセージをX(旧ツイッター)に投稿。ウクライナの独立を維持するのを助けている同胞を称えた。

「この戦いでは誰もが重要だ。全員にとって大切なもののための戦いだからだ」と、ゼレンスキー氏は述べた。

キーウ国際社会学研究所の調査によると、2022年2月にロシアが侵攻を開始して以降、ウクライナ国民の間で独立記念日の重要性が高まっている。現在では、イースター(復活祭)とクリスマスに続き、3番目に重要な祝日とされている。

ウクライナは6月にロシアを追い出す反転攻勢を開始し、東部と南部で一部の領土を奪還した。

BBCヴェリファイ(検証チーム)の分析では、奪還された領土は、面積だけで見ると少ない。

しかし、米戦争研究所の分析によると、ロボティネとウロジャイネ付近での前進は、「ロシアの防衛線の構造上、戦術的に重要である可能性が高い」という。分析では、ロシア軍が占領地を維持するために多大な労力を費やしていることにも言及している。

ロシアは一方で、ウクライナが国内にドローン攻撃を行っていると非難している。23日には、首都モスクワで建設中の高層ビルが狙われたと発表した。

■NHKウクライナ“クリミア半島岬に独立記念日に特別作戦

ウクライナ国防省の情報総局は、旧ソビエトから独立した記念日にあたる24日、ウクライナの部隊が特別作戦を行い、ロシアが一方的に併合したクリミア半島の岬に一時上陸したと主張しました。

ウクライナ国防省の情報総局は24日、SNSで「ウクライナ海軍の支援を受けて、国防省の情報総局による作戦が24日、クリミアで実施された」と明らかにしました。

特別作戦の様子だとする動画も投稿し、水上艇に乗った特殊部隊が、ロシアが一方的に併合したクリミア半島の西側の岬に上陸したと主張しました。

上陸した部隊は、ロシア側の人員に損害を与えたり設備を破壊したりしたうえで、クリミアにウクライナの国旗も掲げたとしていて、作戦の終了後、現場を去ったとしています。

ロシアの一部メディアも目撃者の話として、クリミアの海岸で銃撃やボートに乗った男の姿を見たなどと伝えています。

24日はウクライナが旧ソビエトから独立した記念日で、作戦はこの日にあわせて行われた可能性があるという見方を示しています。

ウクライナ国防省の情報総局は、23日もクリミア半島でロシアの最新鋭の地対空ミサイルシステム「S400」を破壊したとアピールしていて、ウクライナ側としては、反転攻勢の作戦でクリミアの奪還を目指すなか、ロシア側に対して揺さぶりをかけるねらいもあるとみられます。
2024.06.02 21:37 | 固定リンク | 戦争

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