ウクライナクリミア半島上陸「反転攻勢」
2024.06.02
ウクライナ、クリミア半島に部隊上陸と発表 旧ソ連からの独立記念日に「特別作戦」

ウクライナ国防省は24日、ロシア側が一方的に併合したクリミア半島で特別作戦を行い、部隊を上陸させてロシア側の兵器などを破壊したと発表しました。

ウクライナ国防省は24日、クリミア半島で特別作戦を行い、部隊が西部の海岸に上陸したと発表しました。ロシアの兵器などを破壊したほか、ウクライナの国旗を掲げたということです。

作戦の目的は明らかにしていませんが、ウクライナメディアは、上陸した付近の西部の村には、ロシア軍の通信基地があると報じています。

クリミア半島は、ロシア側が2014年に一方的に併合を宣言していて、ウクライナ側は「他の占領地と同じく奪還する」として、反転攻勢でも焦点となっています。

ウクライナ国防省は、作戦は終了し、部隊は撤収したとしていますが、ロシア軍は、これまでにこの作戦に関する公式の発表を行っていません。

■ウクライナ国防省は、ロシアが一方的に併合したクリミア半島に特殊部隊が再び上陸し、攻撃を行ったと発表しました。

この特別作戦では、ウクライナの部隊がクリミア半島西端の海岸に小型ボートで上陸し、ロシア側の兵器などを破壊したとされています。ウクライナ国防省の情報総局は、この作戦の目的は死傷者を出すことなく達成されたと述べています。

この日はウクライナの旧ソヴィエト連邦からの独立して32周年に当たる日であり、ウクライナの独立記念日の重要性が高まっていることも報じられています。ウクライナはロシアによって2014年にクリミア半島を不法に併合されており、今回の作戦はロシア側に対する抵抗の象徴となっています。

ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領はこの日、独立記念日のメッセージで同胞を称え「この戦いでは誰もが重要だ。全員にとって大切なもののための戦いだからだ」と述べています。

クリミア半島は南部戦線への露軍の物資補給地となっており、ウクライナ各地に向けた長距離ミサイルの発射拠点でもあります。ウクライナはロシアを追い出す反転攻勢を開始し、東部と南部で一部の領土を奪還しています。この奪還された領土は、面積だけで見ると少ないですが、ロシアの防衛線の構造上、戦術的に重要である可能性が高いとされています。

ロシア側はウクライナが国内にドローン攻撃を行っていると非難しており、ウクライナの攻撃はロシアの戦闘能力の弱体化を狙ったものとみられています。

ウクライナは24日、ロシアが占領するクリミア半島に部隊が一時的に上陸したと発表した。この日はウクライナの旧ソヴィエト連邦からの独立して32周年に当たる。

ウクライナ国防省は、この「特別作戦」のすべての目的は、死傷者を出すことなく達成されたと述べた。また、クリミア西部のオレニウカおよびマヤクでの銃撃戦で、「敵方に被害を与えた」とした。

ロシアは2014年にクリミア半島を不法に併合している。

今回のウクライナの作戦について、ロシア政府はまだコメントしていない。

ウクライナ国防省の情報総局は、24日の軍事作戦を主導したと、メッセージアプリ「テレグラム」で発表した。ウクライナ海軍が支援したという。

また、この地域に駐留するロシア部隊との戦闘後、「艦船に乗った特殊部隊が上陸した」と説明した。

「ウクライナ領のクリミアに再び、ウクライナ国旗が立てられた」

情報総局は、ウクライナ兵が国旗を掲揚している様子だとする短い映像を公開した。映像では銃声も聞こえる。

ウクライナの公共放送サスピルネは、衝突には航空機と海軍艦が関与していたと伝えた。ロシアのテレグラム・チャンネルも、その地域での戦闘を伝えていた。

ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領はこの日、独立記念日のメッセージをX(旧ツイッター)に投稿。ウクライナの独立を維持するのを助けている同胞を称えた。

「この戦いでは誰もが重要だ。全員にとって大切なもののための戦いだからだ」と、ゼレンスキー氏は述べた。

キーウ国際社会学研究所の調査によると、2022年2月にロシアが侵攻を開始して以降、ウクライナ国民の間で独立記念日の重要性が高まっている。現在では、イースター(復活祭)とクリスマスに続き、3番目に重要な祝日とされている。

ウクライナは6月にロシアを追い出す反転攻勢を開始し、東部と南部で一部の領土を奪還した。

BBCヴェリファイ(検証チーム)の分析では、奪還された領土は、面積だけで見ると少ない。

しかし、米戦争研究所の分析によると、ロボティネとウロジャイネ付近での前進は、「ロシアの防衛線の構造上、戦術的に重要である可能性が高い」という。分析では、ロシア軍が占領地を維持するために多大な労力を費やしていることにも言及している。

ロシアは一方で、ウクライナが国内にドローン攻撃を行っていると非難している。23日には、首都モスクワで建設中の高層ビルが狙われたと発表した。

■NHKウクライナ“クリミア半島岬に独立記念日に特別作戦

ウクライナ国防省の情報総局は、旧ソビエトから独立した記念日にあたる24日、ウクライナの部隊が特別作戦を行い、ロシアが一方的に併合したクリミア半島の岬に一時上陸したと主張しました。

ウクライナ国防省の情報総局は24日、SNSで「ウクライナ海軍の支援を受けて、国防省の情報総局による作戦が24日、クリミアで実施された」と明らかにしました。

特別作戦の様子だとする動画も投稿し、水上艇に乗った特殊部隊が、ロシアが一方的に併合したクリミア半島の西側の岬に上陸したと主張しました。

上陸した部隊は、ロシア側の人員に損害を与えたり設備を破壊したりしたうえで、クリミアにウクライナの国旗も掲げたとしていて、作戦の終了後、現場を去ったとしています。

ロシアの一部メディアも目撃者の話として、クリミアの海岸で銃撃やボートに乗った男の姿を見たなどと伝えています。

24日はウクライナが旧ソビエトから独立した記念日で、作戦はこの日にあわせて行われた可能性があるという見方を示しています。

ウクライナ国防省の情報総局は、23日もクリミア半島でロシアの最新鋭の地対空ミサイルシステム「S400」を破壊したとアピールしていて、ウクライナ側としては、反転攻勢の作戦でクリミアの奪還を目指すなか、ロシア側に対して揺さぶりをかけるねらいもあるとみられます。
2024.06.02 21:37 | 固定リンク | 戦争

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