日本のクスリ、実はほぼ「中国製」だった…!
2024.07.15
AIに聴いてみた「日本のクスリ、実はほぼ中国製」

そうですね、最近の報道によると、日本で流通している多くの薬の原料は中国で製造されていることが明らかになっています。日本の製薬会社が製造する薬の多くは、原料や中間体を中国から輸入しているため、最終的な製品は日本製であっても、その原料は中国製であることが多いのです。

この状況は、医薬品の供給チェーンにおいて中国が重要な役割を果たしていることを示しています。もし中国からの供給が途絶えた場合、日本の医薬品供給に大きな影響を及ぼす可能性があります。

医薬品原料中国から

日本で使用される多くの医薬品の原料は中国から輸入されています。特にジェネリック医薬品(後発医薬品)の原料の多くが中国製です。これは、コスト削減や大量生産のために、中国が主要な供給元となっているためです。

この依存度の高さは、供給チェーンの脆弱性を示しており、特にパンデミックや政治的な緊張が供給に影響を与える可能性があります。

ジェネリック医薬品(後発医薬品)とは

ジェネリック医薬品は、新薬(先発医薬品)の特許が切れた後に製造・販売される薬です。新薬と同じ有効成分を含み、効き目や安全性が同等であると国に承認された薬です。

ジェネリック医薬品の主な特徴は以下の通りです。

低価格新薬に比べて開発費用が少ないため、価格が安く設定されています。

同等の品質、新薬と同じ有効成分を使用しており、効き目や安全性が同等です。

多様な選択肢、新薬の特許が切れた後に複数の製薬会社が製造するため、選択肢が増えます。ジェネリック医薬品は、医療費の削減や患者さんの負担軽減に貢献しています。

普段からクスリを飲んでいる人は、作っているのがどこの製薬会社か確認してみてほしい。おそらくそのほとんどが日本、あるいは欧米のメーカーの製品だろう。一部の漢方薬を除いて、中国製のものを飲んでいる人はほとんどいないのではないだろうか。

しかし日本の製薬会社は、クスリの原料となる有効成分の「原薬」の製造をほとんど海外に頼っている。厚生労働省も国内に原薬工場を作ったり備蓄を進めたりして、安定供給を目指しているが、リスクはそれだけにとどまらない。

原料のほとんどが「中国製」

慶應義塾大学名誉教授で、医療経済研究機構の副所長を務める印南一路氏が重ねて懸念しているのは、原薬の原料である化学物質のサプライチェーンの脆弱性だ。

「日本に輸出されている原薬にどこの原料が使われているのか厚労省が調べようとしたものの、海外メーカーにとって調達先は企業秘密であるため、完璧に特定するのは難しかった。しかし判明しているものに関しては、大部分が中国の企業が製造工程に関わった原薬だとわかったのです」

中国は安い労働力と緩い環境規制を背景にして、化学産業を大きく発展させてきた。安価な中国製の化学物質に頼り切った結果、日本はクスリの調達ルートの要衝を中国に握られてしまったのだ。このまま中国に原料調達を依存した状況が続けば、将来的に重要な医薬品を国内で製造できなくなる可能性も否定できない。

抗生物質が作れなくなる

「政治的に気に入らない行動を取る国に対して、重要な物資の輸出入を規制するなど経済面で圧力をかけて思い通りに動かそうとするのは、中国の常套手段と言ってもいい。実際にこういったケースは、過去に何度も起こっています。

2010年には尖閣諸島の問題をめぐって、中国が日本へのレアアース輸出を規制したことを覚えている人は多いでしょう。最近でも2020年にオーストラリアとの関係が悪化し、豪州産ワインに対して200%以上の関税をかけています。

習近平国家主席も2020年4月の共産党財経委員会で、グローバルサプライチェーンの中国依存度を高めることで、相手国への抑止能力を形成すると明言している。

つまりこのまま中国依存が続けば、あちらの思惑ひとつで原料や原薬の価格が引き上げられたり、クスリの材料が日本に入ってこなくなったりする恐れがあるのです」(印南氏、以下「 」内は同)

これまで中国が日本に対して、医薬品の原料の輸出を意図的にストップした事例は確認されていない。しかし「最悪の事態」を予期させるようなケースは、すでに起こっている。

「2019年2月、感染症の予防に欠かせない抗菌注射薬『セファゾリン』の供給が停止され、予定通りに手術を実施できない病院が続出しました。

セファゾリンを製造している日医工などはイタリアのメーカーから原薬を輸入していましたが、そもそも主要原料であるテトラゾール酢酸を製造しているのは、世界でも中国のとある企業1社だけ。中国当局が環境規制を強化し原料の供給が止まったため、セファゾリンも製造できなくなったわけです。

将来的には外交カードとして、中国がこのような事態をわざと引き起こすことも考えられる。場合によっては、日本人の健康に直結する抗菌薬や抗生物質すら国内で製造できなくなるかもしれません」

クスリだけではない

クスリだけならまだしも、医療資源の多くを中国から輸入しているのが日本の現状だ。

「日本で使われているマスクの多くは中国製。コロナ禍で一時期マスクが足りなくなりましたが、あれも中国からの輸入が滞ったからです。ほかにも日本は、アルコール消毒液やガーゼなどを中国から購入しています。もし外交関係が悪化してこれらの輸入が急に断たれたら、医療業界は大混乱に陥るでしょう」

過度に中国に依存した現状を見直すことこそ、本当の意味で日本人の健康につながる。






昨年、診療報酬改定をめぐって政府と医師会が激しく対立したことをおぼえているだろうか。

コロナ禍ではまちの診療所が閉鎖されるなど医療が機能不全に陥ったが、その期間にも医療法人の内部留保が大きく上昇していたことが発覚。にもかかわらず、診療報酬のアップを主張する医師会には、批判が相次いだ。

今年もまた、日本中枢の政策決定の現場で医療に関係するバトルが勃発している。テーマは「クスリ」だ。

6月21日に閣議決定された「骨太の方針2024」に、クスリの「費用対効果の評価を強化」する項目が盛り込まれた。本当に充分な効果があるのか、またその費用を健康保険で賄うのに有効なのかをしっかり検証しようというわけだ。

ところが、この政府の方針に医師会や製薬業界が猛反発している。日本の大手製薬メーカーでつくる業界団体は、与党・自民党の議員に相次いで接触し、「費用対効果評価の強化策には断固反対」と訴えている。

国民からすれば、効果のあるクスリが一刻も早く手に入るほうがいいに決まっているのだが、なぜ、こんな対立が起こるのだろうか。

慶應義塾大学名誉教授(医療経済)の印南一路氏は、1980年代から医療政策の現場に身をおき、クスリの保険の適用を決定する中医協(中央社会保険医療協議会)でも、委員を務めた医療経済の専門家だ。

いまのクスリと保険にまつわる仕組みを熟知する印南氏に、いまの「クスリの大問題」について聞いた。

オプジーボと湿布の意外な関係

クスリとしていったんは認められても、実際は効果に疑問符がつくクスリがあるとは知りませんでした。いまの保険医療の問題とは、どういうものなのでしょうか。

たとえば、皆さんがご存じの画期的な新薬に、ノーベル医学生理学賞を受賞した本庶佑先生らが開発した「オプジーボ」がありますよね。これはいま保険で、多くのがん患者さんが一定の負担で利用できています。

当初、オプジーボは注射一回、73万円もして、いまも15万円ほどの高額医薬品ですが、保険によって多くの患者さんが利用できるわけです。

当初は、患者数の少ない皮膚がんにだけ認めれていたので、保険財政的には31億円程度でした。それがどんどんいろいろな種類のがん患者に投与されるわけですから、保険財政を圧迫するという問題が出てきました。そのため、「高額医薬品は保険適用から外すべきだ」という議論もあったほどです。しかし、それでいいのでしょうか。

高額だけど画期的に治療に役に立つクスリには、みんなでリスクを分かちあう保険で医療費を賄うのが当然です。その考えに基づいて、政府も高額医薬品の保険適用を認めています。

しかし、安価なクスリやあまり大きな効果が認められないクスリについてはどうでしょうか。必ずしも保険で賄う必要はないはずです。

たとえば、湿布薬です。

湿布薬は、市販のものは薬局で300円とか500円程度。高いものでも1000円を超えるくらいです。ところが、保険適用されている湿布薬を患者に頼まれると、医師が言われるがままに処方してしまうという問題がある。

そのため、年間に医療保険から賄われる金額は4000億円とも5000億円とも言われています。

いま、保険財政を圧迫するのではないかと心配されているのは、高額医薬品の認知症治療薬「レカネマブ」です。

しかし、それでも年間の市場規模は1000億円。仮に湿布薬を保険から外したら、保険財政を安定的に維持しながら高額でも画期的な新薬を取り入れることができるわけです。

これからは効果のある新薬が登場すれば、たとえそれが高額だったとしても、誰もが利用できるような状態にすることが望ましいですよね。

世界の「いいクスリ」が日本人は使えない

国民皆保険のおかげで、日本では誰もが医療にアクセスできるわけですが、クスリの「費用対効果」を検討して保険に組み込む、あるいは、保険適用されているクスリの費用対効果を検証して保険から外すという機能が、イギリスやフランスなどの先進国と比べて弱かったのです。

日本はクスリと認められたら、ほぼ自動的に保険で利用できるようになるわけですが、じつはここに落とし穴がある。保険財政を圧迫してしまうという問題です。

このままでは、いずれ諸外国で使われている画期的な新薬が高額過ぎて、保険適用されないということも起こりえるかもしれませんね。

現状では、保険財政を配慮して薬価を低く抑えようとしているが、これでは製薬メーカーは開発のモチベーションをなくしてしまう。

ただでさえ、クスリの開発は長期にわたり、高額のコストが必要ですからね。このため、画期的な新薬を作った海外の製薬メーカーは、日本での販売を後回しにするという傾向がある。そのために、海外と比べて日本では画期的な新薬が行きわたらないドラック・ロスやドラック・ラグが生じてしまうのです。
2024.07.15 22:14 | 固定リンク | 医療
銀河の真ん中に不老不死の秘密が
2024.07.15

最近の研究によると、銀河の中心にはダークマターを吸収して「不死身」になった星が存在する可能性があるとされています。これらの星は、通常の恒星とは異なり、ダークマターの対消滅からエネルギーを得ることで、ほぼ無限に輝き続けることができると考えられています。

この現象は、特に銀河の中心部にある「Sクラスター星」と呼ばれる星々で観測されています。これらの星は、ダークマターの影響を受けることで、通常の恒星進化モデルから逸脱し、非常に長寿命である可能性が示唆されています。

この研究はまだ初期段階であり、さらなる観測と検証が必要ですが、非常に興味深い発見です。宇宙の謎が少しずつ解明されていくのはワクワクしますね!

スピッツァー宇宙望遠鏡から見た、天の川銀河の中心

あらゆる命に限りがあるように、星もいつかは死を迎える…はず。でも私たちのいる銀河の中心のごく近くに、不死の星があるのかもしれない、という論文が発表されました。そして不死たりえる理由は、ダークマターにありそうなんだとか。

天の川銀河の中心から3光年の距離に存在する「S星団」と呼ばれる星の集合体。地球の位置は銀河の中心から約2万6000光年なので、限りなくコアに近い場所です。

銀河の中心には巨大ブラックホールがあり、新たな星が生まれるには厳しい環境だと考えられていますが、S星団は若く見え、他の場所で形成されてから移動してきた風でもありません。またS星団には古い星が通常より少なかったり、重い星が多かったりと、従来のモデルでは説明できない特徴がいろいろあるのだそう。

この謎に対し、Kavli Institute for Particle Astrophysics and Cosmologyの研究チームリーダー・Isabelle John氏がSpace.comで解説しています。John氏によると、銀河の中心近くにはダークマターが大量にあるため、S星団の星にダークマターが降着することで「永遠に若い」ままでいられると考えられるのだとか。

ただこの論文は現在arXivのプレプリントサーバーにホストされている段階、つまり査読はまだ終わっていません。果たしてダークマターによる影響なのか、真相は如何に。

銀河の真ん中に、不老不死の秘密が。

動植物の命に限りがあるように、星もいつかは死を迎える…はずですよね。でも私たちのいる銀河の中心のごく近くに、不死の星があるのかもしれない、という論文が発表されました。そして不死たりえる理由は、ダークマターにありそうだ、とも。どういうことなんでしょうか?

銀河の中心にある異常な星団
天の川銀河の中心から3光年の距離に、「S星団」と呼ばれる星の集合体があります。地球の位置は銀河の中心から約2万6000光年なので、限りなくコアに近い感じです。

銀河の中心には巨大ブラックホールがあり、新たな星が生まれるには厳しい環境だと考えられるのですが、S星団は若く見え、他の場所で形成されてから移動してきた風でもありません。またS星団には古い星が通常より少なかったり、重い星が多かったりと、従来のモデルでは説明できない特徴がいろいろあります。

※星の形成モデルは、中心のブラックホールの0.326光年以内では形成できないことを示しているが、S星団はまさにその領域で発見された。

つまりむしろ、これらの星は別の領域で形成され、銀河の中心に移動してきたのであろう。だが逆に観測結果からは、この領域の星は若い(約1500万年以下)ことが示唆されており、これらの星はより近傍で形成された可能性もある。

ともあり、星はどこでできたんだ!となります。

異常の原因はダークマター?

この謎に対し、論文主著者のJohn氏がSpace.comで解説しています。John氏によれば、銀河の中心近くにはダークマターが大量にあるため、S星団の星にダークマターが降着することで「永遠に若い」ままでいられると考えられます。

John氏らが銀河の中心でダークマターの影響を受ける星の進化をシミュレーションした結果、それはS星団の観測データに近いものとなりました。ただこの論文は現在arXivのプレプリントサーバーにホストされている段階、つまり査読はまだ終わっていません。

従来、星の進化の過程を表すモデルとしては、星の光度と有効温度をマッピングしたヘルツシュプルング・ラッセル図なるものがありました。John氏らは、ダークマターの影響を受ける星の進化をよりよく記述すべく、ヘルツシュプルング・ラッセル図のダークマター版を提案したのです。ダークマター版にある星は、従来の図で説明される星より温度が低いのですが、ダークマターの影響で、光度は同じくらいになっています。

ダークマターの影響を受ける星の進化・退化をマッピングできれば、ダークマターが宇宙の中でどう現れ、非ダークマターにどう影響しているかをよりよく理解できるかもしれません。研究チームはまた、今後建設予定の30m望遠鏡で、銀河の中心に近い星をもっと観測できれば、ダークマターの影響も検知しやすくなると期待を表明しています。

見えぬものでも、あるんだよ

ダークマターは宇宙の27%を占めると考えられていますが、今のところ直接検出はできていないし、その正体がひとつなのか(たとえば未発見の素粒子アクシオンなど)、または複数あるのかもまだわかっていません。ただダークマターは、星や星団といった天体の動きや見え方への影響から間接的に検知されていて、とくに巨大な質量で光を歪める「重力レンズ」現象がよく知られています。

ダークマターと星の相互作用についての研究は、今までにもいろいろ行なわれてきました。最近では別のチームが、中性子星(きわめて高密度な星の残骸)が、ダークマターの源でありうると主張しています。去年7月にはまた別のチームが、ウェッブ宇宙望遠鏡を使い、ダークマターからエネルギーを得る星を見つけたと示唆しています。

ダークマターにそんなにエネルギーがあるなら、それを何かに役立てられないのかな?などと妄想しましたが、Space.comがJohn氏に、「太陽も不死になれないの?」と聞いてくれてました。

答えはノー、理由は太陽の位置では(というか銀河系のほとんどの場所で)「ダークマターの密度が銀河の中心ほど高くないから」だそうです。でも太陽の死まではあと数十億年ありそうだから、なんとかなるかも。


最後にもう一つ、壮大な映像を見ていきましょう。

ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が撮影した星雲「創造の柱」。NASAがその詳細な3Dグラフィックスを公開しました。

「創造の柱(Pillars of Creation)」とは、地球から6500光年ほど離れた“わし星雲”の一部であるガスと塵でできた巨大構造体のこと。そのサイズは、約4光年から5光年ほどあります。ちなみに、わし星雲は55光年から70光年ほどの大きさで超巨大。

ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が、神の手にもゾンビの手にも見えるとても神秘的な画像を撮影し、2022年にNASAが公開しました。そして、今回NASAが新たに公開したのは、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡とハッブル宇宙望遠鏡が収集したデータから作成された創造の柱の3Dグラフィックスです。

約2分半の動画は、ハッブルがとらえた可視光線とウェッブがとらえた赤外線のどちらもビジュアル化されているのが特徴。

「その違いを理解することで、なぜ同じプロジェクトに異なる宇宙望遠鏡を活用するのかを知る手助けとなればと思う」と、今回のグラフィック映像の開発チームを率いたFrank Summers科学者は語っています。

柱の横を呼び抜けることで、ユーザーは3D構造を観察し、ハッブルの可視光線とウェッブの赤外線による異なる画を見ることができます。その違いを理解することで、なぜ同じプロジェクトに異なる宇宙望遠鏡を活用するのかを知る手助けとなればと思います。

ハッブルとウェッブの違い

2つの宇宙望遠鏡、収集するデータも搭載機材もミッションもそれぞれ異なります。

が、今回の創造の柱に関して簡単に言えば、ハッブルは高音の可視光線をキャッチするのに対し、ウェッブの赤外線カメラは温度の低いモノをキャッチします。その結果、ハッブルのデータ画像は深い緑の背景に、柱の黒・茶色の部分や不透明な塵、明るい黄色の電離ガスを、ウェッブの画像は紺色背景に明るいオレンジの塵と半透明なブルーの電離ガスが描かれています。

NASAの天体物理部門Mark Clampin氏は、こう語っています。

※NASAの宇宙望遠鏡による異なる光の波長を合わせて観測することで、私たちは宇宙への理解をさらに深めていくことができます。創造の柱の周囲から、私たちは新たなインサイトを得て、星の成り立ちに関する理解を研ぎ澄ましていくのです。今回、この新たなグラフィックスによって、みなさんが新たな見方で豊かで興味深い体験ができたらいいですね。
2024.07.15 09:27 | 固定リンク | 化学

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