秦剛氏失踪死去「米紙WSJ暴露」
2023.12.15
秦剛氏の失踪と中国の外交システムの問題点 中国国内でも噂飛び交う 中国外相秦剛氏の失踪死去、米紙WSJ暴露

秦剛氏は、2022年12月に中国の外交部長(外相)に任命された若手の外交官である。しかし、2023年6月25日以降、公の場に姿を見せておらず、7月25日に解任された。その後、秦剛氏の消息は不明であり、中国国内ではさまざまな噂が飛び交っている。秦剛氏の失踪の背景と、それが中国の外交システムと指導部の意思決定システムに及ぼす影響について分析する。

■秦剛氏の失踪の背景

秦剛氏は、習近平国家主席の信頼の厚い側近と見なされていた人物である。イギリスを専門に担当していた外交官として、2019年に香港の反政府デモに対する中国の立場を強く主張したことで知られる。また、習近平国家主席の外遊の準備などを担当し、周到な仕事ぶりで高く評価されていた。2022年12月に外相に任命された際には、中国史上最も若く外相になった一人であった。

しかし、2023年6月25日に北京で開催された中国共産党創立100周年記念式典に出席しなかったことから、秦剛氏の失踪が注目されるようになった。その後、7月25日に外相から解任されたことが発表されたが、その理由については何も説明されなかった。中国国内では、秦剛氏の失踪に関して、健康不安説や不倫スキャンダル説、政治的失脚説など、さまざまな噂が流れている。しかし、中国政府はこれらの噂に対して、一切のコメントを出していない。秦剛氏の現在の状況や消息は、不明のままである。

■秦剛氏の失踪が中国の外交システムに及ぼす影響

秦剛氏の失踪は、中国の外交システムと指導部の意思決定システムの脆弱性を浮き彫りにしたという見方もありる。中国の外交システムは、習近平国家主席を中心とした集中的な体制であり、外相はあくまで習近平国家主席の意向を伝える役割に過ぎないとされる。そのため、外相の交代や失踪は、外交政策に大きな影響を与えないという見方もある。しかし、秦剛氏の失踪は、中国の外交システムにおける人事の不透明さや秘密主義、権力闘争の存在を示しており、外交政策の安定性や一貫性に疑問を投げかけている。

また、秦剛氏の失踪は、中国の指導部の意思決定システムにおける習近平国家主席の絶対的な権力を示しているという見方もある。

習近平国家主席は、2022年に開催された中国共産党第20回全国代表大会で、3期目の国家主席に再選された。これは、中国共産党の憲法に定められた2期10年の任期制を破ったことになる。

習近平国家主席は、自らの権力を強化するために、反対派や批判者を粛清したり、自らの思想を党の指導原理に採用したりしている。秦剛氏の失踪は、習近平国家主席の権力に逆らったり、不都合なことを言ったりした者は、容赦なく排除されるというメッセージを発しているとも言える。

まとめると

秦剛氏は、中国の外交部長(外相)であったが、2023年6月25日以降、公の場に姿を見せておらず、7月25日に解任された。その後、秦剛氏の消息は不明であり、中国国内ではさまざまな噂が飛び交っている。秦剛氏の失踪は、中国の外交システムと指導部の意思決定システムの脆弱性を浮き彫りにしたという見方もありる。また、秦剛氏の失踪は、中国の指導部の意思決定システムにおける習近平国家主席の絶対的な権力を示しているという見方もある。秦剛氏の失踪は、中国の不透明さや秘密主義に再び注目を集めている。

■秦剛氏死去の噂 ロシアの高官が反乱を暴露

中国共産党(中共)の秦剛前外相はかなり前にすでに死亡し、中共のロケット軍は大規模な粛清を受けたことがロシア上層部に密告されたと海外メディアが明らかにしました。

12月7日、米国の政治ニュースサイト「ポリティコ」に対し、中共高官と接触できる複数の人物が、6月25日にロシアのアンドレイ・ルデンコ外務次官が中国を訪問した本当の目的は、「当時の秦剛外相と数人の中共軍幹部が西側の諜報機関に利用された」ことを中共の党首に報告することだったと明かしました。

また、早くも7月末、秦剛氏は中共トップの治療を専門とする軍病院で自殺、あるいは拷問で死亡したといいます。彼が「フェニックステレビ」の記者、傅暁田氏との不倫や両者の間に息子がいるという噂は、真実を隠蔽するためのものだとされています。

公開されている情報によると、秦剛氏は6月25日以来行方不明となり、以降、ロケット軍は大規模な粛清を受けました。例えば、当時のロケット軍最高司令官であった李玉超氏とその副官であった劉光斌氏、元副官の張振中氏が失踪し、その他数名の現職または元軍幹部が拘束され、少なくとも1名の元副司令官が特定できない病気で死亡しました。また、元中共国防部長の李尚福氏も失踪しています。

この二つの説明を合体できると考える中国ウォッチャーもいる。つまり、中国共産党内のライバルが、不倫騒動を利用して秦氏の失脚を図ったというものだ。

不倫は違法ではないが、党規律違反の可能性があると解釈されかねない。

一方で、重大な健康上の緊急事態が原因となった可能性も否定できない。

さらに、中国共産党の統治は極めて不透明であるため、こうした可能性はどれも確認も、また否定もできない。

だが、秦氏解任で最も驚くべき点は、同氏が中国の最高指導者から明らかな支持を得ていたと思われていたことだ。

習国家主席は、駐米大使だった秦氏をワシントンから呼び戻し、外相に任命した。

アナリストらは当時、秦氏が新しい役割でどれだけ 「戦狼(せんろう)」になれるのかと、その行動を観察していた。戦狼とは、中国の攻撃的な外交アプローチを指す言葉で、外交官はソーシャルメディアで声高に中国政府を支持し、時には国家の苦境から目をそらす手段として、他者を罵倒することもあった。

外務省の報道官時代には、厳しい態度で知られた秦氏だったが、愛想よく振る舞うこともできる人物でもあった。

英語が堪能で熱心なスポーツファンの秦氏は、米プロバスケットボールNBAの試合でフリースローシュートを決めたり、イギリス派遣時にはサッカーチームのアーセナルに声援を送ったりする姿が見られていた。

こうした人物を十分に「戦狼」ではないと思う共産党員もいるかもしれない。

私は過去に何度も秦氏に会ってきたが、秦氏は熱心に中国を擁護し、中国のよさを最大限アピールしていた。

秦氏はまさに共産党が必要としていた、現代的で洗練された官吏のようだった。できることなら瓶詰めにして、繰り返し何回もつくり出したいと思わせるような人物だろう。

しかしいま、秦氏の命運は分からない。外務省のウェブサイトからはすでに、秦氏に関する情報が削除されている。

■秦剛氏に何があったのか?

中国政府で最も顔を知られた政治家の一人で、習近平国家主席自らが外相に登用した期待の新星が、解任された。

中国では、秦剛外相の解任は大ニュースだ。しかしいつも通り簡素に、ほとんど詳細なしで報じられた。

国営・新華社通信はわずか数行で伝え、夕方のニュース速報で読み上げられた。それが、中国外交の「顔」だった秦氏の劇的な最後だった。外相に就任してたった半年だった。

秦氏は1カ月ほど前から通常業務で姿が見られなくなった。当局はこれについて、何らかの健康上の理由だと説明した。

しかしそれから数週間がたっても、秦氏の動静は不明だった。そのため、秦氏が政治的に規律を乱し、その罰を受けているのではないかとの憶測が流れた。

ソーシャルメディアにはその後、秦氏と女性テレビ司会者との不倫のうわさがあふれた。この司会者はいつもはソーシャルメディアを活発に使っていたが、やはり突然「消息不明」となった。

この二つの説明を合体できると考える中国ウォッチャーもいる。つまり、中国共産党内のライバルが、不倫騒動を利用して秦氏の失脚を図ったというものだ。

不倫は違法ではないが、党規律違反の可能性があると解釈されかねない。

一方で、重大な健康上の緊急事態が原因となった可能性も否定できない。

さらに、中国共産党の統治は極めて不透明であるため、こうした可能性はどれも確認も、また否定もできない。

だが、秦氏解任で最も驚くべき点は、同氏が中国の最高指導者から明らかな支持を得ていたと思われていたことだ。

習国家主席は、駐米大使だった秦氏をワシントンから呼び戻し、外相に任命した。

アナリストらは当時、秦氏が新しい役割でどれだけ 「戦狼(せんろう)」になれるのかと、その行動を観察していた。戦狼とは、中国の攻撃的な外交アプローチを指す言葉で、外交官はソーシャルメディアで声高に中国政府を支持し、時には国家の苦境から目をそらす手段として、他者を罵倒することもあった。

外務省の報道官時代には、厳しい態度で知られた秦氏だったが、愛想よく振る舞うこともできる人物でもあった。

英語が堪能で熱心なスポーツファンの秦氏は、米プロバスケットボールNBAの試合でフリースローシュートを決めたり、イギリス派遣時にはサッカーチームのアーセナルに声援を送ったりする姿が見られていた。

こうした人物を十分に「戦狼」ではないと思う共産党員もいるかもしれない。

私は過去に何度も秦氏に会ってきたが、秦氏は熱心に中国を擁護し、中国のよさを最大限アピールしていた。

秦氏はまさに共産党が必要としていた、現代的で洗練された官吏のようだった。できることなら瓶詰めにして、繰り返し何回もつくり出したいと思わせるような人物だろう。

しかしいま、秦氏の命運は分からない。外務省のウェブサイトからはすでに、秦氏に関する情報が削除されている。

■米紙WSJ暴露記事

中国の秦剛前外相がロシア高官らとの会談後に失脚したのは、ロシアの反乱を示唆する情報を持ち帰ったためだと報じました。記事によると、秦氏は2023年6月25日に北京でロシアのセルゲイ・ラブロフ外相やミハイル・フラトコフ国家安全保障会議書記らと会談し、その際にロシアの一部の高官がウラジミール・プーチン大統領に不満を持ち、中国との関係強化を模索しているという情報を入手したとされます。

この情報は、中国の習近平国家主席にとっては、ロシアとの同盟関係を利用して米国に対抗する好機と見なされたということです。

しかし、この情報は実はアメリカの諜報機関が仕掛けた罠であり、秦氏が駐米大使時代に不倫関係にあった女性ジャーナリストを通じて秦氏に流したものだったというのです。この女性ジャーナリストは、アメリカの情報機関とのつながりが疑われており、秦氏との間にアメリカ生まれの子供がいることが中国当局による調査で発覚したと報じられています。この不倫疑惑と偽情報の流入は、秦氏が中国の利益を代表する能力を損ねたとみなされ、失脚につながった可能性が指摘されています。

秦氏は2022年12月に外相に就任し、2023年3月には国務委員に選出されたが、6月末から動静が途絶え、7月25日に外相を解任されました。その後、10月24日には国務委員からも解任されました。秦氏の失脚は、中国の外交政策に影響を与えるとともに、習氏の権力基盤にも疑問を投げかけるものとなっています。

■中国の秦外相、6月末から動静不明 インターネットでうわさ飛び交う

中国の秦剛外相(57)が長い間、公の場に姿を見せておらず、インターネット上でさまざまな憶測が飛び交っている。こうした状況で、中国の秘密主義に再び注目が集まっている。

秦氏は6月25日を最後に、3週間以上、公の場に姿を現していない。

昨年12月に外相に任命された秦氏は、習近平国家主席の信頼の厚い側近と見なされてきた。

中国政府で最も顔の知られた一人でもあるため、この長期間の動静不明には外交官や中国情勢ウォッチャーだけでなく、一般の中国国民も注目している。

外交部(外務省)の毛寧報道官は17日、秦氏の居場所について提供できる情報はないと述べた。

中国の不透明なシステムにおいて、政府高官が突然姿を見せなくなるのは問題が起きている兆候といえる。毛報道官の空虚な返答が、すでに過熱している秦氏の動静をめぐる憶測や疑念に、新たな燃料を注いだ。

中国のソーシャルメディア「微博(ウェイボー)」では、毛氏の映像を見たあるユーザーが、「この人は答え方を知らないのか?」と投稿した。

「この回答は非常に気がかりだ」という投稿もみられた。

秦外相は6月18日には、アメリカのアントニー・ブリンケン国務大臣と北京で会談していた

中国では、著名な人物が説明なしに長期間姿を消し、後になって犯罪捜査の対象として浮上することは珍しくない。あるいは、消息を絶った後、一切の説明なしに再び姿を現すこともある。

習氏ですら、2012年に国家主席になる直前に2週間、公の場所に姿を現さなかった。この時には、健康上の理由や、中国共産党内での権力闘争の可能性がささやかれた。

外務省は先週、秦氏が健康上の理由でインドネシアでの外交会議に参加しないと発表した。しかしこの一文は、外務省のウェブサイトに掲載された公式声明にはなかった。秦氏の前任者で、現在は党中央外事工作委員会弁公室主任の王毅氏が、代理でインドネシアを訪問した。

欧州連合(EU)のジョセップ・ボレル外交安全保障上級代表との外相会談も、2週間前に延期が決まった。中国からEUに当初の予定は不可能との連絡があったが、理由は示されなかった。

ロイター通信は関係筋の話として、EU側はボレル氏が北京に到着する2日前に延期を知らされたと伝えた。

17日には習国家主席とフィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ前大統領の会談があったが、秦氏の姿はなかった。中国国営メディアの映像には、王氏をはじめとする外務省高官の姿があった。

■中国内ネットでも

かつては厳しい外交官として知られた秦氏だが、近年は中国が追求してきた攻撃的な外交アプローチ「戦狼(せんろう)外交」とは距離を置いているとみられている。

秦氏の外相就任は、まさに流星のような出世だった。同氏は中国史上、最も若く外相に任命された人物の一人だ。

秦氏は2022年12月、駐米大使を2年ばかり務めた後、外相に就任した。

それ以前は外務省の報道官を務めたほか、習氏の外遊の手配を担当した。国家主席の近くで働く機会を得て、気に入られたとみられる。

だが、中国のシステムの不透明さを考えると、秦氏が今本当に面倒ごとに巻き込まれているのか、それとも近いうちに再び表舞台に姿を現す可能性があるのかを判断するのは難しいと、シンガポール国立大学の荘嘉穎氏は指摘する。

一方で、このような高官に関するうわさが、完全な検閲なしに中国のインターネット上で語られていることも、極めて異例なことだという。

「検閲が働いていないからこそ、人々は権力闘争や汚職、権力や地位の乱用、恋愛関係などのうわさが真実なのかと疑問に思っている」と、荘氏は述べた。
2023.12.15 06:10 | 固定リンク | 国際

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