あの大手「ガイア」倒産で再建支援なるか?
2023.11.09
パチンコホール運営大手「ガイア」が過去最大級の倒産…再建支援なるか? 直近の負債判明 1794億円

取引金融機関や納入元の遊技台メーカーなどの間では「10月中の倒産」はある程度織り込み済みだったようだ。同月初旬の手形決済が不調に終わっていたうえ、16、19、25、31日と月内に新たな手形決済日が立て続けに到来するとの情報が伝わっていたからだ。

パチンコホール運営大手、ガイア(東京・中央区)が先月30日、東京地裁に民事再生法の適用を申請、経営破綻した。負債総額は同時に再生法を申請したジャバやMGなどのグループ6社を含めて1793億円超。パチンコホール業界では過去最大級の倒産劇となる。

ガイアは1984年の設立。千葉市を皮切りに全国に店舗網を拡大し、ピーク時には5853億円の売上高を計上。「マルハン」「ダイナム」と並び業界御三家とも称された。

しかし2011年以降、代表取締役(当時)の覚醒剤取締法違反容疑による逮捕や所得隠し疑惑、粉飾決算疑惑などが相次いで噴出して信用が低下。23年5月期には売上高が1895億円にまで目減りし4期連続の最終赤字に陥るなど苦戦を強いられていた。金融筋によると、コロナ禍で客足が途絶えてからは元利払いの「リスケ(期日延期)要請もしばしば」。台所は火の車だったという。

■再建支援に乗り出したのは、あの“策士”

そんなガイアの再建支援にスポンサーとして名乗りを上げたのが東証スタンダード上場のJトラストだ。保証や債権回収などアジアを中心に金融関連事業を展開するグループで、民事再生の手続きが終了するまで、ひとまず運転資金50億円(極度額)を融資するDIPファイナンス契約を結んだ。

上場企業がパチンコホールの経営とはいささかコンプライアンス上のリスクが高いと言えなくもないが、Jトラストを率いるのは「名うての策士」(関係者)と取り沙汰される藤澤信義氏(社長)だ。

旧ライブドアの「残党」の一人で、東大医学部を卒業後、ゲームセンター運営会社や不動産担保ローン会社を渡り歩き、同社の身売りを機にライブドア幹部に迎えられた。会社更生法を申請して倒産した消費者金融・武富士の買収や破綻した日本振興銀行との蜜月ぶりなどでも知られる。

『逆張り経営』を得意とする藤澤氏のこと。ガイア再建にも何か秘策があるのでは? というのが事情通らの見立てだ。

■直近の負債判明

10月30日に東京地裁に民事再生法の適用を申請した(株)ガイア(TSR企業コード:320363295、東京都中央区)とグループ6社の債権者説明会が11月2日午前9時30分から始まった。

席上、ガイアグループ各社の合計残高試算表が開示され、2023年9月末現在のグループ7社の負債総額が1793億8558万円であることが判明した。

 各社の負債額は以下の通り。
・(株)ガイア(TSR企業コード:320363295):負債943億5574万円
・(株)ジャバ(TSR企業コード:295258926):負債101億4127万円
・(株)MG(TSR企業コード:023850850):負債174億8870万円
・(株)トポスエンタープライズ(TSR企業コード:320841790):負債115億4113万円
・(株)ユナイテッドエージェンシー(TSR企業コード:296175102):負債88億9163万円
・(株)ガイア・ビルド(TSR企業コード:296262234):負債155億1615万円
・(株)MG建設(TSR企業コード:024468304):負債214億5093万円
2023.11.09 10:10 | 固定リンク | 経済

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