プーチンの安全地帯
2024.05.30
ロシアのハリコフ作戦を阻止するにはロシアの聖域を排除する必要がある

ロシアのウクライナ侵攻において、ハルキウ州のハルキウ市(ハリコフ)で激しい戦闘が繰り広げられています。この戦いはウクライナ北東部攻勢の一環であり、ロシア軍の主要な標的となっています。

ハルキウはウクライナとロシアの国境から南にわずか30キロメートルに位置し、ロシア語話者も多く、ウクライナで2番目に大きな都市です。この戦いは「21世紀のスターリングラード」とも表現され、ウクライナの大統領顧問はそのように述べています。

2022年5月13日までにウクライナ軍は市を包囲しようとするロシア軍を押し戻し、翌14日には米国のシンクタンク戦争研究所(ISW)がハルキウの戦いはウクライナの勝利と報じました。さらに、5月16日未明にはウクライナ軍がロシア軍をハルキウ州から撤退させ、ロシアとの国境地帯まで到達したと発表されました。

この戦いはウクライナにとって極めて重要であり、ロシア軍の進攻を阻止するために激しい戦闘が繰り広げられていました。

ウクライナがロシア連邦領土内で米国提供の兵器を使用することを禁じる現在の米国の政策は、ロシアが最近ハルキウ州で開始した新たな国境侵攻に対するウクライナの自衛能力を著しく損なうものである。

米国の政策は事実上、ロシアが地上侵攻部隊を集結させ、新たな侵攻を支援するために滑空爆弾やその他の長距離攻撃システムを発射できる広大な聖域を作り出した。ロシアのハルキウ州攻撃が始まる前のこの米国の政策にどんな利点があったとしても、現在の状況の緊急な現実を反映して、直ちに修正されるべきだ。

ロシア軍は5月10日、ハリコフ州北部のロシア・ウクライナ国境沿いで攻勢作戦を開始した。この作戦は今後数ヶ月にわたりウクライナ軍に深刻な課題をもたらすだろう。 この作戦は、ISWが長らく警告してきた重要な目標の1つとして、戦域全体でウクライナ軍を固定し、600マイルの最前線に沿ってウクライナ軍を間引いて特にドネツク州で機会を創出することを目指している。

ロシア軍は今後数日間でハリコフ州北部の戦術的足場を活用して攻勢作戦を強化し、ベルゴロド州との国境からウクライナ軍を押し戻し、ハリコフ市の砲撃範囲内に進軍することを目的とした攻勢の初期段階を追求する可能性が高い。

この作戦はハリコフ市を奪取しようとする大規模な攻勢作戦の条件を整える可能性があるが、ロシア軍の現在の限られた取り組みは、ロシア軍がハリコフ市を包囲、包囲、または奪取するための大規模な全面攻勢作戦を直ちに追求していることを示唆するものではない。

ロシアの作戦は依然として危険であり、すでにウクライナ軍と資源の一部をドネツクからハルキフに転用している。[4] ロシアのハルキフ作戦は、今後数ヶ月でロシアに有利な重大な作戦効果を生み出す可能性のある難しい優先順位の決定をウクライナに迫ることになるだろう。

ロシアのハルキウ州での作戦を打ち破るには、ロシアの滑空爆弾の脅威を打ち破る必要がある。 ロシア軍は、ロシアの領空から発射された滑空爆弾を使用して、ハルキウ州でのロシアの地上機動を可能にしている。ロシア空軍は、5月10日にロシアがハルキウ作戦の初期段階を開始したときに、最前線の集落に滑空爆弾を投下し、5月11日だけで最前線の都市ヴォフチャンスクに20発以上の滑空爆弾を投下した。

ロシア軍は5月12日もハルキウの最前線の都市を滑空爆弾で攻撃し続けた。

ロシア軍は以前、2024年2月のアヴディーイウカの戦いで、戦術機動を可能にするために、大量の滑空爆弾攻撃を使用してウクライナの拠点を破壊する能力を実証した。

ロシア軍は、新しいハルキフ作戦でこの戦術を再現している。

ロシアは、ハルキウ州を攻撃するための聖域としてロシア領空を利用している。 米国政府高官は、2023年から2024年にかけて、ウクライナは米国提供の兵器をウクライナ領土と空域内でのみ使用でき、米国はロシア国内での攻撃を奨励も可能にもしていない、おそらくロシア領空も攻撃するだろう(ただし、米国がウクライナのハルキウ周辺での防空システムの使用を禁止しているかどうかは不明である)。

ウクライナは、米国提供の防空システムでロシア領空内のロシア機を迎撃できない限り、ロシアの滑空爆弾から最前線を守ることはできない。ロシアがこれらの攻撃にロシア領空を使用していることは、米国がより多くの長距離防空資産を提供し、ウクライナがそれらを使用

ロシア機は、ロシア領空を離れることなく、ハリコフ市を無期限に攻撃できる。 ハリコフ市は、ロシアとウクライナの国境から40キロ離れている。ロシアの滑空爆弾の滑空範囲は40~60キロである。

ウクライナの防空システムは、ロシアの戦闘爆撃機から発射された滑空爆弾を迎撃する能力を持っていない。したがって、ロシア空軍は、ウクライナの主権空域に入ることなく、ハリコフ市を攻撃できる。この極めて重要な動きにおいて、ハリコフにおけるロシアの滑空爆弾の脅威に対抗するウクライナの能力を制限するのは不合理である。

ロシア空軍は、ロシアの空域聖域を利用し続ける限り、ウクライナの広範囲を妨害されることなく攻撃できる。ロシア空軍は、ロシアの 空域を離れることなく、ハルキウ州の少なくとも869の居住地を攻撃できる。

ロシア空軍は、ロシアの空域を離れることなく、チェルニーヒウ、スームィ、ハルキウ州の少なくとも2,480のウクライナ居住地を攻撃できる。[11] ロシア空軍は、ロシアの空域を離れることなく、チェルニーヒウ、スームィ、ハルキウ州のウクライナ支配地域約42,400平方キロメートルを攻撃できる。

ロシアの滑空爆弾によるハルキウ市への攻撃を撃退するには、ロシア機がハルキウ市の攻撃範囲内に入る前に、ベルゴロド州で迎撃する必要がある。 ロシア空軍は2024年3月にハルキウ市への滑空爆弾攻撃を開始した。

ウクライナは国産のS-300防空システムが不足しており、ロシアの戦闘爆撃機が滑空爆弾を投下する前に迎撃できる米国以外の長距離防空システムが不足しているため、これらの攻撃に効果的に対抗できていない。

ウクライナはより多くのパトリオットシステムと迎撃機を必要としているが、ロシア空軍がロシア領空を聖域および安全地帯として使い続ける限り、パトリオットシステムをどれだけ多く投入しても、ロシアの滑空爆弾の脅威からハルキウ市を守ることはできない。

ロシアはまた、自国の空域保護区を利用して、ウクライナに対して壊滅的なミサイル攻撃やドローン攻撃を行っている。 ロシアは、ドローン、巡航ミサイル、弾道ミサイル、極超音速ミサイル、その他の兵器を使用して、ウクライナを標的とした大規模な攻撃を日常的に行っている。ロシアがウクライナの防空能力を克服するために戦術的適応を取り入れ、ウクライナの迎撃ミサイルが不足するにつれて、ロシアの攻撃は時間とともにより効果的になっている。

ロシアの空域保護区は、ロシアの攻撃パッケージを打ち破る難しさをさらに複雑にしている。ロシアの発射体が阻止される前にまずウクライナの空域に入らなければならない場合、ウクライナの防空軍はロシアの発射体を迎撃するための反応時間が限られている。

ウクライナがロシアのミサイルやドローンを追跡し迎撃するために必要な物理的な距離と時間が長ければ長いほど、ウクライナの防空能力はより効果的になる。イスラエルとその同盟軍は、4月13日にイランがイスラエルに対して行った前例のないロシア式攻撃を首尾よく打ち破ることができた。それは、イスラエルとその同盟軍が、イラン、イラク、シリア、イエメン上空を長距離飛行する弾道を追跡し、迎撃し、イスラエル領空に入るまで待たずに迎撃したためである。

ウクライナの防空部隊が同様に、ロシアのミサイルやドローンがウクライナ領空に入るまで待つのではなく、長距離を飛行してウクライナに接近する時点で、発生源から追跡し迎撃することができれば、ウクライナはロシアの攻撃からより効果的に自国を防衛することができるだろう。ウクライナ空軍報道官イリヤ・イェヴラッシュ少佐は5月10日、ハリコフ市のウクライナ当局はロシア国境付近から発生する空の脅威を特定し無力化する時間がほとんどないと述べた。これは、ロシア連邦内にロシア戦闘部隊の聖域を設ける政策がウクライナの防空軍に課している課題を反映している。

ロシア軍は、ハリコフ州での地上作戦を容易にするために、ロシアの聖域空間をさらに活用している。

ロシアは過去数ヶ月にわたり、その聖域を利用してウクライナ北東国境のロシア側で作戦上重要な部隊を保護し、集結させてきた。 ロシア軍は北部軍集団の一部として、ベルゴロド、クルスク、ブリャンスク各州に約5万人の人員を集めており、この北部軍集団は現在ハルキウ州に対する攻勢を行っている作戦上重要な部隊である。

これらの部隊の大部分はまだ戦闘に投入されておらず、ウクライナ国境に非常に近い、おそらくウクライナの砲兵の射程外にある集結地で待機している。ロシアは今後数週間から数ヶ月以内にこれらの部隊を戦闘に投入する可能性が高く、その結果、ウクライナはロシア軍に対する防衛のためにハルキウ州に人員と物資を再配置せざるを得なくなり、ドネツク州の戦線のその他の重要部分の増強が犠牲になる可能性がある。

ロシア軍は、ロシア地上部隊をウクライナに集結させる前に、その聖域空間を悪用してウクライナの攻撃から守っている。 米国当局は、ウクライナはウクライナ領土外でHIMARSとATACMSを使用することはできないと断言している。

しかし、ハリコフの最前線は国境である。ウクライナの最も効果的なロケット砲システムは、ベルゴロド州にあるロシア軍の集結地域と指揮所を攻撃できる射程距離を持っているが、聖域は、ロシア軍が国際国境の最終出発線を離れ、ウクライナに入るまで、最小限のリスクでロシアが前線に数万の部隊を自由に集結することを可能にしている。

ウクライナはロシア軍の大群が接近し、国際国境を越えてから交戦するまで待たなければならないという考えは、特にロシアと比較してウクライナの人的資源と資材の非対称的な不利を考慮すると、馬鹿げている。米国は、ロシア領土からウクライナを差し迫って脅かしているロシア軍に対する米国提供の兵器の使用禁止を撤廃することで、戦場を均衡させ、ウクライナがロシアのハリコフ作戦を打ち負かす可能性を高める措置を講じることができる。

米国は、ウクライナが米国提供の兵器でロシア後方の正当な軍事目標を攻撃することを認めるべきである。 ロシアの聖域は、ウクライナ軍が攻撃可能な後方地域の正当な軍事目標数百を保護している。

この聖域は、弾薬庫、燃料庫、倉庫、車両基地、指揮所、修理基地、常設部隊司令部とその有機的な施設と資産、レーダー基地、兵舎、通信所、少なくとも15の空軍基地、およびロシア軍がウクライナへの軍事力投射に最適化したその他の重要な軍事および軍民両用インフラを含む、既知の軍事施設数百を保護している。聖域は、ロシア軍と準軍事治安部隊が使用していることが知られている1,750平方キロメートル(ヒューストンの広さに相当)もの土地を保護している。

聖域が除去され、そのような正当な目標を攻撃するのに十分なロケット砲弾があれば、ウクライナ軍はロシアの作戦を大規模に大幅に混乱させることができる可能性が高い。

ロシアの聖域を撤去すれば、ロシアはウクライナの攻撃から守るために後方支援地域と兵站拠点を再編せざるを得なくなり、ロシアの兵站体制は低下する。 後方地域の資産を敵の偵察や射撃から隠蔽し保護することは、作戦上の安全と部隊防護を強化する代わりに、兵站効率と維持能力を犠牲にしなければならない、資源集約的な取り組みである。

現在、ロシア軍はロシア国内の後方地域での部隊防護を優先する必要がないため、ロシアは後方地域を兵站効率のために最適化し、大規模に軍隊と物資をウクライナに送り込むことが可能となっている。

ロシアの聖域により、ロシアは限られた防空・電子戦資産をウクライナの最前線部隊の保護に展開することが可能となり、そうした資産を後方地域、兵站拠点、指揮所の保護のために内側に配置する必要がなくなった。ロシアの聖域をなくすことで、ロシアは、効率を犠牲にして後方地域の再編成、防護措置の展開、防御力向上のための足跡の縮小を行うかどうか、またその方法について決定せざるを得なくなり、おそらくロシアがウクライナに大規模に人員と物資を投入する量的優位性が低下するだろう。

ロシアの聖域が存在する限り、ロシア軍司令部はそのような考慮をする必要はなく、後方聖域内のロシア軍、兵站、司令部はウクライナの最も効果的なロケット砲から完全に安全であると知って安心できるだろう。

ロシアの聖域の再評価は、すべてかゼロかの問題ではない 。米国がウクライナ軍による米国提供の兵器の使用を禁止し続けても、西側諸国の兵器がロシアを攻撃するのを防ぐことはできない。西側諸国はすでにロシアの聖域を部分的または全体的に再評価し始めている。英国は、デービッド・キャメロン外相が2024年5月初旬に英国がウクライナに英国提供の兵器によるロシア領土攻撃を許可すると発表したことで、英国の兵器からロシアの聖域を正式に排除した。

ウクライナは長い間、あらゆる兵器を使ってロシアの正当な標的を攻撃しており、今後もそうし続けるだろう。

米国は、ロシア連邦内のいかなる標的に対しても、米国提供の軍事システムの使用を承認する必要はないが、ウクライナ軍が即時の作戦攻撃から自衛できる程度に制限を緩和する必要がある。

ロシアも他のいかなる国も、自らが開始した侵略戦争において、自国の主権領域を不可侵とみなす権利はない。核保有国がエスカレーションの脅威を通じてそのような不可侵性を獲得できるという原則を確立することは、他の潜在的な捕食者たちが、自分たちも罰を受けずに攻撃し、自国の領域内での保護を要求できると想像することを奨励することになる。

米国がウクライナによる米国提供兵器の使用を制限することは、ロシアの奥深くへの長距離攻撃の可能性が問題となる場合には別問題である。国境を越えた新たな侵略に対して、ウクライナがあらゆる資源を自由に使うことを阻止することは意味をなさない。
2024.05.30 20:34 | 固定リンク | 戦争
ワクチン接種後に血栓症が起きる因果関係
2024.05.30
ワクチン接種後に血栓症が起きる因果関係

アストラゼネカ社のワクチンでは、稀に珍しいタイプの血栓症が起きるという報告がありますが、適切な診断・治療方法も報告されています。なお、ファイザー社やモデルナ社のmRNA(メッセンジャーRNA)ワクチンについては、現時点において、血栓症の発症との因果関係は明らかとされていません1。

アストラゼネカ社のワクチンでは、頻度にばらつきはありますが、極めて稀に起こるものであり、ワクチン接種約10万~25万回に1回程度といった報告があります。ワクチン接種後1か月以内に生じ、男性に比べて女性、特に若い女性の方が頻度が高いと報告されています。一般的にみられる下肢静脈等の血栓症と比べて頻度は稀と考えられていますが、注意深く情報収集が行われています1。

この血栓症は、ヘパリンという薬を使った後に稀に生じる「ヘパリン起因性血小板減少症」と似ていることが報告されています。アストラゼネカ社のワクチン接種後に生じた血栓症は、脳の静脈やお腹の中の静脈などにも生じ、脳静脈洞の血栓症を起こした方では、脳出血も同時に起きやすくなることが報告されています。早期に診断して、適切な治療を行うことが重要です1。

ファイザー社やモデルナ社のワクチンについては、現時点では血栓症の発症との因果関係は明らかとされていませんが、ワクチン接種を受けた後に激しい頭痛や強い腹痛、脚の痛み、息切れなど、血栓の存在を示唆する症状が出た場合はかかりつけ医に連絡するように助言されています2。

ワクチン接種を受けた方々が動揺する必要はないと専門家は強調しており、このような副反応が非常にまれにしか生じないことが明らかです2。
2024.05.30 13:58 | 固定リンク | 医療
ウクライナ、開戦以来最悪の状況に直面
2024.05.30
ウクライナ、開戦以来最悪の状況に直面

ウクライナでは夏が始まったばかりだが、危険な情勢だ。

第2の都市で、ロシアに近い北東部の高地にあるハルキウは、あらゆる意味で空からの攻撃に対して無防備なのだ。

25日午後にはこの街で、ホームセンターなどが入る複合商業施設が誘導爆弾2発に破壊された。買い物客で混雑している時間帯のことだった。

建物が燃え、その黒煙がハルキウ市内を覆う中、ショッピングセンター内に入る別の店のマネージャー、アンドリー・クデノフさんは、惨状を呆然と見ていた。

「ロシア人はすべてを焼き払おうとしている。それでも、私たちは諦めない」

「気候が暖かくなって、庭仕事の季節が始まったので、たくさんの人が来ていた。店には培養土や苗が並んでいた」。

クデノフさんは携帯電話を取り出し、攻撃前のホームセンターの写真を次々とスクロールした。

「こんなにきれいな花がたくさんあった。軍人など1人もいない。みんな民間人だった」

数十人が負傷し、少なくとも15人の死亡が確認された。行方不明のままで、遺体が見つからない人もまだ大勢いる。

どのような戦争でも、市民はかつての生活の名残を守ろうとする。

園芸センターが燃えている間、カップルは犬の散歩をしていた。ハルキウ中心部の壮麗な広場では、空襲警報のサイレンや携帯アプリのアラートを無視して、カフェが営業していた。

オペラハウスの階段では、10代の少年たちがスケートボードでジャンプの練習をし、少女たちは携帯電話でTikTokのダンスを録画していた。オペラハウスの奥深く、コンクリートの地下室では、オーケストラが音楽祭に向けて、たとえ戦争でも中止されていない音楽祭に向けて、リハーサルをしていた。

市民はストイックなまでに落ち着き払っている。だからといって、ロシアが2年以上前に全面侵攻を開始して以来、ウクライナが最悪の危機に直面していることは、隠しようもない。

園芸センターへの攻撃は、ウクライナ北東部や東部戦線、そして南部ヘルソン周辺に相次ぐ攻撃の一環だった。

ウクライナの自衛能力は、他力本願だ。ここハルキウなど複数の都市で何が起きるかを決めるのは、そして全長1000キロ以上に及ぶ前線がどうなるかを決めるのは、ウクライナに協力する西側諸国なのだ。

さらにもうひとつ、戦争の流れを変えつつある戦略的要素がある。つまり、戦場で学習し適応する能力が、ロシアにはあるのだ。

ロシアはウクライナの弱点(特に防空で顕著だ)に乗じた攻撃を、実行している。ロシアの工場は、自分たちより経済規模が大きく進んでいる西側先進国が、ウクライナのために武器や弾薬を製造するよりも大量に、武器や弾薬を造っている。

開戦1年目には、もしかしてロシアを押し戻せるかもしれないという期待があった。それが今となっては、ロシア軍がもうこれ以上ウクライナの奥深くへ進軍してこないよう、必死になって食い止める、厳しい苦戦が続く。

戦争が始まって3年目になっても、終結の見通しは立っていない。

始まりの終わり?

2022年2月にウクライナ全面侵攻を命じた時、迅速に勝利するものと、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は予想していた。

アメリカが率いる北大西洋条約機構(NATO)も同様だった。ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領に、西側は脱出の機会を提供したものの、大統領はこれを断った。

クレムリン(ロシア大統領府)も、アメリカ国防総省をはじめとするNATO各国の防衛省も、ロシアが2014年に始めたウクライナ併合の作業が、これで完了するのだろうと予想していた(ロシアは2014年にクリミア半島を占領・併合したほか、ウクライナ東部のドネツク州とルハンスク州で分離主義者の勝利を仕掛けた)。

ウクライナ軍の戦いぶりは2014年の時点では、惨憺(さんたん)たるものだった。その力量はその後、改善されてはいたものの、シリア内戦への介入を成功させたロシア軍は、あまりに強大に見えていた。

2022年2月にロシア軍がウクライナになだれこんだ時、仮にウクライナが戦い続けるとしてもせいぜいが、NATO提供の兵器で反乱軍を組織するくらいしか無理だろう、それが最善の形だろうと予想されていた。

実際、ロシアはウクライナ領の奥深くを占領した。東部ドンバスと南部クリミアを結ぶ「陸橋」となる地域だ。

それでも、首都キーウ制圧を目指したロシア軍の作戦は失敗に終わった。プーチン大統領にとって、実に屈辱的な大失態だった。

首都キーウ攻防戦は2022年3月末までにロシアの敗戦で終わり、クレムリンは部隊に後退を命令した。

ウクライナは戦える。NATO各国はこのことを認識した。ウクライナは実は、予想もしなかったほど有用な同盟国だと明らかになった。プーチンのロシアとの対立が激化する中で、西側にとって歓迎すべき新しい選択肢をウクライナが提供したのだ。

ウクライナへ送られる武器の威力が、少しずつ増していった。それでも、ジョー・バイデン米大統領のためらいを克服するのは、いまだに厄介な作業だ。アメリカとNATO諸国が自国軍で直接介入すれば、あるいはウクライナに最新の軍事技術を提供すれば、第3次世界大戦につながりかねないと、バイデン氏は恐れているのだ。

NATO各国の空軍ですでに退役予定の、老朽化したアメリカ製F-16戦闘機をウクライナに提供するべきだとの説得を、バイデン大統領はようやく受け入れた。しかし、F-16はいまだに実戦配備されていないため、ロシア空軍の攻撃範囲は拡大を続けている。

プーチン大統領は、核兵器を使うぞと繰り返し脅している。しかしこれは、はったりに過ぎないと、西側のアナリストの大半がそう考えている。

ロシアに欠かせない同盟国は中国で、その中国は、核兵器の使用を一切望まないと、態度を明示している。東アジアにおける核軍拡競争など、中国はまったく望んでいないのだ。

東アジアで西側に属する日本と韓国が仮に、状況が十分に脅威だと判断して従来の政策を変更するなら、両国には核兵器を造れるだけの技術がある。

バイデン大統領は今も、プーチン大統領のはったりをはったりと呼んで、手の内を見せろと迫るつもりはない。

アメリカは供給する兵器システムの使い方を制限し続け、ウクライナ軍がロシア国内の標的を攻撃することを禁じている。

ゼレンスキー大統領は、このせいでウクライナは片腕がきつく縛られている状態だと考え、兵器の使用制限を変更するよう強く促している。

それでも昨年の夏までには、西側で現役の戦車や装甲車が見事なほどずらりとウクライナでそろった。NATOはバルト海から英ヨークシャーに至る各地の演習場で、何千、何万人もの兵士を訓練した。

一大攻勢を仕掛けてロシアの戦線を突破し、ドンバスとクリミアを結ぶ陸路を寸断しようという計画だった。

この作戦は失敗した。

ロシアの防衛はあまりに強固で、空からの援護がない限り、NATO式に調整された「全軍」方式の戦いを仕掛けても、成功するはずがなかった。

ウクライナはそもそも、資金と武器をよそに依存している。これがウクライナ独特の弱点だ。

ウクライナが直面している敵は、兵器のほとんどを自国で造り、はるかに多くの人口を抱えている。1億4千万人を超えるロシアの人口は、ウクライナの約3.5倍だ。

戦死者が数万人にのぼる戦争において、人口の違いは意味を持つ。

アメリカでは、国内政治がウクライナ情勢に介入した。

バイデン大統領は連邦議会に、ウクライナへの追加援助600億ドルを含む「安全保障のための追加予算」を要求したが、これは議会で何カ月も滞った。主にドナルド・トランプ前大統領を支持する勢力が、メキシコ国境での不法移民対策強化など、国内問題のための予算増強を求めていたからだ。

ウクライナへの追加支援を含む追加予算案がバイデン大統領の署名を得て成立するには、4月24日まで待たなくてはならなかった。

アメリカ軍にはかなりの装備補給能力があるが、それでさえ、ウクライナの兵器補充には何カ月もかかる。それに対してその間、ロシアは長期戦に向けて国内経済を再編成した上で、武器や砲弾を猛スピードで作り続けているのだ。

ブリュッセルにあるNATO本部の高官は、「これは生産能力の戦争だ」と話す。「ウクライナに何が必要か我々は承知しているが、その製造ペースにおいて、ロシアは我々に勝っている」。

西側の制裁は、ロシア経済に壊滅的な打撃を与えられずにいる。ロシアは石油とガスの新しい市場を見つけたからだ。

ロシアはイランから無人機を、北朝鮮から弾薬を購入している。中国は殺傷力のある兵器などの提供はしていないまでも、他の方法でロシアを助けているというのが、NATOの見方だ。

「ロシアの戦争遂行を中国が物的に支援しているのは、まぎれもない」とNATO高官は私に話した。「ロシアの国防産業基盤を立て直している。それが大いに具体的に影響を及ぼしている」。

「工作機械やマイクロエレクトロニクス(超小型電子部品)は中国から来てそのまま直接、国防産業を強化し、強化された国防産業が戦車やミサイルをますます大量に製造している」

「中国とロシアの関係性が変わることで、地政学的に巨大な変化が起きている。中国はもう二度と、ロシアとの関係において二番手に甘んじない。これは重大な変化のひとつだ」

国境地帯
ヴィカ・ピスナさんは、舗装されていない道で車を走らせた。ハルキウ市の北東にあるユルチェンコヴェの集落にようやく入ると、幼稚園が燃えていた。そもそもユルチェンコヴェはロシアとの国境に近く、とても危険に思える場所にあるのだ。

「プロリスカ」という団体に参加する心理学者のピスナさんはこの1年、ロシアに脅かされる最前線の村に入っては、住民を避難させてきた。

幼稚園に子どもはいなかった。他の国境沿いの村と同様、ユルチェンコヴェにも、わずかな数の高齢者や病弱な民間人が残っているだけだった。

幼稚園はもう何カ月も前に、もぬけの殻になったはずだ。前庭では植物が生い茂り、滑り台やおもちゃが草に覆われ始めていた。

寝袋とわずかな所持品を積んだバイクに乗った男性(彼も脱出しようとしている様子だった)は、出火原因はわからないが、砲弾ではないと言った。

出火原因がなんだったにせよ、ひとけのない荒涼とした村では誰も、その火を消し止めようとしなかった。炎は幼稚園の木造の壁とトタン屋根を覆い、パチパチと音をたてて燃え続けた。

ロシア軍は5月10日に国境を越えて以来、ウクライナのハルキウ州で攻勢を続けている。

プーチン大統領は、ウクライナがロシア・ベルゴロドの市民を殺害しているとして、市民保護のために緩衝地帯を設置すると述べた。

攻勢によって戦線は拡大し、ウクライナ軍はハルキウの守りを強化せざるを得なくなった。そのため他の地域の防衛が手薄になっており、そこをロシアが突いてくる可能性もある。

私たちは、ヴィカさんと彼女のミニバスの後に続いて国境地帯に入った。国境沿いの戦闘の中心で、今や壊滅的な被害を受けて瓦礫になりつつあるヴォヴチャンスクには近づかなかった。

数キロ離れた場所から見ても、ヴォヴチャンスクの町は地獄のように見えた。灰色の雲がとぐろを巻き、あちこちに上がる巨大な火の手から黒煙の柱が立ち上る。その間にも、次々と爆発が起きては、黒い煙が空に向かって渦巻き、ねじれているのだ。

ヴィカさんが作った名簿の、その一番上にリュボフさんの名前があった。出発の準備はもうできていて、所持品はいくつかの買い物袋に詰めてあった。それを運び出そうとヴィカさんが手伝うと、前庭の犬小屋の近くにつながれていた飼い犬が、見知らぬ人に向かって吠えた。

リュボフさんに鎖を外され、一緒にミニバスに乗せられて、犬はようやく落ち着いた。

「ペットと一緒に来るよう、勧めています」とヴィカさんは言った。「何もかも失ったとき、ペットが一緒だと、慰めになります」。

「つらいです。この家で暮らして、もう40年以上になるので」。リュボフさんはこう言う。愛犬と荷物と一緒に、バスの中でぎゅうぎゅう詰めだ。

長年の家を離れることにしたのは、空爆のせいで?

「もちろん! すごく近くて。100メートルも離れていませんでした。窓が全部、吹き飛んでしまった」

ヴィカさんは、次に訪問した住民に、避難するよう説得しきれなかった。鉄製の門をたたくと、高齢の女性が開いたすきまから顔をのぞかせた。

「こんにちは。エマさんですか?」。ヴィカさんはこう声をかけた。エマさんと、家の中のどこかにいるらしい夫は、避難を受け入れなかった。ヴィカさんは説得しようとした。

「この近くで昨日、砲撃があったんです。とても危険です。お二人とも、とても危険な状態です。私たちは、お二人の移動をお手伝いできます。ボランティアがいて、政府援助の申請をお手伝いしたり、医薬品とかいろいろなものが手に入るようお手伝いできます。ぜんぶただです。心のケアのお手伝いもできます」

「ありがとう! ぜんぶありがとう! でも、行きません」

「危機的な状況だからみなさんを避難させているんです。戻りたければ戻れます。でも今は、ここにいるのはとても危険です。1~2時間おきに砲撃があるので。ここを離れた方がいい。さらに砲撃を受けることになる。ここは危険です」

「わかってる」

「ただです! ただで住居を確保できます」

「私は行きません」

エマさんは門を閉めた。

5月23日午後、ロシアが複数のミサイルで工場を攻撃してから1時間もたたないうちに、燃える印刷所の跡から遺体が運び出された。この攻撃で7人が死亡した。

ウクライナは、限られた防空能力をどのように展開して活用するか、厳しい選択を迫られている。印刷所を攻撃したミサイルは、迎撃されなかった。印刷所の攻撃前後と最中、ずっと上空にいたロシアのドローンも撃墜されなかった。

消火活動と遺体捜索のため、消防士が建物に入った。ハルキウ州警察のウォロディミル・ティモシェンコ本部長は建物の前で、怒りをこらえきれずにいた。

「ロシアのミサイルはすべて、標的に命中した。迎撃されなかった。なぜか。ロシア・ベルゴロド州から飛んでくるミサイルの飛行時間は、約40秒だからだ。このミサイルを迎撃できるのは、パトリオット防空システムだけだが、それがここにはない」

ティモシェンコ本部長はロシアを「野蛮人と化け物の帝国もどき」、「この世の悪」と呼んだ。

攻撃の数日後、印刷所で働くオレナ・ルパクさんは、依然として病院でけがの治療を受けていた。はたから見える皮膚のほとんどは、砲弾の爆発や破片による傷を負っていたし、炎が燃え移った髪の毛は焼け焦げていた。

自分が命拾いしたのは、印刷済みで積まれていた紙の山が自分の代わりに爆風を浴びてくれたからだと、オレナさんは考えている。私たちの前で彼女は、こみ上げる感情に揺さぶられていた。泣きじゃくりながら、笑顔を作ろうとして、自分に起きたことのすべてに深い心の傷を受けていた。

「前は何も怖くなかったのに、今ではハルキウにいるそれだけでも怖い。ロシアがテロ国家などでありませんように、標的にするのは軍事施設だけだと、そう願っていたのに。でも、民間人を攻撃したんです」

「私たちを助けてくれて、アメリカに感謝したい。ドイツや、世界中のいろいろな国に、支援してくれてありがとうと感謝したい。でも私たちは無力で、私たちには何もない。こんなに苦しんでいるのに……自分で自分を守れない」

長い戦争
ウクライナの状態は実は、ルパクさんが恐れるほど、ひどくはない。それでも、今月のハルキウにいれば彼女のように思うのは無理もない。攻撃されたホームセンターで手足を負傷し、病院のベッドに横たわる男性たちも、同じようにおびえていた。

「正直言って、これからどうなるのかわからない」。崩落した天井に両脚をつぶされたヴィタリィさんは、こう言った。「早く終わってほしいけど、どうしたらいいのか」。

反対側のベッドではオレクサンドルさんが、ウクライナがロシアと何かしらの手打ちをするなど、ありえないと話した。火の手から逃れようと2階の窓から飛び降りた彼は、ひどいけがを負っていた。

「ロシアを負かさないとだめだ。あいつらは、悪意をもってここに来たんだから」

開戦当初、陸軍や領土防衛隊に入ろうと各地にできた志願者の行列は、もうとっくにない。あの当時に入隊した志願者のほとんどは、すでに死亡しているか、ひどい重傷のため戦うことができない。

ウクライナは今、もっと若い男たちを募集し、あるいは徴兵しようと、力を入れている。前線にいる兵のほとんどが中年で、疲れ果てている。ウクライナの将軍たちは、ロシア軍のように兵をむやみやたらと死なせたりはしない。それでも死傷する兵士の数は相当のもので、ゼレンスキー大統領はその程度についてほのめかすだけだ。

ウクライナに協力する欧州諸国は、支援を強化しようとしている。成功の度合いはさまざまだが。アメリカの追加支援パッケージは、現場に届き次第、大きく貢献するだろう。おかげで、ウクライナはなおも戦い続けられる。

だからといってこの戦争に勝てるわけではないし、11月にアメリカ大統領選が行われるまで、これが最後の追加援助になる。もしもドナルド・トランプ前大統領が勝つなら、バイデン大統領ほどにウクライナを助けようとするかは、まったくの未知数だ。

ウクライナはドローン戦の新しい形を開拓し、自助もしている。爆薬を積んだ無人の海上ドローンが、すでにロシアの戦艦を沈没させ、黒海を通る輸出ルートの再開を果たしている。

長く続く戦争では、その時々の勢いというのは行ったり来たりするものだ。今では、ウクライナが新しい武器を手にするまでの猶予を好機と捉えたロシアが、激しく攻めに出ている。

今年の夏は危険だ。そして、ひとつ重大な質問がこの夏、問われている。つまり、ロシア軍はその規模と圧力と持久力によって、この戦争の戦略的方程式を変化させるほどの大敗を、戦場でウクライナにもたらせられるのだろうか――ということだ。

ウクライナと、ウクライナに協力する諸国は、ロシア軍には大量の人員と軍需品を費やしてやっと、ごく限られた領土を奪うだけの能力しかないと、そう見ている。

しかし、1年前を振り返るといい。昨年の今頃はウクライナの夏の攻勢について、あまりに期待し過ぎていた。高望みしていた。

今のロシアはもっと強くなっている。そして、ウクライナを当時より有利にする実質的な変化がない限り、ロシア政府は全力を尽くして、この戦争をさらに深掘りしてくるはずだ。
2024.05.30 11:02 | 固定リンク | 戦争
ラファ地上作戦、一線を越えていないと米政府
2024.05.30
ラファ地上作戦、一線を越えていないと米政府 イスラエル軍は中心部に到達か

パレスチナ自治区ガザ南部ラファでのイスラエルの軍事行動について、米ホワイトハウスのジョン・カービー戦略広報担当調整官は28日、イスラエルが本格侵攻を始めたとはアメリカはみていないと述べた。

ラファをめぐっては、イスラエル軍が中心部まで到達し、エジプトとの境界を見下ろす戦略上重要な丘を占拠したと報じられている。

イスラエル軍の戦車が、重要地点とされるアル・アウダ環状交差点に停車しているとの目撃証言もある。ラファ西部で28日朝にかけて一晩中、激しい砲撃があったと話す住民もいる。

アメリカのジョー・バイデン大統領はこれまで、まだ数十万人の民間人が避難しているとされるラファへの本格侵攻は、一線を越えるものだとしている。今月上旬には、ラファで大規模な地上作戦が行われれば、イスラエルへの武器供給の一部を停止すると述べていた。

そうしたなか、26日にはラファの避難者たちのテントが並ぶキャンプがイスラエル軍に空爆され、火災が発生。少なくとも45人が殺害された。

イスラエルはこの火災について、ハマスが周辺で保管していた武器が爆発して起きた可能性があるとの見方を示している。

「大規模な軍事行動は確認していない」
カービー氏は28日の記者会見で、この空爆で主に女性や子ども、高齢者が犠牲になったことを示す画像について、「悲痛で」「おぞましい」とコメント。「この紛争で罪のない命が失われてはならない」と付け加えた。

一方で、この事案についてはイスラエルが調査中だとし、「話すべき政策の変更はない」と発言。「大規模な地上作戦が確実に実施されるとはまだ思っていない。(中略)現時点でそうした動きは確認していない」とした。

記者団から、現在の作戦が本格侵攻に当たらない理由を聞かれると、カービー氏は、米大統領が「指揮している」わけではないと返答。

「私たちは(イスラエル軍が)ラファに突入するのを見たわけではない」、「大規模な部隊で、多数の兵士らが隊列や編隊を組んで、地上の複数の標的に対してある種の調整された行動をとっているのは確認していない」とも述べた。

別のキャンプでも21人死亡の報道

イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、26日のラファ空爆を「悲劇的な誤り」だったとする一方、作戦は継続すると宣言している。

イスラエル軍はこの空爆について、イスラム組織ハマスの幹部2人を狙ったもので、両人とも殺害したと説明している。

ラファでイスラエル軍が地上作戦を開始して3週間となった28日、同軍はラファの「テロの標的」に対する活動は継続中だと発表した。

また、ラファ西部の海岸沿いのアル・マワシ地区にある難民キャンプをイスラエル軍が攻撃し、現地当局の発表で少なくとも21人が殺害されたと報じられていることについて、その内容を否定した。

ただ、ソーシャルメディアに投稿され、BBCヴェリファイ(検証チーム)が検証したこの事案の動画には、重傷を負った人々が映っていた。爆発があった場所やクレーターは明確ではなく、原因は特定できない。周囲の建物から、場所はラファとアル・マワシの間で、イスラエル軍が指定した「人道地域」の南だと分かる。

国連によると、ラファからは戦闘を逃れようと100万人近くが移動したが、まだ数十万人が避難生活を送っている可能性がある。

イスラエル軍は今月6日にラファ東部で「標的を絞った」地上作戦を開始。以来、戦車と兵士らが徐々に中心部などに迫っている。

ラファの難民キャンプで攻撃続く、人々は行くあてもなく

パレスチナ自治区ガザ地区南部のラファで、イスラエル軍による攻撃が続いている。

イスラム組織ハマスが運営するガザ地区の保健省は28日、ラファ郊外の避難地域で爆発があり、少なくとも21人が殺されたと発表した。

ラファでは26日、タル・アル・スルタン地区のキャンプをイスラエル軍が空爆し、多数の死傷者が出ている。ガザ保健当局によると、この攻撃では少なくとも45人が殺害された。さらに数百人が重度のやけどや骨折、爆弾の破片による傷などで手当てを受けたという。

ラファでは、行くあてのない人々が、それでも逃げる場所を求めて荷物をまとめている。

イスラエルがラファの難民キャンプ空爆、多数死傷 「ハマスが望んだ戦争」と政府報道官

パレスチナ自治区ガザ南部ラファの難民キャンプが26日、イスラエル軍による空爆を受けた。イスラム組織ハマスが運営する保健当局によると、少なくとも45人が殺害されたほか、数百人が重度の火傷や骨折、飛散するミサイルの破片などによる裂傷で手当てを受けた。

国際社会からの非難が集中するなか、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、難民キャンプへの空爆を「悲劇的な誤り」と呼んだ。

イスラエル軍は、ハマス幹部2人を標的にしていたのだと説明。政府報道官は「民間人の犠牲は悲痛なことだ」としながら、「これが、ハマスが望んで始めた戦争だ」と述べた。

ラファ空爆で多数死傷したのは「悲劇的な誤り」 ネタニヤフ首相が釈明

マット・マーフィー、BBCニュース

イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は27 日、パレスチナ自治区ガザ南部ラファで多数のパレスチナ避難者らが殺害された前日の攻撃について、「悲劇的な誤り」だったと述べた。この攻撃をめぐっては国際的に非難が高まっている。

イスラム組織ハマスが運営するガザ保健当局によると、この攻撃では少なくとも45人が殺害された。さらに数百人が重度のやけどや骨折、爆弾の破片による傷などで手当てを受けたという。

ネタニヤフ氏はこの日、イスラエル議会で演説。ガザで戦闘に巻き込まれている民間人を守るため、イスラエルが「できる限りの予防措置」を取ることが不可欠だと述べた。

そして、「ラファではすでに約100万人の非戦闘員を避難させた。私たちは非戦闘員に危害を加えないよう最大限の努力をしていたが、不幸にも、悲劇的に誤った事態が起きてしまった」と主張。「現在この事案について調査中で、結論を出す。それが私たちの方針だからだ」と述べた。

ネタニヤフ氏はまた、「全目標の達成前に戦争を終わらせるつもりはない」とも表明。この演説の最中には、家族をハマスの人質にされている人たちがしばしば、声を上げて抗議した。

一部の人質の家族は、人質解放につながる取引に失敗したと、ネタニヤフ氏を強い批判している。

国際社会も非難
今回のラファ空爆に対しては、国際社会からも非難が出ている。

欧州連合(EU)は、国際司法裁判所(ICJ)が先週、ラファ攻撃を停止するよう命じたのを尊重するよう、イスラエルに求めている。EUの外交トップのジョセップ・ボレル外務・安全保障政策上級代表は、26日の空爆を「恐ろしいことだ」と非難した。

ICJの命令にもかかわらず、イスラエルはラファ侵攻の継続を宣言している。イスラエル当局はICJの命令について、国際法を順守しながらの攻撃を可能にする余地を残したものだと主張している。

一方、国連のフォルカー・トゥルク人権高等弁務官は、「イスラエルの戦争手段と方法は、すでにあまりに多くの民間人の死者を出しているが、その戦い方に明確な変化がまったくない」ことを、今回の攻撃は示すものだと述べた。

26日のラファ攻撃は、ハマスが数カ月ぶりにイスラエル主要都市テルアヴィブをミサイル攻撃した数時間後に始まった。

イスラエル軍は、この日のラファ攻撃でハマス幹部2人を殺したとし、民間人の死亡については調査しているとした。

しかし、パレスチナ赤新月社によると、空爆されたのは、ラファ中心部から北西に約2キロ離れたタル・アル・スルタン地区で、国連施設近くに設けられた複数の避難者用テントが標的にされた。

26日夜に同地区で撮影された映像には、大きな爆発と火が激しく燃える様子が映っていた。

また、「クウェート平和キャンプ1」と書かれた横断幕の横で建造物が燃えている様子や、救急隊員や付近の人々が遺体を運んでいる場面も映っていた。

NGO「国境なき医師団(MSF)」は27日、自分たちの現地施設の一つで、女性や子どもを含む少なくとも28人の死者を収容し、負傷者180人を治療したと発表した。

MSFは、今回の攻撃は精密に実施したとするイスラエルの主張を否定。「ラファのいわゆる『安全地帯』にあり、人が大勢密集するキャンプを攻撃したことはつまり、ガザ住民の命をまったく考慮していないと示すものだ」とした。

一方、アメリカは27日夜に出した声明で、映像について「悲痛だ」としながらも、イスラエルには自衛権やハマスを追い詰める権利があると主張。ただ、「イスラエルは民間人保護のため、できる限りの予防措置を取らなくてはならない」とも述べた。

イスラエルに変化はあるか

イスラエル当局は27日、ラファで何を誤ったのかの調査を進めた。軽量化した特殊な兵器による「精密」だったの攻撃でなぜ、多くの死傷者を出す大規模な火災が生じてしまったのかが問われている。

ICJによる攻撃停止命令を受け、自分たちの行動に世界が注目し、その行動については説明が求められていることを、イスラエルは承知している。

しかし、これが作戦の転換点になるかは不透明だ。ネタニヤフ氏はラファでの「完全勝利」を依然として掲げ、考えを変える兆しはない。ラファ市そのものに迫るイスラエル軍の地上部隊は、いくぶん慎重に行動している様子だ。

これまでのところ、地上部隊の攻撃で一度に大勢が死傷する事態にはなっていない。

だが、26日の空爆は、すでに悪化しているイスラエルのイメージを一段と悪化させ、攻撃継続の根拠としてイスラエルが主張する内容を損なうものとなった。

国際司法裁「ラファ軍事侵攻の即時停止」命じる イスラエルは拒絶し空爆続行

国連主要機関の国際司法裁判所(ICJ)は24日、ガザ地区南部ラファでの攻撃をただちに停止するよう、イスラエルに命令した。南アフリカが16日に起こした訴えを受けてのもの。これに対してイスラエル政府は、ICJの命令を拒絶すると声明を発表。判決から間もなく、イスラエルの戦闘機がラファ中心部の難民キャンプを空爆した。

南アフリカはラファ攻撃を防ぐようICJに求める中で、イスラエルがラファを含むガザ各地で「ジェノサイド(集団虐殺)的な」作戦を行っていると非難し、「停止命令が必要だ」と主張していた。

これを受けてICJのナワフ・サラム裁判長は24日、イスラエルはラファ地区において軍事侵攻と、パレスチナ人の「物理的破壊」をもたらし得る「その他のあらゆる行動」を「ただちに停止しなくてはならない」と命令した。ひとつの集団の「物理的破壊」とは、国際法上「ジェノサイド」を意味する。

裁判長は、ICJがガザでの状況改善をイスラエルに命令して以来、状況はさらに悪化したと指摘した。ICJは今年1月、ジェノサイドを防ぐためにあらゆる対策を講じるよう、イスラエルに暫定的に命じていた。

裁判長はさらに、ガザ地区でのジェノサイドの疑いを調査するあらゆる国連機関によるカザ内での活動を、イスラエルは無制限に認めなくてはならないと命じた。

ICJ判決はこのほか、ガザで基本的な公共サービスと人道援助を「妨げなく、大規模」に提供できるようにするよう、あらためてイスラエルに命じた。

「(ガザにおける)人道状況は現在、壊滅的と呼ぶべき」だと判決は指摘した。

イスラエルは拒否
ICJのこの判決をイスラエル政府は拒絶し、ガザ地区での自国の軍事侵攻は国際法にのっとったものだと主張した。

イスラエルのツァヒ・ハネグビ国家安全保障顧問は、外務省との共同声明で、「イスラエルはラファ地区において、パレスチナ民間人について、人口の全体だろうと一部だろうと、その破壊をもたらす生活条件を作り出すような軍事作戦を、これまでも行っていないし、今後も行わない」と主張した。

戦時内閣に参加するベニー・ガンツ前国防相は、イスラエルは「ラファを含めて、必要な時と場所」で軍事作戦を続けると主張した。

イスラエルの野党代表、ヤイル・ラピド氏もICJ判決を批判。ICJがラファ砲撃とイスラム組織ハマスが拘束するイスラエル人人質の解放に結び付けなかったことは、「ひどい道徳的な破綻(はたん)」だと非難した。

他方、ICJに訴えを起こした南アフリカ政府のゼイン・ダンゴール国際関係協力局(DIRCO)局長は、ICJ判決は「画期的」だと歓迎。ガザの一部で軍事行動を停止するよう、ICJがイスラエルに明確に命令したのは初めてだと指摘した。

ハマスもICJ命令を歓迎し、「残虐なシオニストの存在(イスラエルの意味)」がラファにおける「侵略をやめるよう要求するもの」だと評価した。

パレスチナ自治政府のリヤド・マンスール国連大使は、ICJ判決を歓迎し、イスラエルに履行を促した。

「ICJの決定が滞りなく実施されることを期待する」、「これは義務だ。イスラエルは(ICJ規定に)参加している」とマンスール大使は述べた。

ICJは国連の主要な司法機関。すべての国連加盟国は自動的にICJ規程の当事国となる。

ICJ命令には法的拘束力があるものの、ICJに強制的な執行手段はない。

ICJ命令を受けて、欧州連合(EU)のジョセップ・ボレル外務・安全保障政策上級代表は、法の支配を深く重視するEUとして、イスラエルを支持する方針と法治主義順守を「併せて維持していくのが、非常に難しくなる」とコメントした。

数分後に空爆も

ICJの判決が読み上げられてから数分後、イスラエル軍機はラファ中心部のシャブーラ難民キャンプに複数回の空爆を繰り返した。

近くのクウェート病院にいた活動家はBBCに対して、空爆が激しすぎて救急隊が現場に入れずにいると話した。

イスラエルは長く予想されていたラファ侵攻を今月から開始。ガザ地区最南部のラファには、ハマスの大隊が残っており、それを掃討することが目的だとしている。ハマスがラファで、イスラエル人の人質を拘束し続けているとも、イスラエルは見ている。

国連によると、この軍事侵攻が始まって以来、80万人以上のパレスチナ人がラファから避難した。昨年10月の戦争開始を受けて、ガザ地区の各地から約150万人が戦闘を逃れようとラファに集まっていた。

ハマスが昨年10月7日にイスラエル南部を奇襲したことで、この戦争は始まった。ハマスはイスラエルの民間人を中心に約1200人を殺害し、252人を人質にしてガザ地区へ連行した。

ハマスが運営するガザの保健省によると、その後のイスラエルの攻撃によって少なくとも3万5800人のパレスチナ人が殺害されている。
2024.05.30 09:25 | 固定リンク | 戦争
「負担増は半永久的に続く」財務省のステレス増税
2024.05.30
減税帳消し〝給与明細ショック〟「20万円負担増」の実態 一時的に恩恵、複雑な税制で徐々に徴収…定額減税では消費喚起効果は限定的

「減税帳消し〝給与明細ショック〟」とは、所得税と住民税の定額減税が実施されることによって、給与明細に記載される減税額が実際の負担増を補っている現象を指します。6月から所得税と住民税の定額減税が実施される予定であり、給与明細に減税額の記載を義務付けて「恩恵を実感いただく」と岸田文雄首相は言っていますが、「4万円」では消費喚起効果は限定的だと識者は警告しています。この「減税帳消し」の現象は、複雑な税制の中で徐々に徴収されていくため、消費喚起効果が限定的であると言えるでしょう。 国民負担率も上昇しており、所得から差し引かれる税金や社会保険料の負担が増加していることが示されています。

「負担増は半永久的に続く」財務省のステレス増税

6月から所得税と住民税の定額減税が実施される。給与明細に減税額の記載を義務付けて「恩恵を実感いただく」と岸田文雄首相は言うが、「4万円」では消費喚起効果は限定的だ。政府のいう通り給与明細をよく見ると、目立つのは直接税や社会保険料の負担増で、この10年間で平均「20万円」も増えている。識者は「負担増は半永久的に続く」と警告する。

■「可処分所得」3年連続で減少

岸田首相は22日の参院予算委員会で「来月から国民は減税効果を実感できる。集中的な広報など発信を強めていく」と説明した。

定額減税の給与明細への明記に関する作業が追加された場合、企業の経理担当者の事務負担が計約40~52時間増えるとの民間の試算もある。

よく見ろというから、給与明細をチェックすると、減税の額よりも「こんなに引かれているのか」と改めて気付く人も多いのではないか。

国民や企業が所得の中から税金や社会保険料をどれだけ払っているかを示す「国民負担率」は、2013年度に40・1%だったが、22年度は過去最高の48・4%まで上昇した。24年度も45・1%と高水準が続く。「五公五民」といわれるゆえんだ。

総務省の家計調査をもとに、2人以上の勤労者世帯の1年間の直接税(所得税・住民税など)と社会保険料の平均について、13年度と18年度、そして直近の23年度で比較したのが別表だ。介護保険料や公的年金保険料、所得税などが増加傾向にあり、直接税と社会保険料などの合計は13年度から23年度で約20万円増えている。

一方、実収入から直接税や社会保険料などを差し引いた「可処分所得」は、21~23年度まで実質で3年連続で減少している。特に23年度は対前年比4・5%減と大幅に落ち込んだ。

ユーチューブなどで税制などについて発信している税理士の板山翔氏は「年収400万円の40歳以上の世帯について、09年と24年で比較して試算すると、健康保険と厚生年金だけで年間9万~10万円近くの負担増となっている。09年当時は消費税率も5%だったこともあり、世帯年収などが同じ条件でも、15年前とは可処分所得に大きな差がある」と解説する。

政府が定額減税をアピールする半面、75歳以上の医療保険料は24~25年度に段階的に引き上げられる。現役世代も扶養控除や配偶者控除の見直しが議論の対象だ。

前出の板山氏は「増税に打って出れば、世論の批判は免れないだろう。今回の定額減税のように一時的に恩恵を与えながら、複雑な税制で徐々に徴収していくというのは、世界各国で行われる常套手段だ」と強調した。

今後も家計への懸念材料は多い。6月使用分(7月請求)の家庭向け電気料金が大幅に値上がりする。価格を抑える補助金の終了に加え、電気料金に上乗せする再エネ賦課金(再生可能エネルギー発電促進賦課金)も4月に引き上げられたばかりだ。

26年度には少子化対策の柱となる「子ども・子育て支援金」が創設される。支援金は月50~1650円の負担になると試算されている。来月からは森林環境税の徴収(年1000円)も始まる。

■永濱利廣氏、5兆円は支援より将来の負担増回避策に活用する方が賢明では

第一生命経済研究所の永濱利廣首席エコノミストは「控除の縮小案や、国民年金の保険料納付期間を5年延長する案などが浮上している。日本のここ10年の国民負担率の上昇幅は、他のG7(先進7カ国)諸国の2倍以上だ。今後もこの流れが続く可能性もあり、半永久的な負担増が懸念される」と指摘する。

個人消費は冷え込みが続き、1~3月期の実質国内総生産(GDP、季節調整済み)速報値でも4四半期連続の減少となった。リーマン・ショックが直撃した09年1~3月期以来15年ぶりだ。

岸田首相側近の木原誠二幹事長代理は26日のフジテレビ番組で、定額減税の来年以降の継続も示唆した。

永濱氏は「定額減税では消費喚起効果は限定的だろう。給付の方が効果が大きかったのではないか。給与明細を見る人が増えれば、政府の思惑とは逆に、国民が負担増を実感する機会となりかねない。定額減税や給付など今回の支援策に約5兆円の予算を使うのであれば、将来の負担増を回避する施策に活用する方が賢明だったのでは」と語った。

■「20万円負担増」の実態

減税帳消し〝給与明細ショック〟「20万円負担増」の実態 一時的に恩恵、複雑な税制で徐々に徴収…定額減税では消費喚起効果は限定的についておしえてください

減税帳消し〝給与明細ショック〟とは、所得税と住民税の定額減税が実施されることによって、給与明細に記載される減税額が実際の負担増を補っている現象を指します。岸田文雄首相は「恩恵を実感いただく」と述べていますが、実際には一時的な恩恵に過ぎず、複雑な税制によって徐々に徴収されていることがあります。

具体的には、以下のポイントが挙げられます :

– 定額減税の実施: 6月から所得税と住民税の定額減税が実施されています。給与明細に減税額の記載を義務付けて、国民に恩恵を実感させることを目指しています。
– 負担増の実態: 給与明細をよく見ると、直接税や社会保険料の負担増が目立ちます。過去10年間で平均で「20万円」も増加していることがあります。
– 可処分所得の減少: 一方で、実際の所得から直接税や社会保険料を差し引いた「可処分所得」は、21~23年度まで実質で3年連続で減少しています。特に23年度は対前年比4・5%減と大幅に落ち込んでいます。

– 世界的な常套手段: 政府は定額減税をアピールしていますが、実際には一時的な恩恵を与えながら、複雑な税制で徐々に徴収していくことは、世界各国で行われている常套手段です。
このような状況下で、給与明細に記載される減税額だけでなく、実際の負担増や所得の変化にも目を向けることが重要です。

: 減税帳消し〝給与明細ショック〟「20万円負担増」の実態 一時的に恩恵、複雑な税制で徐々に徴収…定額減税では消費喚起効果は限定的

: 給与明細ショック、減税帳消し20万円の負担増 可処分所得は3年連続で減少

日本の税制改革についてもっと知りたいです。

もちろんです!日本の税制改革についてお話ししましょう。

日本の税制改革は、経済のグローバル化や社会の変化に対応するために定期的に行われています。以下に、最近の税制改革の概要をいくつかご紹介します。

– 基本方針:

– 税制改革の基本方針は、次の3つです:

– 競争力の強化: グローバルな経済の中で日本の競争力を高めることを目指します。

– 公正な社会の実現: すべての人が参画し、負担し合う公正な社会を目指します。

– わかりやすく簡素な税制: 納税者側の視点に立って、わかりやすく簡素な税制を目指します。

– 2023年度税制改正大綱:

– 2023年度の税制改正では、成長投資を強化し、成長と分配の好循環を生み出すための改正が盛り込まれています。

– 防衛力強化に係る財源確保のための税制措置も行われています。

– 令和6年度税制改正の大綱:

– 令和6年度の税制改正では、所得税と個人住民税の定額減税が行われています。賃金上昇が物価高に追いついていない国民の負担を緩和し、持続的な賃上げを目指しています。

– 最近の動き:

– 令和4年度における税制改革の動きについては、財務省のウェブサイトで詳細を確認できます。

これらの改革は、日本の経済や社会の変化に合わせて進められており、国民の生活やビジネスに影響を与えています。

: 総務省 – 税制改革の基本方針

: PwC Japanグループ – 2023年度税制改正大綱

: 財務省 – 税制をめぐる最近の動き(令和4年1月~12月)

: 財務省 – 令和6年度税制改正の大綱の概要

日本の税制改革についてもっと詳しく教えてください。

もちろんです!日本の税制改革についてお話ししましょう。

日本の税制改革は、経済のグローバル化や社会の変化に対応するために定期的に行われています。以下に、最近の税制改革の概要をいくつかご紹介します。

– 基本方針:

– 税制改革の基本方針は、次の3つです:

– 競争力の強化: グローバルな経済の中で日本の競争力を高めることを目指します。

– 公正な社会の実現: すべての人が参画し、負担し合う公正な社会を目指します。

– わかりやすく簡素な税制: 納税者側の視点に立って、わかりやすく簡素な税制を目指します。

– 2023年度税制改正大綱:

– 2023年度の税制改正では、成長投資を強化し、成長と分配の好循環を生み出すための改正が盛り込まれています。

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– 令和6年度税制改正の大綱:

– 令和6年度の税制改正では、所得税と個人住民税の定額減税が行われています。賃金上昇が物価高に追いついていない国民の負担を緩和し、持続的な賃上げを目指しています。

– 最近の動き:

– 令和4年度における税制改革の動きについては、財務省のウェブサイトで詳細を確認できます。

これらの改革は、日本の経済や社会の変化に合わせて進められており、国民の生活やビジネスに影響を与えています。

: 令和6年度税制改正の大綱の概要 : 財務省

: 第3部 税制改革の基本方針 – 総務省

: 2023年度税制改正大綱 | PwC Japanグループ

: 税制をめぐる最近の動き(令和4年1月~12月) – 財務省

他国と比較した場合、日本の税制はどうなっていますか?

日本の税制は多岐にわたり、他国と比較するといくつか特徴があります。以下に、日本の税制と他国との違いをいくつか解説します。

– 税率の違い:

– 日本の消費税率は一般的に低めであり、他国と比較しても比較的低い水準です。一方で、法人税率は他国に比べて高めとされています。

– 税制度の違い:

– 日本の税制は多くの種類の税金と複雑な制度から成り立っています。他国と比較しても、日本の税制は独自の特色を持っています。

– 所得の取り扱いの違い:

– 直接税(所得税など)は、個人や法人の所得や資産に直接課されるものであり、高所得者は高い税率で支払うことが一般的です。一方、間接税(消費税など)は商品やサービスの価格に含まれており、消費者が間接的に支払います。

– 社会保障の違い:

– 日本の税収は、公共のサービスや社会保障の提供に使われています。他国と比較して、社会保障制度の違いがあります。

– 税務手続きの違い:

– 税務手続きや申告の方法も国ごとに異なります。日本では、専門的な知識を持つ税理士の役割が重要とされています。

日本の税制改革は、国際的な動向やデジタル時代の課題にも対応しながら進められており、今後も注目される分野です。
2024.05.30 07:44 | 固定リンク | 政治

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