モスクワコンサート会場「テロ詳細」
2024.03.23
ロシア、イスラム圏の反ロ感情に危機感 モスクワ郊外のコンサート会場で発生した銃撃テロについての要点は以下の通りです。

2024年3月22日モスクワ郊外のコンサート会場 モスクワ郊外のクラスノゴルスクにあるクロッカス・シティ・ホール

犠牲者

死者60人以上、負傷者180人以上

犯行声明

過激派組織「イスラム国」が犯行を主張

捜査状況

ロシア当局がテロ事件として捜査中。犯人の行方は不明

日付: 2024年3月22日
場所: モスクワ郊外のクラスノゴルスクにあるクロッカス・シティ・ホール
犠牲者: 死者93人、負傷者115人1
犯行声明: 過激派組織「イスラム国」が犯行を主張


捜査状況

当局により11人が拘束され、犯人の捜索が続けられています。

この事件は、コンサート観客を標的とした銃乱射事件であり、約6000人が集まっていた会場で2回の爆発があり、会場が炎上しました。ロシア外務省はこの攻撃を「テロ攻撃」と呼んで非難しており、国際社会からも多くの反応が寄せられています。

最近の報道によると、2024年3月22日にモスクワ近郊のコンサート会場で発生した銃撃テロについて、過激派組織「イスラム国」(IS)が犯行声明を出しています。この事件では60人以上が犠牲になりました。ロシアの米大使館は以前からモスクワでイスラム国によるテロの脅威が高まっていると警告していたとのことです。

また、ロシア当局はこの事件を組織的なテロと見ており、ロシア南部・北カフカスでイスラム国が関与した事件が報告されていることから、イスラム国との根深い対立が背景にあるとされています。ただし、ロシアメディアは反体制派による犯行の可能性も報じており、詳細な動機や犯行グループの出所についてはまだ明らかになっていない状況です3。捜査は進行中で、今後の公式発表を待つ必要があります。


ロシア、イスラム圏の反ロ感情に危機感

ロシアは、イスラム圏の反ロ感情に対して危機感を抱いており、国内テロ防止に向けた治安対策を強化しています。シリアへの軍事介入を受けたイスラム世界での反ロ感情の高まりや、国際的なIS包囲網づくりの遅れへの危機感が背景にあるとされています。

ロシア政府は、国内でテロの発生を許せば、政権が揺らぐ可能性があると考え、徹底した掃討作戦を続ける方針です。また、国際的なテロ対策にも取り組んでおり、イスラム諸国と連帯してIS包囲網の構築を目指しています。

背景

イスラム国(IS)は、シリアとイラクで広範囲にわたる領土を支配し、多数の民間人と戦闘員を残酷に支配してきました。しかし、イラクでは2017年、シリアでは2019年に各政府に敗北しました。それでも、国連は1万人の戦闘員がこれらの地域で活動し、暴動を長期化させているとみています。

ロシアとISの対立

ロシアはシリア内戦でアサド政権を支援しており、シリア砂漠でISの拠点に空爆を行っていることが報告されています。ロシアの戦闘機は、シリア政府を支持する部隊を支援するため、西部ホムスと南東部デリゾールを結ぶ道路を確保する作戦でISの部隊を攻撃しています。

チェチェン人とIS

ロシアは、チェチェン系過激派の根絶を狙っており、ISには現在、チェチェン人の過激派が約2500人も合流していると報じられています。ロシアのシリアでの空爆は、ISではなく、アサド政権に敵対する反体制派への攻撃に重点を置いていることも鮮明になっており、米欧との対立が激化しています。

ISによるロシアへの呼びかけ

ISは、シリア領内への空爆を続けるロシアを攻撃し打倒すると誓う音声声明を発表し、イスラム教徒に対してロシアへの攻撃を呼びかけています。

チェチェン人がIS(イスラム国)に参加する理由は複雑で、歴史的、政治的、社会的な要因が絡み合っています。以下のポイントが主な理由として挙げられます。

歴史的背景

チェチェン人は長い間、ロシアとの対立を経験してきました。ソビエト連邦の崩壊後、1990年代にはチチェン独立戦争が起こり、多くのチェチェン人がロシア政府に対する強い反感を持つようになりました。

宗教的・民族的アイデンティティ: チェチェン人は主にイスラム教スンニ派に属し、彼らの宗教的アイデンティティは強い結束力を持っています。ISはスンニ派の過激派組織であり、チェチェン人の一部は宗教的な理由からISに共感し、参加することを選ぶかもしれません。

抑圧と迫害

ロシアによるチェチェン人への抑圧や迫害は、彼らが過激派組織に参加する一因となっています。特に、ロシア政府による軍事的な介入や、チェチェン系過激派の根絶を目指す政策は、反発を生み出し、ISへの参加を促すことがあります。

社会経済的な不満

チェチェン共和国内の貧困や失業、社会的な不平等は、特に若者を過激派に引き寄せる要因となっています。ISは、戦闘員になることで経済的な報酬や社会的な地位の向上を約束することがあります。




イスラム圏の反ロ感情に対して危機感

ロシアは、イスラム圏の反ロ感情に対して危機感を抱いており、国内テロ防止に向けた治安対策を強化しています。シリアへの軍事介入を受けたイスラム世界での反ロ感情の高まりや、国際的なIS包囲網づくりの遅れへの危機感が背景にあるとされています。

ロシア政府は、国内でテロの発生を許せば、政権が揺らぐ可能性があると考え、徹底した掃討作戦を続ける方針です。また、国際的なテロ対策にも取り組んでおり、イスラム諸国と連帯してIS包囲網の構築を目指しています。

このような状況は、ロシアの国内外政策において重要な要素となっており、国際関係や地政学的な状況によっても影響を受けるため、継続的な監視が必要です。最新の情報を確認することが重要です。

しかし、ロシア国内では、1990年代のチェチェン紛争以来、モスクワや他の都市で攻撃を繰り返すカフカス地方のイスラム武装勢力が急速に台頭する可能性に直面している。

イスラム教徒の急増にロシアが危機感

12月15日、モスクワ中心部で、モスクワの民族主義の若者たちと、カフカス出身の若者たちが衝突し、暴動が起きた。発端は、12月6日にロシア人の若者がカフカス出身のイスラム系の若者に射殺されたことだった。

 ロシアでは、モスクワをはじめとする主要都市で、外国からの労働者の流入によってイスラム教徒の数が急速に増大しており、スラブ系ロシア人の反発が広まりつつある。また、ロシア当局もイスラム教の台頭を警戒し、抑え込もうとしている。

 ロシアには、イスラム教徒を地域別に統合する3つの組織(ムフティーアト)がある。12月7日には、これに加えてもう1つの組織が設立された。

 だが、これに対して、ロシアのイスラム教徒を代表するムフテイー(イスラム法の法解釈を提示する法学者。ロシアにおけるイスラム教の指導的な役職)が反発している。

「ロシア・イスラム調和の協会」という名前を持つ、この新しい組織は「大統領府で働いている反イスラム勢力が動いて設立されたものであり、ロシア政府の操り人形になる他ない。ロシアで成長しているイスラム教を抑止するための陰謀だ」という。

 モスクワでは新しいモスクを建設する動きがあるが、「ロシア政府はモスク建設のための土地の割り当てを拒んでいる。イスラム教徒が祭日礼拝を行う場所はなく、屋外の路上で祈祷せざるを得ない」という不満ももらす。

イスラム教を敵視するロシア人が増えている

イスラム教徒は、ロシアで自分たちのアイデンティティーをますます強く主張するようになった。これをどう扱えばいいのか、多民族国家ロシアにとっては、国の存亡に関わる問題と言ってもよい。欧州もイスラム教の台頭に悩んでいるが、ロシアではより深刻な問題として捉えられている。

 ロシアにおけるイスラム教の歴史は長い。北カフカスと中流ボルガ川の地域のイスラム化は8~10世紀から始まり、実はロシア正教の普及より古い。

 ボルガ川周辺にあったイスラム教の国は、13世紀から15世紀までロシア正教のロシア公国を支配していた。だがその後、逆にロシアに併合された歴史がある。数百年にわたって続いたイスラム教との対立が、ロシア人の遺伝子に残っている。ロシアにおけるイスラム教の問題は簡単に解決できるものではない。

ソ連時代は宗教弾圧のために、イスラム教徒も信仰意識が薄くなっていた。現在、ロシアにおけるイスラム教の民族の人口は1450万人とされているが、世論調査で、自分がムスリムだと認める人口は700万~1000万人と推計されている。

 イスラム教に改宗するスラブ系ロシア人は決して多くない。ロシアの専門家は「この15年間、イスラム教に改宗したロシア人は約3000人しかいない。オウム真理教に加入したロシア人は、これよりはるかに多かった。ロシアのイスラム化という野心的なプロジェクトは成功しなかった」と評している。
2024.03.23 18:21 | 固定リンク | 事件/事故

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