EU「反ロシア全面対決へ」
2024.02.19

(EU)ナワルナヤ氏死亡「反ロシア結束の切っ掛けに」

ナワリヌイ氏遺体にあざ=死亡時刻、証言と不一致―ロシア紙

獄死したロシアの反体制派指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏に関し、独立系紙ノーバヤ・ガゼータの関連メディアは18日、収監先の刑務所があった極北ヤマロ・ネネツ自治管区の救急医療関係者の話として、遺体から複数のあざが見つかったと伝えた。

死亡したのが当局発表の「16日午後」よりも前だったという証言もあり、死因を巡って疑念が深まっている。

遺体は刑務所から移送され、中心都市サレハルドの病院に安置されているという。現地を訪問した母リュドミラさんは死亡通知を渡されたのみで、遺体の引き渡しを受けられていない。

救急医療関係者によると、あざの一つは胸にあった。「心臓マッサージを行うと現れる」とされ、蘇生を試みたとする当局発表を裏付けるが、心臓が停止した経緯は分からないという。

ノーバヤ紙編集長としてノーベル平和賞を受賞したドミトリー・ムラトフ氏は、過酷な環境で「ナワリヌイ氏は3年間にわたり拷問を受けた」と非難していた。

一方、同メディアが刑務所の受刑者を取材したところでは、発表された死亡日前日の15日夜に「不可解な騒動」が発生。刑務所内の警備が強化された上で、複数の車両が入ってくる音が聞こえた。一夜明けても中は物々しく、ナワリヌイ氏の死亡情報は「16日午前」に広まっていたという。

16日に獄死したロシアの反体制派指導者アレクセイ・ナワリヌイ(Alexei Navalny)氏の妻ユリア・ナワルナヤ(Yulia Navalnaya)氏が19日、ベルギー・ブリュッセルで行われる欧州連合(EU)外相理事会に出席する見通しとなった。EU当局者が明らかにした。

ナワリヌイ氏妻のEU理事会への出席は、反ロシア結束の切っ掛けを作ったと言えるでしょう。

以下の理由からも挙げられます。

ナワリヌイ氏妻は、EUの外相たちに直接訴えかけ、ロシアの政権打倒と民主化を支援するよう求めた。

EUは、ナワリヌイ氏の死に対する国際的な調査を要求し、ロシアに対する制裁措置の強化や、人権侵害や汚職に関与するロシアの個人や組織への資産凍結やビザ禁止などの措置を決議。

EUは、ナワリヌイ氏の死を「残虐行為」と非難し、プーチン大統領に責任があると宣言。

EUは、ロシアとの対話を断念し、対決姿勢を強めた。

EUのジョセップ・ボレル(Josep Borrell)外交安全保障上級代表(外相)は18日、ユリア氏を歓迎するとX(旧ツイッター)に投稿。

「EUの閣僚は、ロシアで自由を求めて闘う人々を支援する強力なメッセージを打ち出すことになるだろう」とするとともに、ナワリヌイ氏への追悼も行われると述べた。

ユリア氏は、ナワリヌイ氏の死亡発表の数時間後、責任はウラジーミル・プーチン大統領にあると主張。国際社会に対し、「団結してこの邪悪で恐ろしい政権を打倒しよう」と呼び掛けた。

西側諸国の首脳も直接・間接的にプーチン氏を非難した。

しかし、ブラジルのルイス・イナシオ・ルラ・ダシルバ大統領だけは18日、エチオピアの首都アジスアベバで記者会見し、「なぜ告発を急ぐのか」とし、ナワリヌイ氏は健康上の問題を抱えていたかもしれないと指摘。「臆測」を控え、検視結果を待つべきだと主張してる。

ナワリヌイ氏は2024年2月16日に北極圏の刑務所で死去し、彼は2022年にロシア政府による毒殺未遂を受けた後、帰国して逮捕され獄中死しました。

ナワリヌイ氏の死後、ユリア氏はプーチン大統領に責任があると非難し、国際社会にロシアの政権打倒を呼びかけました。

ユリア氏は2024年2月19日にベルギー・ブリュッセルで開催されたEU外相理事会に招待され、EUのボレル外交安全保障上級代表は、ユリア氏を歓迎し、ナワリヌイ氏への追悼と、ロシアで自由を求める人々への支援を表明しました。

EU外相理事会では、ロシアに対する制裁措置の強化や、人権侵害や汚職に関与するロシアの個人や組織への資産凍結やビザ禁止などの措置を検討しました。

EUは、ナワリヌイ氏の死に対する国際的な調査を要求し、ロシアの民主化と法の支配の回復を促しました。

ユリア氏は、EU外相理事会での発言の中で、ナワリヌイ氏の遺志を継ぎ、ロシアの変革と自由のために闘い続けると誓いました。

■ナワルナヤ氏死亡が国際的な反ロシア戦争の切っ掛けか

概要

ロシアの反体制派指導者で政府を厳しく批判していたアレクセイ・ナワルナヤ氏(47)が2024年2月16日に刑務所で死亡した。

ナワルナヤ氏は2020年に神経剤による健康被害を受け、ドイツで治療を受けた後、2021年に帰国して逮捕された。

ロシア当局はナワルナヤ氏の死因を「突然死で事件性なし」と発表したが、家族や支持者は殺害されたと主張している。

ナワルナヤ氏の死亡は、ロシアのウクライナ侵攻に反対する欧米諸国との関係をさらに悪化させた。

ロシアは来月17日に大統領選を控えており、プーチン氏が5期目の当選が濃厚とみられている。

背景

ナワルナヤ氏は、政権上層部の腐敗を暴露し、与党「統一ロシア」への反対運動を展開、近年では最大級の反政府抗議デモを複数組織するなど、プーチン大統領にとって長年悩みの種だった。

ナワルナヤ氏は2020年8月、シベリアを訪問中に軍事用の神経剤「ノビチョク」を盛られた。この攻撃でナワルナヤ氏は生死をさまよい、ドイツに搬送されて治療を受けた。

ナワルナヤ氏は2021年1月にロシアに戻ると、詐欺と法廷侮辱罪で逮捕され、禁錮9年の実刑判決を受けた。

服役中のナワルナヤ氏は、北極圏の刑務所に移送されてからは特に健康状態が悪化したと報じられていた。

ナワルナヤ氏の死亡は、ロシアのウクライナ侵攻に反対する欧米諸国との関係をさらに悪化させた。

欧米諸国は、ナワルナヤ氏の死亡に対して「深刻な懸念」を表明し、ロシアに対する制裁措置を強化する方針を示した。

ロシアは、ナワルナヤ氏の死亡に関与したとされる人物や組織を特定することを拒否し、欧米諸国の非難や制裁に対して「干渉」と反発した。

分析

ナワルナヤ氏の死亡は、ロシアのウクライナ侵攻に反対する欧米諸国との関係をさらに悪化させた。

ナワルナヤ氏は、ロシアの民主化運動の象徴的な存在であり、多くの国際的な支持を得ていた。

ナワルナヤ氏の死亡は、ロシア政府が反体制派に対して容赦ない弾圧を行っていることを示すとともに、ロシアの人権状況の悪化を浮き彫りにした。

ナワルナヤ氏の死亡は、ロシアのウクライナ侵攻に反対する欧米諸国にとって、ロシアに対する圧力を強める口実となった。

ロシアは、ナワルナヤ氏の死亡に関与したとされる人物や組織を特定することを拒否し、欧米諸国の非難や制裁に対して「干渉」と反発した。

ロシアは、来月17日に大統領選を控えており、プーチン氏が5期目の当選が濃厚とみられている。

プーチン氏は、ナワルナヤ氏の死亡についてコメントを避けており、国内の反政府運動を抑え込むことに専念していると見られている。

ナワルナヤ氏の死亡は、ロシアのウクライナ侵攻に反対する欧米諸国との関係をさらに悪化させたが、国際的な反ロシア戦争の切っ掛けにはならなかったと言えるだろう。

両者は、軍事的な衝突を避けるために、外交的な対話を続ける必要があるという認識を共有していると思われる。
2024.02.19 17:15 | 固定リンク | 戦争

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