「豊昇龍(立浪)」新大関で「月額250万円で年額3000万円」
2023.07.26


横綱の給与は月額300万円で年額3600万円、大関は月額250万円で年額3000万円となる。 関脇と小結の三役は月額180万円(年額2160万円)だから、大関に昇進してその地位を保持できれば年額840万円の収入アップとなるわけだ。

従って新大関「豊昇龍」は月額250万円で年額3000万円となる。「気魄一閃(きはくいっせん)の精神で努力致します」と伝達式での口上で宣言。

日本相撲協会は26日、名古屋市のドルフィンズアリーナで大相撲秋場所(9月10日初日、東京・両国国技館)の番付編成会議と臨時理事会を開き、モンゴル出身の関脇・豊昇龍(立浪)の大関昇進を正式に決めた。

立浪部屋宿舎で昇進伝達式が行われ、協会は同じ出羽海一門の境川理事(元小結・両国)、大鳴戸(元大関・出島)を使者として派遣。新大関は「大関の名を汚さぬよう、気魄一閃(きはくいっせん)の精神で努力致します」と口上を述べた。看板力士として愚直に真っ直ぐ、力強く相撲道を極めることを誓った。

豊昇龍は優勝25度を誇る元横綱・朝青龍のドルゴルスレン・ダグワドルジ氏のおいにあたり、名古屋場所を12勝3敗で初優勝。昇進目安とされる「三役で直近3場所合計33勝」にも到達した。モンゴル出身の大関は、朝青龍、白鵬、日馬富士、鶴竜、照ノ富士、夏場所後の霧島に続いて7人目となる。立浪部屋からの大関誕生は1985年九州場所後の北尾(後の横綱・双羽黒)以来38年ぶり。

新大関誕生は霧島に続いて2場所連続で、令和以降では6人目。2場所連続での新大関は11年ぶりとなる。来場所は1横綱3大関で迎える。

◇豊昇龍 智勝(ほうしょうりゅう・ともかつ)本名 スガラグチャー・ビャンバスレン。1999年5月22日、モンゴル・ウランバートル市生まれ。24歳。5歳から柔道。レスリング留学した千葉・柏日体(現日体大柏)高で相撲に転向し、3年時に高校総体2位。18年初場所で初土俵。19年九州場所で新十両。20年秋場所で新入幕。得意は右四つ、寄り、投げ。188センチ、142キロ。叔父は元横綱・朝青龍。父が元朝青龍の長兄にあたる。

■初優勝&大関昇進の豊昇龍

喜びを「叔父さん(の元横綱・朝青龍)に伝えたい」と話して会場爆笑

優勝を果たした。3敗で並んでいた西前頭17枚目・伯桜鵬(宮城野)を本割で下し、優勝決定戦では3敗を守った西前頭9枚目・北勝富士(八角)を押し出しで破り賜杯を獲得した。

優勝を決めるといつもの険しい表情が一変した。引き上げた花道で涙をぬぐった。その理由を表彰式のインタビューで問われると、「泣いちゃったですね。すごくうれしくて我慢していたんですけど止まらなかったです」と振り返った。

優勝25回を誇る元横綱・朝青龍のドルゴルスレン・ダグワドルジ氏の甥。レスリングの留学生として来日。他競技を学ぶために両国国技館で本場所を見て、力士への思いが強くなった。ダグワドルジ氏と相談して相撲への転向を決断。それだけに優勝の喜びを伝えたい人を問われ、「一番最初に親方に…。そのあとに叔父さんに伝えたいです」と話すと会場が爆笑に包まれた。

大関取りがかかった今場所は12勝で昇進目安の直近3場所33勝。取組後に昇進を預かる佐渡ケ嶽審判部長(元関脇・琴ノ若)が八角理事長(元横綱・北勝海)に(昇進を検討する)臨時理事会の招集を要請。この段階で事実上の大関昇進が決まった。

■元横綱・朝青龍のダグワドルジ氏

おい・豊昇龍初Vを祝福 ツイッターで「25+1」自身の優勝回数絡める

元横綱・朝青龍のドルゴルスレン・ダグワドルジ氏(42)は自身のツイッターで、おいの関脇・豊昇龍の初優勝を祝福。自身の優勝25回にちなみ「25+1」などと写真付きで投稿し、おいっ子の快挙を喜んだ。

同じ血を引くおいっ子に祝福を届けた。ダグワドルジ氏は自身のツイッターで「おめでとう 久々に涙がこぼり」(原文ママ)と言葉を贈った。投稿した写真では賜杯を受け取る豊昇龍が映された大相撲中継画面の横で、小さくガッツポーズをする姿があった。自身は優勝25回を誇る。これにおいっ子の初賜杯に絡めるように「25+1」とのメッセージを添えた。

豊昇龍の最近の成長ぶりは、叔父も目を見張っていた。6月初旬の同じモンゴル出身の元横綱、鶴竜親方の引退相撲で来日した際は「いい相撲を取っている。安定してきた感じがする」と評価。親戚の中で一番かわいがっていたとも明かし、「現役の頃から、モンゴルへ帰る度に釣りへ一緒に行ったり、いろいろ連れていった。小さい頃から輝いていて、元気な子だった。朝青龍のおいっ子というのは、意識しているだろう」と目を細めていた。

取り口に関しては「強引に行ってるところが、最初は少し似ているなと思ったが、少しずつ前まわしを取って、前に出るようになっった」と分析。「特に(夏場所)千秋楽の霧馬山(現・霧島)との相撲では相手を持ち上げた。『あれは自信つくよ』と本人にも話した。自分より下半身が少し分厚い。力の元はそこにある。もっと磨いていくといいんじゃないかなと褒めてあげた」と明かした。

ダグワドルジ氏は3月の春場所で現在の霧島が賜杯を抱いたことに「自分の時も稽古した相手が優勝できるんだから、俺もできるという感じがあった。霧島も(初優勝したので)同じパターン。あとはどう仕上げていくか」などと話していた。“予言”通り力を増した豊昇龍は、見事に初賜杯をつかんだ。

「めでたいこと(大関昇進)があれば、そういう流れになるのではと思う」と直接の祝福に駆けつけることも示唆していたダグワドルジ氏。大関昇進伝達式は愛知県内で26日に予定されるがおいっ子の晴れ姿を見届けに来日する可能性もありそうだ。

■元横綱・朝青龍が新大関の甥っ子・豊昇龍を激励

「おじとして信じています」に「また感動、思わず涙が出ちゃった」

大関昇進が正式に決定した豊昇龍(立浪)の叔父で、元横綱・朝青龍のドルゴルスレン・ダグワドルジ氏が26日、自身のツイッターを更新。甥っ子を熱い言葉で激励した。

ダグワドルジ氏は「新大関誕生 おめでとう」とまずは祝福。続けて「さー豊昇龍よこれから本番!!おじは全ての始まりでした。しきたりわからないルール中白黒の相撲人生でした」と自らの苦難を振り返った。そして「貴方は違います。なぜなら貴方朝青龍という本読んだ男です。間違いが無いまんま上目指して行くんだじゃ無いか。おじとして信じています。日本に愛し、皆んなに愛と蹲踞される立派な人間なって下さい。おじより豊昇龍関へ」(原文ママ)と結んだ。投稿した写真は伝達式の様子と土俵上でガッツポーズをする豊昇龍とそっくりなポーズの自身を並べた。

この投稿には「アングル似すぎ」「横綱のあたたかい激励メッセージを読んで、また感動、思わず涙が出ちゃったよー」などの声が寄せられている。
2023.07.26 11:45 | 固定リンク | スポーツ

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