陸自ヘリ事故「5年前も同様の事故」が!
2023.04.07


陸自ヘリ事故 3月下旬の機体点検で異常確認されず 防衛相「救助に全力」 「5年前も同様の事故」が

 陸上自衛隊幹部ら10人が搭乗していたUH60JA多用途ヘリコプター1機が、沖縄県の宮古島周辺で行方不明になった事故で、現場近くから見付かっていた救命ボートが、飛行前に事故機に搭載したものだったことが7日、陸自への取材で分かった。救命ボートの製造番号を照合し、判明したという。3月下旬に実施した機体の点検で、異常が確認されていなかったことも新たに分かった。

 陸自によると、6日午後3時56分ごろ、陸自第8師団第8飛行隊(熊本県・高遊原分屯地)所属の事故機が、宮古島周辺の地形偵察のため飛行中、航空自衛隊のレーダーから機影が消えた。

 陸自が調査を進めた結果、消息が分からなくなる約2分前、下地島空港の管制と無線で交信していたことも判明した。内容は不明。

 陸自は、使用する航空機が50時間飛行する度に「特別点検」を実施しており、事故機は3月20~28日までの間に点検され、その後も約1時間の確認飛行などをしたが、異常はなかったという。

 浜田靖一防衛相は7日午前、国会で事故について報告し、「救助などの対応に全力を挙げ、情報収集を徹底することなどについて指示した」と説明。「事故を重く受け止め、自衛隊航空機の運航に当たっては、安全管理に万全を期していく」と述べた。

■2018/5/28に同様の事故が発生。
2018/5/28事故例「メインローターヘッド」「同ボルト」破損

 その際、佐賀ヘリ墜落、羽根つなぐ部品のボルト破断とある。

 その事故は、佐賀県神埼市の民家に陸上自衛隊のAH64D戦闘ヘリコプターが墜落した事故で、陸自は28日、4枚の羽根をつなぐ部品「メインローターヘッド」のボルトが破断していたとする中間調査結果を発表した。操縦士や整備員のミスは「確認されていない」とした。

 陸自によると、メインローターヘッドの主要部分の鋼板を束ねるボルト(直径約7センチ、長さ約6センチメートル)が上下に割れ、約6ミリメートルの緩みができていた。この影響でヘッドの主要部分も破断し、羽根2枚が空中で分離した。

 一方、フライトレコーダーの解析などの結果、不自然な操縦が行われた形跡はなかった。ヘッドは飛行直前に交換されていたが、ボルト部の検査は必要とされておらず、整備上の問題も確認できなかった。陸自は同機をライセンス生産するSUBARU(スバル)を通じ、開発した米ボーイング社に製造状況や材質などを確認している。

 事故は2月5日に発生。神埼市の民家に陸自目達原駐屯地のAH64Dが墜落し、住宅2棟などが焼け、民家にいた小学5年の女児が軽傷を負った。搭乗していた隊員2人は死亡した。

 調査結果を伝えるため28日に佐賀県を訪れた防衛省の大野敬太郎政務官は、計画している佐賀空港(佐賀市)への輸送機オスプレイの配備について、「事故の究極的な原因は究明できておらず、県とやりとりする段階に今はない」と述べた。 
2023.04.07 11:51 | 固定リンク | 防衛

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