国債発行せず「増税」へ防衛費
2022.12.11
岸田文雄首相は10日夕、臨時国会が閉会したことを受け会見し、防衛力増強の財源として増税を行う考えを改めて示すとともに、国債を発行する可能性は「未来への責任としてあり得ない」と否定した。写真は12月10日、首相官邸

岸田首相、防衛費財源で増税に理解求める 国債は否定

岸田文雄首相は10日夕、臨時国会が閉会したことを受け会見し、防衛力増強の財源として増税を行う考えを改めて示すとともに、国債を発行する可能性は「未来への責任としてあり得ない」と否定した。

岸田首相が8日、防衛力増強を巡って与党に24年度以降の増税措置の検討を指示したことに対し、自民党内では閣僚も含めて慎重論が広がった。会見で首相は「増税が目的ではない。防衛力強化が目的」と強調し、「増税の開始時期は柔軟に対応し、個人の所得税負担が増加する措置は取らない」と述べた。

増税について国民の信を問うため衆院解散に踏み切る可能性はないとした。

自民党内で増税に代わる財源として要望する声が根強い国債発行については、「強化する防衛力を未来に向かって維持強化するための財源は不可欠、これは未来の世代に対する私たちの世代の責任」と述べて否定。防衛力の大幅増強と防衛費の拡大を「安全保障政策についても財政政策についても大きな転換点」と表現した。

また、近く改定する国家安全保障戦略の中で中国をどう位置付けるかを問われ、直接的には答えず、日中間には「さまざまな可能性がある一方、さまざまな課題や懸案もある」とした。自身が訪中する可能性は「何も決まっていない」とした上で、「今後とも首脳レベルを含め緊密に意思疎通を図り、建設的かつ安定的な関係を双方の努力で構築していく」と語った。

このほか首相は、子育て支援を巡り、原則42万円が支給されている出産一時金を来年度から50万円に引き上げる方針を表明した。閣僚の度重なる辞任を背景に取りざたされる内閣改造の可能性については「考えていない」と否定した。
2022.12.11 06:44 | 固定リンク | 防衛

- -