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■バイオハザード(ポール・アンダーソン監督)(2002/10/15)

ゲームの映画化ですが、
私、バイオハザードはゲームキューブ版が初体験で、それもまだクリア出来ていません(^^;)
そんなわけでゲームと比べてのどうこうは言えません。

ゾンビの跋扈する密室空間を脱出する話です。

素直に面白かったです。
多少シーンの繋ぎが悪く感じる所もありましたが、良くできていたと思います。
ストーリーの見せ方や、人物の行動の変化の過程も上手く見せてくれました。
(重要人物2人の記憶喪失の設定が上手く機能していました)
とても良くできたゾンビアクション映画で、かえってあまり言うことがありません(^^;)

最初、銃で撃ちまくっても倒せなかったゾンビを主人公(ミラ・ジョヴォヴィッチ)が
素手で倒していくあたりが不条理かと思いましたが、
一応理由がありましたのでおっけーです。
「頭を狙え」ってヤツですな<理由
しかしそれを考えても強いですな(^^;)>主人公

http://biohazard-movie.jp/biohazard/intro.html

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■バイオハザードIIアポカリプス(アレクサンダー・ウィット監督)(2004/10/12)

ゲームを元にしたゾンビアクション映画第2弾。
ただし私はゲームは1作目の序盤しか知らないので悪しからず。

ゾンビ溢れる地下施設からの脱出を描いた前作の続きです。
ゾンビに噛まれた人がゾンビになり、ゾンビで溢れてしまった街は封鎖。
そんな中で病院に拘束されていた主人公(ミラ・ジョヴォヴィッチ)が目覚めて・・、というように話は始まります。

見ている間は普通には楽しめました。(1の方が好みではありますが)
前回を踏襲したゾンビアクションとして始まりますが、話が進む毎に“ゾンビ物”から“アクション物”への比重が上がっていき、
中盤ではスーパーヒロインアクション映画と化します。(この時点で「ゾンビの恐怖」は消えます)
終盤になると企業告発物の様を呈してきて、最後にはサイコサスペンス調に終わる、と
見ていてどんどん印象が変わる映画です。
その目まぐるしさがアクションのスピード感と相まって面白いですが、正直見終わった後の印象は薄いです。
とは言え娯楽物としてはこれでいいのかも。

“ゾンビ物”ですが、ゾンビの怖さよりもヒロインの無茶な強さが目立ちます。そのおかげで怖さが消し飛んでますが、これはこれで爽快かとも。
ただ、ガンアクションをやってる時はいいのですが、クライマックスでの怪物“ネメシス”との対決はちょっと今一ではありました。
短い動きで繋いだアクションは何が起きているのか分かり難く、それで実際やっていることは怪物とヒロインが素手で殴り合ってるだけ。
Fさんが感想で『ウルトラファイト』と書いていたのが実にしっくりくると思いました;
ネメシスもどうにも着ぐるみぽくて、やけにチープなんですねえ(^^;;;
まあ“味がある”とも言えますが。

ゲームを知らない人にも分かり易いように配慮しているとは思いましたが、それでも説明不足な所はちらほら感じました。
例えば“噛まれて感染するはずなのに、何故墓地からゾンビが沸いてくるのか”とか“娘は何故襲われないのか”とか
“●のおかげで娘は健康なのに何故親父は車椅子なのか”とか“モニター越しの能力は?”とか・・、
ゲームでは説明されているらしいですが、映画単独で見ると不可解にも見えて、映画としては弱点では、とも感じました。

http://www.sonypictures.jp/movies/residentevilapocalypse/index.html

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■バイオハザードIII(ラッセル・マルケイ監督)(2007/11/13)

ゲームはまともにやっていませんが、既にゲームからはかなり離れてるらしいので無問題(?)
人類は既に絶滅寸前で街も砂漠化して、あちらこちらで言われているようですが"マッドマックス2"な世界での"世紀末救世主伝説"になっています。
主人公(アリス)がホントに世紀末救世主だし(笑)

かと思えば「自由の女神」が砂漠に埋まっていたりして、思わず「ここは地球だったのか!?」と言いそうになりましたよゾンビの惑星。
いや、最初から地球だし。自由の女神もラスベガスのハーフサイズの奴だし(・e・;)
なんというか、色々な作品のパロというかオマージュというか、影響を感じる映画だなあ。

既にホラーテイストはほとんど失われていて、恐さは大して無いのですが、B級世紀末アクション映画として奇妙に懐かしさを感じつつ気軽に楽しめました。

ツッコミ所の多さがまさにB級で楽しいです。
アンブレラのマッドサイエンティスト博士一行の行動の迂闊さには笑ってしまいます。
ゾンビで人体(?)実験するならせめて隔て板越しにしとけよ(^^;
前作でも今作でも随分気軽に『博士』を使い潰してますが、あんなにお手軽に使い倒してたらアンブレラから研究者がいなくなってしまう気がしますがいーんですかね?
経営者だけ生き残ってもどうしようもないだろうに。
研究者もクローンで増やせばいーのか?

ちなみに、ゲームからの出演キャラであるらしいクレア(ゲームの主役)は登場しますが大して活躍しません。
前作でアリスとダブルヒロインだったはずのジル(ゲームの主役)も説明も無しに登場しませんので、それぞれのファン(と言うかゲームのファン)にはお勧め出来ない映画かも知れません。
ネタバレですが、あの後のクレア達の先行きも明るいとはとても思えないしなあ。

あからさまに続きがありそうな終わり方で笑ってしまいましたが、
4作目は日本(には見えないけど日本らしい)を舞台に数百人のアリス>軍団が大暴れなんでしょうか?、今度は戦争か!?

アニメ的(トップ2とか)な『目の変形』は実写でやられるとなかなか面妖で面白いと思いました。(2でも出てた気もしますが)

ところで、ラスボスは無限の再生力が自慢だったのに、あんなにあっさりやられていーんでしょうか。

エンディングが何故か日本語で違和感大でした。調べる気はありませんが大人の事情でしょうか。

公式サイト

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■バイオハザードIV アフターライフ(ポール・W・S・アンダーソン監督)(2010/9/14)

「ゾンビ東京に現わる」、もとい「バイオハザードIV アフターライフ」を見ました。
以下ややネタバレ注意。

「新たな物語は『東京』から始まる」とポスターにはありましたが、
確かに東京から始まるけどすぐに舞台は地下要塞に移って、更にすぐにロスに移ってしまうので東京(日本)が舞台なのはほんの一瞬でした。
原作(ゲーム)が日本だからという程度の単なるサービスかなと。
もっとも日本にしてもロスにしても「日本らしさ」「ロスらしさ」はほとんど無いのである意味無問題です(笑)

ストーリーはどうということの無い内容ですが、B級アクションとして気楽には楽しめた…
と言いたいところですが、全体的に食い足りなくてB級映画としても正直物足りなかった気もします。
そもそも4作目にもなるとあまり期待は出来ないものですが。

今回はこれまでの経緯ですっかり無敵超人と化していたアリスが超能力を失ってしまうのがミソだったはずなのですが、
特殊能力が無くなっても相変わらずの無茶な強さで、ゾンビ相手にも苦戦らしい苦戦も大してせず、すっかり戦闘に緊張感を感じなくなっているのが困り物でした。

主人公が強いだけでなく、他のキャラも結構「生き残りそう」な人が読めるので、1作目と比べてもすっかり緊迫感は無くなってしまったかと。

戦闘時のスロー演出もボスキャラのデザインも、妙にマトリックスっぽさが強かったのもマイナスな意味で印象的だったかと。

最近は学園黙示録とかゾンビランドとかで割と「銃弾一発で簡単に死ぬ(?)ゾンビ」に慣れていたので、しぶといゾンビは久々でちょっと新鮮ではありました。

銃を撃つとコイン(メダル)が散らばるのがよく分かりませんでしたが、ゲームが元ネタなんですかね。
(ゲームは1の序盤をチョロッとやっただけです)
とりあえず、朝に仮面ライダーオーズを見てから行ったのでタイムリーに感じました。

ところで、アバターもカールじいさんも仮面ライダーWも2Dで見た自分ですが、今回は3D版で見てみました。
ですが、メガネが重くて指で支えてないとズレ落ちてきたり、画面が暗くなるので序盤少し眠くなったりと正直印象は良くなかったので、
自分は今後も映画は2Dでいいかなあ。
飛び出す銃弾とか3D映画ならではの見せ場はありましたが、プラスマイナス的にはあまりプラスには感じ無かったかと。
まあ、その辺りは作品次第と考えるべきかも知れませんが。

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■劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦(満仲勧監督)(2024/2/17)

ハイキュー映画観てきました。春高バレー3回戦の「烏野高校VS音駒高校」を映画一本で丸々一試合として描くのが贅沢感があって満足でした。
まあ、完全にここまでの話(アニメだと4期まで)を見てきたファン向け作品ですけどね。
これまで合宿や練習試合はしてきても公式戦で当たることが無かった音駒高校との因縁の対決ということで、映画になる特別扱いも納得ではあります。
あと、カラスと猫の描写に力が入っていたのが見どころでした(笑)

初期からの因縁の対決ということで、日向と研磨との出会いや、研磨が黒尾に誘われてバレーを始めた時からの話も描かれていて、完全に研磨が主役の話でしたね。元々群像劇ですけども。
試合中盤2セット目までは徐々に日向の活躍を封じて追い詰めていく辺りが「研磨こえー」となりましたけど、そこから日向と影山がきっちり反撃を決めてくれてよかったですよ。
あのクールで執着が薄い研磨が「たーのしー」と言える試合になって良かった。

試合最後の、研磨視点でのラリーのシーンは実に見応えがありました。漫画やアニメでは普通「外からの視点」で描かれますけども、
コート内の1個人の視点で描かれると、入ってくる情報が限られていて、かつ状況は刻々とスピーディーに変わってで、コート内で試合を俯瞰して見るなんてことがよく出来るものだと思えますよ。
自分は運動は苦手なのでそういうのは全く全然無理でした。

あの研磨が黒尾に「バレーを教えてくれてありがとう」と言うところは、そりゃあ黒尾も泣くよねと思いました。よかったねえ。

戸美学園の大将優と彼女が楽しかったです。最後の大将と黒尾の絡みがいいですねえ。嫌味っぽい見た目なのになんやかんや真摯なヤツですよ。

さて、次の鴎台戦はどうするんですかね。普通に5期としてTVシリーズでやるのでしょうか。
その場合本作の音駒戦の扱いはどうなるのやら。鬼滅みたいに再編集してTVシリーズでやるのか???

公式サイト

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■ハイド・アンド・シーク 暗闇のかくれんぼ(ジョン・ポルソン監督)(2005/04/26)

母親の自殺で心に傷を負った9歳の娘エミリー(ダコタ・ファニング)。
心理学者でもある父(ロバート・デ・ニーロ)は娘の心の傷を癒そうと、都会を離れ郊外の一軒家に引越すが、
娘はいつしか“チャーリー”という誰にも見えない架空の友達を作り出してしまうのだった・・


宣伝では『超感動スリラー』と謳われていますが、
どう考えてもどこに『感動』があったのか分かりません(^^;
あの宣伝は間違ってると思います(苦笑)

宣伝を見ているとスリラーなのかホラーなのかサスペンスなのかよく分からない作品ですが、
超映画批評さんでも述べられていますように、
この映画は「どういうジャンルか分からない」状態で見た方が良さそうなので、詳しくは書きません。

その上でざっくり感想を言っていきますと、
見ていて“恐さ”は確かに感じる映画でしたが、ストーリーではなく音と演出で怖がらせるこけおどし的な物で、後々心に残る恐さはなかったかなあ、と。
主演2人は良かったですが、それ以外は今一褒め所を思いつけない、正直あまり心に残らない映画でした(^^;(あくまで私感ですが)

この映画も「シックス・センス」以後流行る様になった『結末を人に話さないで下さい』系のどんでん返し映画ですが、
どんでん返しの「ソレ」が分かってからの展開が長くて長くて終盤が間延びしたように感じて残念でした。
ソレまでの雰囲気は悪くなかったのですが。ソレが分かってから以後がどうにも、半端な、
一歩間違えばギャグになりかねない雰囲気になってしまっていたようにも思えます。
ソレ以後の終盤は登場人物の行動もツッコミどころ満載というか、“志村後ろ”というか(苦笑)
あまり詳しくは書けなくて残念ですが、
後からツッコミあって楽しもうと思えば2人以上で見ることをお勧めします。

主演2人の演技はさすがに凄く、特に子役のダコタ・ファニングは青ざめた顔での演技は素晴らしく、天才子役と呼ばれるのも納得でした。
彼等のファンであれば演技を見るだけでも一見の価値はあるかと思います。
ただ、それだけに「勿体ない映画だなあ」という感覚も強い訳ですが(^^;

シネコンで見ましたが、上映開始早々の為か、最も大きな1番スクリーンでやっていましたが、
こちらでも「この映画に1番スクリーンは勿体ないなあ」と思ってしまいました。
客席もガラガラでしたし(^^;;

蛇足1
母親、隣の女性、引越後に出会う女性、の3人が全員同じようなふわふわブロンドの髪型で、
人の顔を覚えるのが苦手な私は少し混乱しかけてしまいました(^^;
『キャラクターはシルエットだけで見分けがつく様にせよ』と週刊少年ジャンプの編集も言っているというのに(おぃ)

蛇足2
娘が「グッドモーニング チャーリー」とか言い出さないかと心配(期待)しましたが、無かったです。
残念です(おいおい)

http://www.foxjapan.com/movies/hideandseek/

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■ハイ・フィデリティ(2001/04/02)

彼女に振られたレコード屋の兄ちゃんが、
過去に振られて悲しい思いをした女性トップ5の女性達に会って、
自分が振られた原因を聞いたりする話。

・・・・・・なんか

なにを書こうとしても主人公の悪口にしかならない気がする。

『なぜ僕は振られる!?』
と、叫ばれたところで、

『あたりまえじゃ、あほ』
としか言いようがない。

だからこれで止めときます。

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■パイレーツ・オブ・カリビアン(ゴア・ヴアービンスキー監督作品)(2003/09/16)

ディズニー提供の海賊映画です。
予告での宣伝文句が『「アルマゲドン」と「パールハーバー」のスタッフが送る!』だった為、
全く期待していなかった、・・・と言うか正直当初は見る気も無かったのですが(^^;、
(まあ、「パールハーバー」は未見なので悪く言ってはいかんのですが)
(第一、監督は件の2作の人とは違うのですな)
評判がいいので行ってみました。

結果としては、見ている間結構楽しめました。
大げさな演出も作風にマッチしていて素直に楽しかったですし、
何と言いますか、これは完全に『実写で撮ったディズニーアニメ映画』なのですね。
展開もキャラクター描写もギャグもディズニーアニメそのまんまです。
そういうこともあって、“正しき及第点”と言える映画だったと思えます。
後々まで記憶や感動が残る映画では決してありませんし、強烈な印象は残りませんが、
万人に広く受け入れられて、大きな不満なく楽しめる、正しいファミリームービーと言える映画でした。
甘っちょろく感じる所もありますが、こういう映画ではまあいいかと。

映画の全体的な印象は、正直言って薄いのですが、
それでもジョニー・デップの怪演は非常に楽しそうで、かなり印象的でした。
ジョニー・デップの為の映画という気にもなります。
特に氏のファンと言う訳でもなかったのですが、これでばっちり記憶に残ってしまいました。


少しネタばれですが、(以下3行注意)
ジョニー演じるスパロウ船長の目的が宝ではなく“船”だというのは、一見飄々として、善も悪もなく、
敵か味方かもよく分からないこの怪人物に“芯”を与えてくれていて、
キャラクターを面白く見せてくれていました。

ところで、2時間23分というのはやっぱり長かったですね。中盤〜終盤が冗長に感じました。
少なく見積もっても、後10分は削るべきだったと思います。

http://www.movies.co.jp/pirates/

★えいが道を見る

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■ハウルの動く城(宮崎駿監督)(2004/11/29)

こんな映画でした。


熱かったです。
このキャラでキムタクの声が案外違和感がなかったのは嬉しい誤算でした。

 

 

 

 

 

 

・・・ごめんなさい嘘です。
(島本和彦氏の「炎の転校生」を知らないと分からないネタですみません)

あと、『ソフィくん! 僕の城まだ動いてる!』というネタも考えましたが、
深読みするとネタバレなので自粛しました。うむ。
(「キャプテン翼」を(以下略))

★(以下ややネタバレ注意)
どうもネット上での評判は微妙なようで、
難しい・・というよりは説明不足で分かり難い・不親切という意見をちょくちょく見かけたりします。
えーと。

そのとおりですね(笑)
終盤の「お引っ越しよ!」以降の展開はどうにも急展開すぎてきつく言えば支離滅裂にさえ見えました。

後、過去の作品のデジャブを感じる。焼き直し的なシーンが多いとの意見もよく見かけます。
えーと。

まったくそのとおりですね(笑)
髪を切るあたりでシータを思い出したり、指輪の光に飛行石を思い出したり、軍艦からわらわら逃げる人々にホームズを思い出したりして仕方ありませんでした(笑)

なんですが、私は結構この映画は好きなのでした。
可愛い映画ではありませんか。
一見魔法の不可思議な世界観や、戦争と個人のあり方等を語っているようですが、
その実はかなり個人的なミクロな視点の作品だったと感じました。
壮大なストーリー云々ではなくとも、いきいきしたキャラクター達のやり取りを楽しめればそれでいいのではないかなあ、と。
とりあえず、おばあちゃんが可愛いのはいい事です。
ラピュタのジジババもですが、元気な老人が活躍する映画は好きです。

まあ、ミクロな、ヒロインの心理描写も十分に描けているか、というと足りないとは思うのですけどね。
特に2人それぞれの恋愛感情はちょっと唐突に感じました。
しかし、ヒロインの心理状態に合わせて(と思われる)見た目の年齢が変わっていく演出は秀逸で見応えがあったと思います。
(原作(未読)ではずっと年寄りのようなのですね。)
自分を抑えつけて生きてきたソフィーが老人となってからが生き生きと解放されていく様は
印象的でした。

ソフィー以上に内面が分かり難いハウルについては、実際何を考えてるのか分かり難かったです。予告でもソフィーが言ってる通りに(笑)
特に「心がない」というのがどういう事なのかが分かり難いです。
「心臓が無い」というのはそのままとして、それが彼の「心」にどう影響しているのか。
内面の成長が星(カルシファー)を飲んだ時点で止まっている
と言うことなのか?
まあ、やたら情けない部分は良かったかと思います。

ところで、階段を上れない犬がよい味でした。
また、カブの正体にも笑っちゃいました。あれは笑うところでいいんですよね(^^;

終盤の“城”は「ハウルの動く四畳半」という感じで楽しかったです。
(まあ、実際は20畳くらいはありそうですが(笑))
まさか“城”が合体変形ロボだとわ
!!(違)

ちなみに、不安材料だった“キムタクの声”はそれほど違和感は無かったです。
ヒロインの声の使い分けも私的には特に気になりませんでした。
・・・まあ、“声”に無頓着な私の意見なのであてにはならないですが(^^;

妻が「宮崎氏の女の子の好みが大変良く分かった」と言っておりました(笑)
髪を切ったソフィーは普通ならそのままショートカットになるのでしょうが、
ふわっと広がったおかっぱ頭になる辺り、クラリスやナウシカやシータやキキそのまんまで、
この髪型がやっぱり宮崎デフォルト
なんだなあと(笑)

また、これも妻に言われるまで気付かなかったですが、
カルシファーの名前って「火+ルシファー」なんですかねえ?
さすが悪魔。

えー、本編はなんのかんのと結構気に入っているのですが、宣伝には文句があります。
出来ればこの映画は何も知らない真っ新な状態で見たかったです。
婆さんの年齢が18歳ということさえ知らずに見たかったですよーー。
9月頃時点で映画館のチラシで書いていたのが目に入ってしまってちょっと鬱でした。
読売のCMでもバラしてるし・・・
気軽にバラすなアホー

追記ですが、
「ハウスの動く城」というネタは全国あちこちで使われてるだろうと思いました。

http://www.howl-movie.com/

★一発屋「ハウルの動く城」を見る★

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■博士の愛した数式(小泉堯史監督)(2006/01/31)

見てきました。原作は未読ですが興味を引かれたので読んでみる予定。
80分しか記憶のもたない数学博士の元で働くことになった家政婦とその息子が
博士との交流を通して数字の世界の美しさを知っていくという話。

派手な展開はありませんが、じんわりと心地よく見られるいい作品でした。
予備知識なしで見ましたが、「数字の世界」の楽しさを真っ当に観客に伝えてくる映画になっていて正直びっくり。
実際「数字の世界」それ自体をとても面白く興味をもって見られました。
子供の頃にああいう先生に出会えたなら非常に貴重なことだろうなあと。

前向きに生きていこうと素直に思えるいい映画でした。
キャストも自然体でよい感じだったかと。
また、自然の風景がとても綺麗なのですな。

博士の記憶が80分しか持たない事については、割とサラリ描写されているのですが、
現実にもこういった病気はあるようですが、「80分」しか記憶が持たないというのはどういった感覚なんでしょう。
連続して行動していることの、80分以前の記憶が消えていくわけですが、「記憶の起点」は明確に定まるものでは無いし、
なかなかその感覚を想像する事自体難しいです。
「メメント」では記憶が持つ時間は10分だったから、余計大変だろうなあ。

http://hakase-movie.com/

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■鋼の錬金術師 シャンバラを征く者(水島精二監督)(2005/08/02)

昨年終了したTVアニメシリーズの続編、もとい完結編で、TV版最終回の3年後を描いた作品です。
完全にTV版ファン向けの作品で、キャラ紹介や事情の説明も殆ど無い上に、速いテンポに濃い情報密度でどんどん話が進むので、
TV版を知らない人には理解が難しいかと思います。
また、原作だけを読んでいる人も、TV版と原作とではTV版後半から全く展開も設定も違っているので辛いかと。
しかし、原作・TVとも全部見ている身としては非常に濃密な内容で満足出来る映画でした。

1923年のミュンヘンを舞台に、史実や実在の人物とのリンクが多いので、その方面が好きな人はより楽しめるかと思います。
これから観る人はミュンヘン一揆やトゥーレ協会、カール・ハウスホーファーや映画監督フリッツ・ラングのことなどを下調べしておくといいかと。

元々多くの人物が絡む複雑な話の上に史実まで絡んできて、本当に濃い映画でした。
100分余りの時間に詰め込む詰め込む。TVで言えば1クール分の内容を詰め込んだとどこかで読んだ気がしますが、それが本当でも納得の詰め込みっぷりです。

それでも主人公兄弟の心情や行動は理解しやすくストレートなものですので、混乱することはなく見られるかと思います。
この辺のバランスは上手いなあ。
脇役の描写なんかはもう少し掘り下げて欲しい所もありましたが(ラースの心情とか)、登場人物も多いしその辺は仕方ないか。

人は社会とは無関係ではいられない。原作での「一は全 全は一」にも通じる説得力を感じるいいテーマでした。
例えどんなに世捨て人になったとしても人はその社会の中で生きていくものですから。

安易なハッピーエンドではない苦さの残るラストもこの作品には相応しい納得出来るものかと思いました。
悪気があろうと無かろうと人は他者や世界に影響を与えてしまいます。それはそれ自体を責めるべきでは無いにせよ、
他者に迷惑をかけるべきではないし責任は取らねばならないと。
あの展開は切ないですが、エドは“コチラ”に戻って門を閉じないで済ませるキャラじゃないですからと納得でした。だからこそ切ない訳ですが。
一方でミーハー的な感情では(超ネタバレ注)ウィンリィ可哀想とかも思っちゃうんですけどね(^^;

理解出来ないものを排斥してしまう人の愚かさも、“馬鹿かこいつは”とも思いましたが、現実でも間違いなくこういう人のこういう行動はある物だし、
だからこそ後の歴史がああなる訳で、きついですわあ。
映画はそうした時代の影や人の運命の重さを見せつつも、娯楽作であることも忘れないいい映画だったかと思います。

TV版でのキャラが「コチラ側」では違った役回りで出ていたりして、なかなか皮肉に感じられる所もあったりして。
ヒューズさんの役回りは、好きなキャラだけに切ないですわ。しかしああいう社会で生きれば、ああもなってしまうのだなあ。
フリッツ・ラングの人には噴きました(笑)
ちょっと出のライラが美味しかった気が(笑)

野暮ではありますが、ツッコミたい所も少々あったので少しだけ。
なんでラスボスの人は自在に門の中の黒いのの力を自在に使えるのやらとか、
エドが“コチラ”に戻るときに何故無事なのかとか、
エドが話していたアルの魂の入った鎧の中にはやっぱり死体が入ってたんだろうなあ、ゾワー
とか(笑)

http://www.hagaren-movie.jp/index2.html

★えいが道を見る★

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■鋼の錬金術師 嘆きの丘(ミロス)の聖なる星(村田和也監督)(2011/7/2)

鋼の錬金術師の劇場版。
全く楽しめないわけでは無かったけど、正直ちょっと物足りなかったです。

原作&TV版が実にきっちり完結した後だったので、あらためて映画を作る意義があるのだろうかと、劇場版制作発表がされた時から思っていましたが、
観た後も正直その懸念はあまり払拭されず、描きたい物語があるから作られたのでなく「映画を作る事」がまず前提に有りきで作られた作品だったかと思いました。
劇場でもらった「11.5巻」の座談会によると実際そうだったようで;

主に劇場オリジナルの登場人物達の立ち位置が進行と共にどんどん変わっていきますが、短い間に激変しすぎて感情移入し難かったのも問題だったかと。
それに加えて、主人公であるエドやアルは原作での立ち位置から余り動かせないため、予想の範疇を超える行動・言動をしてくれないので、周囲のオリジナルキャラばかりが動いて、余計に主人公達の魅力を引き出せてないように思えてしまいました。
原作&TVの「後日談」ではなくて「途中の話」だから仕方ないと言えば仕方ないのですが。

ちなみに、原作でのどの時点にあたる話かと言うと、「11.5巻」によると原作45話の途中くらいでの話だったようです。
アルがもう「両手パン錬成」が出来るようになった後で、エド&アルがリンと組んでホムンクルス&スカー釣りをやってたあたりですね。
このホムンクルス&スカー釣りの結果、ランファンが大総統と戦って腕を失ったり、ウィンリィがスカーが仇だと知ったりして大きく状況が動いていくので、その間に話を挟むのは結構無理矢理という気がしないでもありません(^^;

以下羅列。
・ウィンリィやマスタング大佐があの街(テーブルシティ)にやってきたのは、正直「出番を作るためにかなり無理をした」ように感じられました。
・特に大佐は、あの場合わざわざ本人が行くものだろうかと思いました。まあ、ハボックが入院中だし人手も足りなかったかも知れないけど。
・でも、結局大佐何も活躍してねー(笑)、まあ、ラスト戦のダメージが抜けてなかったんだろうけど。(それなら尚更現場に出張るなよ)
・ウィンリィの出番作り方法も結構無理やりだったなあ。
・映画オリジナルのヒロイン・ジュリアとアルがいい雰囲気になったりしますが、この時点でのアルはまだ彼女(?)のメイに出会っていないからセーフでした(笑)

・今のタイミングで「大いなる力」とか言われると、ゴーカイジャーが錬金術を使い出すようなイメージが脳裏に浮かんで困ります。
・作中での重要ギミックで「2人分の血液」が使われますが、とても2人分とは思えない量だったような。
・テーブルシティの上の街には一般人はいなかったのだろうかと、あの結末を見るととても気になりました。

・全般的にギャグやユーモアが足りないのも、ハガレンらしさを感じにくい一因だったかと。
・それにしても、誰も彼もみんな運動神経が良すぎですよ。足場が振動する列車の屋根の上でも、空中を渡る細い配管だろうと平気で走り飛び回り、高い絶壁から落ちようとも全然ノープロブレム。コナン(←未来少年の方)ですかあんた達。
・11.5巻の「ミロ星!!」は笑いました。

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■鋼の錬金術師(曽利文彦監督)(2017/12/4)

実写版ハガレン見てきました。
以下、ネタバレ注意。

前評判は悪そうだったし、そもそも漫画の実写化に全然期待していなかったですが(特典の0巻が欲しくて行きました)、
見た結果としては、思ったほどに悪い出来ではなかったけど、良い出来だったか?と聞かれると首を捻る…と言うくらいだったかなと。
実写版デビルマンや実写版ドラゴンボールほどの突き抜けた酷さは無いけど、実写版ジョジョよりは楽しめなかったくらいでしょうか…(^^;

(あまり比較して感想を書くのもどうかと思いますが)同じ漫画実写化映画として、例えば実写版ジョジョも前評判は悪かったですが、あれは1本の映画としてまとまっていて勢いもあって結構楽しめたんですよね。
あちらはエピソード数も少なくて(アンジェロ戦、虹村兄弟戦くらい)ストーリーもまとめやすかったわけですが、
対して本作は、エピソード数が多い割に登場人物を削りまくっていて、そのためエピソードごとの内容が薄くなって、過程を十分描かないまま原作の「名シーン」を無理に繋いだような構成になっていて、1本の映画としての満足度は正直低かったと思いました。

大体のエピソードを並べてみると、
リオール教主戦(ロゼは出ない)、ドクターマルコー訪問&いきなり死亡(まさか殺すとは/アームストロング少佐、シェスカは出ない)、「勘のいいガキは嫌いだよ」(スカーは出ない)、エルリック兄弟喧嘩(割と唐突に始まる)、
ヒューズ中佐と電話ボックス( ノД`)、第五研究所潜入(大総統、ブロッシュ軍曹、ナンバー66、ナンバー48は出ない)、そのまま決戦(まさかのショウ・タッカーがラスボス化?/…と思わせてまさかのハクロ将軍がラスボス化?/…と思わせてVSラスト&エンヴィー)
…というところでしょうか。
マスタング大佐の部下もホークアイ中尉しか出ないので原作のサブキャラファンにはなかなか厳しい映画だったかと思います。

良かった点としては、実写化でどうなるかと思ったアルフォンスが良かったです。また、真理くんの表現とかラストの爪とか錬金術のCG表現は面白かったかと。あと、ヒューズさんがヒューズさんで良かったです。


特典の0巻はとても満足でした。荒川先生はホントにヒゲハゲ親父が好きだな!
まさか今になって鉄血の錬金術師 バスク・グラン准将が掘り下げられるとは予想外過ぎましたよ。「イシュヴァールでは儂らの上官が流れ弾で死んでしまってのぉ」には吹きましたよ、あーた(笑)
よっぱらい親父化してからのグダグダっぷりを見ていると、「よっぱらって帰宅中を襲われちゃったスカーの圧勝」との荒川先生の言にすごく説得力が増したと思えました。FAアニメ版だと(たしか)ちゃんと闘ってやられてたのにねえ( ノД`)

それにしてもショウ・タッカーの厄いことよ;

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■バケモノの子(細田守監督)(2015/08/17)

「静」の印象だった「おおかみこども」に対して「動」の方向性で、エンターテインメント活劇として素直に楽しめました。
展開の意外性はあまり無いですが、考えなしのお馬鹿親父な熊徹と素直じゃない九太が関係性を築いていくところがベタながらもいいですね。

それでもラストの結末は、ああなっちゃって良かったのだろうかと思わないでも無かったですが、まあ当人達的にはあれで幸せなんですかね。
九太が将来寿命を迎えたら付喪神(心の剣)になってる熊徹はどうなるんだろうとか思わないでも無いですが。

一郎彦があの帽子を被ってるのは当初から違和感を感じてましたが、素直に「ああいうこと」だったんですね。
なんというか、バケモノよりよっぽどバケモノ的なことが出来ちゃうのだなあ。

クライマックスの「鯨」が暴れての大惨事で、あれで死者が出ていないというのはビックリでした。
御都合な気もしますけど、一郎彦にそこまでの罪を被せたくなかったわけですかね。(製作者的に)

それにしても、細田作品のヒロインは得体のしれない相手にすぐ惚れますな。
おおかみこどもを見た後だとヒロインの将来が少し不安になったりもしますが、まあ本作の場合は割と前途は明るそうです。「お呼ばれ」して来ちゃっているあたりは微笑ましかったですよ。

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■パコダテ人(前田哲監督)(2002/07/07)

函館を舞台に、ある日突然しっぽが生えた女の子の話。
最初からラストシーンまで見事なまでに先が読める展開がある意味微笑ましいかもしれない(^^;
でもクライマックスのオチは笑っちゃえました。

テレビドラマでもよかったんでないかい、という気分も少々。
終盤が冗長で、あと10分削るべきだった気もします。

マスコミに踊らされる人々のバカさ加減が見ていてちょっと痛いです。
前半のそれは笑えるけど、後半のそれは、かなりうんざりします。
実際あそこまで世間はバカなもんじゃなかろう・・・と思いたいけど、
絶対と言い切れないあたりが恐いかも知れません。

もう一人のパコダテ人の話と主人公の話は、もう少し接点があった方が面白かったんじゃなかろうか?

北海道は行きましたが函館には行ったことがありません。
一度行ってみたいですな。

http://www.msec.ne.jp/preview/pakodatejin/

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■パシフィック・リム(ギレルモ・デル・トロ監督)(2013/8/14)

巨大ロボVS巨大怪獣なプロレスアクション映画です。ハリウッド映画ですが日本の巨大ロボ物に毒されまくった内容を本気で映像化してしまう馬鹿っぷりが最高ですな。
ストーリーについては、正直ロボアクションを実現させる状況を整えるためだけの最低限のもので特に言うことは無いですが、真面目に馬鹿をやるって素晴らしいと思いました。
以下箇条書きで。

・コクピットはモビルトレースシステム的なものですが、GガンダムやダイモスやジャンボーグA等で疑問だった「パイロットの足元」の処理が面白かったです。
「コクピット内でパイロットがちゃんと歩いたり走ったり出来る」システムになってるのが良ですよ。長時間操縦してるとかなり疲れそうですが。
・更にコクピットは「2人で操縦」するわけですが、とてもエヴァのシンクロ回と言うかラブラブ天驚拳でした(笑)

・巨大怪獣に対して「防護壁」で対抗しようとするも、進撃の超大型怪獣にあっさり破壊される役立たずっぷりが泣かせます(笑)

・各国のロボが出てきますが、メインはアメリカと、後はオーストラリアが少々でした。中国の三本腕とロシアの噛ませっぷりが泣かせます。
・日本ロボのガンキャノン…じゃないコヨーテ・タンゴはどこで出てたのかがよく分からなかったですが、回想でチョロっと出てたのがそうなんですかね。(事前にデザインをちゃんと確認してなかったもので)

・武器がロケットパンチにアームパンチにガリアンソードにシャイニングフィンガー(違)て…(笑)
・タンカーソードに笑いました。

・街中や海での戦闘シーンは迫力がありましたが、割と暗い場面が多いので「怪獣」の全貌が分かり難いのが少し残念です。不気味さは悪くないんですけどね。
・街中の戦闘では、怪獣の被害もだけどロボに殺されてる人も結構いそうですよ(^^;)、車とか潰しまくってるし。

・作中での時間の経過はきっちりとは分かりませんが、高高度から落下して、割とすぐに最終決戦に向かってるけど、なんという頑丈さか(^^;

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■パシフィック・リム: アップライジング(スティーヴン・S・デナイト監督)(2018/4/25)

巨大ロボVS巨大怪獣の戦いを描いた映画の第二弾。前作が2013年だったのでもう5年経ってたんですね。
前作はかなり楽しめましたが、今作は、ロボ描写は悪くなかったのですけど、どうもストーリー的にもキャラクター的にもバトル的にも薄味で物足りなさを感じて、印象が弱い作品になっていた気がします。
やっぱり怪獣とのバトルがクライマックスしか無かったり、ロボのスタイリッシュ度が上がってケレン味が下がっていたり、前作からのキャラがマコと博士達くらいだったり、若手パイロット達のキャラが薄かったりする辺りが原因かなと。
後はラストがいかにも続きがありそうな形で終わってるのもそうでしょうか。

以下ややネタバレで。

・ユニコーンガンダム(立像)登場には笑いました。どうせなら動いて欲しかった…と思ったけど、それをやったら別の映画になりますね。(レディ・プレイヤー1は面白いみたいですね)
・右手にロケットを付けて飛んでいく辺りがとてもフォーゼです。
・ガンダムハンマーはいいね。
・最終決戦の場は日本でしたけど、日本感が全く感じられなさすぎで困ります。
・スクラッパーはボスボロット味を感じていいですね。
・スクラッパーの活躍を観た後で、ガンゲイル・オンラインで「しゃがんで丸まって坂道を転がってみてくれ」を見て笑いました。
・無人機の暴走はお約束ですねえ。

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■バタフライ・エフェクト(エリック・ブレス&J・マッキー・グラバー監督)(2005/05/24)

“バタフライ効果”とは、今日北京で蝶が羽ばたくと、その影響で1ヶ月後にはニューヨークで嵐が起きる事もあるという、
些細な事象が予測不能の未来を産み得るという意味のカオス理論です。


過去につけた「日記」を介して“自分の過去の行動を修正出来る能力”に目覚めた青年エヴァン。
自殺した幼なじみの女性を助けようとエヴァンは自分の過去に干渉するが、
それによって“現在”の彼や周囲の人々の人生には思いも寄らない激変が起きる。
運命の偶然に翻弄され、彼は何度も過去を書き換えねばならない羽目に陥っていく・・


SFと言うか、ゲームブック若しくは行動選択型のアドベンチャーゲームのような設定ですが、
よく練られた構成で複雑に組み立てられた運命の見せ方が面白く、全編に高い緊張感が持続して、非常にスリリングに楽しめた映画でした。
入り組んだ構成に常に頭を使わされる作品で、観客としても記憶力が試されますが、
重要なシーンは結構印象的に描かれているのでそれ程には苦労しないかと思います。
えーと、少なくともロング・エンゲージメントと比べれば遙かに理解はラクです(笑)(何と比べてるのやら^^;)

主人公の過去への干渉によって、主人公の立ち位置も周囲の人々との人間関係ばかりかその人の性格までどんどん変わっていくのが面白いです。
人の性格って確かに環境の影響が大きいよなあと納得。
パンクなルームメイトは良い味でした。後半出番がないのが残念ですが(^^;
人との出会いや関係や進路といったものは、ほんのちょっとした偶然で全然変わってしまう物なのですよね。
ですから人との出会いは一期一会と言ったりする訳で、その辺の認識をあらためて思い起こさせられました。

ハラハラ見られる面白い映画ですが、ただ、
主人公への感情移入はちょっとし難かったです(^^;
何故ってこの主人公、あまりに言動に他人への配慮が欠けると言うか、行動が思いつきと言うか、
やり方が乱暴で根本的に短絡的と言うか・・・(ネタバレですが、1回目のやり直しでヒロインの兄を殺すまでやっちゃったのも、
4回目で彼女をダイナマイトでふき飛ばす羽目
になったのも本人の浅慮が原因ですし)
正直困った奴だとは思いました(苦笑)
そもそもトラウマになっているだろうと容易に想像出来そうな幼児期の体験のことをヒロイン本人に聞きだそうとする事自体が浅はかすぎますしねえ(^^;

楽しんで見れたのですが、同時に「もうちょっと考えて行動せいや」とのツッコミ心もかなり刺激される映画でありました(笑)、
もっともそんなことを言ってると映画が成り立ちませんけどね(^^;

この映画が始まる前に「逆境ナイン」の宣伝があって、地面から巨大な『自業自得』の文字が迫り上がってくるシーンがあったのですが、
主人公がミスをするたびにその映像が脳内で流れて困りました(^^;

特に印象的だったのは“1回目のやり直し”の時のことで、
一見成功した幸福な人生に見えましたが、クラブへの参加希望者(?、この辺ちょっと分かり難かったですが)への態度を見ていると、
主人公はこの時点でかなり嫌な奴になっていたのではないかと。
元来の性格がそうなのか、この人生独自の影響を受けての性格なのかは分かりませんが、
その後の兄貴殺しが仮に無かったとしても、彼女共々幸せな人生を送れたかどうかは疑問に思えました。

主人公がヒロインを助けようとしたのも「罪悪感」からのようにも思えて、「愛」だったかは疑わしくも思えたりもして・・、
少なくとも最初の時点ではですが。

もっとも、彼の人間性に救いがない訳ではなくて、単に最初は世間知らずなだっただけとも思えはします。
何のかんの言いつつ3回目以降は我が身の幸福よりも友達、彼女、母親という『他者』の為に運命に挑んでいったわけで、
この体験を通して彼も精神的に成長していったのかなあと思いました。

ラストは、私としてはあのラスト故に名作になったと思いました。
彼女の幸せの為にあえて縁を切るというのはやはり泣かされます。
公開版ではない「ディレクターズカット版」だとラストが違うとか。ざっとした内容だけはネットで見ましたが、気になります。

ところで、野暮を承知で考えてしまいますが、主人公が歴史を変えた後の世界はどうなるんでしょう。
主人公の身体はそこに残って彼の意識だけが消えて、他の人々の人生は続行してるんでしょうか?
(パラレルワールドとして彼が歴史を変えた分だけ世界も増えていくと考えるべき気がしますが)
主人公の意識だけが消えちゃってるとしたら・・・残された周りはかなり迷惑だなあ(^^;;(特にカルロスくん)

http://www.butterflyeffect.jp/

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■8人の女たち(フランソワ・オゾン監督)(2002/12/24)

話の大部分が一軒の屋敷の中で展開し、時折に歌と踊りが組み込まれた
フランスの映画です。
なかなか面白かったです。

★(以下、基本設定のネタばれ少々)

複数の女たちと1人の男主人が暮らす屋敷で、
クリスマスを控えた冬の日、男主人マルセルが何者かに殺されてしまいます。
屋敷に集まった8人の女たち、
マルセルの妻、
その妻の足の悪い母親、
留学先から帰省してきたマルセルの長女、
ボーイッシュなマルセルの次女、
オールドミスな妻の妹、
黒人の屋敷の家政婦、
怪しい色香の屋敷のメイド、(ところでメイドと家政婦って違うんでしょうか^^;?)
そして元ストリッパーのマルセルの妹。

雪に閉ざされ外部と断絶した屋敷の中で、
マルセルの死をきっかけに女たちがそれぞれ持っていた秘密が明らかになっていき、
一見普通だった家庭の姿と、女たちそれぞれの関係はどんどん変化していきます。
果たして犯人は女たちの中の誰かなのでしょうか?・・・

一見ミステリー作品のようですが、実のところ謎解きはさほど重要ではありません。
女たちのそれぞれの秘密とやりとりの描き方が面白く、この映画のキモです。
後味がいいとは言えませんが、おかしさとやるせなさ(しょーがなさ)がうまい具合に混在した作品で、結構好きです。

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■ハチミツとクローバー(高田雅博監督)(2006/08/10)

美大を舞台に、それぞれが一方通行の恋をする5人の学生達を描いた青春群像劇です。

原作は羽海野チカ氏による少女漫画で、アニメになる前から好きで思い入れがあった事もあり、
実写化には正直あまり期待出来してませんでしたが、
見てみると、映画として案外悪くなかったと思います。自分的には割と好感を持って見られました。

原作よりも現実的な美大生らしく、汚く、泥臭く、格好悪く、人間くさい方面に各要素が強調されていて、
キャラクターもストーリーも原作とはかなり違っていますが、2時間の一本の映画としてなかなか上手い具合に原作を材料に再構築してまとめていたかと思います。
(それでも妻には不満だったようですので、本当に原作の雰囲気を期待する人には不向きかも知れませんが)
終盤は冗長になった気もしますが、甘酸っぱく“痛い”青春映画としては良作だったかと。

以下は箇条書きで雑感など。

・才能ある者同士の通じ合う世界に入れない竹本の凡人っぷりが、原作以上に強調されていて非情に痛々しい(^^;
・真山のストーカーっぷりは実写で見るとホントにヤバいよこいつ、と思いました(笑)
・花本先生が「はぐ離れ」出来てるのが印象的(笑)
・はぐの“不思議ちゃんぽさ”は割といい感じで表現出来ていたと思います。実写でああいう雰囲気のキャラを再現するのはかなり難しいだろうと思ったいたので嬉しい誤算。 ただ、その“浮世離れした雰囲気”を出すための演出方法がもっぱら「セリフを喋らせない」(喋っている部分を撮らない)方法に頼っているのが、ちょっと安易だった気もします。
・「ニャンざぶろう」は完璧でした(ローマイヤ先輩じゃないけど)、ノリの良い動きも素晴らしい(笑)
・出てくる美術作品が「凄い」のかどうか今一ピンと来ませんでした。漫画や映画などの作中で「凄い」とされるものを、観客にもちゃんと「凄いもの」として表現するのは難しいわけですが。

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★えいが道「ハチミツとクローバー」を見る

★漫画最終巻感想

★アニメ版最終回感想

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■ハッカビーズ(デビッド・O・ラッセル監督)(2005/09/22)

次々チェーン店を広げる大手スーパー“ハッカビーズ”のエリート社員ブラッドに対抗心を燃やした自然保護運動の青年活動家のアルバート。
彼はブラッドに立ち向かう為に、敵を知るにはまず己からと、探偵夫婦に「自分」の調査を依頼する。
だが探偵夫婦は普通の探偵では無かった。彼等は「存在意義を追求すること」を職務とした「哲学探偵」だったのだ。
哲学探偵はアルバートの迷惑も無視して、自宅や仕事場に押し掛けてアルバートを観察し始めるのだった・・・


というあらすじ紹介では訳が分からないと思いますが、実際よく分からない映画です。
予告を見た時点での印象では、『大手スーパーの進出に際して、進出側のエリート社員や進出反対派の活動家が、
何故か活動家の内面を調査したりしながらドタバタしたりするコメディ』かと思っていました。
で、実際のところは、いい年した大人達が思春期の若い人が悩みそうな、何を今更と言うような「哲学的命題」に取り付かれてつつ、
現実生活を送れなくなる程おかしくなっていく話というか何というか、
「コメディ」として、娯楽映画として楽しめる要素は殆ど無く、ひたすら「哲学」を繰り広げる自分探し映画でありました。
かと言ってそれ程深い映画とも皮肉が効いた作品とも言い難く。(少なくとも私の受信能力では)

・・・・・・・・・・・正直辛かったです。
・・・・・・・・・・・物凄く眠かった・・・・。映画でここまで眠いと思ったのは久しぶりでした;
なんとか意識は飛ばさずに見ましたが。
評判が悪いのは分かっていたのですが、予告が何となく面白そうだったのでつい行ってしまいました。

ダスティン・ホフマンやらナオミ・ワッツやらジュード・ロウやらキャストは妙に豪華でしたが、
やってる内容は大人の変態中学生日記とでも言いましょうか;

まあ、映画が駄目なのか自分の感性が駄目なのかは何とも言えませんが、
自分には合わない映画でした。

http://www.huckabees.jp/

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■初恋(塙幸成監督)(2006/07/27)

『三億円事件(1968年)の実行犯は女子高生だった!』との宣伝が面白そうに思えて行きましたが、私的にはイマイチだったかと。
“事件の謎”を追った映画と言うよりは、孤独な女子高生がワルとつるむようになって仲間の安らぎと悪さと恋を覚えていく過程を淡々と淡々と描いた映画でした。
“タイトルに偽り無し”ではあります。

それならそれでもいいのですが、
女子高生(宮崎あおい)を撮ることに比重が寄りすぎで、それ以外の要素の印象がとても薄いです。
ワル仲間の描写も浅く、(私が人の顔を覚えるのが苦手なせいもありますが)メンバー全員の顔とキャラを把握仕切る事が最後まで出来ませんでした。
“兄”や、“事件の首謀者の男”でさえ、あまり印象に残っていません。
ヒロインのプロモーションビデオのように思えましたが、そのヒロインにもあまり感情移入は出来なかったりして。(どう言ったところで犯罪者ですし)
うーむ。

展開も“事件”の描写が始まるまでは、とにかく起伏に乏しく、正直言って中盤はとても眠かったです。前の席の人も完全に寝オチしておられました(苦笑)
展開が緩やかでも退屈しない映画は沢山あるのですが、コレは少なくとも自分的には駄目でした。
まあ、前日に無茶苦茶テンポのいい『時をかける少女』を見てしまったが為に、よけいこちらのテンポを悪く感じてしまったのかも知れませんが(^^;
“事件”が始まって以後はさすがに面白くなってきますが、それまでがあまりに冗長で長く、“事件後”の展開もまた長いため、114分の上映時間が大変長く感じられた映画でした。

1960年代の時代描写の再現もテーマのようですので、当時の状況・空気をよく知る人は楽しめるかも知れません。
(私は事件当時生まれていなかったので、三億円事件自体も大して詳しいわけではありません)

三億円事件の『状況の再現』や『盗まれた三億円が現在まで使われていない謎』や『証拠品が多く残されていたのに実行犯が特定されていない謎』に対しては、それなりに“なるほど”と思えるようには描かれていたと思います。
が、それでも『“白バイの男”は実は女の子だった!』というのは、流石に無理がありまくりと思いますけどね(^^;(いくらなんでも声で分かるだろ)

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■バットマン ビギンズ(クリストファー・ノーラン監督)(2005/06/28)

幼少時に自分が原因で両親が殺害されたと苦悩するブルース・ウェインは、放浪の末に謎の男デュカードの元で修行を受けて自分を取り戻す。
故郷である荒んだ街ゴッサムシティに戻った彼はバットマンとして悪との戦いを始める。


バットマン誕生話です。
過去に作られたシリーズの言わば“エピソード1”にあたる話ですが、
ダークさと哀愁を押し出したティム・バートン版の1、2作目とはかなり違ったテイストで
(ジョエル・シューマッカー版の3、4作目については未見なので言及できません)、
一応この話の後に1作目に繋がっていくのだなと分かる作りにはなっていますが、別の映画として割り切って楽しめる良い映画かと思いました。
悲劇を乗り越えてのヒーロー誕生話として実にまっとうに渋く格好良く面白かったです。
ティム・バートン版は好きですが、これはこれで“この流れ”での続きを見てみたい気持ちにもなります。今後があるのかは分かりませんが(^^;

なぜ彼は戦いを始めたのか、なぜコウモリの姿なのかといった謎が、
彼自身の恐怖やトラウマに根ざした理由付けがストーリーに絡めて上手く語られていて見応えがありました。
修行シーンや師弟関係も面白かったです。詳細は言えませんが(^^;
ジェダイの修行シーンを連想したりしましたけど(笑)、見てる間は気付いてなかったのですが師匠は本当にジェダイマスターじゃないですか。まいりました(笑)

原色を排除した今回のコスチュームや、無骨すぎるほど無骨なバットモービルが実に格好良かったです。
今回のバットマンのデザインって、“悪人に恐怖を与える”という思想もあって「恐さ」が強調されているのですね。
声もバットマン時は渋く恐いとすら言える声でしたし。
ただ、闇夜の中で翼を広げて飛ぶバットマンの姿は、島の悪人以外の人々にも恐怖を与えてしまったのではないかとも思いました(笑)
ところでバットマンは口にはマスクをしてないのに、何故声も変わるんでしょう。ヘリウムでも吸っているんでしょか(それじゃ高くなるって)
バットモービルは強引な力押しっぷりが素敵でした。運転したいとも乗せて欲しいとも思いませんけどね(笑)

ところでバットマン2作目での「キャットウーマン」や、「スパイダーマン」やもそうでしたが、アメコミヒーローってコスチュームを手作りするんですよねえ。
このあたりのヒーローになる準備期間の描写がなかなか楽しかったです。
もっともキャットウーマンやスパイダーマンに比べて、予算は使い放題だわ、執事は手伝ってくれるわなのは流石に億万長者で、
スパイダーマンの貧窮っぷりを思うと思わず涙が・・(笑)

バットマンは「デアデビル」と見た目の印象も親を亡くしたという過去も被るのですが、バットマンの豪快な金使いっぷりを見ていると、
自動的にデアデビルの質素可哀想ぶりも思い出してしまって、やはり涙が(ノД`)・・(笑)

金はともかく、あんなに尽くしてくれる執事はいいですね。
ブルースとの信頼感はグッと来ました。うちにも来て欲しいですよ(笑)
お菓子を作ってもらったり漫画に消しゴムをかけてもらったりベタやトーンを(略)(執事の仕事じゃありません)

蛇足ですが、
これまで一般人だった人間が、特に「ヒーロー」が認知されていない世界の中でヒーローになっていく物語を見ていて、
これがヒーローデビューに失敗すると「アンブレイカブル」になっちゃうんだなーと思いました(笑)

ところで最後に、劇中には福知山線事故を思い出す描写があって、結構状況が被ってきつい部分もありました。時期的には映画の方が間違いなく前なのですが、
「交渉人真下正義」といい、タイミングが悪いです;

http://www.jp.warnerbros.com/batmanbegins/

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■ハッピーフライト(矢口史靖監督)(2008/11/24)

『ウォーターボーイズ』『スウィングガールズ』の矢口監督作品で、
男子シンクロ・女学生ジャズに続いて今回は航空業界で働く人々を描いた作品になっています。

とある日のホノルル行きのチャーター便のフライトを軸に、それに関わる様々な職業…
操縦士、副操縦士、キャビンアテンダント、グランドスタッフ、管制官、ディスパッチャー、整備士、バードパトロールといった各種の仕事に関わる多数の人々に、乗客や飛行機マニアまでを絡めて描いた群像劇的な作品です。
ただしストーリーを語る映画というよりはそれぞれの職種や航空業界のディテールを面白く見せることに特化した映画で、
ある意味『劇場版はたらくおじさん航空編(コメディ風味)』とでも言うべき作品かも知れません。
飛行機好きの人には必見の映画ではないかと思いました。

かなりの大人数の動きを追いながらも、それぞれの仕事の内容を業界に詳しくない人にも分かり易く描きながら、それぞれのシーンを有機的に上手く繋いで、観客を混乱させることなく一本の作品にまとめあげる手腕はさすがだったかと。

ただ、本作もこれまでのウォーターボーイズ等と同等の手法で作られているコメディ作品なので、
ハッキリ言って登場人物が結構痛い人が多いです。
これまでは学生が主役だったので、まだ多少の痛さも御愛敬でしたが、大人キャラでああいう"抜けすぎ"なプロ意識に欠けたボケを繰り広げられるとかなり痛くて、正直序盤〜中盤にかけては少しイラっと来る場面もありました。
後半はそれぞれにいい見せ場もあって(お約束ですけど)スッキリした気分で劇場を出られましたけど、
序〜中盤を見る限りは、『飛行機乗りたくねーー』 という気分になってしまうんですけど、いいのかANA(笑)
(本作はANAのタイアップ映画です)

ありえない事件が重なりまくったりしますが、その辺はこの手の映画&この監督のお約束なので、そういうものです(笑)

何人かの主要女性キャラが仕事を始めると「同じような髪型」になってしまうので、最初は各人の見分けがつくか心配でしたが、各人の持ち場(職種)が異なるので見ていれば混乱はしませんでした。
人間ドラマ的な面はあまり描写されていないので物足りないと思う人もいそうですが、自分的には十分楽しめました。よく出来た映画です。

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■バーティカル・リミット(2000/12/11)

昔、クリフハンガーを見たとき、私はかなり失望しちゃったものでした。
と言うのも、『人間 VS 山(自然)』の戦いの物語を期待して行っちゃってたんですよね。
・・・で、あの映画は結局『人間(スタローン) VS 人間(テロリスト)』の戦いを、
舞台を山にして撮っただけの作品でしか無かったわけで、(ちょっと暴言、ファンにはすんまへん)
私的には随分、勝手にがっかりしちゃった訳でした。

そういう意味では、バーティカル・リミットは、結構見たかった物が見れた映画ではありました。

ただ、(★★★以下ネタばれ★★★)
妹さえ助かりゃハッピーエンドなんかい、とか
ラストの「あの」2人は死ななくてもよかったんでねーの(一旦助ける事になっときながら)、とか
不満はありますけどねー

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■ハート・オブ・ウーマン(2001/02/19)

★★★ネタばれです★★★
メル・ギブソン演じる、広告代理店の腕利きディレクター“ニック”、
有能で社交的(オヤジギャグだけど)、
男が掘れる男、男の中の男と自他共に認めるナイスガイ(ジャイアニズム)な彼だったが、
彼には女性に対するデリカシーとゆーか、思いやりが一切欠けていた。
昇進間近と思われていた彼、だがしかし、
彼が座るはずだったポストには他社から引き抜かれた有能『女性』ディレクター
“ダーシー”(ヘレン・ハント)が付くことになってしまう。
社長曰く「今の社会の購買層は女性だ。君は女にはなれまい」
女が上司になるわ、女性向け製品を扱うはめになるわで腐るニック。
(それでも彼なりに女性の気持ちになってみようと努力するところはえらい。)

そんな彼が、突然「女性の心の声が聞こえるようになってしまう。」(なんとプードルの雌の声まで)
この能力は彼に何をもたらすのか? 彼をどう変えていくのか…

という映画ですが
メル・ギブソンがすごくいい味を出してます。
フランク・シナトラの曲にのってダンスする彼、能力を前向きに生かすことに気づく彼、
利用しようと近づいた女上司“ダーシー”の本当の心に触れ、自分がやっていることに気付かされていく彼、
皆実に生き生きと描かれています。

話だけ聞くと、ちょっと鼻につくフェミニズム映画かも、と思えそうですが、
男だ女だと大上段に構えた作品ではなく、
素直に「人との関係を見つめ直してみようか」という気持ちにさせてくれる、気持ちいい映画でした。
でも前半のニックを見て、程度の差はあれ身につまされる人って多そう。

こんな能力があっても実際こうなるとは思えないし、詰めも甘いし、
話のバランスが悪いとも思うけど、好きな映画です。

追記:複数の女性が抱える問題を解決していく所を見てると、「ギャルゲーみたい」と思ってしまった。
(やったのは「さくら大戦」くらいですが)

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■バトルシップ(ピーター・バーグ監督)(2012/5/1)

宇宙人の侵略に米軍が立ち向かって勝利する、いわゆるインデペンデンス・デイ的アメリカ最強ヒャッハー!なバカ映画ですが、今回はリムパック(環太平洋合同軍事演習)最中での事態により日本の自衛隊とも協力して戦う事になるところがちょっと珍しいところでした。

宇宙人のバリアにより海域が限定された中で、宇宙船4隻を相手にアメリカの駆逐艦2隻+自衛隊の護衛艦1隻だけで、しかもレーダーを制限された非常に限定的な状況下で戦う事になるところが面白かったです。
(まあ…実際のところメイン戦力は駆逐艦1隻なんですけどね)(後々には状況も変わるし)

何故こんな限定的な状況での戦いなのかと言うと、そもそも海戦ゲームが元ネタなんですね。
ちなみにこういうもの→ その1その2
詳細は忘れていましたが、確かに学生時代に遊んだ覚えはあります。

レーダーを潰されての目隠し状態で敵位置を探りながら戦うことになるのもゲームを反映していたわけで、このあたりはニヤリとしました。
ゲームを知らなくても、苦境をアイデアで乗り越えていくあたりは普通に映画としても熱いかと思います。

ネタバレですが、最後に骨董品的な代物を持ちだして老兵が活躍する展開も、有りがちではありますが燃えました。

そんなわけで戦闘物としては深く考える必要の無い体育会系映画で楽しかったですが、冒頭の主人公の馬鹿さは筆舌に尽くしがたかったかと。
ほとんど…もとい完全に犯罪者の所業でしたが、よくあれでヒロインは付き合う気になったものだと実に不思議です。

公式サイト

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■バトル・ロワイヤル(2001/01/05)

以前、原作については取り上げましたが、今回は映画版です。
中学生1クラスが無人島で殺し合いゲームをさせられる話ですが、
少年犯罪が多発する現状を強く意識した映画として仕上げた事。
担当教師役(キタノ)にビートたけしを起用し、大人の視点を入れた事。
・・・の2点の変更(特に後者)によって完全に別テーマの話になっています。

これら新しい設定のおかげでいろいろと矛盾点、納得いかない点が増えてしまってる気もしますが、
まあ、その辺は気にしないことにします。
とにかくも、よく2時間でまとめたもんだ。

とりあえず不満点、
なんでラストは梅田じゃないんだ?

★小説「バトル・ロワイヤル」の感想
★えいが道「バトル・ロワイヤル」

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■バトル・ロワイヤルII(深作健太監督)(2003/07/19)

今回の七原秋也を見て魔界転生(平山監督版)の天草四郎を思い出してしまいました。

バトルロワイヤルの続編です。
あらすじについては割愛しますが、
・・・・・しょーーーーーじき、
映画として辛いです。

深作欣二監督が最後まで作られていたら、同じ話の流れだったとしても全く違った映画になったのだろうなあと、
見ながら考えてしまっていました。
私、元々それほど深作監督への思い入れがあった訳ではないですし、健太監督にも特に良くも悪くも思っていなかったのですが、
それでも、そのように思えてしまいました。

テーマ自体の是非はまた別として、
テーマを人物の長セリフで延々語らせるというのは映画としてどうかと。
そういうものは映像・展開の中で観客の心に訴えていくべきものではないですか?
語る言葉にしても、今更言わずもがなの事ばかり・・・。辛い。

ファーストシーンは衝撃的でした。
(予告で出ているシーンですが(^^;)

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■パニックルーム(デビット・フィンチャー監督)(2002/05/27)

監督は「セブン」や「ファイトクラブ」の人です。
以下★★ネタバレ注意〜〜〜★★

さて、
オープニングが格好良かったです。
格好良かったのですが・・・、クレジットが読み取りづらかった(^^;
あれが日本語だったらサクサク読めたのかなあ?

見る前は私、何かの組織の陰謀物か、お化け屋敷物なのかと思っていました。
実際はただの(失礼)押し入り強盗一夜の攻防物でそれ以上のものでは全くありません。

それなりに楽しめましたが、正直・・・展開がありきたりで底が浅くて物足りなかったように思います。
それぞれの登場人物の役割と結末と先の展開が実に読みやすい映画でした。(^^;
(強盗たちが馬鹿っぷりはリアリティがあるんだか無いんだか・・・、「なんだかなー」という気分でした)
ラストもすっきりしないなあ。

とにかくつっこみどころの多い映画でしたので、何人かで見て後で話を楽しむにはうってつけかも知れません。

パニックルームというのは、「強盗などに押し入られたときに逃げ込む隠し部屋」のことだそうです。
アメリカでは結構メジャーなものらしいですが、知りませんでした。
(原題が同じかどうか知りませんが)アメリカ人は「おばけ屋敷映画」と勘違いしたりしないんだろうなー(^^;

主役(強盗に入られる家の母親)はジョディー・フォスターですが、当初はニコール・キッドマンの予定だったそうです。
もしそうだったらかなり雰囲気が違っていただろうと興味があります。
(ジョディー・フォスターが悪いと言う意味では勿論ありません)
家の娘役のクリステン・スチュワートが上手かったです。
「あの」警察は良かったですねー。

http://www.panicroom.jp/

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■バーバー(ジョエル・コーエン監督)(2002/07/01)

コーエン兄弟の新作です。前作『オー・ブラザー』から間隔が短いなあ。
散髪屋で働く無口な男の淡々としたモノローグで語られる、皮肉なブラックユーモアに満ちた作品です。
モノクロ作品として作られているのが効果的です。(あざといくらいに(笑))

ちょっとした過ちから(まあ、どれが、誰の、最初の過ちかは何とも言えませんが)
人物達の意思に反して、どんどんとロクでもない事態に転がっていく様子が、
当事者本人のやけに客観的な口調で語られているのが何とも奇妙で、哀愁とおかしさが入り混じった妙な感想を抱いてしまいます。
大人の映画ですねえ。迷路のような人生を振り返る俯瞰感に感じるものがありました。
渋くて面白かったです。

皆が何かしら嘘をついている中で、オ●マの嘘が本当に嘘だったのだろうかと思えてしまうのがまた皮肉です。

彼は、奥さんに「言葉では表せなかった」何を言うのでしょう
ニュアンスはなんとなく感じますが言葉では難しいですねえ・・・

http://www.barber-movie.com/

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■ハプニング(M・ナイト・シャマラン監督)(2008/08/05)

"ワンアイディアツッコミ所満載トンデモ映画上等"のシャマラン監督作品。
アンブレイカブル」を見た時には『駄目だこの監督;』と思ったのでしたが、
サイン」以降はいつの間にか"(割としょーもない)ワンアイディアを思わせぶりに重々しーく重々しーく引っ張る"この人の持ち味が結構楽しくなっていたりしました。
と言っても「レディ・イン・ザ・ウォーター」は見てないんですけど。

で、本作は、ニューヨークを発端に次々と人々が自殺していく事件が広がっていくというパニック・サスペンスです。
最初はテロ攻撃が疑われますが、原因は不明のままで現象の範囲が広がっていって…、安全地帯を目指す主人公は生き延びることが出来るか?、という話。

ちなみに今作の見所は「多種多様な自殺映像」
これまでのシャマラン作品は割と"直接的な描写"は避けてきていましたが(予算の問題だったのかも知れないけど"大事なところを見せない"演出が多かった)、今作ではバンバン残酷な自殺描写が描かれます。まあ、やっぱり予算はかかって無さそうだし、大事なところである『事件の原因』の描写はやっぱりボカされるんですけど、映像的な見所を用意してあるのはこれまでの作品とは違うところかと思いました。
今作のテーマは結局"エコ"だと思うんですが、むしろこの『バリエーション豊かなシュールな自殺っぷり』こそが撮りたかったのではないかと思えたりして。(ちなみにPG-12です)

見た後の感想としては、シャマラン作品としては案外"普通のB級映画"的に面白かったです。
『一見大したことが無い(映像的にチープな)事象を思わせぶりに描く』シャマラン的作風は健在で、ツッコミ所や不自然なセリフや誘導はやっぱり多いですが、今作では『ラストの逆転オチ』も無く、割とすんなりと普通のサスペンス的映画になっていたと思います。
(「〜ウォーター」時点で逆転オチはもう無かったらしいですが)ずっと「シックスセンス」のような『逆転オチ作劇』に頼っていても監督として未来は無いですので、こうした「普通の映画」化は悪くないと思います。
その結果で今作がどれだけ評価されるか(今後も映画を作り続けられるか)はまだ分かりませんけど。

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■パプリカ(今敏監督)(2006/12/05)

原作は10年以上前に読みましたが、かなり忘れていました。
今回の映画までに読み直そうと思ったけど間に合いませんでした。ハードカバーで分厚くて持ち歩くのが辛いのですよ(^^;(今は文庫も出てますが)

筒井康隆氏原作の夢と現実が錯綜しまくる、とても『今敏監督向き』な題材でした(笑)
他人の夢に入り込む“夢探偵”のお話。
ところで映画「悪夢探偵」も公開が近いんですが、偶然ですか(^^;

映画は“アニメーションならでは”の映像表現がてんこ盛りな今敏節炸裂で楽しかったです。
原作は(たしか)心理学的な追求がもっと多かったと思いますが、そのあたりの詳細な説明はバッサリ切って、
観客がすんなり入り込みやすい『絵で見せる』『動き』主体のエンターテインメント映画として上手く再構築されていたかと思います。とてもシンプルに整理された話になっていたかと。

ただ、見終わった後の感動という意味では監督の「千年女優」や、「東京ゴッドファーザーズ」と比べると、心を揺さぶられるものは少なかったかも知れません。
ただそれは映画の出来云々ではなくて方向性の違いですので、好みの問題ですけどね。
より娯楽向きな方向を向いていると感じました。「妄想代理人」で見せたブラック風味も強かったかと。

題材からしてある意味当然ですが、えろい作品でもありました(笑)、大人向けです。

それにしても時田の太さがすごい(苦笑)
漫画的にディフォルメされつつも、実際に有り得るレベルのリアリティがある意味絶妙です(^^;

ところで、今年の筒井原作の三作品「時かけ」「日本以外全部沈没」そして「パプリカ」、
全部テアトル梅田で見てるなあ。

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■バベル(アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督)(2007/06/08)

ここ数週は休日出勤続きで映画に行けない日々が続いてましたが、ようやく代休が取れたので(今更ながら)観てきました。

まだ少々気分が疲れているので、本当はテンションが上がる映画が観たかったですが、
バベルは今週で公開が終わってしまうので仕方なし(^^;
映画は2時間超の時間(143分)を退屈する間もなく引っ張ってくれて楽しめましたが、
重い作品ですのでやっぱりテンションは下がりました(苦笑)


モロッコ、メキシコ、日本という3つの国(厳密に言えば+アメリカ)を舞台に、
"一丁の銃"で繋がった4つのエピソードを少しずつ交互に(時列をずらして)ザッピングしながら描いた群像劇です。
"バベルの塔"の伝説が示すように"言葉を分けられた"人々のコミュニケーション不全による悲劇の連鎖を描いた作品ですが、
"言葉の壁"によるものと同等以上に『想像力の欠如』による悲劇を強く感じました。
どいつもこいつも事態を"悪くする方、悪くする方"ばかりに行動してくれて、その愚かさがなかなかにストレスを溜めてくれます(^^;
同監督の「<A HREF=http://www11.big.or.jp/~denden/tare/tare05na.html#21g TARGET="_blank">21グラム</A>」に比べれば「救いの無さ」度ではマシだった気はしますけど。

このザッピング構成は「21グラム」でも使われていた手法(自分は未見ですが同監督の「アモーレス・ペロス」も同じ手法だとか)だけあって、流石に手堅く"よく出来て"いたかと思います。

ただ、4つのエピソードをまとめるために、ちょっと「話を作りすぎている」とも正直感じましたし、
「21グラムとやってることが変わらないなあ」とも思いましたし、
日本パートなどは他エピソードとの繋がりも弱くちょっと浮いているように思えたりとか、"不満点"とまでは言わないものの、少々しっくり来ない部分もあったんですけどね(^^;

しかし、「日本パートの浮き具合」などは、作品内でのエピソード毎のバラエティ感等には一役買っていましたし、それはそれで悪くはなかった気もします。

以下、少々ネタバレ(注意のこと)

育てた子に「悪い人なの?」と言われるのは辛かろうなあと。
あのくらいの年齢の子だと、警察は知人以上に"無条件で正しい物"かも知れないなあ…

親子で行くと気まずい映画だろうと思いました。
あんなにもろにでるとは;

噂になっていた『ポケモンショック』のディスコシーンは確かに点滅が激しすぎで、気分が悪くなる人も出るかも無理はないでしょうねえ。
観る側の自衛心も大事だと思いますが(^^;

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■ハムナプトラ(1999/08/22)

以前に学校の階段4の事を書いたとき、ハムナプトラのことは後日…と言いながら
ずるずると書いておりませんでした。
なんか、あちこちで書かれてる感想と大差無いことしか言えそうに無い物で、

復活したミイラの呪い話なのですが、かなり脳天気なアクション映画です。
ヒロインの兄貴が実にいい性格で、大好きです。

ところで、10の災害が起きるはずだったけど、6〜7しか分からなかったなあ

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■ハムナプトラ2(スティーブン・ソマーズ監督)(2001/07/01)

悪くは無かったけど、ちと物足りない。

★★★以下ややネタばれ★★★
何が物足りなかったんだろう、っていうと

1.悪役の魅力
前作から引き続いて登場のイムホテップは例によってやたら人間くさい
味のある敵役なんだけど、今回のもう一方の敵役、スコーピオンキングが
単なるラスボス以上の物でなくて残念。

2.2大怪獣大決戦
ってな展開を期待していたんだけど、
イムホテップが哀れすぎるっす。 まああれはあれで味があったけど。 

3.ボケが足りない
ヒロインの兄ちゃんには前作以上のボケを期待してたのだが、ちょっとまともに活躍過ぎ、
前半のバスの辺りはよかったけどねえ

ホント悪くはないんだけど、ちと期待しすぎたかも

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■パリの確率(2001/02/04)

フランス映画です。
ちなみにR15

20世紀最後の大晦日の夜。
パーティー会場のトイレから何故か2070年の世界にたどり着いた主人公が
未来の自分の息子(70歳:ジャン=ポール・ベルモント)から
「自分を生んでくれ」と迫られる話です。

無秩序に様々な人々が描かれるように見えましたが、それぞれの人物が
結構テーマを反映してることに気づいて面白かったっす。

未来のパリの世界が砂漠に覆われた砂だらけの世界で、
よく映画で描かれる、バラ色の未来でも、暗黒の未来でもない。
等身大の、足に地が付いた世界のように描かれていて、好感が持てます。

私たちから見たら未来でも、その世界では日常だもんねえ。

映画はSF考証なんかどーでもいーや的に描かれていますが、そーいう映画だからオッケーです。

小学生の頃、ドラえもんを見て、机に足をつっこんだなあと思い出しながら見てました。

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■ハリー・ポッターと賢者の石(2002/01/03)

少々遅れましたがやっとこさ見ました。
私は原作を読んでから見ましたので、
やはりあのシーンが足りないというような不満はいくらかあるのですが、
それでも一本の映画としてはなかなか地に足を着いて、派手すぎず地味すぎず、
上手くまとめていたのでは無いかと思います。
面白かったですよ。

異質の世界観と空気を堪能できましたので、なかなか満足でした。
雪の校庭を白フクロウのヘドウィグを連れたハリーが歩くシーンなどは澄んだ空気が感じられて好きでした。

「鏡」にまつわるシーンの深さや(夢に溺れるなかれ)、
チェスのシーンのロンの男気、クィディッチの試合も堪能でした。

ただ、やはり外して欲しくなかったシーンはいくつかありました。
特にラストのダンブルドア先生とハリーの会話では
語るべきだったいくつかの事が飛ばされてしまっていて残念です。
スネイプのことや「例のあの人」のことはもっとつっこんで欲しかったなあ。

http://harrypotter.jp.warnerbros.com/web/home.jsp
★小説「ハリー・ポッターと賢者の石」の感想

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■ハリー・ポッターと秘密の部屋(クリス・コロンバス監督)(2002/12/02)

素直に楽しめました。面白かったです。
基本的な説明は一作目ですんでいるので話自体を追えて見やすかったと思います。
その分、原作を知らない人や、原作も前作も見ていない人が理解できたかどうかは、
原作を読んでいる身としてはちょっと判断出来ません。
(と言いつつ、私も原作の内容を結構忘れていて、「あーこうだったっけ〜」とか思いつつ見てたりしましたが(^^;
 正直原作でも「秘密の部屋」はやや印象が薄いです。「アズカバン」「ゴブレット」は印象が強いんですけどねー)

今回、脇のキャラクターを描く余裕が出たのか、色々なキャラクターの魅力が描かれていたようで良かったと思います。
ルシウス・マルフォイ親父はいい味でした。

その一方で、もう少し強調して描くべきではないかと思われるところがサラっと流されてしまっているようにも見えて、
ややメリハリに欠ける気もしないでもありません。
先に脇のキャラクターが描かれている、と言いましたが、それに対してもっとしっかり描写すべき重要人物の描写が足りないように見えます。

具体的にはジニー、リドル、そしてハリーです。
今回の物語の中でもかなり重要人物であるはずの3人が、どうも印象が薄いのです。
ハリーについては主役ですから出番はそりゃもう、最初から最後まで出ずっぱりなのですが、
その割にハリーの「内面」が見えるシーンって、意外と少ないのですね。
だからいかにもなヒーロー的に見えてしまう。
●語に纏わる話などで自分の存在に悩む面をもっと描くべきだったと思います。

クィディッチのシーン、もう少し長さを詰めるべき気もしましたが、迫力があって面白かったです。

しかしエマ・ワトソンは可愛いですな。
猫は残念でした(笑)、まあ、ああなると思いましたが(^^;

今回、3人組がかなり大人びていてちょっと驚きでした。
元々の話からして1年ごとの話なので問題ないとは思いますが、
子供の一年って驚くほど変わりますな。

http://harrypotter.warnerbros.com/home.html
★小説「ハリー・ポッターと秘密の部屋」の感想

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■ハリー・ポッターとアズカバンの囚人(アルフォンソ・キュアロン監督)(2004/07/13)

ハリポタ三作目。今回は監督が変わったこともあって前二作より画面の派手さが抑えられ、
ストーリー的にも少し大人びた印象と感じました。

2時間20分と、映画としては長いですが前二作よりは短く、原作を映画化するのに余分なところはバサバサ切って、かなりすっきり分かりやすくなっていました。
「原作の再現度」は下がりましたが、映画としては良かったかと思います。

原作の場合、1年間の話を順次丁寧に追っていく構成になっていて、それはそれで学園生活の物語の描写として良いと思うのですが、
映画で1年間のダイジェストをやると、話の焦点がブレがちで問題があると前二作では感じましたので、
2時間1本の映画として作るなら今回の方向性は正解だと思います。
熱心な原作ファンには不満も出るでしょうけど(^^;

今回は全編通してハリーの両親への思いが話の芯に通っていて、これまでよりも主人公に感情移入出来ました。
ただ、それを「芯」として筋を通すのであれば、次の二点がカットされたのだけは痛かったと思います。(以下ネタバレ反転)
それは“地図を誰が作ったか”と“ハリーが何故最後に強力な守護霊の術を使えたか”です。
原作ネタバレを書きますと、前者の「地図」は学生時代のルーピン、ブラック、ペティグリュー、ハリーの父の4人が作ったもので、
彼等4人に友情があった事を示す大事なエピソードですし、
後者も「何故ピンチを切り抜けられたか」の大事な説明で、かつ父との絆を示す大事なエピソード
だったのにと残念です。
少しのセリフ追加ですむ話だったのになあ。

クィディッチをバッサリ切ったのは良かったかと。全試合を描くと話の流れが途切れる気がします。

ところで、前二作を復習した訳でもないのではっきりとは言えませんが、今回はホグワーツ周りのロケーションの描写が魅力的に感じました。
学校からハグリッドの小屋への情景が印象的です。

ラストの時間トリックは楽しかったです。前日に見た『ロスト・メモリーズ』はパラドックスが微妙でしたが、こちらはスッキリしました(笑)

http://harrypotter.jp.warnerbros.com/main/homepage/intro.html

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■ハリー・ポッターと炎のゴブレット(マイク・ニューウェル監督)(2005/12/27)

ハリポタ4作目。
今回は三大学校魔法対抗試合を主軸に話が進むため、
一年間を描いてあれやこれやと枝葉が伸びるこれまでの話(特に1・2作目)よりも、話の通りがシンプルで映画として見やすかったかと思います。
魔法対抗試合などは確かに目を引いて、見ている間は間違いなく楽しめました。
ただ、その一方で、ちょっと起伏に欠けるようにも思えます。

全7作(予定)の中でのターニングポイントとして、大きく事態が動いた話・・・なのですが、
何故か見終わった後の印象は薄い映画だったと感じました。
劇的な出来事が起きたにしては、ラストシーンに緊迫感や悲壮感や決意が感じられなかったからかも知れませんし(原作でのラストのセリフも無いですし)、
クライマックス以後ラストまでが長すぎて緊張感が飛んでしまったからかも知れません。
どうも全体的に淡々としすぎてしまったと思えたのでした。
描くべきエピソードが多すぎて仕方ないのかも知れませんが(^^;

ロンとのケンカや“恋”にしても、どうも表面的に通過儀礼を描いただけに終わった気も。やさぐれロンは見応えありましたけど。
もうちょっと削るところを削って焦点を絞った方がいいんじゃないかなあ・・・って、シリーズのいつもの問題ですけどね。
冒頭のいつもの迫害描写を削ってくれたのは良かったです。
今回これまで以上に“ハリー自身が何を考えているのか”が伝わり難く思えました。原作は読んでるんですけど(^^;
何時にも増してハリーが受動的でありすぎるなあと。実は能動的には何もしてないのね;

ところであの対抗試合って、観客には何が起こってるか全然分からなくて面白くないんじゃなかろーか。
ダンブルドアでさえ、試合中に見えないところで何が起きてるのか分かってないし(^^;

http://harrypotter.warnerbros.co.jp/gobletoffire/

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■ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団(デビッド・イェーツ監督)(2007/7/17)

シリーズ5作目。原作既読。
ハリー達の年齢が上がっているのに連動して作風も大人っぽくなってきたようで、初期に比べてかなりダークな雰囲気になってきました。
かなり長い原作を、例によってかなり端折ってますが、
余分なシーンをかなり思い切って省いているので、一本の映画としては見易いものになっていたかと思います。
以下雑感を箇条書きで。

・実際のロンドンを舞台に空を飛ぶシーンはいいですね。
ファンタジーな背景でやるより新鮮味があります。
・集団戦闘シーンはジェダイっぽいですねえ。あちこちで書かれているみたいですが(^^;
オビ=ワンもヨーダもいますし(違)
・嫌なことから目を背ける大人ってのは確かに実在するでしょうが、極端すぎだよなあ…
・某人の死亡フラグが、原作未読の妻にもバレてました(^^;
 やっぱりあれですね。"仕事が片づいたら結婚するんだ"とか言っちゃ駄目ですよね。

公式サイト

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■ハリー・ポッターと謎のプリンス(デビッド・イェーツ監督)(2009/7/20)

シリーズ6作目の今回は全7作のラスト前と言うことで"クライマックスの下準備回"という感じでした。
前作では「あの人」の勢力との本格的な戦いも始まって犠牲者も出て、本作冒頭でも現実世界に被害が出て緊張感を高めますが、
その後は不穏な空気は少々影を潜めて、"恋愛ドラマ"中心になっていました。
君達もっと緊張感を持とうよ、と思わなくもなかったです。
ハリー個人については「あの人対策」に奔走したりはしていますが、他の生徒がその辺に殆ど関わらないのは少し物足りなかったかと。
前作では生徒達でダンブルドア軍団を作って戦ったりしたのになあ。

恋愛ドラマ(と言うかラブコメ)については、
主役のハリーよりもロンの印象がやたら強くて困ります。しかもウザイ方向で(^^;
この映画で一番強く印象に残った要素が何かというと『ロンとラベンダーのバカップルのウザさ』だったりして。
そこはそんなに力を入れて描写すべきところかなあ(^^;;;
むしろハリーとジニーの話をもうちょっと突っ込んで描いてやれよと思いました。

とりあえず、●ー●●●●ーがロンに惚れるというのは、
『のび太さんってそばについててあげないとあぶなくて見てられないから』
という奴ですかね。

嫌がるお爺ちゃんに無理矢理薬を飲ませようとするかのような描写(実態は違いますが)は中々辛かった…

長かったシリーズも残り1本で終わりかと思いきや、
ラストは前後編だそうで。
期間を開けて2本やるのかよ!
時間が延びてもいいから1本でまとめて欲しかったです。

公式サイト

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■ハルク(アン・リー監督)(2003/08/12)

予想以上の逞しさとパワフルさに満ちた映画でありました。(パンツが)
砲撃も雷もモノともしない強靱さは驚嘆です。(パンツが)
・・・私、映画でこれほどパンツに注目してしまったのは初めてです。

古今東西、様々なヒーローがいますが、
時代や国が変わっても、人は大衆ヒーローのパンツを簡単には破れないのだなあと、
世代や思想を超えた普遍性を感じてしみじみと感動してしまいました。
まだまだ世界は大丈夫という気さえしてきます。

日本で考えれば、古くは「デビルマン」(TV版)や「北斗の拳」のケンシロウが思い出されます。
デビルマンは人間大からウルトラマン並(?)の大きさに巨大化しながらも、決してパンツは破れませんでした。紳士です。
(原作ではビリビリですが剛毛があるので安心です)

ケンシロウも上半身の服はビリビリに破りながらも、パンツとズボンは破りませんでした。
パンツばかりかズボンまでガードしてる訳ですから、デビルマン以上に紳士だと言えましょう。
(この辺は「ドラゴンボール」も同様でしょうか)
最も、ケンシロウのズボンが破れて半ズボン状態になっていたら、
それはそれで夏休みの子供のようで微笑ましく、人気が出たかも知れません。

自ら服を破くわけでは無かったですが、鉄腕アトムのパンツも印象的です。
日本のアニメの元祖的存在(厳密には違うけどそれはそれ)にして、
その後のヒーローの“たしなみ”を決定付けた作品だったと言えましょう。偉大です。
(しかしパンツが黒いあたりは、意外と大人です。)

映像のヒーローに対して、文字だけの小説ではパンツ制限も緩やかになるようで、
「創竜伝」(田中芳樹)では竜への変身の際はいつもビリビリで、戦闘後に毎回新しい服を調達する描写が印象的でした。
創竜伝は確かアニメ化もされた事があったと思いますが私は未見なのですが、アニメではこの辺どうなのでしょう?
竜がパンツをはいていたら、それはそれで可愛い気もしますが、ちょっとシリアスさは削がれるかも知れません。難しい所ですね。

「ハルク」に話を戻しますが、
見る前はちょっと勘違いをしていまして、パンツは赤だと思ってましたが青(紺)だったのですね。反省です。


映画は少々尺が長く冗長だったり(特に前半)ツッコミたくなる部分も多いですが、後味は悪くなく、まあまあ楽しめました。
跳躍シーンは爽快です。

http://www.uipjapan.com/hulk/flash.htm

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■ハロルド・スミスに何が起こったか?(2001/05/31)

★★★ネタばれ★★★
1977年イギリス、
ジョン・トラボルタに憧れディスコにはまりこんでいる青年ヴィンス・スミス(主人公)は、
ある女性ジョアンナに一目惚れする。
しかし彼女はパンクだった。

それはさておき、
ヴィンスの父ハロルド・スミスには、長年隠してきた特技があった。
テレビでユリ・ゲラーの超能力ショーを見ていて触発されたのであろう、
彼は隠してきた特技“超能力”を“手品”として家族の前で発表して好評を得る。
やがて、老人ホームを慰問し、マジックショーを演じることになったハロルドだったが、
「時計を止める」手品を実演中、老人達のペースメーカーが止まって3人の老人が亡くなってしまう。

逮捕されたハロルドに「超能力で人を死なせてしまった」と告白された弁護士(=ヴィンスの上司)は、
「超能力など無い」ことを科学者に実証させようとする。

だが、超現実主義者のはずの科学者(=ジョアンナの父)はハロルドの「超能力」を確信し、
これまでの常識を捨て去って宗教的見地にまで辿り着いてしまうのだった。

ヴィンスやジョアンナの家族達はハロルド・スミスの超能力騒動に巻き込まれていく。

それはさておき、ヴィンスはジョアンナに近づくべく「パンク」の世界に入り込んでいく。
彼女に近づくと言いつつ、どーにもやってることが的外れな彼だったが、
果たしてヴィンスはジョアンナとサタデーナイトフィーバーな夜を決めることが出来るのだろうか…?

変な映画です。
ハロルドが何をやりたかったのかよく分かりません。
長年隠してきた超能力を世間に見せたかったのであろう彼、
人を死なせたことを悔いているのであろう(亀の話からしても悔いているのだと思ったんだけど・・・)彼、
科学者に超能力を見せつけて楽しんでいる(かに見える)彼、
人々に好奇の目で見られて孤独を感じている(ような気がする)彼、
親父らしいことを言う彼、
土壇場で超能力はでたらめだと言って罪を逃れてしまう彼。

結局人を死なせた事は悔いてなかったんかい?
刑務所に入ったら自由にテレビが見れないのが嫌だったんかい?

時折魅力的にも見えますが、あたしゃこのオヤジは好けません。
バリバリのギャグ物ならこういう所も気にしないけども、
コメディとしては中途半端に感じて嫌悪感が残ったのでした。(主観ですが)

ただ、要所では笑えるし面白くはありました。
ラストのギプスは笑えたし。

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■半落ち(佐々部清監督)(2004/01/20)

警察学校の教官“梶”が警察に自首してくる。
自分の妻を殺したというのだ。
アルツハイマー病にかかり己を失っていく妻の「殺してくれ」との懇願に
愛する妻の首を絞めて殺したという。
殺害から自首までに2日間のタイムラグがあった。
事件については全てを自白した梶だったが、その後の『空白の2日間』に何をしていたかについては口を閉ざして語ろうとはしなかった。
誠実さと思いやりのある人柄で皆から尊敬されていた梶に何があったのか、
この事件にあたった刑事、検事、弁護士や新聞記者、判事達は、それぞれの立場からこの事件の真の姿に近づいていくことになる・・・


「半落ち」とは犯罪者が罪を完全には自白していない状態を指す様です。(完全に白状した場合は「完落ち」だそうで)

派手な動きなどは無く静かに映画は進みます。ですが、目を離すことの出来ないヒューマンドラマでした。
法定のシーンやラストなど泣けてしまったですよ。
アルツハイマーのことや、骨髄ドナーのこと、命と心のこと等、映画を見終わった後にも頭に残って考えさせられます。
かといって説教臭い・道徳臭い映画という訳でもなく、エンターテインメント作品として魅力ある映画になっていたと思えます。

判決は、梶に同情はしても梶が正しい訳では無いと言う制作側の思いからなのでしょうか。
私の場合、身近に当てはまる状況がある訳ではありませんが、他人事ではすまないものを感じました。
原作小説は未読ですが読んでみたいと思います。

http://www.hanochi.jp/

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■反則王(キム・ジウン監督)(2001/11/03)

最近よく日本で公開されるようになった韓国映画です。

昼間はダメダメな銀行マンのデホ(ソン・ガンホ)
営業成績もダメダメで、今日も上司にヘッドロックをかけられる日々、
ある日、デホは上司のヘッドロックに打ち勝たんとプロレスジムの門をたたくのだった。
そしてデホは何故か反則専門のレスラーとしてデビューを飾るのだった・・・

http://www.groove.or.jp/movies/hansokuo/

★★★ちょいネタばれ感想★★★
この文を読んで想像されるであろう通りに馬鹿映画です。
ダメ社員デホの成長を描いた映画、という側面もないではない、
ように見えて、あまり無いような気がします。
(だってこいつ最後までダメなままっすよ、上司にプロレスで挑んでも意味ないし)
上司とのもーちょい納得のいく決着を見たい気もしますが、
割に笑えて楽しかったです。
私はプロレスは全然知らない人間ですが、試合シーンも結構迫力でした。

しかしあの上司、味があったなあ。もうちょっと突っ込んで欲しいキャラだった。
ところで、韓国でも酔っぱらいって、ネクタイを頭に巻くんですねえ。知らなかった・・・

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■バンテージ・ポイント(ピート・トラビス監督)(2008/03/25)

大統領暗殺という一つの事件を、テレビクルー、シークレットサービス、観光客、刑事といった複数の人々の視点から真実に迫っていくという話。
30分前後の事件を計8人の人物の視点で繰り返し描写していき、視点主を変えることでその都度新たな真相が浮かび上がってくるという趣向のサスペンスです。

いやー、面白かった。
8人もの人間の視点を追うために、個々の人物描写はあっさりしたものですが、
映画を観ている間はきっちりのめり込んで楽しめる、スピード感に満ちた良い娯楽作品でした。
多彩な視点の情報を理解するために観客には集中力は必要ですが、描写自体は分かりやすく描かれていて時間も90分と短いため、余計なことを考えずに気負わずに楽しめる映画だったと思います。
むしろ「余計な描写」を削ぎ落としすぎなので、映画を見終わった後にはスッキリしすぎてあまり残る物が無い映画とも思えますが、上映中には目一杯ハラハラドキドキさせてくれたので、娯楽映画としては十分かと。
その「削ぎ落としっぷり」かなり割り切った作りと言えます。

最期のカーチェイスはなかなか凄かったです。ちょっと現実離れなほどに(^^;
ちょっと"偶然性"が強すぎる気もしますけど、ああいう「1人の行動が思いがけずに他人に影響を与えていく」のが群像映画の醍醐味だからコレでいいか。

"非情なテロリスト"の「最期の行動」が印象的でした。(以下ネタバレ)
関係ない人も平気で巻き込むテロリストが咄嗟に子供を避けてしまうあたりがねえ。

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■東のエデン劇場版I(神山健治監督)(2009/12/1)

TVシリーズ最終回から半年後の話ということで、完全に続編です。
なので、TV版を見ていない人にはお勧めしません。説明も最小限ですし。
ちなみに、TV版を見ていた人なら特別な予習はそれほどいらない気もしますが、
それぞれのセレソンのナンバーだけは覚えておいた方が楽しめるかと思います。

さて、一言で感想をまとめると、
今回は全裸が少なかったです。(おぃ)

TVシリーズを見ていた身としては楽しめましたが、
実に「最終回直前の前振り」的な雰囲気で、来年春公開予定の「II」にいかにも「続く」形で終わるので、一本の映画としての満足度はやや微妙で物足りなかったです。
正直、EDの後で次回予告くらいはあると思ったんだけどなあ。
そんなわけで、作品の感想としては何とも言いにくいです。

咲は相変わらず要領が悪かったです。まあ日本人旅行者的にはある意味リアルなのか?
TVシリーズに比べてジュイスが随分と感情豊かになっていたのが印象的でした。AIが成長してるんですかね。
黒羽のラストの命令に対するジュイスの態度がなんとも興味深いものでした。

パンツが服を着ていたのが結構な衝撃です。
もうあんたなんて「パンツ」って呼んであげない!
「服」よ「服」!
って感じですよ。

本作の場合、ノブレス携帯の表示を止めてじっくり見たい場面が多いのですが、
録画して見れるTV版と違って一時停止や巻き戻しが出来ないのがもどかしいです。
パンフでは取りまとめられていましたけどね。

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■東のエデン劇場版II Paradise Lost(神山健治監督)(2010/3/14)

今回で完結です。
最後と言うことで、今回は種明かしと事態の収集に終始していました。
正直、広げた風呂敷をたたむのに精一杯という感じで、
主張大会で終わってしまうのはアニメとしては物足りなかった気が。
セレソンゲームの駆け引きの醍醐味は少なめでした。

結論は今一スッキリしないですが、簡単に答えが出る問題なら誰も苦労しないか。

それにしても、ゲームクリアの特典は、あれは無いよ;
迷惑な人だなあ。

ジュイスの声のモデルになったらしい四姉妹がいい感じ。

DNA鑑定ってもっと時間がかかるものかと思っていたけど、調べてみるとケースバイケースらしいのね。

やっぱり仕込みが多いこの作品の場合、劇場だとすぐ見返せないのが辛いなあ。

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■ビッグ・フィッシュ(ティム・バートン監督)(2004/06/01)

父が語る話はいつも現実離れした御伽噺のようで、どこまでが嘘か本当か分からない話ばかり。
だがそんな父は社交性に満ちて皆から好かれる男だった。
しかし息子は大人になるにつれ、父は本当の事を語ってくれない、真実の姿を見せてくれないと苦い思いを抱いていた。
息子は自分の結婚式での父との言い合いを期に父と断絶してしまう。

それから3年たったある日、母から連絡が入る。父の具合が悪いと言うのだ。
息子は久しぶりに父と向きあう。
もうすぐ自分も子供の親となる息子は、父の本当の姿を知りたいと願う・・


親子の確執と理解を描いた作品です。
死を間際とした父の人生を父の語ってきたホラ(としか思えない)物語の中から
父の真実の姿を息子が見つけていく話と言えるでしょうか。
現在と、父の物語とが交互に進行していきます。
落ち着いた印象で静かに進む「現在」と、幻想的な「父の話」による緩急と、
それらがやがて混じり合っていく様が心地よく、
長い映画なのですが時間を気にする事なく楽しめました。

ティム・バートンは当り外れが大きいと思っていますが、私的には今回は直球大当りでズギュゥゥーーン!でした。ディオのキスのようです。
(分かり難い例え)
私、映画館で泣くことは殆ど無いのですが、これはツボに入ってしまったのかダラダラ泣けてしまいました。
展開自体はベッタベタなのですが、それゆえに直撃されました。卑怯な映画です(笑)
泣けながらも明るさと爽やかさ、暖かさが残るいいラストでした。
見る人の年代によっても違う味わいを感じられそうな映画ですので、また10年もしたら見直して見たいと思いました。

ところで感想を一言でまとめてしまうならば、予告の“いい人生だったね”の言葉が実にピッタリくるかと思いました。
予告はいい仕事だったなあとも。

追記1.
アメリカでは「ホラ吹き」の事を「ビッグフィッシュ」と呼ぶらしいのですな。
映画を見た後に知りました。他にも秘められた、気付かなかったネタもあったんだろうなあ。

追記2.
序盤のあらすじだけを見ると、先日見た「みなさん、さようなら」とすごく似ている気もしますな(笑)
実際は全然印象の違う映画ですが。

http://www.big-fish.jp/contents.html

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■ピストルオペラ(鈴木清順監督)(2001/12/21)

変な映画です。
ひたすらシュールで訳が分かりません。(いやまあストーリーは単純なんですけどね)
おもしろいのかおもしろくないのか、何とも判断に困りますが、
頭で考えても仕方ない気がします。
感性で受け取るべきなのでしょう。
映像は面白いです。

江角マキコ演じる、組織ナンバー3の殺し屋“野良猫”が他の殺し屋と殺し合ったりする話です。

http://www.shochiku.co.jp/pistolopera/

 

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■陽だまりのグラウンド(ブライアン・ロビンス監督)(2002/04/30)

場所はアメリカのシカゴ、
スポーツギャンブルの賭けに負け、借金取りに追われるダメ男のコナー(キアヌ・リーブス)は、
エリートである知人に借金を申し込むがにべなく断られる。
しかし知人は、黒人少年野球チームのコーチの仕事を引き受けるなら週500ドル払おうと約束する。
子供は苦手といいつつコナーには引き受けるしか無かった。

・・・この後の展開は大体予想できるかと思われますが、
子供達との交流を通してダメダメ男だったコナーの内面も変わってきたりするわけです。

ストーリーだけを追うとベタなようですが(おぃ)、
シカゴの低所得者地域に住む子供達の置かれた状況がなんとも言い難い影の部分を写し出しています。
街のどこかで銃声が聞こえる事が、街のどこかで誰かが銃撃に巻き込まれて死んでいる事が、日常と化している生活。
それがまぎれもなく現代の現実だと思うとたまりません。
そしてその中で野球を楽しむ子供達が実に魅力的なのです。

子供達がどうして(人格も外見もダメダメ人間の、映画前半の)コナーを信頼したのか、
映画を見ているだけでは納得がいかなかったり(自分達に近しいものを感じたのだろうかと想像はしたりしますが)、
映画の出来として甘い部分もちらほら感じますが、割と好きな映画でした。

ところで、週数回、一日数時間の少年野球のコーチで500ドルって、ずいぶん高給なんでないかい?

http://www.hidamari-ground.com/index2.html

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■羊のうた(花堂純次監督)(2002/04/02)

★★★ネタばれ★★★
人の血が欲しくなる、吸血鬼のような奇病におかされた姉弟の話

冬目景氏原作漫画の映画化作品です。なお原作はまだ連載継続中にして未完です。

映画の予告を見て大きく原作と違った話ではなさそうに感じていましたので
まだ完結していない原作に対して、
一本で完結する(はずの)映画としてどのように話を結んでくれるか、に注目していました。
おおよそ救いの見出せない闇路を歩む姉弟に、映画としてどんな道を指し示すのだろうか、と
結論を言ってしまえば、私的には中途半端に逃げられたような感触でした。
映像的には綺麗におさめたというか具体的にどうなったのだろうというかぶつぶつぶつ、
もっとも原作が完結していない以上どんな結論を持ってこられても空々しく感じてしまうのかも知れませんが。
どちみちこれは、私の期待していたところの当てが外れただけの話ですのでこれで止めます。

この映画が映画として面白かったのかどうか、イマイチ判断をつけかねているのですが、
作品世界の空気は、静けさと影と透明感があり、結構良かったと思います。
主人公達3人の抑制が効いた演技も好印象でした。
八重樫や千砂のキャスト、やや暗めの印象があたっていて良かったです。

http://www.groove.or.jp/movies/hitsuji/

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■ヒトラー〜最後の12日間〜(オリヴァー・ヒルシュビーゲル監督)(2005/08/30)

ドイツ人にとっての最大のタブーであるヒトラーの姿をドイツ人自身が正面から描いた話題作です。
ヒトラーの側にいた女性秘書トラウドゥル・ユングの証言を元に、ドイツ敗戦に至る最後の12日間を淡々と描いています。
組織が崩壊していく描写が一歩引いた視点で冷静に語られ、地道な描写ながらも静かな迫力のある作品でした。

秘書の視点で描いた作品だけあって、これまでよくあった分かり易い悪役的な姿ではなく、ヒトラーの人間としての姿が描かれています。
身近な女性に見せる紳士的な姿や、ありもしない戦力を作戦に組み込む誇大妄想気味な姿、戦況の悪化や側近の裏切りの中で錯乱し、
気弱になっていく姿は良くも悪くも実に人間的です。

この描き方に対して、あれほどの悪行を行った男を人間的に描くなどけしからんという意見も出ているようですが、
私としては、ヒトラーが人間として見てこそ、何故に彼や周囲や国民が狂気に巻き込まれていったかを考える事が出来ると思うし、
また人間であるからこその道を踏み外した時の恐ろしさを感じたのでした。
彼を「人間とは違う怪物」として考えるやり方は彼の辿った道を「自分とは違う対岸の火事」としてしか見ない都合のいい無責任な見方に思えますし、
今の世の中を見ていても、人は意外と容易く道を誤ったり、集団の狂気に呑まれてしまったりするものと分かりますから。
ヒトラーにしても、彼一人が悪かったとは見えないのですね。
彼を盛り立てた側近や、彼を選んだ国民がいなければ彼の行為は成立していないのですから。
今の時代に見る意義のある映画かと思いました。

秘書であったユング氏(2002年に死去)の証言、
「自分はナチスの行っていることを何も当時分かっていなかった。目をちゃんと開いていれば見えたはずなのに。今でも自分を許せない。
若かったと言うことは言い訳にはならない」
との言葉(記憶で書いていますので言い回しは違いますが)が印象的でした。
知らない・自覚のないって事の恐ろしいこと。熱狂ということの危険なこと。
他人事のつもりで見ていてはいかんですな。

敗戦を避けられなくなりヒトラーは自殺しますが、映画を見ている限りは彼は重圧から逃げたのだと感じました。
ゲッベルス婦人がヒトラーの死に際して子供達をも巻き込んで自殺するシーンは、6人の子供達一人一人に毒を飲ませていく様が丹念に描写されて、
本当に恐ろしい、異様な迫力がありました。
何も分かっていない子供が親に巻き込まれて死ぬのは、やはりたまらんなあ。

ヒトラーは画家志望だったと言いますが、建築や音楽などの芸術にも熱心だったとのことで、今作でもその辺りが描かれていて印象的でした。

ところで、ヒトラー及びナチスの行ったユダヤ人の虐殺等については作中では(最後の証言を除いて)殆ど描かれていません。
世界中の誰もが知っている事だから敢えてこの映画で入れる必要が無いと考えたのかも知れませんが、
その辺りをあまり知らない子供が見るかもと思えば、もう少し補足があっても良かったかもとは思います。

それにしてもヒトラー役のブルーノ・ガンツのハマリっぷりの凄いこと凄いこと。登場シーンを一見して「ヒトラーだ!」と思いました。
その後の演技も本当凄いですよ。

追記:ところでずっと「ゲッベルス」のことを「ゲッペルス」と思ってましたよ。
ごめんなさいゲペル先生(誰?)

http://www.hitler-movie.jp/

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■HINOKIO ヒノキオ(秋山貴彦監督)(2005/07/18)

事故で母を亡くし、足を痛めた少年“サトル”は代理ロボットを操作して学校に登校することになる。
「ヒノキオ」とあだ名を付けられたロボットを通してサトルはガキ大将の少女“ジュン”との交流していく。


ロボットを通しての友情(愛情)物語という面白そうなプロットに、
CGで描かれたロボット“ヒノキオ”のスマートかつ温かみのあるデザイン。魅力的なガキ大将のヒロインと、いい映画になりそうな要素は多かったのですが、
正直一本の映画としては残念な出来でした。悪いとは言わないけどいいとは言えない映画かと。

普通に「心に傷を負った少年が少女との交流を通じて一歩を踏み出す話」としてシンプルにまとめれば名作か良作になりそうなのに、
色々な要素をぶち込みすぎて話が散漫になって、何をやりたいのか分からない作品になってしまっていたかと。
一言で映画の印象を言うと『もったいない映画』でしょうか。
ジュブナイルSF物として期待したんですけどねえ(^^;

★(以下ややネタバレ)
ばらまかれたままで回収されてない謎や伏線が多すぎなのですが、そういうのが現代風と考えてるのでしょうか?
(単に脚本が下手な気もしますが)
その際足る物が「現実とリンクするゲーム」で、これは存在意義が謎すぎでした。
ゲームにまつわる一切のエピソードはいらなかったかと。
でなければ、せめて“何故ゲームにそんな力があるのか”を屁理屈でもいいから説明して欲しかった。

それに主人公の心を救う大事な役割が(以下超ネタバレ)
ヒロインでも父親でもなく死んだ母親に全部持って行かれるのはどうかと。
そこは生きてる人間が頑張らないといかんのじゃないですか?
万能のジョーカーキャラを出して全て解決では父親やヒロインの努力も浮かばれません。

ヒロインも、前半では“ひきこもりやゲーム”を否定的に、“現実”を肯定的に捉えていたはずなのに、
最後の主人公のピンチに“現実”に主人公の手を取るのではなく“ゲーム”の訳の分からない力を頼りにするのは謎だったなあ・・・。
人物としての行動に一貫性が感じられないと言うか。

そもそも主役2人の交流にしても踏込んだ描写が圧倒的に足りないので、
「主人公→少女」への思いはともかく、「少女が主人公に」こだわる理由が希薄に感じるのも難点でした。ここを一番深く描かねばならない所でしょうに。
“ゲーム”を筆頭に、意地悪メガネ少女やマドンナ的少女やら巨大魚やら軍事利用やら虐待やら万引きやら虐めやらと、
中途半端な扱いしか出来ていない無駄な要素が多く取り入れすぎたせいで、主人公2人の交流が削られたのかと思われました。
色々バランスの悪い映画で、作品という物は「無闇に付け足す事」よりも「削る事」の方が大事なのだなあと、しみじみと感じました。

素材は悪くないのに、観ていて「ここはこうすれば良かったのに」と考えてしまう箇所が非常に多い映画でした(^^;
部分的には良いシーンも要素も多いのに、ホントもったいない。

ところで、
安全装置の付いてない感覚フィードバックって欠陥プログラムだなあ。
まあ、未完成の物を主人公が勝手に使った状況だったから仕方ないかも知れませんが。

http://www.hinokio-movie.com/

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■秘密(1999/10/24)

先日原作を読んだところですから、
やはりどうしても原作と比べて見てしまうのですが、
(いっそまるで別の話になってれば原作も気にならないんだけどねー)

結構ボリュームのある原作を2時間の映画にまとめるわけだから
変更点があるのはあたりまえ(メディアの違いもあるし)なんだけど
(と言いつつ、作品内期間がたった2年になって話の重みがないとか
全体的にどーにも軽いとか、不満点はちらほらあるけど)

ラストの変更だけはかーなーり嫌でした。
言っちゃあだめだろう>主人公
あのラストでかなり印象が違っちゃったなあ、ちとがっかり

★小説「秘密」の感想

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■ビューティフル・マインド(ロン・ハワード監督)(2002/04/01)

★★★ネタばれなしでは何も書けないので序盤だけネタばれ★★★
時代は1947年、第二次世界大戦終了後のアメリカ、
プリンストン大学院に入学した数学者の卵“ジョン・ナッシュ”(ラッセル・クロウ)は
天才的な頭脳を持ち「すべてを支配する真理、真に独創的なアイデアを見つけたい」と、
授業に出る間も惜しんで研究に打ち込んだ。
一方、人との付き合い方を知らず、
友人はルームメイトの“チャールズ”(ポール・ベタニー)1人だけという彼は、
変人としても有名だった。

やがて彼は念願の研究所に入るが、時代はソ連との冷戦時代、
彼はなすべき大きな仕事にありつけず焦燥感を感じる日々を続けていた。
そんな時、諜報員を名乗る男“パーチャー”(エド・ハリス)がナッシュに近づく。
パーチャーはナッシュに、雑誌の記事に隠されたソ連の暗号情報の解読を依頼する。
国家のスパイとしてナッシュはその任務に没頭していく。

その一方で、ナッシュはある女性“アリシア”(ジェニファー・コネリー)と知り合う。
人付き合いの下手なナッシュにも理解を示す彼女と惹かれあい、やがて結婚。
しかし彼は暗号解読の仕事については妻にさえ秘密で任務を続けていた。

やがて彼は身の廻りに怪しい影を感じ始める。秘密の任務がソ連側に嗅ぎ付けられたのか?
ある日彼は謎の男達に追い詰められる。そして・・・・・
★★★

実在の人物の半生を描いた、実話に基づいた話です。(違う部分もあるようですが)

映画の予告だけではどんな話かさっぱり分かりませんが、話はこのように始まります。
しかしこの後、話はまったく予想外の方向に流れていきます。

一見小難しそうに見えますが、実にシンプルな話です。
結論を言うと、これは「愛の話」です。
痛く、美しい話なのです。
途中まで・・・とゆーか終わり間際までイタいシーンが延々と続き、
「この映画はどこに向かうのだろうか?」と途方にくれてしまいましたが、
最後は泣けました。
いい映画です。

追記:ラッセル・クロウの演技は凄いです。

http://www.uipjapan.com/beautifulmind/

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■秒速5センチメートル(新海誠監督)(2007/03/27)

ほしのこえ」の新海誠監督の新作です。
長編だった(と言っても91分だけど)前作「雲のむこう、約束の場所」に対して今回は63分と短めで、
離ればなれになった男女の再会と行く末を、小学生時代から年代を追って3つの短編として描いた連作です。
個人的にはこの人の作風には、これくらいのスケールがちょうど良かった気はします。
「映画」としては小粒すぎてちょっと物足りないかも知れませんが、初めから小品と分かっているので問題なし。

新海氏と言えば、まずは『背景の美しさ』ですが、今作も、何でもないはずの日常的な街の風景や駅や空などの描写がやはり美しいです。自分の周囲の見慣れた街並みも新鮮な目で見直してみたいという気持ちになります。
今作では、雪や夜の風景に加えて、今まであまり描かれた印象が無かった「南国や海の風景」も描写されていたのが新鮮でした。

で、話についてですが、ネタバレ無しでは語りようが無い作品なので、以下少々ネタバレありで。注意のこと。

美しい思い出を持ちながら離ればなれになる男女という、これまでも新海氏が繰り返し描いてきたテーマで描かれていますが、
今作ではSF的な設定も戦闘も無く、ひたすら彼らの日常とその心情を掘り下げて描写していく内容になっています。
前作までが割と(恋愛の経過も含めて)「ファンタジー」だったのに対して、今作はある意味とても「現実的」でした。
ファンタジーを望んでいた層にはもしかしたら受け入れにくいかも知れないとも思いましたが、どーなんでしょうね。
いずれにせよ、3編それぞれに大変に切ない、これまでの作品以上の「身近な切なさ」を感じる作品でした。

特に、「男の心情」の描写がなんともリアルで、「分かる、分かるわあ…;;」と感情移入させられる、ある意味でとても恐ろしい作品でした;
「思い出」というものに対する「男の」ロマンチックさ加減やセンチメンタル加減が、何とも心当たりをグサグサと突かれます(苦笑)
見る人によっては物凄くダメージを受ける作品なのではないかと(^^;

第1話の「桜花抄」の美しさと感情移入度は珠玉でした。
大人にとってはどうという事の無いながらも「中学1年生」にとっては大きな困難であろうと実感として強く感じられる、子供の"不自由さ"がとことんリアルに感じられて頷けます。
しかし…

(以下は本気で超ネタバレなので、それが嫌な人は以下は読まない方がいいです)

こんな体験をしてしまえば『思い出に縛られる』のも仕方ないのかなあとも。
身も蓋もないですが、最後まで見ると、彼は一生幸せになれないのではないかと思えてしまいました。
男よりも女の方が地に足を付けてるなあとも…(^^;
ラストシーンでの彼の笑顔が、彼が吹っ切れて新たな人生を歩ける証しであればいいのですが。

山崎まさよし氏の「One more time,One more chance」がテーマ曲としてとても印象深い使い方をされていました。第3話の"タイトル"の入り方などはハッとさせられる素晴らしい物でした。ただ、それゆえに「プロモーションビデオ」的にも見えてしまうのはちょっと否定出来ないかなあと。

当日は、タイミング良く新海氏と作画監督の西村氏の舞台挨拶も見ることが出来ました。
西村氏の「半年で終わる仕事のはずが1年半に」という話が印象的でした(笑)

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■ひるね姫(神山健治監督)(2017/4/26)

ひるね姫を観てきました。
「居眠り姫」のタイトルで漫画を描こうとしていたので、ネタ被りがないかと気になっていたのですが、全く無しで安心しました(^^;

作品的には楽しめましたが、少し要素がとっちらかった印象でした。
「主人公」としてもメインヒロインのここねよりも「両親」の方が真の主役で、「主人公の物語」としては少し物足りなさを感じた気がしました。
幼馴染のモリオもいかにも主人公のパートナー的に登場しますが存在感を発揮しきらないままフェイドアウトという感じだったのは少し可愛そうだったかと。

「両親が真の主役」なのはエンディングで顕著で、若い頃の父と母の描写がいい感じだったのですけど、おそらくあの直後に…となるんだろうなあと思うと複雑な気持ちになります。曲がデイ・ドリーム・ビリーバーなあたりがまた;

夢と現実が混ざり合う描写が見どころでしたが、実際に夢が現実と連動している…わけではないんですね。一見そう見えるだけで。
夢に不可思議な力があったわけでは無いようですが、その割にモリオと夢を共有したりしていたのは不思議でした。ここのところは「不思議だ」で済ませればいいところなんですかね。

最後にロボットカー・ハーツが飛び込んでくるところは意表をつかれたいいシーンでした。母の魔法…と言うか、つまり「家に帰った」わけですね。

タブレットを抱えてのアクションは、不安定ですぐに落としそうで見ていてちょっと怖いですね。ストラップとか付けたくなりますよ。

公式サイト

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■HERO−英雄−(チャン・イーモウ監督)(2003/09/10)

始皇帝暗殺をめぐる話。

二転三転する展開と、画面作りが互いに効果的に生かされていて、見ていてとても楽しめました。
シーンの意味に応じた“色”の使い方が痺れます。絵の参考にしよっと(おぃ)
金色から真っ赤に変わる胡楊のシーンの苛烈さ、
青の湖のシーンの深遠な美しさ、
過去の緑のシーンの不思議さなど、

大げさなほどのワイヤーアクションによる剣技と相まって実に鮮やかに目にシーンを焼き付けてくれました。
現実離れしたアクションがかえって幻想感があって、寓話的なお話によくはまっていたと思います。

始皇帝がかしこくてイメージが違うなあ(偏見)というような感も無いことも無かったりもしましたが、
歴史的忠実さが大事な作品でも無いので無問題かと。
エンターテインメント性がたっぷりで満足です。

関係ないですが、槍ってよくしなるなあ。

あと、ネタバレですが、一緒に見たAさんの「やっぱりちゃんと暗殺しないといかんよ」という台詞が印象的でした(笑)
好みの差ですなあ

http://www.hero-movie.jp/phase2/

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■ピンクパンサー(ショーン・レビ監督)(2006/05/25)

古くからあるシリーズのリメイクですが、昔の実写映画シリーズについては、
子供の頃に映画館に見に行った覚えはありますが、オープニングのアニメとクルーゾー警部の駄目っぷりの印象をわずかに覚えている程度でした。(何作目を見たかは失念)
たしか昔見た話も『ピンクの巨大ダイヤ“ピンクパンサー”を巡る事件を駄目警部クルーゾーが追うドタバタ劇』だったと思いますが、
今作はその基本プロットを元に時代を現代に移して、1から「クルーゾー警部誕生」を描いた現代版アレンジ作でした。

フランスを舞台に、現代的な車やパソコンや国際サッカーなどの現代的状況やガジェットがばんばん出てきっちり活用されます。
やっていることは昔と(多分)そう変わらないドタバタですが、このあたりの現代への置き換えがストーリーや謎解き(笑)にも絡んでいてなかなか面白かったです。

クルーゾー警部は、実際に側にいられたら極めて迷惑なダメ人間ですが、映画として外から見ている分には親近感の持てる人物像として描かれていて、
ちょっとしんみり感情移入してしまう場面もあり、面白い人物として見れました。
ストーリーもギャグも事件の謎(笑)も大した物ではありませんが、上映中はきっちり無責任に笑って楽しめました。
事件解決の「推理全然関係ねー!」な所が素晴らしい(笑)

「地球儀」はもっと最後までしつこく生かして欲しかった気もします。

公式サイト

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■ピンポン(曽利文彦監督)(2002/07/29)

卓球映画、
原作は松本大洋氏の漫画ですが未読です。
見る前はてっきり、「少林サッカー」程とまでは言わないけど、
「ウォーターボーイズ」や「アタックナンバーハーフ」のようなおバカなノリを生かした軽めのスポーツ物かと思っていましたが、
なかなかどうして、結構芯のあるじっくり熱い映画でした。お勧めです。

監督はこれまでCGの世界にいた人らしく、この映画が初監督作品ということです。
映画もCGが使われていますが、突飛な派手な使い方というのではなく、地に足の着いた映像で好感です。
(勿論バカバカしいのもそれはそれで好きですけどね)
先にも書いたように原作未読ですが、断片的に入ってくる情報からすると原作に結構忠実っぽいらしいです。読んでみたいと思います>原作

主要な選手は5人出てきますが、それぞれに背負っている痛みのようなものがあって、
(人間として好きかどーかはともかく)結構感情移入してしまいます。特に“アクマ”と“スマイル”は入れ込んでしまいました。
この2人が試合するシーンはかなり痛くて名シーンです。

以下ちょっとネタバレですが、
下に見ていた相手に抜かれていく口惜しさ、
挫折の諦めの気持ち、
自分の上を行っていて欲しい相手への苛立ちなど
良くも悪くも人の『ナマ』の感情に共鳴を感じてしまう映画でした。
余韻を感じるラストも好きです。

http://pingpong.asmik-ace.co.jp/

★漫画「ピンポン」の感想
★えいが道「ピンポン」

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■ファイト・クラブ(1999/12/25)

予告を見てると
『会員同士で殴り合いの喧嘩を楽しむ秘密クラブの話』かと思ったが、
いやそーゆー内容でもあるのだが、
どーゆー展開になるかなかなか見えない、謎めいたとゆーか『変』な話でした。

具体的に書く訳にはいきませんが

やけに魅力のある話ではありました。インモラルだけど

ブラッド・ピットはこれと「セブン」しか見た覚えがないので
(意識せずには、他にもあるかも知れませんが)
私、ブラピとゆーと「小汚くて荒っぽいイカれたにーちゃん役を楽しそうにやる人」とゆー
イメージがあるのですが、世間では「クールでいかしたダンディ」なイメージらしーですねえ。

★えいが道「ファイト・クラブ」
★ザ・一発屋「ファイト・クラブ」

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■ファイナル・ディスティネーション(2001/02/12)

飛行機が落ちる予知夢を見て、
乗るはずだった飛行機を降りたところホントに飛行機が落ちてしまった。
九死に一生を得た主人公と、巻き添えで飛行機を降ろされた人たち、計7人だったが、
死を逃れたと思いきや、「死」は予定を変えて生き延びた彼等を許さなかった。
次々と、偶然の事故で死んでいく「生き残り」達、
主人公達は「死」を出し抜くことが出来るのか?

★★★ネタばれ★★★ 
面白いけど、後味は悪い。

ラストが「すべてが終わったと思ってたら・・・ 」とゆー
よくあるホラーそのまんまな終わり方なのが個人的に気に入りませんが、 

「死」などという、どう抗えばいいのやら、分からないもの相手の戦いを描くには
うまく「ルール」をつくった、面白い見せ方をしてたと思います。

ところで、主人公。よく殺人犯として捕まらなかったもんだ。

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■ファーストフード・ファーストウーマン(2001/05/07)

カフェのウェイトレスでもうすぐ35歳になるベラと、
別れた妻が蒸発したため残された子供2人(うち1人は他人の子)の面倒を
みるはめになった売れない小説家件タクシードライバー、ブルノの話
・・・を軸に、カフェに来る爺さん達の恋愛話が同時進行していったりします。

悪くはないけど、ちょっとつかみどころが無い印象でした。

ちとネタばれ、
最近赤の他人から思いがけない遺産を受け継ぐパターンをよく見る気がする。
流行でしょうか。

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■ファンタスティック・フォー(ティム・ストーリー監督)(2005/10/04)

宇宙での実験中に宇宙嵐を浴びた5人の科学者&仲間達は、それぞれ超能力を身に付けてしまう。
身体がゴムのように伸びる能力、岩のような身体、透明化する能力、身体を炎と化す能力・・・
やがて彼等は“ファンタスティック・フォー”として世間に認知される。
だがそのころ5人目は・・・


SFXの進化に伴い昨今増えたアメコミ原作のヒーロー映画です。
ただ、近年の「X-MEN」や「スパイダーマン」や「バットマン」では、異端者の闘争や、等身大の青年としての悩みや、
己の中の闇との対峙といったハードなテーマが込められていましたが、
今作は、一応異端者になった悩みも描かれはしますが、
極めて“のーてんき”なヒーロー作品であります。

「なんでそーなるねん」とツッこみたくなる所も山盛りですが、
考えるのを止めて映像を楽しむ分には申し分ない映画だったかと思います。
ゴムゴムやらメラメラやら(違)の特殊能力が単純にとても画面映えして面白いのですな。
疲れた脳を癒すにはいい映画でした。

と言いつつ、やはりツッこみたくなる映画ですので、以下箇条書きで。

■悪役が悪役化する経緯は全くしっくり来ないですな。何がやりたいんだこいつ(^^;
■ゴムゴムの能力は絵的には楽しいけど、戦闘面ではちょっと地味。一応主人公っぽいんだけどなあ(^^;
■最後のアレって殺人扱いにはならないんですか?(^^;
■一般市民は彼等をのーてんきにヒーロー扱いしててホントにいーのかいな?、市民ものーてんきだなあ(笑)、
 “ファンタスティック・フォー”は身内でごたごたしてるだけですよ?、橋での事故も半ば自己責任ですしー(苦笑)
■すぐ脱ぐヒロインがえろすです。透明化能力で見えないという設定が素晴らしくえろす。
■あの奥さんヒドイよ(゜ДÅ)

こんなところで(^^

ちなみに、ネットで見ていると「Mr.インクレディブル」のパクリでは、という声もあるらしいのですが、
「ファンタスティック・フォー」の原作が発表されたのが1961年ということで断然コチラが先なのですね。
インクレディブルの方がパロディとして作られたようで。
私は原作未見ですが(おぃ)
勿論、「ワンピース」よりこっちが先な訳です(笑)

http://www.foxjapan.com/movies/f4/

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■Fate/stay night UNLIMITED BLADE WORKS(山口祐司監督)(2010/2/13)

90分程度で収まる話だとは思ってなかったですが、やっぱり凄いダイジェストっぷりでした。
聖杯戦争についても魔術についても説明は殆ど無しで、ストーリーも間を飛ばしてどんどん進みますが、
まあ、この映画を見に来るような人は、ゲームなり前のアニメなり漫画なりで、少なくとも基本設定くらいは知ってる人が大部分だろうから大丈夫…、なのだろうか…?、うーむ;
絵は綺麗でよく動くので単純に「名場面集」と割り切れば楽しめなくもないかも知れません。
ともあれ、一本の映画として成立しているとは言い難いかと。

物語であるべき「緩急」の「急」の部分だけを繋いで仕立てているので、本来緩急両面の場面で描かれるべき各人物のキャラクター性も、人間関係の描写もほとんど描かれず、見ていて感情移入はし難かったです。

もし予備知識の無い人が見に行ったら、何故に士郎がいきなり魔術を使えるようになるのかとか、10年前の話は何だったのかとか等々、疑問符が大量に残るのだろうなあ。

とりあえず、藤ねえが幸せそうに寝てるところは良かったです。

公式サイト

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■フォーガットン(ジョセフ・ルーベン監督)(2005/06/09)

飛行機事故で息子を失った主人公の女性は心に傷を負ってカウンセリングを受けていたが、
ある日、家族写真から息子の姿だけが消えていることに気付く。
調べてみると全ての写真やビデオから息子の姿は消えていた。
しかし夫と医師は「彼女には最初から息子はいなかった。」と言い出す。
息子の存在は彼女の妄想だったのか?・・


ミステリアスな導入とジュリアン・ムーアの影のある演技が高い緊張感と迫力で興味を引きつけてくれます。
心理サスペンスか、はたまた大規模な陰謀物なのかと期待させてくれますが・・

★以下ネタバレ超注意。

前半は非常に面白かったですが、後半は何というか、・・素晴らしく「すっ飛んだ」(←文字通り)映画でした。
後半は、前半や予告の印象とはがらりとムードの違った映画になってしまい、前半の緊張感はどこへやらで、見る人によっては怒りを覚えても仕方がない展開で、
正直お勧めの映画とはとても言えません(^^;
「ビューンと飛んでく鉄人28号♪」とでも申しましょうか(苦笑)
実に衝、いや笑撃的な展開でした(^^;;
笑えて困りました。どちらかというと苦笑・失笑の類ですが(^^;;;

観賞後の感覚は、以下の映画に近いと言うと分かってもらえるかも知れません。
何の映画かと言いますと、
(以下超々ネタバレ)
ぶっちゃけ「サイン」「ドリームキャッチャー」です。
そりゃ「あんな存在」なら記憶操作も出来ますわな(苦笑)、

しかし「彼等」は写真の改変は見事なのに、あの壁紙のズサンさは何でしょう。
下請けにやらせたんでしょうか?(笑)、あれって主人公へのヒントとしか思えないなあ。
高い能力があるはずなのに、都合が悪くなるとすぐに“バシルーラ”な辺りも、頭がいいのか悪いのか分からなくてナイスです(つーか「悪い」)(笑)

まさかこんな馬鹿映画だとは予告時には思っていなかったですよ。
人にお勧めできる映画では全くありませんが、ネタ映画としては最適です。
ある意味凄い物を見ました(苦笑)

「「シックスセンス」以来最も衝撃的なスリラー」との宣伝ですが、
やっぱりむしろ「サイン」ですねえ。

“例の”シーン、ネット界隈では「ヒューン」や「ぴゅー」等色々な表現が使われていますが、私としては「ばびゅー!」を提唱したいです。
「ビューン」とか「ズキュゥゥン!!」でもいいですが(最後のは何か違うかも知んない)

http://www.forgotten.jp/

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■フォーンブース(ジョエル・シューマカー監督)(2003/12/09)

★(さわりのネタバレ少々)
現代のニューヨーク、携帯電話が浸透して、すっかり姿を消した公衆電話ボックス(フォーンブース)。
絶滅寸前の路上の電話ボックスを使っていた男、自称一流の宣伝マン“スチュ”(コリン・ファレル)がボックスを出ようとしたところで電話が鳴り出す。
思わず電話に出てしまうスチュ。
電話の向こうの相手は何故かスチュのことを知っていた。
スチュが何故携帯からではなく公衆電話から女優に電話をかけるのかも、何もかも。
やがてスチュは電話の相手がどこかの窓からライフルで自分に狙いをつけている事を知る。
スチュは電話を切れなくなってしまった・・・・


最初から最後までのほとんどをフォーンブース(電話ボックス)に舞台を限定したサスペンス映画です。
しかも描写のかなりの部分が電話を持ったスチュの一人芝居(見た目)。
これだけで一本の映画にしてしまうのがまずアイデア賞です。
80分の短さなのでダレずにすっきり見せてくれるのも吉で、
素直にのめり込んで楽しめました。

なお、見えない脅迫者との言葉による攻防戦を描いた映画ではありますが、
この映画、犯人の正体や動機の謎解きや、騙し騙されの心理戦を描いたモノではありませんので、
そういった展開を期待してみるとがっかりするかも知れません。
そういった部分はばっさり捨てられていますが、個人的にはそれはそれですっきり見れて良かった気もします。
ワンアイデア物で、趣味が分かれそうな映画ではありますが、私は結構好きです。

この映画のキモは、舌先三寸を武器にした一流気取りで中身のない嫌みな男が、否応なく惨めなほどに丸裸にされていく姿そのものだと感じました。
それは逆に見れば“解放”でもあり、最後などはちょっと感動的でさえあります。

軽薄男のスチュではありますが、彼がこんな目にあわねばならない程に罪深い男だったと言えるほどでもなく、
我が身を振り返っても少しぞっとする、怖さのある映画でもありました。
しょーもない、私的には嫌いなタイプの男であるのに、段々感情移入してしまうのですな。
結構ハラハラしてしまいました。

ところで、電話ボックスって日本でもすっかり見かけなくなりました。
駅で公衆電話を見かけることはまだありますが、路上のボックスは最近見た覚えがさっぱりありません。
大きな公園とかにならあるのかなあ・・・

http://www.foxjapan.com/movies/phonebooth/index2.html

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■梟の城(1999/11/15)

かつて織田信長に滅ぼされた伊賀忍者の生き残りの男が、
秀吉の時代、関白秀吉の暗殺を依頼される。
しかし男の前に立ちふさがったのは、
侍にあこがれて忍者を捨てたかつての仲間だった…

正直言ってなんか物足りなかったなあ
アクションと人間ドラマが中途半端とゆーか

CGがかなりの場面で多用されています。
今は無き城郭やらが再現されてる様はなかなかかっこいいですが
正直「浮いてるなあ」と見える所もけっこう多かった(私感)のがちょっと残念

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■不都合な真実(デイビス・グッゲンハイム監督)(2007/02/08)

2000年の米大統領選挙で大接戦の末ブッシュに敗れたアル・ゴア元米副大統領による、
『地球温暖化』をテーマとした講演会をほぼそのまま収録したドキュメント映画です。

1960年代頃から環境問題に取り組んでいたゴア元大統領は、大統領選で破れた後も積極的にアメリカ他、諸外国で講演を行っているそうで、その回数は1000回と越えたとのこと。
地球温暖化の実態を世界に発信するならば、いっそ映画にしてしまった方がいいと考えたのでしょう。
日本では日曜なら500円で見られるようになっていて、目を反らしてもいられない“不都合な真実”を伝えようという本気が伺えます。
必見と言える映画です。96分と短い所も好ポイント。

プロパガンダ的というか、政治的プロパガンダそのものでもありますが、そんな事は最初から観客も分かっているし作中でも明言されていますので、むしろ潔く、問題無いかと思われます。
ゴア副大統領の弁はクリアーで分かりやすく、どんな立場の人であれ一見の価値はあるでしょう。
基本的には『もっとも大量のCO2を排出しているアメリカ国内』に向けた映画ですが、どこの国の人も他人事ですむ話ではありませんし。

『地球温暖化』に関する情報自体は、日々ニュースなどで得られる情報と比べても必ずしも目新しいということは無いかも知れませんが、
近年の地球でおこっている各種の出来事・異常気象を論理的に関連づけ、表や数値や映像で整理して見せてくれるのは確かに極めて分かりやすく、『事象の繋がり』が実感出来て、目から鱗と思えた一面もありました。
地球極部での氷の崩壊など、ここ数十年で大きく変化しつつある『今の地球で実際に起きている異常事象』をあらためて見せつけられると確かにショッキングでした。
今年の冬も温かいですねえ…

公式サイト

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■フライト・オブ・フェニックス(ジョン・ムーア監督)(2005/04/24)

油田会社の社員達を乗せた飛行機が砂漠のど真ん中に不時着してしまう。
社員達やパイロットら11名が生き残るが、飛行機は大破し、周囲はいくら見渡しても空と太陽と焼け付く砂ばかり。
歩いて砂漠を越えることは自殺行為に等しく、無線は壊れて救助も期待し難かった。
そんな中、偶然乗り合わせた設計士の男が提案する。
なんと、飛行機の残った部品で新たに小型飛行機を組み立てようと言うのだ。
果たしてそんなことが可能なのか?
彼等は陸の孤島から脱出することが出来るのだろうか・・・


元々は1965年の映画「飛べ!フェニックス」のリメイクのようです。(未見です)

ストーリーは単純明快で、小ぶりな、どちらかと言うとB級映画と言えそうな作品ですが、
手に汗を握って引き込まれて非常に面白かったです。
115分と最近の作品としてはやや短め(?)でテンポも良かったかと。
映像は一見古そうなタッチに見えますが、その実、現在の撮影技術で力の入った映像が作られていて迫力でした。
特に墜落シーンの前後はかなり本気で恐いです。

壊れた飛行機から新たに飛行機を組み上げるという突拍子のなさそうなアイデアも、
(と言いつつ、そういう事をした実話はあるらしいですが)
製作過程のディティールが面白く説得力があり、また物語としてさりげない伏線の張り方が上手く(鋼材の見せ方とか)、
映画の世界に引きずり込んでくれました。
大画面で見て良かったと思える映画で、なかなか満足感を感じられる作品でした。
(あくまでB級的に満足、ということですので期待されすぎると困りますが(^^;
感動したり深く考えさせられたりする作品ではありませんので念の為〜)

飛行機関連や砂漠のディティールが細かいのに対して、人物描写の方は実のところ少し、いや大分物足りません。
短めの作品時間に対して人物が多すぎて、かつそれぞれの個性の踏み込みも人物によってはとても少ないので、
正直生き残った●人の内、どうしてもどんな人だったか思い出せない人が1人いたりして(^^;

極限状態の中で悪化していく人間関係の描写も、機長やヒロイン(?)の関係も、設計者の心理の掘り下げも、いずれも中途半端で、
人間ドラマとしては物足りず、勿体なかった気もします。
まあ、そのおかげでテンポがいいとも言えますが。

しかし、私としては寝不足だったにも関わらず上映中は全く苦にならない作品だったのは確かです。
深くは考えずにドキドキしながら見て、すっきりと見終わることが出来ればそれでよい作品かと。

追記1)
どこまでもただ砂だけが続く砂漠のビジュアルはなかなかにゾッとするものを感じました。
ドラクエとかで気軽に砂漠を歩いてたけどありゃあ実際には大変ですよと思ったり(^^;

追記2)
あの飛行機にちょっと乗ってみたいと思うのは命知らずでしょうか(笑)
冒頭も含めて、飛行機描写が迫力の映画でしたよ〜

追記3)
次に誰が死ぬかとついつい予想しながら見てしまうタイプの映画ですが、なかなかに予想通りに行かない映画でした(^^;
会社人間帰ってから店を持つ夢を語ってたシェフは絶対死ぬと思ったんですけどねえ(笑)

http://www.foxjapan.com/movies/flightofthephoenix/

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■プライドと偏見(ジョー・ライト監督)(2006/02/21)

原作はジェーン・オースティン氏の「自負 と偏見」ですが、
自分は原作も1940年の映画もBBC放送のTVシリーズも影響を与えたという「ブリジット・ジョーンズの日記」も全て未見で、完全に白紙の状態で観ました。

18世紀末のイギリスを舞台に、
不器用な中年艦長が権限を利用してある女性兵士を自分の艦に配属させた所から始まる、
プライドをかなぐり捨てた中年男性の体当たりの恋物語です。
彼女につれなくされながらも健気にアピールする姿は一歩間違えばストーカーかセクハラですが、一途な姿勢は見ている内に自然に応援してしまっていました。
彼女を敵の攻撃から守る為に鑑ごと盾になる姿は涙無しでは見られません。
嘘ですそれは「プライドとヘンケン(ベッケナー)」です。
Zガンダム完結編楽しみですね(おぃ)

■実際は、18世紀末のイギリスの田舎に暮らす5人姉妹達による恋物語です。
女性に「財産相続権」が無かった時代、家の財産を引き継げない女性達の暮らしは結婚した相手によって決まり、愛のない結婚も普通にあった時代に、
自分の思いを大事にしようとした姉妹の次女エリザベス(キーラ・ナイトレイ)を中心としたロマコメです。

5人姉妹の話と言っても、主軸はあくまで次女エリザベスで、群像劇と言うわけではありません。
他の姉妹も意味ありげに描写されたりしますがあまり踏み込まれてはおらず、このあたりの扱いはちょっと中途半端に感じました。
長い(らしい)原作を2時間の映画にまとめた為のこうなってしまったようですが。
この点は映画としては欠点にも思えますが、このおかげもあってか原作への興味を引かれたので結果オーライかも知れません(笑)

お話は、第一印象はお互い最悪で最初は嫌いあっていた男女が、次第に相手への誤解を解いて惹かれていくと言う、

最初の10分で大体の流れが分かるベタベタのロマコメです。正に恋愛物の原典的な話な訳ですね。最初はやや取っつきにくくも感じましたが、
個々のキャラクターが見えてくるあたりから面白く見られました。キーラ・ナイトレイって人はただ黙っていても存在感のある人です。

この時代のイギリスの風景や建築も美しく魅力的でした。

タイトル通りの『プライドと偏見』がフィルターになって、相手の本当の姿をなかなか理解し得ない様は、
古い作品のはずですが、いつの時代にも通じる普遍的なものを感じました。
偏見を持たずに付き合ってみないと人の姿ってのは見えてこないですよね。

実際の人付き合いであれば、多少第一印象が悪くても次第に相手を理解していけたりもするのでしょうが、ネットを通しての接触では誤解や偏見を一度持ってしまうとなかなか解けなくて危ないよなあなどとも感じてしまったりして。映画からはちょっと飛躍してますけど。

主人公のエリザベスだけでなく相手役のダーシーも誤解をして間違いを犯していたあたり、互いに歩み寄っていかねば良い関係は築けないと言うことかと、
テーマを象徴的に感じました。 

ところで親父さんのキャラがいいですね。
最初は奥さんに振り回されるだけの意志の弱い駄目親父にも思えたのですが、娘の意志を尊重する姿や最後のシーンが実にいい。
作品に落ち着きを与える名脇役でありました。
親父さんの存在もあって、気持ちいい気分で映画館を出られるいい映画でした。
まあ、あの後は大変かもと思いますけど(笑)

プライドと偏見の権化「キャサリン夫人」の押しの強さに某○木○子氏を思い出しました(笑)

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■フライトプラン(ロベルト・シュベンケ監督)(2006/02/16)

ネタバレ無しではどうにも感想が書けない映画なので、以下ややネタバレありです。
御注意ください。
(今回ネタバレ防止の文字反転だらけですよ(^^;)


飛行機の中で、一緒に乗り込んだはずの6歳の娘が行方不明になる。
しかし、乗務員も周りの乗客も誰も娘がいた事を覚えていないと言う。
母親(ジョディ・フォスター)は必死で娘を捜し始めるのだった…


…と、あらすじを聞くと“あの”トンデモ映画「フォーガットン」の飛行機版か?、と思えるようなストーリーですが、
見てみると意外にも「普通」に種明かしのある話でした。ちょっとがっかり(おぃ)

まあ「普通」と言っても、物っ凄く無理のありすぎる種明かしなんですけどね(苦笑)
あんな超々ハイリスクで、運と偶然に頼った、実現性の薄い、無意味に回りくどい計画ありえません(^^;
子供のことを誰も覚えていない&隠す場面を誰にも見られないという偶然を当てにしたり、
あの母親が(爆弾入りの)暗証番号キー付き棺桶を開けてくれるという可能性の低さを当てにした犯行計画って何ですか?
事前に人を殺しておくリスクの高さといい
有り得なすぎる(笑)
ある程度の時点まで犯人達にとって計画が上手くいっていたのは奇跡とさえ言えます。(たとえフライトアテンダントが共犯だとしても)
どう見ても“あの”計画には『映画の特殊な状況を成立させるための後付のこじつけ』以上の意味があるようには見えませんでした。やれやれ(^^;;

しかしまあ、「あの犯人の職業」なら、確かにあの状況を作ることも(運が良ければ)出来るかも知れないけど、
「あの職業の人」をそのまんま犯人にしてしまうのは、あまりに「そのまんま」すぎで萎えます。
正直後半の展開は出来の悪いコントのように思えました。
つっこみ所のある馬鹿映画は嫌いじゃないですが、この映画の場合は単に「駄目なところが目立つ映画」ではないかと思いました。

母親役のジョディ・フォスターの演技は、不条理に娘を喪失した母を鬼気迫る迫力で見せてくれて、なかなかの見物でした。
ただ、娘を捜すために、この母親があまりにやりたい放題の無茶苦茶をやりすぎで、
観客としては彼女を応援する気持ちにはなれませんでした。
娘が行方不明だからって、何やっても誰に迷惑をかけてもいい訳じゃありませんし、
やらかした事にはある程度の責任が発生するんじゃないでしょうか。
最後にあの人に「謝まって」くれていればそこまで不快には思わなかったのでしょうけどね。
他人を無根拠に誹謗中傷して傷つけても謝らない親の姿」を娘に見せて平気な顔をしている親ってのは、個人的には最悪かと。

飛行機の乗務員の態度も酷いもので、航空会社からこの映画にクレームがついたらしいという話も納得しました(笑)

そんなわけでこの映画、つっこみ所満載の映画ですが、私的にはB級映画的満足感よりも、どうにもスッキリしない嫌な気分の方が強く残る映画でした。
いっそもっと突き抜けてくれていれば多少の不快感も薄れたかも知れませんが、中途半端な「普通さ」が足を引っ張るのです。
エンターテインメント作品としては、“あの”トンデモ馬鹿馬鹿映画「フォーガットン」の方がある意味では楽しめたかも知れません。

http://www.movies.co.jp/flight-p/index.html

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■ブラインドネス(フェルナンド・メイレレス監督)(2008/12/09)

世界中の人が失明するという話。
設定だけ聞くとパニック映画と思えそうですが、あまりオーバーな盛り上げはせずに状況を淡々と見せる映画でした。
ヒロインの行動も、よくある映画のようにいきなり英雄的になったりしない辺りがリアルです。
派手な展開は無いですが、『自分がこんな状況下にいたらどうなるか』と思わずにはいられなくなる、重苦しくジワジワと恐さを感じました。

実際いきなりこんな状態になったら、社会なんて無茶苦茶になってしまうでしょうねえ。
自分も五感のうちどれに一番頼っているかと言えばやはり『視覚』でしょうし。

登場人物の"目が見えない"事を"目に見える映像"として表現する為に細やかに工夫された映像表現が面白かったです。
例えば、何もないと思った空間にいきなり人物がぶつかったと思ったら机が現れたりという風に。
こうした映像表現のリアルさもあって、強く作中内に引き込んでくれたと思います。
ただ、作中で日本語が出てくると急に現実に引き戻されちゃうんですけどね;

こういう状況下での人間関係を良い形でも悪い形でも描いているのが印象的でした。

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■フラガール(李相日監督)(2006/10/03)

炭坑斜陽の時代−昭和40年、炭鉱会社は温泉を利用して「常磐ハワイアンセンター」を創設し、雇用問題の解決と町の活性化を図ろうとする。
センターの目玉はフラダンス。東京からダンスの先生を招き、ダンスのダの字も知らなかった町の炭坑娘達をダンサーとして仕立てようと言うのだ。
始めてのダンスと、新しい試みを快く思わない町の人々との衝突で彼女達は苦心するが…


という話。
「ウォーターボーイズ」や「スゥイングガールズ」のような、ダメダメな主人公達が頑張って成長していくコメディ的作品、…なのかと思っていましたが、
実話ベースである事もあってか、予想以上に「町おこし組と炭坑組の衝突」等のシリアスな部分が多い、感動路線の(お涙頂戴的な)映画になっていました。
コメディ3:感動路線7 というところでしょうか。
コメディ・シリアス共に、かなりベタベタに描かれた作品ですが、日本人の情感を刺激するような古典的な日本映画的演出が上手くハマって、なかなかに感情移入出来て入り込める、いい映画になっていました。
ちょっと終盤は冗長で長く感じてしまいましたけど(^^;
フラのポーズを通して先生に思いを伝えるシーンは良かったです。

新しい物を受け入れられないだけでなく、邪魔までしてしまう。町を良い方向に向かわせたい同じ気持ちを持っていても、人の相互理解は簡単にはいかない物だと思いました
相手をよく知らないから受け入れられないってのは、現実によくある話ですよね。

ダンスを通して家族と和解するあたりは「リトルダンサー」を思い出したりしました。炭坑だし(笑)
あちらは個人の夢が主題で、こちらは町の復興でと、全然内容は違いますけどね。

肝心の終盤「ダンスシーン」はキレがあって(前半のダンスのダメダメっぷりも効いていて)見応えがありました。
ダンスのメンバー達のキャラについては、個別に判別出来るのが4人だけと言うのが、ちょっと惜しかったかと。
他のメンツももう少しだけでも個々を印象付けてくれても良かったかなあ。(それをやりすぎても話の焦点がボヤけますけどね)

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■プラダを着た悪魔(デビッド・フランケル監督)(2006/11/25)

「プラダを着た悪魔の棲む家」とか「プラダを着た悪魔が来たりて笛を吹く」とか「連邦のプラダを着た白い悪魔」とか「プラダを着た七人の悪魔超人」とか「プラダを着たアクマイザー3」とか「プラダを着た悪魔くん」とか色々考えられるのであります。


さて、映画について、
例によって事前情報はシャットアウトして行ったので、ファッション雑誌業界の話だと言うことも知りませんでした。
まあタイトルから想像できないでも無かったですが。


ジャーナリストを目指す女性・アンディ(アン・ハサウェイ)はファッション雑誌の編集長ミランダ(メリル・ストリープ)のアシスタントに採用される。
ファッションにはまるで興味の無かったアンディは、鬼上司ミランダの無理難題に振り回されつつも、将来の夢の為に頑張ろうとするのだった…


という話。

私自身はファッション関係はまるで門外漢ですが、それでも映画はなかなか面白かったです。女性向きの映画だとは思いますが。
よくある『ごく普通の働く女性が頑張る話』ですが、話も映像も音楽もテンポが良くて、気分良く見させてくれます。
まあ、主人公は決して「普通の一般人」では無い気もしますが、映画的には気持ちよく見られるのでご愛敬かと。

服が変わる「だけ」で人の見方を変える人々の単純さにはちょっと笑ってしまいましたが、
その世界で働くことになったのなら、その世界の事をちゃんと知ろうとしなければ上手くいく訳が無いのはどんな世界でも同じですので、
どんな仕事にも当てはまりそうな普遍的な話に思いました。
映画を最後まで見て最初は「この映画は働く姿勢としてどの方向性を是としたかったのか」と少し迷いもしたのですが、働く人がそれぞれの立場に置き換えて、様々な受け取り方が出来る幅がある映画なのだろうと思えます。

映画の結末は割と「こうなるだろうな」と予想できる範疇でしたが、
そこに至る終盤の描写は私的には少々しっくり来ない部分もありました。
詳しくは言いませんが、「主人公の行動が感情任せで無責任すぎる」と思えたのが難点だったかと。

彼女らのどちらが正しいと言うより「生き方の違い」と考えれば良いのかも知れませんが、それでも仕事を投げ出しての決別はちょっといただけなかったです。
映画的には"絵になっていた"とは確かに思うんですけどねー。
その分ミランダの株は上がりましたが。

メリル・ストリープを始め、主人公やその先輩など、女性陣が魅力的な映画でした。
一方で男性陣はちょっとパッとしない気もしたりして。キャストの話だけでなく役回り的にも。
とりあえず妻は、主人公の彼氏のガキっぽい了見の狭さが好かなかったようです(笑)
いっそアンディはナイジェルとくっつくのはどうか?(笑)

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■ブラックサイト(グレゴリー・ホブリット監督)(2008/04/29)

デスノートというかデスサイトというか、
人を処刑する映像をネットに流し、閲覧者のアクセスカウントが増えるほどに処刑執行の速度が上がるという殺人サイトを巡るFBI捜査官(ダイアン・レイン)の話。

一般大衆の興味本位のアクセスが"イコール殺人の共犯者"になってしまうという設定の悪趣味さがミソで、『現実にもあり得そう』と気味悪さを感じさせてくれます。
やっぱりこの映画を見ると「自分だったらこういうサイトを見るか否か」とは考えちゃいますね。
自分は(そういうサイトだと知っていれば)見ないとは思うのですが、映画と同じ状況ではなくても"よく知らずにうっかり加害者になってしまう可能性"というのは今日日案外転がっている気もしますので、やっぱりなかなか恐い話ではあります。

あらすじだけでも想像出来そうな通りに、なかなか正しく気分悪い映画です。
面白いことは面白いのですが、R15なのも当然ですね。殺し方も実にエグく気分悪いです。

しかし、サスペンス物としては割と普通で、オーソドックスにまとまった映画だったとも思います。展開が予想しやすいとも言えますけど。
ネタバレですが、主人公が犯人に捕まるあたりはなんとも「ホラー映画的ツッコミ」をしたくてたまりませんでした。(苦笑)
そこまでお約束的な軽率な行動をしなくてもよかろうに(^^;

とりあえず、
この手の映画を見ると思いますが、
人間腹筋は大事ですねえ。

あと、英語が苦手な身としては、劇中のPC画面上の細かい英語にも字幕を付けて欲しかったとか思ったり;

以下ネタバレですが、
2回目までの殺人はまだ犯人の動機として理解出来ないでもないですが、3回目以後は単なる逆恨みだよなあ…

最初に"主人公の家族"が出たときは「あー、ヤバそう、特に娘がヤバそう」と思いましたが、
それを逆手にとったのはちょっとホッとしました。

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■ブラックブック(ポール・バーホーベン監督)(2007/04/24)

第二次大戦時のオランダで、家族をナチスに殺されたユダヤ人の女性"ラヘル"がレジスタンスのスパイとしてドイツ軍大尉"ムンツェ"を色仕掛けで落とすことになるが、
ムンツェの誠実な人柄に接し、苦悩していく…

…というのが予告等から読み取れる内容ですが、
こうした導入からは予想の付かない方向に流れていく話でした。
どんどん思いがけない状況に発展していって、見ながら「どこまでやるんだ?」とハラハラさせられます。

もうちょっと『普通のホロコースト物』なのかと思ってましたが、とんでもない。
ドイツ軍だけでなく、普通なら"被害者"であるオランダ人も巻き込んで、時代の熱狂の中での『人の醜さ』や『業』というものをこれでもかとばかりに見せつける、
かなり意地の悪い、毒まみれの作品です。
『人は綺麗なだけではいられない』と言いますか『因果は巡る』と言いますか。
しかし、それがエンターテインメント・サスペンスとして非常に面白いのがまたタチが悪い(苦笑)
後味はかなり悪いんですけどねー(^^;

エロとグロと皮肉と黒さに溢れた作品です。見る前に意識してなかったですが、『スターシップ・トゥルーパーズ』の監督なんですねえ。大変納得しました(笑)

次々と引っ繰り返される状況に引っ張られて、2時間超の長さが気にならない作品でした。
伏線の散りばめ方と回収がお見事。

ラストの『1956年』もまた何とも皮肉。

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■ブラックホーク・ダウン(リドリー・スコット監督)(2002/04/15)

1993年
部族間闘争により飢饉が蔓延していた東アフリカのソマリア、
30万人以上の民間人が飢え死にしているなかで
海外から食糧配給がなされるが、
物資の多くは軍の指導者“アイディード将軍”の一派によって略奪されていた。
国連は平和維持軍を派遣、物資の保護と部族間の停戦を確保しようとするが、
アイディードは24人の国連パキスタン兵士を殺害、
報復攻撃を行ったアメリカに対し宣戦を布告した。

同年10月3日
現地の米司令官ガリソン少将は部下のレンジャーとデルタ部隊に
アイディードの副官2名の捕縛作戦を命じた。
ヘリで兵士を移送して現地で降下、捕虜を捕縛後に車両で帰還する計画だった。
100人の兵士を投じて行われたその作戦は
わずか1時間で終わる簡単な作戦のはずだった。

しかし現地の民兵を舐めていた予想の甘さか、
新米兵士のヘリからの落下をきっかけに作戦は陰りを見せ
ついには戦闘ヘリ“ブラックホーク”が民兵のロケット弾により撃墜、
仲間の負傷者・死者を連れ帰らなければならない意識がゆえに、
“負傷者を助けるために”新たな負傷者・死者は雪ダルマ式に膨れあがっていく。
兵士達は圧倒的多数の民兵に囲まれ脱出もままならず
泥沼のような混乱と悪循環の中、15時間に及ぶ戦闘へと発展していた・・・。

実際の事件を詳細に再現したノンフィクションの原作を元とした映画です。
上映時間の8〜9割、およそ2時間の間ひたすら戦闘が続く
混乱と殺戮と狂気と恐怖に満ちた映画であり、そして「現実」の再現です。
映画はただシーンを積み重ねるだけで監督の主張を訴えた映画ではありません。
だからこそ、いろいろと、いろいろと、考えさせられてしまうのです。

命の重さと軽さを見せ付けられる、悪夢のような映画でした。

見ておくべき作品だったと思いますが、再度見たくはないですねえ。

後日追記:現代の戦争はなんとなくクリーンなシステマティックな印象を感じていたり、
装備の優れている側が有利なような幻想を、普段私達は持っているように思えますが、
そんなものは幻想なのだとまざまざと見せ付けられる作品です。

http://bhd.eigafan.com/

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■ぷりてぃ・ウーマン(渡邊孝好監督)(2003/06/16)

★(基本設定ネタバレ少々)
人生の第一線を退き、日がな一日、町の集会所で寄り合う、婦人親睦会『ともしび会』の7人のおばあちゃん達。
自由な時間を持ちながら、それを持て余す日々を送っていた彼女達だったが、
ある日、市役所の福祉課より市民サークルの発表会に出て何かをやって欲しいとの要望を受ける。
(それも結構大きな市民ホールの劇場なのである)

当初は何をやっていいか分からないと愚痴るおばあちゃん達だったが、
ともしび会のリーダー格の葵(淡路恵子)は、シナリオライター志願を挫折した孫娘を巻き込み、演劇を発表会で上演することを思いつく。

始めは台詞覚えも上手く行かず、
ど素人のおばあちゃんが今更芝居など出来る訳がないと、周囲の反応も冷ややかだったが、
いつしかおばあちゃん達は芝居の楽しさに目覚め、熱中していくのだった・・・

素直に面白いです。
わははと笑えて味があり、パワフルで、いいシーンに泣かされる、いい映画でした。
何歳になろうが、自ら動けば新しい可能性は生まれるのだと、素直に感じさせてくれます。
タイトル通り、おばあちゃん達が実に可愛いかったですな(^^

監督は「居酒屋ゆうれい」を撮られた人のようです。
また、この話は、静岡県に実在する、平均年齢80歳のおばあちゃん劇団『ほのお』をモデルとして組み立てられた映画だということです。
実際の演劇も見て見たいものであります。

http://www.cqn.co.jp/prettywomen/

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■ブルース・オールマイティ(トム・シャドヤック監督)(2003/12/23)

ジム・キャリー映画。「マジェスティック」ぶり・・・でしょうか?

己の不運を嘆き「神は職務怠慢だ!」と怒った男“ブルース”(ジム・キャリー)が、
“神”に万能の力(ただし人の心を変えることは出来ない)を与えられて神の職務代行を押しつけられるという話です。
神の万能の力を得てやりたい放題をしていたブルースが、やがて己の愚かさに立ち返っていくという、
笑わせながらホロリとさせるハートフル系の「いい話」です。
正直に言って、少々映画の印象が薄い気もしますが、笑えて面白い映画でした。

神の力を得てしまったブルースの“やりたい放題”っぷりがなんとも子供っぽくて笑えます。ジム・キャリーのはまり役ですねえ。
ライバルのアンカーマンがジム・キャリー風の超早口しゃべりを演じるシーンがありますが、
そのシーンを見ているとジム・キャリーのあのしゃべりを真似する難しさがよく分かります。NGも多そうだ。

しかし、以前の「トゥルーマンショー」でも感じましたが、ジム・キャリー映画って、
微妙に藤子SFの匂いを感じます。今回はドラえもんの『独裁スイッチ』とかSF短編に近い匂いがちらりと(笑)

個人的にヤフーのパロディが笑いました。パソコンで“祈り”を管理するあたりが現代風です。
なのに“神”からの連絡はポケベルなのが不思議です(^^;
電話すればよかろうに(笑)

http://www.uipjapan.com/brucealmighty/

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■ブレア・ウィッチ・プロジェクト(2000/01/05)

★★★ネタばれあり★★★
「1994年10月、メリーランド州バーキッツヴィルの森周辺で
 ドキュメンタリーを撮影していた映画学科の生徒3人が、行方を絶った。
 1年後、彼らのフィルムだけが発見される」

との出だしと、
「嘘かホントの話か分からない」との情報を事前に知っていましたが、

それ以上の情報は一切なしの状態で見ました。
(あと、「恐いらしい」「映像がチープらしい」って情報はあったかな)
私自身「これがフィクションかノンフィクションか知らない」状態で
見たわけです。

で、見てどうだったかと言うと、

恐かった…ことは恐かったですが、むしろ「後を引く」といいますか、
なんとも澱んだ気持ちがいつまでも消えない映画でした。
(おかげで、おおみそかの夢に森で迷う夢まで見てしまいました)

見た後で、パンフレットの袋とじ部分や、インターネットの情報のおかげで
「本当の事」を知ったわけですが、
劇中の映像は「ドキュメンタリー」として大したリアリティを持っていて、
劇中の不可思議な事象を超常的な事ととらえるかどうかはさておき、
「記録映像」だと言われても信じてしまえる映像でした。

この映画を「一本のフィクションの映画」として見た場合の評価は
悩むところですが、そういう見方での評価を考える必要もない気もします。

「企画の勝利」というか、
「企画を完全に実行し得た事の勝利」と感じました。

でも「2」をやるってのはどーかなー
初めから「フィクション」だと分かってしまっていては
魅力も激減だと思うけど、うーむ

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■ブレイブ ストーリー(千明孝一監督監督)(2006/08/04)

宮部みゆき原作のファンタジーアニメ。
願いを叶えるために現実世界から異世界である“幻界”に旅立つ少年の話です。
なお、原作は以前に少々本屋でめくった程度で未読。
コミックバンチの漫画版はたまに立ち読みで見ますが、あれは“少年漫画的フィルター”が相当かかっていそうだから参考にはならない気がします。

各所で低めの評価ばかり見ていた為か、はたまた『ゲド戦記』を先に見てしまっていた為か(苦笑)、
案外“普通”の出来だと思いました。
しかし、良くも悪くも“普通”で、
思ったほど悪くは無かったけど良いとも言えず、面白いかと聞かれれば微妙です。
ベタベタに普通すぎる展開で意外性や新鮮味はありませんでした。
子供向けにはこれでもいいのかも知れませんが、子供向けにしては少し重い気もするか(?)
これも各所で言われていますが、ターゲットがどの層を向いているのかが今一ハッキリしません。

長い原作を詰め込んだ為か、原作未読の身で見ても明らかに詰め込みすぎで、
2クール程度のテレビシリーズを無理矢理ダイジェストでまとめた映画のようだと思えました。
(ほんと、中期的なテレビシリーズでやればもっとまともに楽しめる作品になりそうなんですけどね)
話の繋がりを「多分こうなのだろう」と想像で補完する必要があるところがかなり多いです;

キャラクターは魅力的な雰囲気はあるのですが、それも『長期で話を追ってきていれば感情移入出来て魅力的に思えるのだろうなあ』と言うところ止まりで、とても惜しいです。
『キャラの魅力が伝わるはずのシーン』が見事にダイジェストで流されてしまってますからねえ。
なんとも“勿体なさ”ばかりを感じる作品でした。絵は奇麗なんですが。

ところであのラストは何故“ああなる”のでしょう? サービスなんでしょうか?
直前に語ったテーマが台無しになってしまった気がするんですけど。

テーマをセリフで語りまくってしまったり、“影との戦い”をやっちゃったり、やけにゲーム的だったり、竜に乗って飛んだり、プロ以外の声優ばかり使ったりと、
妙に『ゲド』と被るところが多いのが不思議です(^^;
声優の件以外は偶然だと思いますが。

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■プレステージ(クリストファー・ノーラン監督)(2007/06/19)

19世紀末のロンドンを舞台に、
2人のマジシャンがある事件をきっかけに憎しみあい、互いを出し抜こうと争い合っていく話です…

が、

『マジシャンのトリック合戦』を期待して行くと騙されたと思うかも知れません。

事前情報は極力入れずに見るべき映画ですが、
「ニコラ・テスラがどういう人か」だけは下調べしておいた方がいいかと。
(関係ないですが、自分がテスラを知ったきっかけは荒木飛呂彦の「変人偏屈列伝」だったなあと、懐かしく思い出したりして。)

ネタバレ無しではどうにも語りにくい映画ですが、
映画の感想を一言で言うと「いいかげんにしなさい」でしょうか(^^;
互いに「そこまでやるか」というような(犯罪レベルの)啀み合いが繰り返されます。
憎しみの連鎖は確かに不幸で悲劇的なのですが、それ以上にむしろ互いの大人げなさの方を強く感じてしまいました。
人の言うことを全然信じられなくなっていく辺りは、客観的に見てしまうとアホに見えますが、しかし、ある意味ではリアルなのかも知れません。

「メメント」の監督だけあって、時列をいじりまくった、かなり分かり難い構成の映画ですが(寝不足だったこともあって序盤はちょっと辛かった;)、
最後まで見れば、一つ一つのシーンやセリフに練り込められた意味や伏線が分かって、細かい部分までよく出来た面白い映画だったと思えました。
ただ、作中の重要な"トリック"の真相についてはかなりトンデモなので、受けいられない人もいそうですけどね。
個人的には、"トンデモであること"はともかく、肝心の"2つのトリック"がどちらも割と途中で読めてしまったのは少し残念でした。(読めたというか"見たまんま"なんですね)

それでも結構楽しめたのですが、後味は大変悪い映画ですので注意のこと。

思わず「たぶん私は3人目だから」とかエヴァネタを書きたくなりますけど、ネタバレなので書けません(文字反転でしか)
最後も(反転)水槽に浮いてましたっけねえ。

原作は未読でした。
映画だけだと正直疑問が残った部分もあるので、原作も読んでみたいかと。(結構原作からは変わってるみたいなんですけどね)

以下ちょっと反転で疑問点とか思ったこととかをネタバレで。
・ボーデンが「2人」だったのはテスラの機械とは関係ないはずですが(テスラはアンジャーの依頼を受けてから機械を作ったのだし)、なぜ「テスラ」の名前をアンジャーに教えたのか?
単なる暗号のキーワードだったのか?

・ボーデンとファロンの関係は「双子」だったというのが正解なんでしょうか?
アンジャーの奥さんの「ヒモ」を縛ったボーデンと「どう縛ったか覚えてない」(手を撃たれた)ボーデンは別人と思われますが、最後に生き残ったのはどちらのボーデンだったっんでしょう(見落としてますかね?)

 →と、書いた後でLoomingsさんの記事(ネタバレ注意)を見つけて大分合点がいきました。なるほど、演技の差ですか。
見返せばかなり発見が多そうな映画ですね。

・「自分を殺し続ける」事を選択したアンジャーですが、2人に増えた時点で普通にボーデンと同じトリックが使えたのに、延々「自分を殺し続ける」狂った選択をし続けたのは何故なんでしょう。
まあ普通の神経なら「自分が2人いる」なんてことは確かに苦痛でしょうけど、「自分を殺す」方が遙かに狂ってますし。
それでも彼にとっては「自分が裏方に回る」事の方が嫌だったのか、"自分の偽物"を許容出来なくなっていたのか…、
その心理を理解は出来ませんが、妄執は確かに強く印象に残りました。

以下蛇足、
心底どーでもいいことですが、
略すると「プレステ」だなと、見た後で気付きました(・e・)
もしも続編が出来たら「プレステ2」ですよ。(出来ないと思いますが)
うっかり「プレステ3」まで作っちゃったらきっと大苦戦しますよ。(絶対出来ないと思いますが)

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■プレッジ(ショーン・ペン監督)(2002/09/25)

見終わった後、しばらく呆然としてしまいました。
予告を見たときから、あまり後味は良くなさそうだと予感はしましたが、
予想とは全く違った意味で、実に救いの無い映画でした。
ですが、確かに面白かったです。

刑事ジェリー(ジャック・ニコルソン)の定年退職が後6時間に迫ったある夜、
雪深い山中で少女の遺体が発見される。
捜査に同行したジェリーは少女の家族に事件を知らせる役割を引き受けてしまう。
「必ず犯人を逮捕してくれ、あなたの魂にかけて誓ってくれ」と、
少女の母に十字架を突きつけられ、懇願されたジェリーは犯人逮捕の約束(プレッジ)をしてしまう。
・・・程なく犯人は逮捕され、事件は解決したように見えたが・・・

雄大な湖や雪山の中の町を舞台に、静かにじっくりと、
事件の真相の暗示が見え隠れして、
なにかが進行していくのを感じさせる緊張感が溜まりません。
画面はあくまで静かに雄大でありながら、緊張感のテンションが高く、
ドキドキして本当に面白いです。
どこで運命が狂ったのか?
やりきれないながら、心から離れない(離れてくれない)映画でした。
何度も見たいとは思いませんが、私的には割と好きです。しかし
最後まで見て「なんじゃこりゃあああ」と怒る人もいそうな気もしますね(^^;

http://www.gaga.ne.jp/pledge/

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■ブロークバック・マウンテン(アン・リー監督)(2006/05/01)

かなり出遅れましたがようやく見ました。
巷で聞こえる評判のように、確かに「ゲイ」部分を除けばかなり真っ当なラブロマンスかと思いました。
まあしかし、「ゲイ」部分はこの映画の取り除き得ない要素ですけどね。

ゲイ恋愛の根本部分への感情移入は出来ませんでしたが(発端があまりに唐突すぎるし、そもそも互いがどこに惹かれたのかが分からないし)(主人公達よりイニスの奥さんに感情移入したりして)(そうは言っても「山から下りた後の嗚咽」シーンやラストシーンは胸に迫るのですけどね)、
“過ぎ去った大事な時間への拘り”が強く示された切ない映画でありました。
“決して戻らない輝かしい若い頃の時間への郷愁”を痛いほどに感じましたが、
それに拘るあまりに“「現在」大事であるはずのもの達”が全て手から滑り落ちていくあたりはやるせないです。

嫌なことがあるとすぐに暴力に走って家庭を顧みることの出来ないイニスも、仕事もいい加減で先を考えない調子者のジャックも、ゲイ云々は別としてもかなりの「ロクデナシのダメ人間」だなあと、見ていて単純に思いもしましたが、
既に時代遅れの「カウボーイ」以外の存在になれない、“大人に成りきれない子供”の典型のような男達の悲哀は、今の時代でも普遍的に感じられるものだと思えました。
このあたり、我が身にも思い当たる部分を感じてなかなか「痛かった」です。

劇中イニスがジャックに「お前に出会ったせいだ」と言うような事を言っていましたが、
仮に2人が出会っていなかったとしても(ゲイに目覚めてなかったとしても)、果たして彼等の人生は大きく違っていただろうか?、とも思ってみたりして。

作中でビュンビュン時間が経過していく感覚も、強く郷愁を誘うものでした。
過ぎた輝かしい過去の象徴である、序盤に描かれる「ブロークバックマウンテン」の風景は実に美しかったです。
大自然の中での羊の放牧シーンの壮大なこと。

ついでに、羊かわいいよ。

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■プロデューサーズ(スーザン・ストローマン監督)(2006/04/18)

落ち目のミュージカルプロデューサー・ビアリストックと気弱な会計士・ブルームが、
“一日で興業停止間違いなし”の最低最悪のミュージカルを作って制作費をネコババしようとする話。
歌あり踊りあり笑いありのミュージカル映画です。
ちなみに昔の映画やミュージカル板は未見。

馬鹿馬鹿しくて皮肉も効いていて笑えました。後に残る物はあまり感じませんでしたが、楽しかったです。
悪趣味で下品でヤバイネタや、ゲイだとかゲイだとかが溢れかえっているので、好みは分かれるかも知れませんが。
人種ネタなど日本人にはちょっと分かり難いところもありました。

ハトやお婆さん達やゲイな人が良いですな。エンディングにも笑いました。
ただ、134分とちょっと長く、終盤はややダラダラと冗長になった気もします。
2時間内ですっきりまとめて欲しかったかなあ。

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■ヘアスプレー(アダム・シャンクマン監督)(2007/10/23)

1962年のボルチモアを舞台に、
ちょっとおデブな女の子トレーシーがローカルTV番組のダンサーとしてデビューするも、
プロデューサー母娘の妨害を受けつつひたすら前向きに頑張る話。
ミュージカルで全編歌い踊りまくりなコメディ映画です。
(なのでそもそもミュージカルが苦手な人には向かないかと)
なお、1987年の映画がオリジナルのようですがそちらは未見です。

ツッコミ所は感じる物の、ひたすらポジティブで楽しい映画でした。
差別問題など重いテーマもあるのですが、その解決方法は極めて脳天気でファンタジックです。
ストーリーもとにかくシンプルで予定調和なので、とにかくシンプルに歌と踊りを楽しんでしまえば良い映画かと思います。
差別問題の解決があんないい加減でいーのだろうか、とも考えてしまいますが、
つまらない差別意識にこだわらない主人公の脳天気さは素直に好感を持って良いものかと。
(警官に暴力の口実を与える件とか)行動があまりに考え無しすぎるとは思いますが(苦笑)

主人公のトレーシー(ニッキー・ブロンスキー)は愛嬌と味があって良かったです。
そして、主人公の<b>"母親"</b>を演じるジョン・トラボルタが凄いですな(笑)
敵役のプロデューサーも、その妨害行為があまりに身体を張っていて、妙に憎めません。
悪役も嫌みがない気持ちいい映画だったと思います。

ところで、今のアメリカでは肥満は問題視されているかと思っていたのですが、今の映画で「肥満も個性のうち」と軽く肯定して済ましてしまうのはちょっと意外でした。
(アメリカで「肥満は自己管理能力を疑われる」というのはホワイトカラーだけの話なんですかね)

そして、あまり細かいところにこだわるべき映画では無いと思うんですが一つだけ。
タイトルにもなっている"ヘアスプレー"が時代の象徴的に扱われていて、作中でもスプレーを吹きまくりなんですが、
そのたびにやはりどうしても『フロンが、フロンが』と言う気持ちになってしまったりはしました(^^;(1960年代のスプレーがどういうものか軽く調べても分かりませんでしたが)
何故今の時代に映画化してヘアスプレーをあんなに前面に押し出すかなあ;
リメイクで仕方ないのかも知れませんが。

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■平成ライダーVS昭和ライダー 仮面ライダー大戦 feat.スーパー戦隊(柴崎貴行監督)(2014/3./30)

平成VS昭和ライダー観て来ました。もう何度目になるやらというライダー大戦映画です。
今回の目玉は「平成VS昭和で勝ち負けの結末をきちんと描く」とのことでしたが、オチは「やっぱりそうなるよねー」という感じでした。こう聞いて多くの人が想像出来る通りのオチだと思います(笑)
事前の投票でどちらが勝つかを決めると言うことで、平成・昭和のそれぞれが勝つ2パターンのラストを作っていたとのことですが、違ってるのは多分ラスト数分の部分くらいなんだろうなあと思います(^^;

とは言え、映画自体は結構楽しく観ることが出来ました。
今回は、平成側は鎧武の葛葉紘汰ほか鎧武メンバー、ディケイドの門矢士、555の乾巧、Wの左翔太郎、ウィザードの操真晴人、それを受ける昭和側は1号の本郷猛、Xの神敬介、ZXの村雨良といった面々が顔出しで出演していましたが(後はモモやん入り電王)、
ドラマパートのメインとなるのは主に平成側の紘汰、士、巧の3人に絞られていて、割と一本筋が通ったドラマになっていたんじゃないかと思います。
まあ、そうは言ってもキャラも要素も多すぎるのでとっ散らかった印象はどうしてもありますけどね。(特にZXのあたり)

今回は「死者への未練」がテーマにありましたが、鎧武の紘汰も裕也や初瀬を失ってますし、555パートでもそのあたりが大きく取り上げられていたし(惜しむらくは自分が555本編を未見でよく分からなかったのが難点でしたが)、
その点ではウィザードの晴人の登場も納得の出番がありましたし、割としっくり来るテーマだったんじゃないかと思いました。

ただ、大戦映画の常ですが、ヒーロー同士を戦わせる理由はやっぱり雑でした。そして戦いの果ての真相は「やっぱりこうなるか」ですよ(笑)
平成ライダーの「死者への未練」が今回の事件の原因だと昭和ライダー側は言ってましたが、死者の数なら(よく分からないけど)平成より昭和の方が多いような気がするんですけど、どうなんでしょう。
ところで、先に書いたように555は未見なのですが、カイザの草加って本編でもあんな性格悪い人だったんですかね(^^;

平成と昭和のどちらが勝つのか投票については、総投票数が277万に対して結果は760票の僅差だったそうで、どちらが勝ちすぎることもないいい決着だったんじゃないかと思いました。

ディケイドの士は映画では自分勝手な困ったちゃんポジションなことが多いですが、今回は割と最初から最後まで結構「いい奴」で少し新鮮でした。あと、特大パフェを持っての登場には吹きましたよ(笑)
そして、ディケイドと言えば鳴滝ですが、士以上に作品によって毎度スタンスが変わる鳴滝さんですが、今回は比較的「きれいな鳴滝」だったんじゃないかと。オチも鳴滝で笑いました。

ライダーそれぞれの対戦では、ブラック&RXの相手がジョーカーなのはニヤリですね。つーかブラックとRXはホントに何の説明もなく2人同時に出てくるなあ(笑)
555の相手がXだったのは、こちらもカラーリングのためですかね(銀(グレー)、赤、黒)と。

巨人のJはビル壊すなよと思いました。一番街を破壊してたのはこの人ですよ。

鎧武メンバーについては、士の皮肉っぽい言葉を表面上の言葉通りに受け止めて怒る紘汰さんがとてもバカっぽかったのが印象に残りました。理解力低いよ紘汰。
しかし、最後の「一輪の花」についてはあまり紘汰っぽくない気もします。

「兄さんと一緒なら負けない」みたいな事を言っていたミッチさんは、きれいなミッチすぎて、「あんた誰?」と思いましたよ(笑)

戒斗さんについては公式でも事前に書かれていたようにすっかりギャグ要員で、戒斗さんらしくてホッコリしました(笑)

ゲスト少年のオチについては、「きらいだ」はどうひっくり返しても裏返しても「だいすき」にならない気がするのですが、まあいいか。
つーか少年の望みをあんな形で叶えられるライダーは、いつの間にみんな魔法使いになったんですかという感じです。(ウィザードはともかく)

戦隊(トッキュウジャー+ダイゴ)の出番はやっぱり唐突でしたが、トッキュウと電王のコラボは見たかったので満足しました。
ダイゴの登場自体は嬉しいのですが、キョウリュウで1人だけだったのはちょっと寂しかったですな。

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■ペイ・フォワード「可能の王国」(2001/03/04)

★★★ネタばれ注意★★★
悪くはない、けど

ラスト。
話をただの綺麗事で終わらせない意図もあるだろうと思うし、
あえて現実的な厳しさを見せる意図もあるだろうと思う、けど
ラストで観客を泣かしたいが為に力業で殺されたと見えて仕方ない。
(同じ理由でシティ・オブ・エンジェルのラストも好きじゃない)

賛否両論でしょうから、あくまで個人的な感覚です。
いい映画だとは思うんだけどね。

★えいが道「ペイ・フォワード」

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■ベイマックス(ドン・ホール監督/クリス・ウィリアムズ監督)(2015/2/12)

遅ればせながらですが「ベイマックス」を観てきました。もちもちしてかわいいよベイマックス。
どうでもいいけど、「べいまっくす」と打つと「米マックス」と入力されちゃったりするのがお餅っぽくてかわいいよ米マックス。

まだまだ寒い日々なので、赤くなってぽかぽかしてるベイマックスが温そうでいいなあと思いました。
一家に一体いて欲しいですよベイマックス。実際にいたらスペースを食って凄く邪魔そうですけども!
いっそベイマックス型お布団とかどうか?(どうかと言われても)

当初の予告の印象に反して実はヒーロー物だったわけですが、人を助けるために造られたケア・ロボットであるベイマックスが人を傷つける存在にならなくて良かったですよ。
途中でヒロが緑のカードを抜いちゃったあたりはヤバくてハラハラしましたけど。

緑のカードが残されていたのは本当に良かったですけど、どのタイミングで抜いたんですかね。まあ、言うのは野暮なんでしょうけど。
緑を抜いた後でも動けたのは赤いカードがあったからなんでしょうか。

悪役がただの悪人では無く、救いもある終わり方だったあたりも良かったかと。いつものディズニーだと悪人は容赦なく問答無用で殺されたりする結末が多い印象でしたので。

ラストの父オチに笑いましたが、ギャグオチに見えて実は次作への伏線だったりするんですかね。フレッドが怪獣からパンツマンになったりするんでしょうか(^^;

愛犬とごちそうの方は、犬にあんな食わせ方をしていて大丈夫かとハラハラしました。

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■北京ヴァイオリン(チェン・カイコー監督)(2003/07/14)

中国映画です。
ヴァイオリンの才能のある13歳の少年“チュン”と、
少年のヴァイオリニストとしての成功を願い奔走する父親“リウ”との、親子の物語です。


田舎で暮らしていた親子二人は、ヴァイオリンのコンクールに出場する為、
大都会である北京に出てきます。
そこでチュンは様々な出会いと別れを経験するのでした。


定石通りの人情話で、ベタベタと言っていいほどの展開の作品ですが、
話の見せ方が丁寧で、親子や人々の情を描いた、いい映画です。
猛烈にお薦めとは言いませんが、良作であります。

設定から「リトルダンサー」を彷彿とさせられたりもしましたが、
結末の感覚は結構違います。少年の(監督の)目指すものの違いなのだろうと感じました。

★★★以下、ラストにも絡むネタバレ、要注意★★★
この映画のラスト、非常に盛り上がるいいシーンなのですが、
少年の選択はこれで本当に良かったのか?
と、見終わった当初、少々“しこり”を感じてしまいました。
これは私が俗物だからかも知れませんが(^^;)、
社会に背を向けた「逃げ」にも感じられてしまったのですね。
私としては成功を目指す事が無意味とは思いませんし、
経験にもまれて人は成長するものだとも思うので(プラスの経験もマイナスの経験も)。

しかし、時間をおいて考えて見ると、
これで彼は彼の音楽にとっての原体験を手に入れたのであって、
彼(彼ら親子)にとって、極めて大事な物を手に入れたラストだったのだろうと思います。

何にせよ、ラスト後の展開がなかなかに気になる映画ではあります。(^^;)

以下は蛇足ですが、
日本アニメって中国でもよく見られているのですなあ(笑)
ビバップやCCさくらのポスターには少し笑ってしまいました。

http://www.cqn.co.jp/violin/

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■ペンギン・ハイウェイ(石田祐康監督)(2018/9/16)

なかなか行けなかったですがようやく観れました。

予告を見ていた時点では気付いていなかったけど、森見登美彦作品だったんですね。
「有頂天家族」や「四畳半神話大系」や「夜は短し歩けよ乙女」はアニメや小説や漫画で見たり読んだりしましたが、本作は未読でした。
小学生の少年が主人公と言うことで有頂天等の作品とはまた少し違った雰囲気でしたが、少年と憧れのお姉さんのひと夏の冒険を爽やかにちょっと切なく描いた“少し不思議”なジュブナイルという感じで、心地よく面白かったです。

違った雰囲気と言いつつ、理屈っぽい主人公の独白で語られたりとか、不思議現象がさらりと描かれたりとか、森見作品らしさと感じるところも多かったかと。
海やペンギンやお姉さんの正体は結局何なのかとかどこから来たのかとか謎なところも多いけど、その辺はおおらかに「謎のまま」で特に問題無いかなと。謎は今後のアオヤマ君に解き明かしてもらいましょう。

ネットの評判では、やたらとおっぱいおっぱいと言われてたようですが、子供らしいおっぱい感であまりいやらしさは感じなかったかと。実際おっぱい発言は多いですけど(笑)
少年がおっぱいにこだわるのは分かるけど、でも30分は考え過ぎだとは思いましたよアオヤマ君(笑)
しかし、思い返してみると、自分は子供時代それほど胸に関心は無かったかなあ。今でも絵を描く時にあまり胸に注力していないのはいいのやら悪いのやら。

ペンギンが可愛い映画かと見る前は思っていましたが、可愛いと言うか、なんとも言い難い不思議生物で、見ていて面白かったです。
可愛いと言うよりも…「駅」の辺りとかむしろホラーですね。ジャバウォックに食われたりもしてるし、なかなかエグいですよ。

ペンギンよりもアオヤマ君とかお姉さんとかハマモトさんとか、人間側の印象が強い作品でしたけど、
お姉さんに関してはやっぱり謎ですね。考えても仕方ないけど、これまでどういう人生を送ってきたのやら。

ハマモトさんがいじらしくて強気ながらも良い子で可愛かったですけど、結婚相手を決めちゃってると言うアオヤマ君にはこの先も振り向いてもらえないんだろうなあと思えて切ないですよ。
あと、ウチダくんのドジっ子ぷりが凄かったです。

アオヤマ君は利発でとても印象的な主人公でした。にぶいけど。理屈っぽさやかしこさと、子供らしい意地っ張りなところとかが微笑ましかったかと。あと、お父さんとの関係性が良好そうでいい感じでした。
アオヤマ君は将来どういう大人になるのだろうとか、「あの後」がとても気になる作品でした。続きとかは無いんでしょうけど。
再会が出来るかどうかは謎ですが、ペンギン号が帰ってきたりとか希望はある…んですかねえ。

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■ベンジャミン・バトン 数奇な人生(デビッド・フィンチャー監督)(2009/2/11)

老人として生まれて年をとる毎に若返っていく男の人生の話です。
リアルな描写の中に一つだけ嘘を加えたファンタジーという、個人的に好きなタイプの作品だったので期待していました。
映画は期待に違わぬ出来で、167分の長さが気にならない(長さに気付かない)名作でした。

一人の男の一生を描くだけあって、1918年から現代までの長い時間を追っていきますが、
それぞれの時代描写が(実際どれくらい正確かは私には判別出来ませんが)地味にリアルに描かれていて臨場感を高めて、
そして周囲皆が歳をとっていく中で(見た目)若くなっていく主人公の描写が映像的にも良く出来ていて面白かったです。

隣人や好きな人が老いていく中で主人公一人は若返っていくという「同じ時間を生きられない」運命が描かれていますが、
フィクションだとたまに“一方が不老不死”とか“一方が超長寿”なカップルなんかもありますが、
それをリアルに突き詰めていくとかなり辛い状態だなあと思えました。
2人の人生の中で互いの歳が釣り合う僅かな時間の貴重さ尊さが切なく印象深かったです。

以下ややネタバレですが、

主人公の後半の行動は、そうはしなくてもいいんじゃないかと少し思ったのですが(見た目が子供でも大人でも老いる事に変わりはないので)、
ずっと人と関わりながら社会の中で生きていくには『見た目』というものも影響は大きいよなあと思ったりしました。
子供の心境も複雑でしょうしねえ。

“カミナリ親父”(文字通り)がなんとも味がありました。

ところで、「小さい老人」として生まれたので最後は「大きいまま赤ちゃん的に」なるのかと思っていました。
実際それをやったらシュールすぎる映像になっていたでしょうけど(^^;

ところで2、「生まれつき80歳の身体」だったら、最初から寿命が決まってるようなものである意味恐ろしい…;

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■ボウリング・フォー・コロンバイン(マイケル・ムーア監督作品)(2003/04/01)

1999年、アメリカのコロンバイン高校で起きた高校生による銃乱射事件や、
その数ヵ月後の6歳の少年による6歳の少女の射殺事件などを入口に、
『何故アメリカでは簡単に民間人の銃犯罪が多発するのか?』を
するどくしつこく突っ込んだ映画です。

近日では監督のムーア氏がアカデミー賞の授賞式でブッシュをこき下ろしたことで、
映画を知らなくても記憶に残っている人がいるかも知れません。
その、ジャーナリストでもあるムーア氏が、マイクを片手に、事件関係者や一般人、カナダ人、ハードロック歌手マリリン・マンソン、
全米ライフル協会会長チャールトン・ヘストン等々の人々に「突撃アポなし取材」をかましたドキュメンタリーです。

テーマからすると重い内容になりそうな物ですが、
深く突っ込みつつも、随所で場内に爆笑が起きる面白さでやられました。
強烈に皮肉の効いた作品です。
あえて大笑いさせながら、考えさせていくあたりの見せ方は実に上手い。
ムーア氏自身を好くか否かは別として、今の世で、一見の価値ある映画だと思えます。

劇中で、マスコミの情報の「選別」による、視聴者の意識への影響力の問題が上げられていました。
ただそれは、この映画、このムーアにしても同じ問題を内包するようにも一見思えます。
しかし、大事な事は、
“思考停止をしないこと、表面的な情報に飲み込まれないで自分で考えること”
ということだと感じました。
ムーア氏の意見を丸飲みする・しないという問題では無く、です。

ライフル協会会長のヘストンが、自分で調べたわけでも考えたわけでもない、お定まりの答弁しかしないのに対して、
“銃撃事件の犯人が曲を聞いていた”為にパッシングを受けたロック歌手マリリンが
映画中で最も自分の意見を持った人物に見えたのが皮肉で印象的でした。

『なぜアメリカで銃犯罪が多いのか?』
私は単純に「銃が身近にあるから」かと思っていました。
ところがカナダの銃普及率はアメリカ以上。なのに銃犯罪は1/10以下です。
「虐殺の歴史」「映画・ゲームの影響」という他の原因候補も各国で差があるわけでもない。
『では何故か?』
映画で示された“ある解答”はなかなか興味深いものでした。

ところで「家に鍵をかけない」カナダの人々を見ていると、
現状の銃犯罪が少ないとはいえ、日本はアメリカに近く思えてしまうのでした。

http://www.gaga.ne.jp/bowling/

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■吠える犬は噛まない(ポン・ジュノ監督)(2004/04/06)

韓国映画。
映画を見た後だと犬は少しは噛むなりして抵抗しろよというか(笑)
ちなみに妻に言わせると吠える犬は噛みまくるとの事です。私は犬を飼ったことはないので分かりませんが。
ちなみに原題は「フランダースの犬」らしい。なんでやねん。
特に題に意味は無いようですが、作中ではアニメ・フランダースの犬の歌が出てました。向こうでもやってるんですねえ。

映画は、面白いと言っていいのかなんとも微妙で不思議な変な映画です。
正義や努力や善意は報われず、賄賂は幅をきかせて罪は放置され、さりとて罪を犯した人が悪人ではなく本来善良(というか普通)な人が何かをやってしまう。
ごく普通の人達を意地悪く歪めたような映画といいましょうか。

なんか、見ていて無力感に囚われるというか、
ひとことで言えば微妙です。
スッキリしないことこの上なしですが、
かといってばっさりつまらないとも言い切れない不思議な映画であります。
悪戯的なユーモアに満ちた映画とも言えまして、
好き嫌いが別れそうな気はします。
私は・・・・・・微妙(苦笑)
ただ、ヒロインの為かあまり悪い後味は残ってないような気もします。

とりあえず、犬好きの人にはお薦めしません。
犬好きの人と見に行くのもお薦めしません。
私は妻を誘って行ってしまってとても焦りました(笑)
やっぱり向こうでは犬はナチュラルに「食べるもの」なんですねえ。
映画を見る前に極力情報は入れない見方をしているとこういうリスクもあります(笑)
これが鶏とかだと日本人ももっと自然に見れる・・・、のだろうか?(^^;

追記>
最後の主人公とヒロインの追いかけっこの後のシーンで、
一瞬だけ『気付いてないのか?、まさか本当に気付いてないのか?? すごいボケだ!!』と思ってしまいました。
ボケは私です。反省(^^;

http://www.hoeruinu.com/

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■僕の彼女を紹介します(クァク・ジェヨン監督)(2005/01/11)

猟奇的な彼女」「ラブストーリー」の監督の最新作です。

ゴーイングマイウェイな婦人警官の彼女と、人のいい高校教師の恋愛物です。

ヒロインは「猟奇的な彼女」と同じくチョン・ジヒョンで、
ヒロインの性格にしても作品としても「猟奇的〜」を連想せずにいられない作品です。
「猟奇的〜」が感動的な芯の要素を持つとはいえ全体的にはお笑いコメディであるのに対して、
こちらは前半こそお笑いですが、中盤以降は何と言いますか、純愛泣かせ系濃度の高い作品となっています。

と言ってもそう綺麗に分かれているというわけではなくて・・、
シーン単位で印象がころころ変わる『ごった煮』のような作品でした。
「猟奇的〜」のようなラブコメディ、純愛物、西部警察のような警察アクション、ゴーストのような幽霊物などなど・・、
人の生き死にに絡むほどのシリアスなシーンかと思えばギャグで落とし、次の瞬間にはシリアスに戻り・・、と思ったらまたすかし・・・、そうと思ったら感動作のようになったりアクションになったり・・、と。
漫画のような、というよりそこらの漫画を遙かに凌ぐ切り替わりの目まぐるしさで、ついて行ける人とそうでない人とで結構好き嫌いが分かれそうな映画に思えました。

宣伝では「83%の観客が泣いた」と言ってますが、
私的には、面白く楽しむことは出来ましたが、泣けはしなかったです。
正直言ってあざとすぎると言いますか、暴言ですが「殺せば感動すると思ったら大間違いだ」とか思ってしまいまして、
そこに至る展開と、そこに至った後の展開全てが無理がありすぎて、シュールなコメディとしては楽しめたのですが、感動までは出来ませんでした。

「無理があること」自体は別にいいのです。
無理無茶であること=「猟奇的〜」やこの作品のヒロインの魅力ですから。
ただ、ギャグやコメディのシーンならともかく、ストーリーの根幹に関わる部分であまり無理な展開をされてしまうとさすがに萎えます。
ネタバレ発言ですが、“高校教師の彼の死”が完璧に『自業自得』としか思えないあたりが、観客として「悲しみ」を阻害されました。
あの彼が死に至ったのも、前半で彼女につき合って銃撃戦を無傷で生き残ってしまったりした為に危機意識が麻痺してしまったため、とも取れて、
「ギャグ作品で人が簡単に死なないからと言って真似しちゃったりしたら駄目だよな」とか「危険ですからお子様はライダーキックを真似しないで下さいとか、妙な危機意識を実感してしまいました
。(^^;
Fさんも感想でも書かれていたことですが、映画中盤が “彼が死ぬまでのカウントダウン”に見えて仕方なかったのも辛かったです。
死にフラグ”を立てすぎです(^^;

ヒロインについても、誤認逮捕とかちょっと洒落にならないようにも感じまして、「猟奇的〜」と比べてしまうと、好感度で少々辛いです。

辛い部分ばかり並べてしまいましたが、期待していた故に文句が多くなってしまったと思われます(苦笑)
あれこれ文句を言ってしまいましたが、最後のオチはニヤリとさせられました。
正直ちょっと笑ってしまいもしたのですけどね(^^;)、
「猟奇的〜」ファンへの単なるサービスというだけでなく、前向きな爽快さを感じられたのですが、
ただ、「猟奇的〜」を見てない人にとってはどうだったのだろう、とも思ってしまいました(^^;;)

追記1.
ハンディカメラを使っているのか、画面がよく揺れておりました。
私は平気だったのですが、妻は気持ち悪かったそうです。映画館が居酒屋の下で匂いが漂っていたのも不幸な相乗効果だったようですが〜

追記2.
中盤を見ていて思ったのは「運転するときは前を見てくれ」ということでした。
いや、事故のシーンじゃなくて「ぐるぐる回ってるシーン」でですね(笑)

http://bokukano.warnerbros.jp/

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■僕の好きな先生(ニコラ・フィリベール監督)(2003/10/23)

3歳から11歳までの生徒が13人、先生1人の、フランスの小さな村の小学校を舞台に
授業の様子や先生と子供達の交流を記録したドキュメンタリーです。
私は映画は先入観なしで見たいので、予告篇以上の情報を入れずに映画に行くことが多いですが、
この映画の場合、予告を見る機会が無かった事もあり、ドキュメンタリーだとすら見るまで知りませんでした(^^;
我ながらバクチばかりしてるなあと思いますが、こちらは良作でした。

映画はもうすぐ定年を迎える先生と子供達の様子や、季節を通しての村の情景を、極めて淡々と映していきます。
厳しさの中の優しさや美しさを感じる映画でした。

http://www.bokusuki.com/

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■僕の大事なコレクション(リーブ・シュライバー監督)(2006/05/23)

家族に関する『もの』を収集してジップロックで部屋の壁に貼り付ける趣味をもつ、ユダヤ系アメリカ人の青年ジョナサン(イライジャ・ウッド)
亡き祖父から古い写真を託された彼は、写真に写った「祖父の恩人」の謎の女性を探す旅に出る。
間違ったアメリカ文化観とインチキ英語を駆使する通訳の青年アレックスと、
アレックスの祖父の自称「目が見えない」老人運転手と、
他称「盲導犬」サミーデイビス Jr.Jr.たちと共に、
ジョナサンは祖父の故郷のウクライナの地で旅を始めるのだった…


という話。2人の青年と1人の老人(と犬)のルーツを巡るロードムービーです。
ひたすら広い空と緑の野原という美しい風景の下で古い車で旅をする。それだけでも素晴らしく“絵になる”情景で引き込まれますが、
言葉もまともに通じず噛み合わない彼等の道中が、時にユーモラスで時に切ない、いい映画でした。

緑の野原や、どこまでも延々と広がるヒマワリ畑、そして未だに残る第二次世界大戦の傷跡というウクライナの田舎の風景が、残酷なほどに美しくも切ない情景を見せてくれました。
(と言っても撮影は撮影協力体制の都合でチェコ共和国のプラハらしいんですが、風景はそっくりらしいです)
ウクライナという国は普段馴染みがなく、あまり知らなかったので色々と勉強になりました。

自分探しという言葉自体はあまり好きではないですが、『自分が何と繋がっているか、何と繋がって今の場所にいるのかを認識する』のは、人の人生の土台作りにおいては確かに大事な物であるかなと思いました。

爺さんの最後の行動は納得もいかなかったのですが、うーむ
こちらが日本人だからピンと来なかったのかとも思いましたが、どーなんでしょう。

ボンネットに座る犬をのっけながら走る車が良いです。「バカ犬」という設定だったけど、いい犬でした。

公式サイト

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■僕らのミライへ逆回転(ミシェル・ゴンドリー監督)(2009/3/26)

DVDやブルーレイ時代の現代に、ビデオテープしか置いていない古いレンタルビデオ店が舞台の話です。

レンタルビデオ店のVHSが磁気を帯びたジェリー(ジャック・ブラック)のせいで全部映像が消えてしまい、
店員のマイクとジェリーが消えた映画を自分たちで撮影してレンタルすることになるという話。
映画のラインナップは「ゴーストバスターズ」から始まり「ロボコップ」「ラッシュアワー2」「メン・イン・ブラック」等々といったメジャー映画が
次から次へと彼等にリメイクされていくことになります。

当然ながらCGなどは使えず、手作りの素人撮影でこういった作品を再現していくのが楽しいところでした。
(要は動画サイトであるような素人映像ですね)
まあ、そういう作品が街中の人々にあれほど大受けしてしまうのはちょっと疑問なんですが(^^;、
ああいう映像を作る楽しさは伝わってきました。

こういうバカバカしい話ですが、後半は意外にシビアに進んで最後にはいい話的に終わりました。
気楽なバカ話かと思っていたので少し拍子抜けではありましたが、悪くはなかったかと思います。
バカを期待したら、ちょっと愛すべき小品という感じだったかなと。

公式サイト

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■ぼくを葬る(フランソワ・オゾン監督)(2006/05/30)

余命3ヶ月を宣告されたゲイの31歳カメラマンの最後の日々を描くフランス映画。
随分“モロ”にやってるなあと思ったらR-15でしたか。見る前に気付いてなかったです。

映画は、言葉少なく静かに淡々とした印象。
こういう映画だから、やはり「自分ならどうするか」と考えてしまいますが、
ちょっと死の受け入れ方が綺麗すぎる気もしました。
家族との関係が話の主軸かと思ったらそのあたりは意外とあっさり気味です。
主人公は「自分と他者との関係」(描かれない訳じゃないけど)よりも、むしろ「自分で自分を受け入れられるかどうか」がキモなのかと思いました。
自分の納得こそを優先したのかなと。
ラストシーンはとても印象的です。

死に瀕した人が自分の存在の証を残そうとする行為は理解し易いです。
ただ、不妊症の旦那を持つドライブインの女の依頼は、はっきり言えば「こんな内容のエロスパムメールってよく来るなあ」と思ってしまいました。
このあたり、ちょっと非現実的というか、御都合臭さは少し鼻につきます。
(ところで(字幕をきっちり覚えてなくて勘違いしてるかも知れないけど)遺産は家族には回してないんですかね?)

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■ほしのこえ(アニメ:新海誠監督・脚本・作画・美術・編集)(2002/02/20)

「私たちは、たぶん、宇宙と地上にひきさかれる恋人の、最初の世代だ。」

★★基本のネタばれ少々★★
仲の良いクラスメートだったミカコとノボル。
ミカコは異生命体調査の為の宇宙艦隊の選抜メンバーに選ばれ、
ノボルは高校への進学を決める。
宇宙と地上に離れた二人は携帯電話のメールで連絡を取り合うが、
ミカコが地球から離れるにつれてメールの往復にかかる時間は開いていく・・・
1日、1ヶ月・・・、そして・・・
★★★

25分程度の短い作品です。
(音楽や声は別として)脚本・作画・編集は全て監督一人で行われたとのこと。
恐るべきことです。(^^;)
こういうものを見てしまうと、非常に創作意欲が刺激されてしまいます。

短い作品ですが、それゆえに、とてもストレートに二人の心情が心にしみます。
描かれた情景はとても美しく、なんでもない日常の風景のかけがえの無さや
過ぎていく時間の大きさがダイレクトに感じられるのです。
ラストの切なさは・・・、泣けます。

完全に焦点を二人に絞った描き方をしていて、基本的に登場人物は二人だけです。
そのために謎も多いのですが、謎な部分は別にしても、
宇宙船に乗っていた他の多くの人達にもそれぞれのドラマがあったのだろうなあ、
と想像を馳せてしまいます。

今回は極一部地域での上映ですが、
春にはDVD等も出るようなので(レンタルに入るかどうかは謎ですが)
機会があればお勧めの作品です。

http://www2.odn.ne.jp/~ccs50140/index.html

◆(DVDで再見)(2002/04/23)

下北沢で以前見ましたがDVD版で再見。
話の切なさにぐっとくると共に、情景の美しさにため息なのです。
これを一人で製作・・・・・恐ろしいとしか!
実に実に創作意欲に刺激的なのです。

・ 彼女と彼女の猫
「ほしのこえ」DVDに一緒に収録、5分と短いながらも印象的。
リアルな情景に気の抜けたような猫が可愛い。
なんかえいが道「陰陽師」で描いた安倍の猫を思い出しました
(うちの方が後ですが^^)

★CGアニメコンテストの感想

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■ポケットモンスター・ルギア爆誕(アニメ)(1999/08/13)

わはは、夫婦で見てしまったよ
子連れ客だけじゃなくて、カップル客もいたので問題なし!

怪獣映画ののりでなかなか楽しめました。
ルギアも渋いしねえ

でも、主人公達に助けてもらっておいて
主人公も巻き込んで攻撃してくるファイヤーは最高に恩知らずですな。

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■ポセイドン(ウォルフガング・ペーターゼン監督)(2006/06/27)

「ポセイドン・アドベンチャー」のリメイクですが、オリジナルの記憶はかなりおぼろげなので比較しての話はあまり出来ません。
と言うわけでほぼ今作だけの話で。

180度転覆した豪華客船からの脱出を描いたパニック映画です。
オリジナルは極限状況下での人間ドラマの妙がキモだったはずですが、
今作は、人間ドラマ的要素はほとんど無く(皆無ではないけど『定型』以上の物はない)、
とにかく、浸水によって追いすがってくる水から逃げるスピード勝負がメインの、純粋な災害脱出映画になっています。
緊迫感も高く見ている間はなかなかドキドキ出来ますが、正直後に残る印象は薄いです。今でも映画史に残っているオリジナルと違って、1年後には忘れられていそうな映画だろうと思えます。
しかし、無責任に見て分には面白かったですので、オリジナルの事はすっぱり忘れて楽しめば良いとも思います。

人間ドラマや人物描写が浅めで感情移入出来る人物もいないので、逆にいつ誰が死んでもおかしくないドキドキ感はありました(^^;
この映画に「主役」と言える存在がいたのかどうかも分かりません(おぃ)
一応「元市長」が主役なのだろうと思うんですけど、エンディング時点で自分も彼の存在自体を忘れかけてたくらいだしなあ(^^;)
「設計士」のじーさまは死ぬだろうと思ったので意外でした。
観客の期待通りに絶妙のタイミングで退場する「ギャンブラー」は素敵です(笑)

「180度逆転した船内」が見せ場とのことで、ビジュアル的な面白さを期待したのですが、
その辺はあまり有効には描かれていませんでした。残念です。
せっかく面白そうな画面を作れそうな設定なのに、縦移動や斜め移動があまり印象的には描かれず、メインはもっぱら水平方向の移動しかないし、
水平移動だと「人の足下に電灯が並んでる」くらいにしか見えないのですね。
天地逆転の設定が絵的に機能していると感じたのは「ピアノ」くらいかなあ。
あと、やたら死体が浮いていて子供にはトラウマになりそうだと思いました。(そんなに生々しい訳ではないけど)

船の構造の描き方は興味深く面白かったです。(どこまでリアルなのか分かりませんが)
自分が同じ状況に立たされた時の脱出法の参考にはなるかも… って、そんな状況はまず99%無いでしょうけど(^^;(船に乗ることったら、せいぜい明石や大阪から淡路島に行くくらいかなあ)
自分があの場にいたら、ホールに残って溺れるだけだろうなあ。

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■蛍火の杜へ(大森貴弘監督)(2011/9/25)

原作既読でしたが、切なくて美しくてよい作品でした。
蛍の子供っぷりが可愛い。子供としてはいい子すぎるくらいだけど。
夏目友人帳と同じスタッフということで安心して観られました。

原作が短編として完成度の高い話で、アニメにすると30〜40分くらいのボリュームだろうと思えていたので、
映画になると知った時には変な引き伸ばしが入らないかと心配しましたが、
映画も44分の短編で、過不足無く丁寧に仕上げられていて良かったかと。
お母さんの出番があったり多少のオリジナル要素もあったけど、話の味を壊さない抑制の効いた補間になっていました。

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■ホット・ファズ -俺たちスーパーポリスメン!-(エドガー・ライト監督)(2008/07/15)

優秀すぎて上司に疎まれた警官が田舎に左遷される話。
当然そこから後が本題ですが、下手に書くとネタバレになりそうで書きにくいです。

もっとバカ度の高いお気楽映画かと想像していましたが、意外に真面目な作りでした。
コメディとしてクスクス笑えるシーンもありますが、それでも(コメディとしても普通に警察物としても)中盤くらいまでは『こんなものなのか?』とも思っていたのですが…、
終盤で爆発します。中盤までの下地を引っ繰り返すような開き直ったハッチャケっぷりが凄い(笑)
クライマックスの間は延々笑いっぱなしでした。そして笑えるだけでなく、ちょっと感動さえしてしまったりして。

見終わった後はかなり満足感を感じられた映画でしたが、スプラッタなエグイシーンも多いので万人向けとは言えないでしょうねえ。R-15指定なのも納得です。
笑いも結構ブラックなところが多いですし、それこそ日本人的に万人受けするかどうかは不明です。

とりあえず、白鳥いいね、白鳥。

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■ホテル・ハイビスカス(中江裕司監督)(2003/08/18)

沖縄を舞台に、
客部屋が一部屋しかないオンボロホテルを経営する家族を描いた作品です。
主人公の小学三年生の美恵子がとにかく元気で、おおらかに笑える楽しい映画でした。
その中で、基地などが身近に位置する現実も垣間見せてくれて、
それが良い悪いという以前に、生活の中に既に自然に存在している様子がさりげに見えて印象的でした。

原作漫画があるようですが、そちらは未読です。
ところで、漫画原作の日本映画が最近やたらと増えたなあと思ったりします。

しかし小学生らしさを感じる下品な映画でした(笑)
ああ自由自在に屁が出せるのはすごいと思います。

最初ぱっとしないように見えた親父のキャラクターが結構好きです。

http://www.shirous.com/hibiscus/

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■ホテル・ルワンダ(テリー・ジョージ監督)(2006/02/28)

1994年のルワンダでのフツ族のツチ族大量虐殺事件のなかで1200人のツチ族の命を救うことになったホテルオーナーの話で、
「アフリカ版シンドラーのリスト」とも言える、実話を元にした映画です。

アカデミー賞ノミネートを果たしながらも、日本では配給会社の買い手が付かず未公開となっていましたが、
ネット上(mixi)での上映を求める署名活動が実を結んで公開されることになったという話題作です。
実際映画館では満員で立ち見でした。

恥ずかしながら事件のことはあまり詳しくは知らなかったのですが、
映画は一般人の視点から事態の推移が分かり易く描かれていて、自然に状況が理解できるようになっていました。
1994年というごく近年の悲劇を世に知らせる為の作品ですが、単なる報道映画ではなく、思想を押しつける映画でもなく、
あくまでエンターテインメント作品として見応えのあるドラマを見せた上で、世界に情報を発信する作品となっている、いい映画だと思えました。

結果的に1200人の命を救くことになったホテルオーナーが、あくまで「ごく普通の男」として描かれているのが共感を感じます。
最初はただ家族を守りたいだけだった彼が、彼やホテルを頼ってきた人々を見捨てられなくなる気持ちの変化や、それを後悔する気持ち、が自然に理解出来て、
誠実に職務を果たそうとする姿。賄賂・おべっか・懇願・恐喝と普通の人が考えられそうなあらゆる手を使って、どうにか事態を乗りこえようとする姿など。
その善良さも弱さも、実に自然に見えて感情移入出来ました。

それにしてもこの民族間の争いのやりきれないこと。
「フツ族」と「ツチ族」の対立の大本の原因は第一次世界大戦後の先進国の都合で、
容姿の見た目で「フツ族」「ツチ族」と部族分けをして支配に利用したのがきっかけなのですね。
(もうちょっと調べると、元々は農耕民族のフツ族がいたところに15世紀ごろに狩猟・遊牧民族のツチ族が来たという歴史はあったようです。
ヨーロッパの介入がなければそのまま民族の同化が進んでいたであろうところに、
ヨーロッパが支配に都合のいいように容姿を元にして改めて分類してしまったという事のようですね。
パッと見た目では区別など殆どつかなくなっているのに、IDカードで明確に分かるようにしてしまって、対立の種になったという事のようです)

作られた差別意識であって、本当はばかばかしい事のはずなのに、虐殺に発展してしまう狂気。
映画ではフツ族→ツチ族の虐殺が描かれますが、この後にはツチ族→フツ族の虐殺に発展したとのこと。
まさに「憎しみの連鎖」でまったくやり切れないです。
これがほんの10年程度前の話なのですね。

日常が突如崩壊していく感覚は他人事に思えませんでした。世の中本当に一寸先は何が起きるか分かりませんから。
そして、劇中でのジャーナリストの「この虐殺を世界に流しても世界の人々は怖いと思うだけですぐに夕食を続けるだろう」といった台詞。
まさに真理で胸を抉られました。(事件の事情を詳しくは知らなかった身としては尚更)
テレビで見るニュースの向こうでは、画面で見えるよりはるかに様々な事情があったりしますが、
見ている側としてはなかなか知り得なかったり、流してしまったりしますよね。
それは現実問題仕方なくもあるのですが、単に遠くの出来事としてではなく身近なものとして感じる感覚は持っていねかればといけないなあとも思いました。
なかなか難しかったりもするのですが。

いま見ておくべき作品だと思えました。

公式サイト 

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■ぼのぼの クモモの木のこと(監督:クマガイユウキ 原作・監修:いがらしみきお)(2002/08/27)

61分の作品ですが、密度が濃い作品でした。

★ネタバレ少々 注意★

「どうしてみんな忘れたがるんだろう。
 俺はむしろ思い出したいよ。
 生まれて初めて星空を見たときの感動した気持ちや
 初めて自分の手足を動かしたときの感動を思い出せたら、
 それだけで十分生きていける気がするよ。」

・・・深い、スナドリネコさんの言葉はとても深い。

ラッコの“ぼのぼの”と
悲しいことを忘れさせてくれるという“クモモの木”と
木の下で、迎えにくる誰かを待っている“ポポくん”の話です。

宝物や、思い出や、親と子のこと・・・
ひとことでは言い表せない、様々なテーマを含んだ深みのある
いい作品でした。
静かにじっくりと残る感動があります。
ここ数年、漫画の『ぼのぼの』は遠ざかっていたのですが
また読んでみたくなりました。
あー、ホントよかったっす〜〜〜(^^

ところで、この映画はCGアニメで作られているのですが、
これがまた凄いです。毛が、ぼのぼのの毛が!
そよそよでふかふかの毛物が動いている!!
か、かわいい!
かわいすぎる!
しっぽが!!
うぉぉぉぉぉっっ!!!

はぁ、はぁ、はぁ(興奮してます)
いやもう、滅茶苦茶かわいかったっすw

ところで、シマリスくんもアライグマくんも、やっぱりいいキャラですわ〜

http://www.bonobono.jp/

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■ポビーとデインガン(ピーター・カッタネオ監督)(2005/12/20)

いつも“見えないお友達(ポビーとデインガン)”とばかり遊んでいる妹と、
“ポビーとデインガン”などいないと言う兄。
しかし、ある出来事で“ポビーとデインガン”が行方不明になってしまう。
消えた2人を探してくれと妹は父に懇願するが、それをきっかけに一家は大変な出来事に巻き込まれていくのだった・・


いい映画でしたーー。

架空の友達“イマジナリーフレンド”を信じる妹と、兄と家族と周囲の人々を描いた映画です。
ファンタジックな方向ではなく、現実的な方向から妹と一家の姿を描いているところが印象的です。(そこがこの映画のキモでしょう)
ジリジリし、ハラハラしつつ最後には泣かせてくれます。人の残酷さと優しさの両面を見せてくれる作品でした。

“ポビーとデインガン”は「いない」と知りながら、あそこまで行動できる兄の姿が、溢れるほどの切なさで心を打ちます。本当にいい奴だ。
と、同時に、自分はあの兄のようひたむきには動けないだろうなあと、自分は既に心の汚れた大人なのだなあと思い知らされます。
兄の行動に胸を打たれつつも、彼の“子供らしすぎる”大胆な行動にかなりハラハラしてしまって、そんな自分にちょっと嫌悪を感じたり;
“大人と子供の意識の差”を強く意識させられてしまう映画なのですな。
いやはや、ある意味で破壊力のある映画です(^^;

http://c.gyao.jp/pobbydingan/

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■ポーラー・エクスプレス(ロバート・ゼメキス監督)(2004/12/24)

映画を見始めて最初に思った印象が「なんだ飛ばないのか」だった私は日本人だなあと思いました(笑)(by銀河鉄道

クリスマスの夜、サンタのいる北極点に向けて走る汽車に乗る少年の話で、全てがCGアニメで描かれた作品です。

リアルタッチで描かれたCGキャラについては、正直観る前はかなり不安感がありました。
“ファイナルファンタジーの悪夢”という奴で(^^;)、CGキャラの違和感が不安だなーとか、
ここまでリアルタッチでCGでやる意味があるのかなー、と心配だったのです。
結果的には危惧したほどには違和感は感じませんでした。技術も進歩したものですねえ。
日本語版で見ましたが、映像の文字も全て日本語になっているのが驚きました。
CGだとこういう事もきっちり出来るんですねえ。
全世界で何ヶ国上映しているのか知りませんが、多国語版もそれぞれ対応してるのでしょうか。

映画はあまり期待していなかったのですが、結構楽しめました。
何と言いますか、全体的な作りがディズニーランド等テーマパークのアトラクションを体感させられるような印象そのままであります。
解説を受けて乗り物に乗り込み、予定外のアクシデントが起こって、ジェットコースターになって、目的地にたどり着いてめでたしという流れもそのまんまです。
こういうのをジェットコースタームービーって言うんですねえ。(違います)
主人公に名前が無いのも、観客に自己を投影させている訳ですな。

列車と主人公が見舞われる様々なアクシデントがギミックたっぷりで迫力で素直に堪能出来ました。
「チケット」の行く末のスピード感などはCGとしての美味しさを生かした映像だったと思います。

面白かったですが、ただ、基本的には子供向けの話のはずなのですが、本当にまだ小さい子供向けでは無いかもとも思いました。
少なくともサンタを信じる世代の子供向けでは無いのではないかな、と。
「父親=サンタ」を見せてしまうのは「子供向け」としたらどうなのかなあと少し気になりました。もう少しぼかしても良かったのではないかなあ。
まさに主人公のようなサンタに対して微妙な年代向けなのかも知れません。でなければ思い出を懐かしむ大人向けなのかも。
終盤、劇場内で子供が「早く帰りたい」と泣き叫んでいたので余計そう思ってしまったのですが(^^;

深く考えずに見ればとても楽しめる映画なのですが、
作品のテーマ的な部分(“サンタを信じなさい”)ではちょっとしっくり来ないと感じるのはやはり私が日本人だからでしょうか。
ちょっと悪い言い方ですが、洗脳されているような印象を受けたのですな。

私としては“闇雲に信じる心”よりも“何を信じるか偏らずに判断する理性”の方が大事だと思ってしまうので、私に鈴は聞こえないなと思いました。

http://www.polar-express.jp/

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■ホリデイ(ナンシー・メイヤーズ監督)(2007/04/17)

ハリウッドに住む映画予告編製作会社の女社長のアマンダ(キャメロン・ディアス)と、
ロンドン郊外に住む新聞記者のアイリス(ケイト・ウィンスレット)。
それぞれに失恋した2人がインターネットを通して知り合い、互いの家や車をまるごと交換する『ホームエクスチェンジ』を行って、2週間のクリスマス休暇を取ることになるという話。
当然のように、訪れた異境の地でそれぞれ新しい出会いを得るというラブコメです。
予想を超える展開はありませんが、気軽に見て楽しめる映画でした。

しかしまあ、家を「明日から」といきなり交換出来るのは凄いです。散らかりまくりのうちでは絶対無理だなあ。
映画では、準備期間も無しで「カギの交換とかはどうやったのか」とか疑問に感じる部分もありますが、あまり細かい部分をつっこむ映画でも無いのでまあいいか。(新聞受けとか植木鉢にカギを隠して置いたとかだと不用心すぎますが、そもそもホームエクスチェンジ自体がとても不用心な事に思えるけど、実際に行われてることなんですねえ)
しかし、『ロンドンって飲酒運転OKなのか?』とは気になりました(^^;
アマンダの運転する車には絶対乗りたくありません(苦笑)
軽く検索してみると、イギリスは飲酒運転に厳しいという話もあれば、ビールならOKという話もありますな。ほほー)

異境の"青い隣の芝"に飛び込んで新しい人達と出会いながら癒され、成長していく女性達を描いた話だと思うのですが、
いい人間関係を築いていって、古い自分の殻も破ってみせるアイリスはともかく、
極端な言い方をすると「イケメンのグラハム(ジュード・ロウ)と出会って寝るだけ」とも言えるアマンダの方は、あれでいーのだろうか、とも思いました。
アマンダが『家族』というものにトラウマを持っている話を出したのだから、グラハムの娘達との交流にもっと重点を置いても良かったのでは、という気もします。

アマンダは、他人に接する際に予防線を張りまくりで自己防衛心が強い女性である事が示されますが(防衛機制と言うのか?)、なかなか自分のペルソナを外せないアマンダは、果たして最後に仮面を外すことが出来るようになったのだろうか、と少し疑問に思えてしまいました。
最後まで見ても、彼らの将来に対する問題点は何も解決してませんし、あの後のアマンダは本当に幸せになれるんですかねえ。
そういうことが気になってしまうのも、こういう映画に『めでたしめでたし』を求めすぎなのかも知れませんけどね。
むしろタイトル通りに『休暇期間中の癒し』だけに焦点を絞った映画と捉えるべきなのかも知れません。

ハリウッドのアイリスサイドでの元映画脚本家のアーサー爺さんのエピソードがいいですね。(あんなに短時間でリハビリができるだろうかとも思うけど、まあよし)
アイリスサイドの描写はアーサーや近所の人々との交流が気持ちいいですが、ラブコメとしては、肝心のマイルズ(ジャック・ブラック)との恋愛描写はやや薄めだったかも知れません。

要するに、
アマンダサイドでは恋愛要素が強すぎでそれ以外の人間関係が絡む余地が足りず、
アイリスサイドでは人間関係描写や女性の成長物語として楽しいものの恋愛要素はちょっと物足りないというわけですが、
しかし、そもそも2組のカップルの話を同時進行するだけでも『詰め込みすぎ』とも言える訳で、個々の描写に踏み込みが足りなくなるのは仕方ない事でしょうね。
アマンダとアイリスをそれぞれ印象的に、対称的に見せる手腕は上手かったと思います。

物足りないと言いつつ、ジャック・ブラックのキャラクターのおいしさ・面白さは健在でした。味のある人だなあ、ホント。

ファンの方には怒られそうですが、キャメロン・ディアスもケイト・ウィンスレットもいい年になってきたなあと思いつつ(すんません)、仕事をバリバリこなすベテランで恋愛遍歴もそれなりに経験を積んできた女性達を演じるにはとても相応しかったとも思えます。

映画予告編制作者のアマンダ絡みのネタや、元映画脚本家アーサーの古い映画ネタ、マイルズの映画音楽ネタなど、様々な形で詰め込まれた『映画ネタ』も楽しかったです。
古い映画はあまり詳しくないので分からない部分も多かったですが(^^;

アメリカとイギリスだったら言葉が通じるから旅行もしやすいかなあと思ったりしました。

ところで、『ラブ・アクチュアリー』といい、なんでクリスマスから時季を外して公開するかなあ。

公式サイト

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■ホーンテッド・マンション(ロブ・ミンコフ監督)(2004/05/18)

ディズニーのオバケ屋敷映画で、ホラーコメディです。
どうも元々がディズニーランドの同名のアトラクションの映画化のようですが、
私は(一度TDLには行きましたが)未体験ですので何とも言えません。

良くも悪くもディズニーらしい映画で、恐さやドキドキ感は無いものの、おさえる所をおさえた、
お気楽に家族で楽しめるファミリー映画になっています。
見ている間は楽しく、ちょっといい話もありますが、後に残るものは特にありません。
と言うわけで、感想もこれ以上は特に書くことがありません(^^;)、うーん。

水晶球が味があって良かったです。

http://www.disney.co.jp/haunted/top.html

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