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ナイトミュージアム
9デイズ
9(ナイン)9番目の奇妙な人形
茄子・アンダルシアの夏
ナチョ・リブレ 覆面の神様
ナルニア国物語 第1章 ライオンと魔女
南極料理人

21グラム
25時
28日後...
28週後...
2001年宇宙の旅
日本沈没(2006年版)
日本以外全部沈没
2012
2046

猫の恩返し/ギブリーズ
ネバーランド

ノウイング
ノッティングヒルの恋人


■ナイトミュージアム(ショーン・レビ監督)(2007/03/20)

年度末を控えて仕事が猛烈に忙しかったため、頭を使わずに気楽に笑える映画が見たいと思って行きました。
で、期待通り、見た後に後に残るものはありませんが、見ている間は十分に楽しめる作品でした。満足〜

バツイチで無職のダメ親父が自然史博物館に夜警として勤める事になったところ、
博物館は夜になると展示物達が好き勝手に動き回る異様な世界になっていたという話。

目新しい設定とは言えませんが、しかしこういうアイデアを実際に映像として見せてもらえるのはやはり楽しかったです。
展開も"お約束"の域は出ませんが、安定感がある展開とも言えるわけで、気軽に楽しめるファミリー娯楽映画としては十分なものだったと思います。劇場の子供達もよく笑ってましたし。(なお、上映時間の関係上、吹き替え版で鑑賞)

展示物に対する小ネタもチラホラ挟まれて、ネタ元を知らない人にもネタ元への興味を促進するいい映画だったのではないかと。(映画の描写がどれだけ公正な認識に基づいているかどうかは何とも言いませんが)

ところで、この映画、恐竜マニアなweb友達の間では、
公式サイトの宣伝画像を見て、
『ティラノの指が三本あるやんけ疑惑』が巻き起こっていましたが、
実際の映画ではちゃんと二本だった…のではなかったかと思います。
劇中では激しく動き回ってるし、指が印象的に拡大される場面もあまり覚えがないので確信を持っては言えませんが、多分(^^;
まあとりあえず、この映画のティラノに関して私が言えるのは次の言葉でしょうか。

>ティラノかわいいよティラノ

ちょっとだけ気になったのは、
この手の映画にしては「子供」があまり活躍しないなあとか(あくまで親父が主人公なのね)、
某キーアイテムが万能すぎて、問題解決の際に『なるほどその手があったか』的な満足感には欠けるというところでしょうか。
十分楽しかったですけどね。

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■9デイズ(ジョエル・シュマッカー監督)(2002/10/21)

ソ連崩壊後に焼失したというアタッシュケースサイズのポータブル核爆弾をめぐる
スパイアクション物のバディームービー(相棒物)です。
予告でシリアスな印象かと思いましたが、結構コメディ要素もある映画でした。(基本はシリアスですが)

アクション・人間関係・伏線と、押さえるところを押さえて普通にちゃんと出来た映画で、
普通に楽しめました。
新鮮味は特にありませんが。

ネタバレなのであまり言いませんが、主人公(クリス・ロック)の特性がなかなか発揮されないので、
途中まで主人公の存在意義にちょっと不安を感じてしまいました。
頭脳がウリのキャラ・・・ということになっていることと、設定上からも、アクションで活躍させろとは言わないですが、
もうちょっと早い段階で活躍できるシーンが欲しかったと思います。

プラハに主人公達が乗り込んだ後での「●●の別れた彼女」のシーンはどーも話の中で浮いてました。余分ですな。

プラハの街並みは美しくて見ていて堪能でした。

ポータブル核が焼失しているというのは現実の話らしく、その点は非常に恐ろしいです。

http://www.movies.co.jp/9days/

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■9(ナイン)9番目の奇妙な人形(シェーン・アッカー監督)(2010/5/11)

2005年のアカデミー賞短編アニメーション部門にノミネートされた11分のCGアニメ短編を、ティム・バートンがプロデュースして80分の長編映画化した作品で、
背中に"9"と書かれた麻布製の人形が人類滅亡後の世界で機械の獣と戦う話です。

元が短編と言うこともあってか、ストーリーは正直あまり新鮮味・意外性は無いですが、
動く人形のビジュアルが面白く、映像には独特のダークな魅力があって見応えがありました。
不気味さと愛嬌を兼ね備え、かつシンプルな麻布人形のデザイン・造形がいいですよ。
元の短編でのデザインは知りませんが、確かにティム・バートンが好きそうな姿だと思いました。
顔のデザインなどは実に簡単なのに、表情豊かに感情が描かれるあたりも素晴らしいかと。

以下ネタバレです。

1人の博士の魂(心?)を元にしながら、9体の人形の性格がそれぞれ違っているのが興味深かったです。その性格と作られた順番に意味があるかどうかは分かりませんが。
やや違う話ですが、「幽遊白書」の仙水の7つの人格の中にも女性人格がいたなあ等と思い出しました。

主人公の"9"は、正直革命家と言うより好奇心旺盛でかなり危なっかしい性格かと。
個人的には9体の中では一番臆病な"1"に人間くささを感じて感情移入してしまいました。

仲間達の魂を取り返しながらも、安易に復活させないラストは潔いと感じました。
他の仲間はともかく、身体がそばに残っていたと思われる「1」も含めて復活をさせなかったのは、多分、失われた命は戻らないと言うような、制作者にとってこだわりがあった部分なんでしょうね。

ところで、この話って実は「人類が絶滅してから」ほとんど時間は経ってないんでしょうね。(博士の遺体の様子からしても)
ラストの後も正直明るい未来や発展があるとも考えにくいですし(人形達が増えていくとも思い難いし)、今回の話も含めて「世界の終末」という感じで、なかなか切ない作品かと思います。

公式サイト

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■茄子・アンダルシアの夏(高坂希太郎監督)(2003/08/06)

スペインの有名な自転車レース「ブルエタ・ア・エスパーニャ」は3週間にも渡ってスペインの各地を転戦するレースで、
世界3大自転車レースの1つと数えられています。

アンダルシアの街を出てプロの自転車レーサーになった男“ぺぺ”
今日のレースの舞台は彼の故郷の街でした・・・

自転車レースの1日をストレートに描いたアニメ作品です。
47分という短い作品で、短い作品ゆえにスカッとした爽快感と熱さが残ります。
気持ちいい作品でした。

思わずニヤリとしてしまう人物達もいいですが、
(やはりジブリ系のおっさんはいい味です)

なんにもない荒野とひたすら青い空と濃い影が落ちる風景がとても印象に残ります。
ただひたすらに、高く深い空には、吸い込まれそうな錯覚をも覚えそうでした。
一度行きましたが、いいなあスペイン。
(ちなみに、あちらでは自転車レースは盛んなようで、以前のスペイン旅行中でも
 練習中の自転車レーサーを見かけた覚えがあります)

自転車というのは、素人考えでもアニメで動かすのは相当に大変そうに思いますが、
実際かなり大変そうです。しかもあれだけ大量の自転車(^^;
こういった集団自転車を自然に描けるようになったというのは、やはりコンピューターの恩恵が大きいようで、技術の進歩は凄いなあとか(^^

ところで、この話は原作漫画がありますが私は未読でした。(今度読んでみようと思います。)
で、タイトルの「茄子」はてっきり、宣伝ポスターに出ている女性の名前なのかとか思っていたりしました。
文字通り、野菜の茄子の事なのですな(^^;
(登場人物スペイン人だし^^;)

見た後で「シャカリキ!!」が読みたくなりますな。

http://www.nasu-summer.com/

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■ナチョ・リブレ 覆面の神様(ジャレッド・ヘス監督)(11/9)

修道院で料理係として働くダメ男のナチョが、子供達にうまいものを食べさせてやろうと、ルチャ・リブレ(メキシコでのプロレスのこと)で覆面レスラーとして戦うという「タイガーマスク」みたいな話。
といいますか、そもそも実際に孤児の為に戦ったメキシコのレスラー(フライ・トルメンタ)がいたのだそうで、その伝説をヒントに作られているそうです。

ストーリー自体は、プロットを聞いて予告を見た時点でほぼ予想が出来る通りの内容で、意外性は皆無ですが、
主人公のナチョ(ジャック・ブラック)のキャラクターが、「頑張るダメ男」としていい味があって楽しめました。
主役のナチョを演じるジャック・ブラックの存在感と体型は、あれだけで既に芸ですね。

全体的にはコメディタッチの作品ですが、爆笑出来るとは言いません。しかし、見ていて頬に笑みが浮かぶようなタイプの、微笑ましい楽しさのある映画でした。
深い感動が残る作品とは言いませんが、こういう作品も気軽に楽しむにはいいんじゃないでしょうか。

公式サイト

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■ナルニア国物語 第1章 ライオンと魔女(アンドリュー・アダムソン監督)(2006/03/24)

「空き部屋の長いタンスを抜けると雪国であった。」

「指輪物語」や「ゲド戦記」と並ぶ世界三大ファンタジーのひとつと言われる作品の映画化です。
が、私は原作は未読ですので映画に関してだけの感想で。

第二次世界大戦下のイギリスで、空襲を避けて田舎に疎開した4人の兄妹達が、疎開先の“教授”の家の空き部屋のタンスを通して異世界に行ってしまうという話。

タンスを超えたら異世界という感覚が、ドラえもんを見て育って、小学生の頃「学習机」に足をつっこんで引き出しを歪めた覚えのある身としては(笑)、なかなかに惹き付けられる掴みでした。
素直に楽しめましたが、一方でアクが無くてあっさりしすぎにも思えて少し残念でした。
ごくごく普通のファミリー映画だなあと。(ディズニーだから当然なんでしょうけど)
独特のオーラを感じない事や、制作者の匂い立つような「原作への思い入れ」を感じられないのを不満に思ってしまったのですが、
しかし、このように感じてしまうのはやっぱり「ロード・オブ・ザ・リング」などとどうしても自分の中で比べちゃってるからなんでしょうねえ。
あちらよりも対象年齢も低い作品なのだし、比べるものではないとは思うのですが、いかんいかん(^^;;

話がかなり急展開に感じましたが、このあたりはかなり描写を端折ってるんでしょうか。
ストーリーや兄弟の描写の踏み込みなど少々物足りなく感じましたが、その辺りは今後回を重ねるうちに深まってくるのだろうかと期待。
今回はプロローグ的な物なのかと思いました。

最期の戦いの描写は、正直今一に感じました。
もうちょっとミクロな描写でじっくり見せて欲しかった気もしますが、原作でもあのように大規模なぶつかり合いなんでしょうか。

ライオン・アスランのふさふさ感やニュージーランドの自然が素敵でした。

ところでライオンもビーバーも馬も言葉を話すあの世界、「肉料理」と言うものは存在するのでしょうか(^^;

公式サイト 

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■南極料理人(沖田修一監督)(2009/9/1)

富士山より高い標高(3810m)に位置し、ペンギンもアザラシもウィルスもいない、だだっ広い氷原だけが広がる南極の「ドームふじ基地」にて、
かつて南極観測隊に料理人として参加した西村淳氏のエッセイを元にした映画で、
気象学者・氷雪学者・大気学者・医療担当・車両担当・通信担当・調理担当・院生の8人の南極観測隊員達の1年半に渡る生活を「料理」を通じて描いた作品です。
(ちなみにロケ地は網走だったそうです。)

とても面白かい作品でした。それも笑える方向で。予想以上にゆるく、笑いどころの多かったです。
「南極観測隊の過酷な仕事ぶり」に関しては思ったほどは描かれておらず、真面目に「観測隊がどのように働いているかを見たい」と言う人には少し物足りないかも知れませんし、(元がエッセイということもあってか)明確な軸となるストーリーがある作品ではありませんが、極限環境での「観測隊員達の生活っぷり」はとても面白く共感して見られました。

観測隊に参加するような人はと言うと、「各方面のエリート」という想像をしてしまいますが、作中に出てくるおっさん達は思った以上に「普通のおっさん達」でした。
映画がどこまで現実に即しているかは分かりませんが、しかし、大学の教授だとか企業のお偉いさんとかでも実際にはごく普通のおっさんやおばさんや家庭人なので当たり前ですね。

そしてあのような極限環境での生活の中での「料理」や「娯楽」がどれだけ大切な物であるかが、とてもよく伝わってきました。
自分が南極に行くなら…、1週間くらいなら行ってみたいですが1年半はやはり相当にキツイだろうと思います。
ちょっとしたイベントでも大げさに盛り上げて騒ぐ様子が楽しいながらも大変に思えました。

この映画のキモは当然「料理」で、その描き方が実に美味そうで良かったです。
(映画「かもめ食堂」の人がフードスタイリストだそうで)
料理自体の見た目も、隊員達の食いっぷりも美味そうで魅力的に表現されていたかと。
そして、個々の料理に関連したエピソードが面白い。
エビの話は笑えましたし、唐揚げなどはとてもいい話でした。

KDDの扱いがおいしかったです(笑)

少し前に読んだ小説「第六大陸」(月基地を作る話)でも極限環境に慣れた南極基地の料理人の話が出ていたなあと思い出したりしました。
あと、「プラネテス(漫画)」で火星で野球をやっていたのを思い出したり。
人里を遠く離れて、周囲には何もなく動物もおらず、厳しい極限環境での生活という意味では宇宙も南極基地も程度の差はあれ近い物があるのだろうなあ。

◆後日追記(2009/9/9)
本作の原作エッセイ「面白南極料理人」を読みました。
観測隊員の人達が映画以上に「普通―のおっさん達」で親しみが持てました。
というか、映画の主人公のキャラと作者御本人の性格が180度違うよ(笑)

料理調達とか映画で描かれてない部分が面白いです。その辺りも料理担当者の仕事だったとは、思った以上に大変で責任重大な仕事だったのだなあ。

公式サイト

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■21グラム(アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督)(2004/06/17)

人が死ぬと21グラムだけ体重が軽くなると言うそうです。
昔そういう実験をした科学者がいたらしいのですが、2〜60グラム位に誤差があるとの説もあるようで。
もし死ぬ事で減る重さがあるのならそれは何なのか、魂かただのガスか何かなのかは分かりませんが、
命や人生について強く胸に迫る映画でありました。


夫と娘2人を交通事故で失った女。
親子を轢き逃げしてしまった男。
自己で死んだ男の心臓で移植を受けた男。
出会うはずのなかった三人の運命は一つの事故をきっかけに交差しぶつかり合っていく・・

醜いとすら言える生の感情の衝突が重く心に刻み付けられる作品でした。
ずしりと心に重く残って後を引きます。
何度も見たい映画ではありませんが、見た価値のある映画でした。

この映画は、全てのシーンを数分単位でバラバラにして、時空列を無視して繋げた手法で構成されています。
そのため最初の30分ほどは誰が誰か、何がどうなっているかも分からず戸惑いましたが、
見終わってみると意外なほどスッキリ話が整理されて頭に入っているという不思議な映画でした。
そんな構成の効果もあってか、画面に強く引き込まれます。上手いです。
そして、そんな手法ゆえかも知れませんが、ストーリーは極めてシンプルです。
シンプルな話をあのように見せる事でシーンのイメージを強く訴えかけようとしたのだろうかと思いました。

(何らかの問題を抱えていたとしても)普通の人と言える人達が、突然被害者や加害者になってしまうという状況の身近さに加え、
彼らの言動と演技が極めて生々しく鬼気迫る迫力を持っていて、心を揺さぶられずにはいれません。
自分が彼らのうちの誰かの立場であれば、あんな事を言ってしまうのだろうかと恐ろしくなりました。
夫婦の問題を抱えていたり、宗教に逃げ込む人がいたりと問題を抱えているがゆえに、
かえって彼等の姿がどこにでもいる普通の隣人に見えるのがまた生々しいのですな。

劇中で何度か語られる言葉「それでも人生は続く」の言葉もまた重いです。
人生は終わるときにはあっけなく終わる物でありながら、辛いときでも易々とは終わらないままならないものですが、
日常の何気ない日々の大事さを思い起こされたりもするのです。

しかし、救いがあるようでかなり無いラストだなあ・・

http://www.21grams.jp/

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■25時(スパイク・リー監督)(2004/03/09)

現在、ニューヨーク。男は明日、収監される。
刑務所に入ったら7年は出てこられない。
自由でいられる最後の24時間を彼はどう過ごすのか・・


麻薬売買の罪で、明日収監される男の最後の自由な1日を描いた映画です。
残された1日で彼は身辺を整理し、父に会い、友人に会い、又、自分を密告した者を確かめようとします。

一人鏡に向かっての慟哭で、世界中の人々への八つ当たりと自身への後悔が重く心に染み込んできます。
とは言え、正直、見ている間は「どう言ったところで完全に自業自得だよなあ」という思いが抜けきらなかったですし、登場人物の誰にも同情も共感も出来なかったのですが、

映画を見て時間を置いてみると、自身で明らかな犯罪に荷担しなかったとしても、ちょっとしたルールへの違反が会社や身近等で既に慣習となってしまっていたりした時、果たしてそれを妨げられるか?
社会の大きな間違った流れがあったとして、それに逆らえるかなどとまで考えてしまうと、やはり他人事ではいられないようにも思えてきます。

9.11以後のニューヨークの姿も印象的な映画でした。

ネタバレ追記:最後のシーンが流れてる間中「それはいかんだろうが、おい」と延々思ってしまったので、夢らしいと分かってえらくホッとしてしまったのでした。

http://25thhour.jp/

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■28日後...(ダニー・ボイル監督)(2003/09/30)

人類絶滅映画というと自分の原体験としては「世界が燃え尽きる日」や「復活の日」を思い出します。(中身ほとんど忘れてますが)
子供の頃はノストラダムスの予言を知ったばかりだったりして、こういう終末映画は奇妙なリアリティをもって感じられて、
怖がって半ば嫌がりながら親に連れられて見に行ったような覚えがあります。今考えると大笑いですが(笑)

★(基本設定ネタばれ)
「その」細菌に感染した者は理性を無くし凶暴性にかられて人を襲い出し、血を媒介にして爆発的に感染者は増えていきます。
海に囲まれた島国であるイギリスは、わずか4週間で、まともな人間がだれもいない無人の都市と化してしまうのでした。
そして、事の起こりから28日後・・・、事故で昏睡状態にあった主人公ジムは誰もいない病室で目を覚まし、無人の街に足を踏み出すのでした。
他の誰かを探しながら・・・
「HELLO!」

★(ネタばれ終わり)
というわけで、この作品も人類絶滅物です。それに「ゾンビ」や「バイオハザード」的な風味を加えた作品と言えるでしょうか。

終末を描いた映画であり、血みどろのアクションもある映画ですが、
全体的には不思議と静かな印象が残ります。
ロンドンの無人の都市が静けさの中で奇妙な現実感をもって、非常に印象的な終末の光景を見せてくれます。
BGMもない静かな虚無感に包まれた中で、静かに静かに緊張感が高まってくる描写は迫力でした。

そして絶望的な状況の中で見られる人間らしさや希望や、「美しい光景」、そしてラストシーンも清々しさを感じて印象的でした。
こういったシーンは映画の中ではわずかですが、悲しさと絶望感に彩られたトーンの中だからこそ強く印象に残ったと思えます。
いい映画でした。
(なお、基本的には血みどろで残酷で殺伐な映画なので、この感想の後で映画を見て騙されたと怒らないでください(笑)、あくまで私感ですし)


ところで、エンディングの後で流れる別バージョンのラストシーンは余計でした。
こういうものはDVDのおまけなりで、見たい人には見せるものとするべきで、
完成した作品である映画でこれを見せられると、制作者側の優柔不断さを感じて興ざめになってしまいます。ちょっと残念でした。

http://www.foxjapan.com/movies/28dayslater/main.html

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■28週後...(ファン・カルロス・フレスナディージョ監督)(2008/01/22)

「走るゾンビ」映画の走りだった(おぃ)「28日後...」の続編です。
実際はゾンビじゃなくて感染者ですが。

ウイルスによりイギリスが壊滅した前作の時点から28週が経って、感染者が餓死したことで事態が終息し、今作では街の復興が始まっています。
でも、当然災厄が再発しちゃう訳で、一度沈静化した後に再び事態が悪化していくまでの展開はなかなか面白く見られました。

ただ、展開の"無理"や"作劇の為の嘘"は前作よりもかなり目立ってしまった気もしました。ツッコミ所は多いです(^^;
以下ネタバレですが、
何故、保菌者の奥さんを収容した部屋に見張りも監視カメラも置かないのかとか、
何故、人々を"安全の為"に隔離した部屋に簡単に「父親」が入ってこられるのかとか、
何故、そこに護衛(見張り)の軍人を置かないのかとか、
やたらと「父親」に会う遭遇率の異常な高さは何でやねんとか、
それでいて家族ドラマを深く描写するわけでもなかったりとか、
ヘリで迎えに来た軍人仲間に何故「子供等がウイルスの抗体を持っている可能性がある」というほんの一言が伝えられないのかとかとか
等々…
…多いなあ(^^;;

また、前作は見た後に不思議な清々しさが残りましたが、今回はそういうものは無いですね。かなり印象の違う作品になっています。
人々の思惑が悉く裏目に出る皮肉なブラックさが最も印象に残りました。
そして、良くも悪くも「大作」になってしまったなと感じました。

ドラマという意味では"家族ドラマ"も"軍隊ドラマ"も中途半端にブツ切りになってしまって、少し残念でした。
"絵作り"という意味では、草原の果てから走ってくる感染者や、暗視スコープでの場面、空から写した作戦状況など、
場面場面に面白い絵は多かったかと思いますけどね。

最期に「ああいうことに」なるのは、やはり彼等が「自分達の状態」を何も聞いていないままだった為なんですかねえ。

公式サイト

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■2001年宇宙の旅(2001/01/09)

今回、えいが道の為にビデオで見たのですが、
この作品を見たのは小学生の時以来だったりします。

えいが道でも書いたけど、当時はさっぱり理解できず
トラウマ映画となっておりました。

ところで、今年の年賀状でも2001年ネタで
モノリスを描いた・・・つもりでしたが、表面に余計な斜め線が入っちゃってるんですねえ。
2001年のモノリスはシンプルな黒い直方体だけなので、あれは勘違いでした。
確認せずに描くからこーゆーことになってるんだけど、

あれじゃバイファムですがな。

★えいが道「2001年宇宙の旅」

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■日本沈没(2006年版)(樋口真嗣監督)

ネット上では低めの評価ばかり見ていたので、余り期待せずに見た為か、それなりに楽しむことが出来ました。
しかし、小松左京氏の原作や1973年版の映画とはテイストが全然違う別物の作品ではあります。
災害・政治シミュレーション的要素は浅く薄くなり、問題定義や悲壮感や重みは極めて少なくなり、
派手で御都合主義優先の完全なエンターテインメント指向の作品になっていました。
ぶっちゃけて言えば和製ア●マ●ドンというかディ●プイン●クトというか。
正直言って、とてもツッコミ心をくすぐられる作品だったかと思います(苦笑)

災害描写については、やはり阪神淡路大震災にも触れられていて、元神戸市民としては複雑な感慨がありました。
VFXと大人数のエキストラで描かれた被災シーンはさすがに迫力と悲壮感が漂っていました。
しかし、それと交互に描写される恋愛シーンの陳腐さはもう少しどうにかならなかったものかと残念でなりません。冗長で完全に映画の流れをぶった切ってしまうのが非情に痛い。
恋愛シーンはあと15分削ってよいかと思いました。大人の事情で難しいのかも知れませんが。

恋愛パートは別れの場面が無駄に長くて辛かったです。テントのシーン(ネタバレ反転)が最後でいいと思うんですけどね。
このシーンといい、ラストのヒロインがもんじゃ屋一行を救出するシーンといい、恋愛部分以外にもどうにも余分で御都合主義全開なシーンが多すぎで白けてしまいました。
描写量は多ければいいという物ではなくて、「描かない美学」という物が欠如しているのだなあと感じましたが、この辺りは単に個人的な好みの問題でしょうか。

日本の沈没について、
某さんが描かれてましたが『日本沈没未遂』でしたね(苦笑)
あるいは『日本七割くらい沈没』と言うべきでしょうか。
こうした結末に落ち着いてしまった為に、映画として小さくまとまってしまったように思えます。
クライマックスの作戦シーンは迫力はあって娯楽作品的には楽しかったんですが、
“世界の中での日本人の立ち位置”と言うような作品としての問題定義の要素も、プレートと一緒に文字通りに吹っ飛んでしまって、やはりこの作品は『日本沈没』とは言えないなあと思いました(^^;

ところで、この「作戦」ですが、
「N2爆薬」ってエヴァンゲリオン以外に元ネタがあるんでしょーか?
検索しても見つかるのは専らエヴァばかりだし;
まあ庵野秀明監督も映画に参加してたからいいのか(笑)
後、妻も言ってましたが、あの作戦の後って、多大な津波の二次被害を国内及び周辺諸国に撒き散らしてるんじゃなかろうかと(^^;;

大阪の水没シーンなど、各地方の災害描写は印象的でしたので、見知った町を舞台とした「ご当地災害物」として見ると単純に面白いとは思います。
水に沈んだ大阪は、この暑い日々で見ると「涼しそうだなあ」と感じて良かったです(笑)

原作や旧作で主人公が生き延びた事や、全体的にエンターテインメント色の強い展開であるため、
最後に何のかんの言っても主人公が生きて帰ってきてしまうのではと恐れていましたが、
さすがにそれは無かったので、そこは安心しました(^^;

しかしあの主人公、他所感想でも書かれていますが、地震と噴火で荒れまくって交通網が無事かも分からない日本の中で、あの各地への移動能力の高さは何なんでしょう。
テレポートでも出来るのかと思いました(^^;
また、携帯電話が使えるとも思い難い状況の中で的確に各地の知り合いを見つける能力からして、テレパシーも使えるのかと(苦笑)
後、ヒロインの細腕が「レスキュー隊員」に全然見えないのはどうにかして欲しかったです。

各所でMacが大活躍しているのにちょっと笑ってしまいました(^^
樋口監督がとてもMacが好きということのようで(笑)

政治シミュレーションとしては秋公開の『日本以外全部沈没』が意外と頑張ってくれるのではないかと期待してたりします(笑)

あと、21人の漫画家が故郷を沈めるテーマで描かれた『日本ふるさと沈没』が面白かったです。

公式サイト

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■日本以外全部沈没(河崎実監督)(2006/10/12)

日本沈没」とは逆に、日本“以外”が全部沈んでしまって日本はどうなるかというブラックパロディ。
小松左京氏の「日本沈没」を元ネタに、作家達の酒の席での悪ふざけから生まれたという筒井康隆氏の短編小説が原作。
原作は文庫で23ページ(+登場人物解説25ページ。実在の人物の紹介ばかりで本編より多い(笑))で非常に短いのでかなりオリジナルエピソードで膨らませられていました。

原作での(むしろ日本人の島国根性自体を笑うような)シニカルな視点に対して、映画ではもっとウェットに感じられて、原作とは印象自体がかなり異なります。
いくらでも膨らませそうな「政治方面」でのヤバイネタは大して無く、脳天気な表層的な笑いの映画になっていたかと思います。
しかしまあ、過度の期待はすべき作品ではないと思いますが、気楽に無責任に見ればほどほどに不謹慎に楽しめました。
ただ、自分は1000円で見れたのでそれなりに楽しみましたが、1800円払っていたら満足度が同じだったかは分かりません。
本来はTVやレンタルで見るのが相応しい作品かも知れません。

全体的にちょっと冗長だったかと。もう少し削ってテンポを上げて欲しかったです。
最後は「ちょっといい話」っぽくまとめなくても良かったかも。まあ好みの問題でしょうか。
でもやっぱり最後はちゃんと「傾けて」欲しかったなあ。(沈没でのひっくり返り方は逆向きでは?)

公式サイト

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■2012(ローランド・エメリッヒ監督)(2009/11/24)

1999年が過ぎたと思ったら今度はマヤ終末説と言うことで、毎度お馴染みの人類絶滅映画です。
これまで隕石だの宇宙人だの氷河期だの感染だのと様々な危機に瀕してきた人類ですが、今回は地球規模の大地震や大津波や大噴火でした。(ちなみに「宇宙人」と「氷河期」は本作と同じエメリッヒ監督でしたね)

以下ややネタバレ。この手のディザスター映画らしく、主人公達は『周囲の人々が容赦なくガンガンドンドン死んでいくトンデモ状況の中でしぶとくしぶとく生き残り続ける』わけですが、
本作はこれまでの災害映画と比べても特にその傾向が顕著で"生き残りっぷり"が凄まじく、「異能者かお前は」と思いました。(ボトムズ的に)

周囲の大破壊っぷりが凄まじい中で、「自分達だけ助かればいい」と思ってるようにしか見えない主人公達の行動が中々凄いです。まあ余裕も無いんでしょうけど。
ラストで主人公の活躍シーンがありますが、そもそもピンチの原因を作ったのが主人公達なあたりもなかなか微妙な気持ちになります。
まあ、主人公以外の連中も(博士など、一部を除いて)割と好感が持てない奴ばかりなんですけどね。
好感が持てる人は、基本的に死にます。
最終的に助かるのが基本的に金持ちばかりというあたり、結構身も蓋もない話でした。
ちなみにこの手の映画のお約束的に、犬は生き残りました。
誰が生き残って誰が死ぬかは、比較的読みやすかったです。

大破壊の映像は凄かったです。
序盤から割といいテンポでカタストロフしていきますが、クライマックスは少し冗長でグダグダしてしまったかなと。

公式サイト

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■2046(王家衛監督)(2004/10/26)

予告だけを見て、他は予備知識0で見ました。
予告のおかげでてっきりSFかと思っていましたが、全然違いましたな(笑)
後で知った所ではこの前にあった映画2本の続編(姉妹編?)にあたるようですが、
それで話が理解できない、ということは無かったと思います(多分)

以下ややネタバレ

“アンドロイドが恋におちる”との宣伝文句が印象的でしたが、SFではなく、
アンドロイド云々は記者兼小説家の主人公の書く小説の話で、劇中劇的に描かれる話です。
実際の話は1967年頃の香港のホテルを舞台にした、過去の女の思い出に縛られながら女をとっかえひっかえする男(トニー・レオン)の恋愛話です。
題名の『2046』は男の隣の部屋の番号であり、男の書く小説のタイトルでもあります。

えー、一言で感想を言ってしまうと
「この男は一生幸せにはなれんな」
と思いました。
おわり

・・ではあんまりなので、もう少し書きますと、
分からない人には分からない例えで申し訳ないですが、
波多野や真中を嫌いな人は見ない方がいいと思う映画でした(笑)

自分の都合と理屈のみを重視して相手に感情がある事を考えもしない勝手ぶりが、見ていてムカつきます(笑)
正直あまりの後ろ向きぶりに後頭部をスリッパで叩きたくなりました。
チャン・ツィイーはこの男のどこがいいのかと非常に悩みました。
チャン・ツィイーは、登場したときは非常に魅力的なのですが、
馬鹿な男(主人公)に惹かれだしてからはどんどん恋に溺れる愚かな女と化してしまって、なかなかやりきれなかったです。

しかし、ここまで書いておいてなんですが、これって映画の感想じゃないですな。
単に私がああいう男が嫌いなだけか(笑)
や、トニー・レオンは格好いいと思いますが(笑)
全般的に共感は出来ませんでしたが、“恋愛にはタイミングが大事だ”の言葉には頷けました。

正直見ていて長さが気になりました。どうやら130分あったようです。
後で調べてみると、映画が完成した時点ではもっと短い映画だったようですが、
その時点でキ▲タ▼の出番があまりに少なかった為に日本からクレームが付いて
キ▲タ▼のシーンを増やしたとかなんとか(^^;
どこまで真実か知りませんが、冗長だったとは感じました。
日頃から思っている事ですが、映画でも漫画でも小説でも、描きすぎるよりも“削る”方が大事だよなあ、と思いました。

なお、R指定になっていませんが、子供にもお勧めしませんので要注意です(^^;

http://www.2046.jp/

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■猫の恩返し(森田宏幸監督)/ギブリーズ(2002/08/05)

ネット上で見る限りあまり評判は良くないようですが、
スタジオジブリだからとか「千と千尋」の次だからということで過度の期待をしなかったこともあり、
まあ楽しめたと思います。
大きな感動は残りませんし、少々物足りなくはありますが(^^;
大好きとは言いませんが、それなりに好感の持てる、憎めない作品でした。
(もっとも宮崎氏が作品を作らなくなった場合、
 これからのジブリ映画がずっとこのレベルを超えられないとしたら、将来が心配ですが)

本来ネタバレですが、CMでガンガン流しちゃってる鳥のシーンは気持ちよかったです。
ハルのつっこみがいのある性格も可愛かったですし、恰好良すぎのバロンも好きですね。

残念なのは『猫の国』が魅力のある異世界に見えなかったことです。
猫の国に入ってからは、そもそも世界の描写に時間が割かれていないため、
ただの人間世界の陳腐なパロディ・・・にすらなっておらず、
インスピレーションを刺激されるものを(私としては)感じられなかったのはこういう映画としては辛かったです
評判がイマイチなのはこれも一因かと思います。
『ギブリーズ』の時間を削ってでもその辺の描写をもっと描いて欲しかったです。

キャラクターの“絵”について言えば、いつものジブリの絵とはデザインが違っています。
それはそれでいいのですが、
“ハル”を始めとした人間キャラクターは可愛くて好きですが、
“猫”の絵が・・・・・・・・・・可愛くない。
少なくとも私には可愛く見えないし、味があるとも言い難い。
特に猫の「手」の描き方がどーにも・・・(− −;
もーちょいどーにかならないかなー?

いろいろ言ってますが、好きは好きなのですよ。

■『ギブリーズ』について
実験アニメですねえ。
CGアニメコンテストで見た作品を思い出します。
技術的には凄いと思いますけどね。(特に「初恋」)
おまけとして見るならいいですが、それでもあと10分短くていいです。

複数のエピソードが、それぞれ異なるCG技法で作られていて、
それぞれのエピソードごとに評価が分かれます。
「カレー」と「初恋」はよかったです。話も絵も。
「ダンス」「美女」は・・・・・・・・・すみません、どーでもよかったです。
「エピローグ」については・・・・・・・・・・・・・・私には何がしたいのかさっぱり理解できませんでした。ふぅ

http://www.nekonoongaeshi.com/

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■ネバーランド(マーク・フォースター監督)(2005/02/17)

1903年のロンドンを舞台に、劇作家のジェームズ・バリが『ピーターパン』を生み出すまでを描いた作品です。
史実を元にしてはいるようですが、史実と変えた部分も結構あるらしいので、あくまで映画として楽しめばよいかと思います。


コレという作品が描けず駄作が続いていた劇作家のバリは、ある日公園で四人の子供と未亡人シルヴィアの親子に出会う。
三男のピーターは父を亡くした悲しみからか夢や希望を抱かないようになっていた。
バリと親子が交流を深めていく中でピーターもやがて心を開き出し、
バリは子供達と遊ぶ中でピーターパンの物語を組み立てていくのだった・・


そもそもの「ピーターパン」のストーリーがかなりうろ覚えですので明確には言えませんが、
ピーターパンと言うと“永遠の子供”の話で、純粋な心や夢の大切さを描いた作品というイメージでした。
間違っているかも知れませんが“大人になる事への否定”のようなイメージを持っていたのですがどうでしたっけ?(^^;
勉強不足ですみません(^^;;;

そんなイメージがありましたので、この映画では“大人になること”が一つのテーマとして描かれている様に見えて、少し意外に感じたのでした。
バリのピーター少年への「きみは大人になった」とのセリフが印象的でした。
“大人になる=夢をなくすこと”ではなく、大人とは責任を自覚するということで、
(夢を持ちつつ現実に生きることが大事と言いましょうか。)
心には夢や大事な人の思い出や世界を持っていようという趣旨かと感じました。
ラストのバリとピーターとのやり取りは良かったです。

ただまあ、「自分も昔ある時に大人になった」というような事を言ってるバリ自身は全然「大人」とは思えないんですけどね(^^;(苦笑)
嫁さんをほっぽりだして未亡人シルヴィアやよその子供達とばかり遊んでいる男というのは、いかに理由を付けようが、大人とは呼べない駄目大人だとは思いました(^^;
ピーターのセリフ「ピーターパンは(自分ではなく)この人(バリ)だ」がすごく納得してしまいました。

しかし、そういう、人としてどこか壊れた突き抜けっぷりがある人間こそが大きな仕事を成し遂げてしまう、というのは、ある意味リアルに感じました。
バリの奥さんやシルヴィアの母親に感情移入してしまって、正直バリにはむかついたんですけどね(笑)

バリが子供達と仲良くするのも、子供が好きだから、とか、頑ななピーターを心配したからとかではなく、自分の作品の為の打算による行動と見えてしまいましたし、
ピーターパンの公演に孤児院の子供達を呼ぶのも、客席を盛り上げる為の計算高い行動に見えてしまったですが、
バリに好感が持てない故にフィルターがかかってしまっていたかも知れません(^^;;;

奥さんとすれ違っていく様子を見ていると、
まあ、ぶっちゃけバリの方が悪いんですが、それはそれとして、
夢や趣味の世界に生きる人間が他者とすれ違う悲しさや難しさも感じてしまったのでした。

そう言いつつ、シルヴィアの家でのピーターパン公演は感動しましたし、
子供達との交流の中でピーターパンの物語のヒントを得ていくシーンは素直に面白かったです。

基本的には“純粋なサイドの人間”としてバリや未亡人を持ち上げるつくりの映画ではあるのですが、
“現実派”であるバリの奥さんやシルヴィアの母親も単純に悪役的にすまされていないのは良かったかと思います。
未亡人がバリへの想いをあくまで頑なに包み隠しているのも良かったかと。

追記)
ネバーランドで、バリが少年愛好家の疑いをかけられて、子供達の一人の名前がマ■ケルってのが何というか、妙な符号だなあとか思ってしまう、
汚れた大人な私なのでした(^^;(苦笑)

http://www.neverland-movie.jp/

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■ノウイング(アレックス・プロヤス監督)(2009/7/14)

50年前に書かれた数字の羅列が書かれた紙が、世界で起きてきた大事故の日付と死亡人数を予言していた物で、そこには「これから先」の日付も書かれていた…、
という人類絶滅物です。

勝手にB級パニックテイストの作品かと期待していたのですが、思ったより案外生真面目な映画でした。
と言うのも、事前に何人かの感想で「<A HREF=http://www11.big.or.jp/~denden/tare/tare06ha.html#forgotten TARGET="_blank">フォーガットン</A>を思い出す」と言う言葉を見かけていたので、フォーガットンのような"見ながら大爆笑出来るB級馬鹿映画"を期待してしまっていたんですよね。
見終わった後では「フォーガットンみたい」と言う言葉が、決して『馬鹿映画』と言う意味で使われていたわけではないと分かるんですが、
自分の中で『フォーガットン=トンデモ馬鹿映画』という図式を作ってしまっていたのが敗因でした。
やはり先入観を持って映画を見るのは危険です;

で、本作ですが、結構丁寧に作られた映画でした。
しかし完全に好みの問題ですが、正直あまり楽しめませんでした。(前述の先入観のせいもあるでしょうけど)
個人的にはオチが今一好きではありません。本当に好みの問題ですけどねー。

"主人公が行動してもしなくても結果は何も変わらなかっただろう"と思えるあたりに無常観を感じるからかなあ。少なくともカタルシスを得られる映画ではありません。
お話的には一言で言うと「<font color=white>幼年期</font>の終り」でしょうか。
宗教が身近な国の映画かと思いました。

とりあえず、自分的には「フォーガットン」は連想しなかったです。確かに●●●はモロに出てきますけど。むしろ宗教要素の強さの方が印象的でした。

絶滅描写は容赦なくて、迫力ある映像が結構見応えがあって良かったです。
予告で出ている飛行機や地下鉄のシーンはちょっと生々しすぎるくらいですが。

公式サイト

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■ノッティングヒルの恋人(1999/09/23)

一般人とスターとの恋物語です。

正直期待してなかったのですが
(とゆーか単に恋愛物が得意でないだけ)
なんか妙に笑えるシーンが多くて、けっこー等身大的に楽しめました。
男の半ケツが目に焼き付いて離れません。

★えいが道「ノッティングヒルの恋人」

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