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さ〜そ

13デイズ
サイコ(1999年リメイク)
最高の人生の見つけ方
催眠
サイン
THE 有頂天ホテル
サウンド・オブ・サンダー
冴えない彼女の育てかた Fine
ザ・カップ 夢のアンテナ
魁!!クロマティ高校 THE★MOVIE
ザ・コア
THE JUON 呪怨
ザスーラ
殺人の追憶
座頭市
サトラレ
THE NEXT GENERATION パトレイバー 第1章
ザ・マジックアワー
サマーウォーズ
サマータイムマシン・ブルース
ザ・ムーン
さよなら、さよならハリウッド
劇場版 さらば仮面ライダー電王 ファイナル・カウントダウン
サラマンダー
ザ・リング
猿の惑星 プラネット・オブ・ザ・エイプス(2001年)
ザ・ロイヤル・テネンバウムズ
サン・ジャックへの道
サンダーバード

Gガール 破壊的な彼女
シカゴ
ジェームス・キャメロンのタイタニックの秘密
ジェネックス・コップ2
七人のマッハ!!!!!!!
シックスセンス
16ブロック
シッコ
シティ・オブ・ゴッド
Gのレコンギスタ I 行け!コア・ファイター
Gのレコンギスタ II ベルリ 撃進
Gのレコンギスタ III 宇宙からの遺産
Gのレコンギスタ IV 激闘に叫ぶ愛
Gのレコンギスタ V 死線を越えて
ジャケット
しゃべれども しゃべれども
獣電戦隊キョウリュウジャーVSゴーバスターズ 恐竜大決戦!さらば永遠の友よ
主人公は僕だった
STEINS;GATE(シュタインズ・ゲート)負荷領域のデジャヴ
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シュレック
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ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章
ジョゼと虎と魚たち

シリアルラヴァー
白い犬とワルツを
シン・ゴジラ
シン・エヴァンゲリオン劇場版:||
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スカイライン −征服−
スキージャンプ・ペア Road to TORINO 2006
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スターウォーズ エピソード1/ファントムメナス
スターウォーズ エピソード2/クローンの攻撃
スターウォーズ エピソード3/シスの復讐
スター・ウォーズ/フォースの覚醒
スターシップ・トゥルーパーズ2
スターシップ・トゥルーパーズ3
スチームボーイ
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ステルス
ストライクウィッチーズ劇場版
ストライクウィッチーズ サン・トロンの雷鳴
スネーク・フライト
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SPACE BATTLESHIP ヤマト
300(スリーハンドレッド)
THREE 臨死

青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない
青春ブタ野郎はおでかけシスターの夢を見ない
青春ブタ野郎はランドセルガールの夢を見ない
聖闘士星矢 LEGEND of SANCTUARY
世界最速のインディアン
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セルラー
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ゼロワン Others 仮面ライダー滅亡迅雷
ゼロワン Others 仮面ライダーバルカン&バルキリー
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ソウ2/SAW2
ソウ3/SAW3
装甲騎兵ボトムズ ペールゼン・ファイルズ劇場版
ソウル
ゾディアック
ソードフィッシュ
それでもボクはやってない
ゾンビランド


■13デイズ(サーティーン・デイズ)(2001/01/03)

「キューバ危機」に対処するケネディ大統領兄弟、大統領補佐官ケネス・オドネル等の姿を描いた
ドキュメントタッチの政治劇です。
キューバ危機について、恥ずかしながら詳しい内容はあまり理解していなかったのですが、
核戦争一歩手前の実にやばい状況だったことはよく分かりました。 

人が戦争なんぞを起こしてしまう理由にはもちろんいろいろな理由・要素があるのでしょうが、
「相手が何を考えているか・どういう状況なのかが分からない」事(疑心暗鬼)ってのは
多分戦争が起きてしまう理由の中でも割と大きな物があるのだろうと思ったのでした。
平和はありがたいです、本当に

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■サイコ(リメイク)(1999/09/23)

ヒッチコックのサイコのリメイク版、シャワーの殺人シーンで有名な心理サスペンス映画です。

昔の映画をまともに見てないので、どの辺が変わってるのかよく分からないですが、
作中の女性が盗む金が昔は4万ドルだったのが新作(舞台も現代になってる)では40万ドルになってるとかで
時代だなーとか、つまらんことで思ってしまいました。

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■最高の人生の見つけ方(ロブ・ライナー監督)(2008/05/13)

自動車整備工として実直に働いてきたカーター(モーガン・フリーマン)と、傲慢に生きてきた大金持ちの実業家エドワード(ジャック・ニコルソン)、
性格も人生も正反対の2人は、入院した病室で同室になり、互いに余命6ヶ月と診断される。
2人は「人生でやり残した事を記した"バケットリスト(棺桶リスト)"」を通じて意気投合し、人生最後の冒険に出発するのだった…

と言った内容のハートフルなヒューマンドラマです。
決して意外性のある作品ではありませんが、主演2人がそれぞれ魅力的で楽しめました。

余命があと僅かと知れば何をするか、とは誰しも一度は考えそうなテーマに思えます。
そして、この映画を観るとやはり「自分だったらどうするか」とは考えてしまいますね。
実際その時どうするかは、その時になってみないと分かり難いものですが、これまで出来なかったことや我慢したことをやってしまおうとは考えると思います。それが家族の思いに必ずしも沿わないとしても。
(しかしまあ、ぶっちゃけ「奥さんも付いていけばいいんじゃない?」と思ってしまったのは秘密です)

そして、「スカイダイビングをやりたい」とか「壮大な景色を見たい」とか、その他諸々の無茶な夢を、この映画ではエドワードの"財力"でもって強引にやってしまう辺りが映画としておかしく楽しいです。
で、当然のように"財力"だけでは幸せにはなれないのもお約束で、ジンとさせてくれます。
"バケットリスト"のやりたいことを達成するたびにリストにチェックを入れていくのですが、このリストの使い方が(特に終盤になるほど)気が利いていいですね。
「キスをする」や「笑う」下りなどは上手いこと扱うものだと感動しつつニヤリとしました。
いい映画だったと思います。

自分も死の間際で笑える人生を送りたいものだと思いました。

公式サイト

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■催眠(映画+小説(松岡圭祐著))(1999/07/15)

タイトル通り、催眠術をテーマにした作品、
映画を見た後で小説を読みました。
話には聞いてたけど、映画と原作って本っ気で全っ然!違うっす。
一部の登場人物の名前が同じなだけと言っていいと思う。

映画はほとんどショッキングホラーの世界で、途中で「リング」を見ているような感覚にとらわれましたが、
小説は実に明朗にかつ真面目に医療療法としての催眠療法を扱った作品でした。

別にどっちが正しいとか言う気は全然無いですけどね、
ただ、いかがわしいイメージを持たれがちな催眠療法に対する世間の偏見を
解こうと言う姿勢で書かれてるように見える原作に対して、
映画は催眠や精神病への偏見を深めさせてるように見えて仕方なかったので
よく作者が認めたなあ・・・等と邪推してしまったのでした。
(後日追記、以後の著者の小説を見るとすっかり映画のトンデモ路線に転向していますな)

ところで、原作で「人間は子供の時は記憶力がすごいが、大人になると
理性が働いて過剰な情報を記憶することをセーブするため記憶力が落ちる」と
いうような話がのっていました。
さて、私は子供の頃から記憶力(暗記力)が弱く、
漢字のテストなどは大の苦手でしたが、そうか!これはつまり
子供の頃からとても理性的だったということか。
そーかそうだったのか!(おいおい)

★小説「千里眼」の感想

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■サイン(M・ナイト・シャマラン監督)(2002/09/24)

「シックスセンス」「アンブレイカブル」に続くシャマラン監督期待の新作、
・・・といっても、私は「シックスセンス」は好きですが、「アンブレイカブル」の私的評価はどん底の昨年度ワースト映画ですので、
今回見るか見ないかで結構迷いました。
結果を言えば、なかなか楽しめました。
真正面から面白かったというよりは、
つっこみどころ満載のトンデモ映画的楽しめ方ではあるのですが。(^^;)

重厚に、大真面目な作品に見せかけようとしていたこれまでのシャマラン映画に比べて、
結構くだけたユーモアのある作品になっていたのは好感を感じました。

画面の端々に仕掛けを施して、最後に観客を驚かせようとするシャマラン的パズル演出、
(私としては、技巧に走りすぎて話の本質を見失いそうで、特にアンブレイカブルでは「やりすぎ」で好感が持てませんでした)
その演出は今回も健在で、やはり「シャマランが考えた要素をあちこちに配置した箱庭的映画」ではありましたが、
その演出も今回はあまり大上段に構えない感じであまり鼻につきませんでした。
まあ、その内容はかなり強引というか、御都合というか、無理やりなこじつけな部分も多いのですが(^^;)
「テレビ」をうまく小道具に利用して、家族規模の視点での物語に収めたのはよかったと思います。

親父が怖がる子供達を落ち着かせるためにする『お話』は、結構いいシーンでした。
「家族」の描き方はなかなか良かったです。
本作のメインテーマ(?)の「奇跡か偶然か」、というあたりの話は、
私は奇跡は信じない人間ですので、正直ピンとこなかったのですけどね。

冒頭にも書いたとおり、つっこみどころの多い映画で、
「奴ら」の弱点が本当に「アレ」だったのには爆笑しそうでした。
「奴ら」もあれだけの穴あけ能力をもっていながらどうして木の扉くらい打ち破れないのやら・・・(^^;
なんだか「魁!!クロマティ高校」に登場する宇宙人のように思えました。
トンデモ本といい、トランシーバーといい、すごい代物です。(笑)
とりあえず疑問として「果たしてあの帽子は本当に効果があったのか?」が気になります。
見終わった後、劇場の係の人たちが皆あの帽子をかぶっていたのを見た時は吹き出しそうになりました。

アメリカ映画には珍しく(?)犬が可哀想でした。

http://www.movies.co.jp/sign/
★えいが道「サイン」ネタバレなし
★えいが道「サイン」ネタバレあり

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■THE 有頂天ホテル(三谷幸喜監督)(2006/02/07)

ドタバタ群像喜劇で、正直見終わった後に残る物はありませんが、
見ている間は深く考えずに無責任に笑って楽しめました。
それ以上の感想があまり無かったりもしますが(^^;
劇場内でおばちゃん達が大笑いしているのが印象的でした。

ガチョウは料理ネタに絡ませられるのかと思いましたよ(笑)
“3つのアイテム”の使い回し方は上手くて笑いました。

不満点としては、
大晦日の夜を描いた作品なので、やはり昨年末の内に上映開始しておいて欲しかったとは思います。

あと、起きるトラブルの殆どが自業自得なのはちょっと辟易としたり(苦笑)
まあ、
以前から思っていたことですが、三谷映画は対象となる業界のことを知らないで、
深く考えずに無責任に見た方が素直に楽しめるかなあとも、改めて思ったりもしました。

と言うのも、
みんなのいえ」を見た際は、なまじ近しい業界にいる身として、描写のいいかげんさに腹が立ってしまったり、
「ラヂオの時間」の時も、ラジオ業界の事を全く知らない身として、
登場人物のあまりのいいかげんさ身勝手さに『こんなやり方が実際にまかり通るなら社会に絶望するわい』と、
真面目に生きるのが嫌になる感覚を味わってしまったりしたもので(^^;
当時も楽しんだことは楽しんだんですけどねー。
そんなわけで、あまりこだわっては見ない方が吉なのだろうと思ったのでした。

何のかんのいっても、多種多様な登場人物の数々のエピソードを切り回すその腕は見事です。

http://www.uchoten.com/

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■サウンド・オブ・サンダー(ピーター・ハイアムズ監督)(2006/03/28)

レイ・ブラッドベリの短編「雷のような音」(ハヤカワ文庫「太陽の黄金の林檎」に収録)の映画化ですが、映画を見た時点では原作は未読でした。
後から原作を読みましたが、映画は原作の基本設定を使っただけで序盤以降は全然別物なのですね。
(原作は文庫で26ページの短編ですし)

のび太の恐竜」でも暴れた“恐竜ハンター”が好き勝手をするとどーなるかと言う話です(嘘)


2055年、タイムトラベルを実現した大手旅行代理店“タイム・サファリ社”は白亜紀への恐竜ハンティングツアーを企画して盛況を得ていた。
ツアーの内容は毎回過去の決まった場所の決まった時間に行き、決まった恐竜をお客にハンティングさせるというもの。
あと数分で死ぬ運命にある恐竜を殺すということで、歴史への影響は出ないと言う訳だった。
お客には「過去に未来の物を置いていかない・過去の物を未来に持ち帰らない」ように注意していたが、
ある客が「わずか1.3グラムの何か」を過去から持ち帰ってしまったことから、現代に異変が起き始める。


予告を見たときから“匂い立つようなB級臭”を感じてワクワクしていましたが、
やー、期待通りで楽しかったですよ。
勢いに任せたベタベタな御都合主義!
時間SFかと思えば突然アクション映画にシフトする意外性!
随所に漂う映像やセットのチープさと、多彩なツッコミ所を持ちながら、
それでいて伏線は(比較的)きっちり回収して話の風呂敷は綺麗に畳み、
観客を楽しませる工夫とサービス精神を忘れないバランス感覚!
いやあ楽しいなあ。
正しいB級映画は心のオアシスです。

なんだか誉めてるのか貶してるのか分からないような書き方をしてますが、ホント楽しかったですよ。
『本格的SF大作』を期待して見ると失望しそうな気もしますけど、お気楽に楽しむには十分な娯楽映画でした。

突っ込みたい所は山盛りありましたけどそれも愛嬌です(笑)
例えば、(以下ネタバレ反転)
毎回同じ時点の過去に行くのに、毎回恐竜を殺した事実がリセットされて過去のツアーと鉢合わせをしないという設定なのに、
 最後は過去のツアーに干渉して解決となって、作品内でのタイムパラドックス設定が統一が微妙なあたり
」とか、
序盤の主人公が女性客をくっちゃうエピソードには何の意味が?」とか、
目覚めさせちゃいけない怪物を延々ライトで照らすなや(笑)」とか
地下鉄で主人公と因縁がありそうなおかっぱ髪の女性が喰われたのに完全スルーかよ(^^;)」とか、
基本設定だから仕方ないけど、「過去が変わった」のになんで「最後の時間の波」が過ぎた後でも「現代の建物・施設」が残ってるんですか?」とか、
最後までタイムトラベルに必要な施設は無事に残ってる御都合っぷりが素晴らしい(笑)」とかですな。
あー、書いたらスッキリした(笑)
(ちなみに、上記のツッコミどころは全て原作には存在しませんので念のため)

根本的な事を言うと「過去を変えたら、未来にツアー一行が戻った時点で未来が変わってるべきでは?」とも思いましたが、
しかし「“時間の波”による変化」はこの映画のキモですし、映像的にもとても面白いアイデアだったのでオッケーです(笑)

最後まで見ると「なるほど、確かに“バタフライ効果”だ!」と納得させてくれるサービス精神も素敵でした。
座布団一枚です。
(つーか、この辺は実は原作通りなのですね)

超映画批評さんによるとこの作品、制作費「100億円の大作」ではあるのだけど、
実際は製作途中でプロダクションが倒産、チェコでの撮影隊は水害で大被害と、何度も完成が延期された曰くつきの作品で、額面通りの制作費とは見れないとのこと。
そのあたりを考えると、随所にチープな映像を織り交ぜながらでも、ちゃんと楽しめる映画を完成させてくれたことに涙ぐましさと感動を感じたりもするのでした。

ところで、原作のタイトルの元になった「雷のような音」は映画では登場してないですよね(見落としてなければ)
映画はタイトル変えるべきなんじゃないかなあ(^^;(映画の原題も「A Sound of Thunder」のようだけど)

公式サイト

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■冴えない彼女の育てかた Fine(亀井幹太総監督)(2019/11/3)

完結編。最後まで冴えない主人公…と言うかキモい主人公であった。しかしまあ楽しかったです。
それにしても開き直ったメタネタが多かったですよ。エンディング後は何事かと思いましたがやっぱりアレで、トレンディでラブストーリー感のある曲が突然に流れ出したところは吹きました。

アニメ2期ラストでどういう状態だったかが少しうろ覚えですが、最初から出海や伊織がメンバーとして人間関係が出来上がっていて、なかなかすっ飛ばし感がありました。
原作未読だけど映画1本でまとめるために色々すっ飛ばしたのねと勝手に納得します。

ラブコメ的には始終加藤の正ヒロイン感が半端なかったなあと。そして実際の恋愛関係の進捗をフィクションの文脈で言い当てる(そして当たっている)詩羽先輩のメタっぷりがさすがです。そして察しが悪い英梨々は見ていて可愛そうだなあと。
出海と美智留の恋愛蚊帳の外感は和むなあ。

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■ザ・カップ 夢のアンテナ(インド)(2001/03/25)

インドのお寺の小坊主さん、ウゲン。サッカーのワールドカップを見たくてたまらない彼が、
決勝戦を見るためにTVとアンテナを借りるために奔走するという話。
なんと映画の監督は本物の高僧で、出演する少年僧達も皆ホントの僧だそうです。

ストーリー自体、実話に基づく物らしく、派手さはもちろんありませんが、
地に足の着いた、自然体の好作品です。
ホント面白いです。

主人公のウゲンがほんとに悪ガキかつ憎めない奴で、とくに終盤での彼はほんとに『いい』です。
でも、こいつ絶対フーリガンだよなあ。

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■魁!!クロマティ高校 THE★MOVIE(山口雄大監督)(2005/07/26)

週刊少年マガジンで連載中の野中英次氏(愛称:のなー)の漫画の映画化作品。
全国の不良(ワル)が集まる不良学校“クロマティ高校”に入学した優等生の神山が、
崩壊した学校を改革しようと奮闘する涙と情熱と友情の感動大作・・・ではない。間違っても(笑)。
超大馬鹿映画であります(・ω・)


上映初日だったこともあって劇場は満員で立ち見状態でした。
劇場の偉いっぽい人が館内整理をしていて、「クロマティ元選手が煽ってくれたおかげでです」と嬉しそうに話してくれたのが印象的でした。(実話)
例の訴えが本気だったにせよ宣伝作戦だったにせよ、宣伝効果は実際かなり高かった模様(笑)

映画はなかなか面白かったです。
特に前半は密度も濃いですし。

冒頭、モノクロ写真をバックにクロ高の歴史が語られていきますが、これが妙な重厚さをかもし出している感じで(錯覚ですが)ナイスでした。

学校の不良達も、実写で見せられるとこの学校の常軌の逸しっぷりが変な迫力で伝わって、
“神山大変だなあ”と妙に感情移入出来て笑えます。
実写でやることで馬鹿馬鹿しさが倍増していて、『実写作品の効能』がよく出ていたな、と。
作品の狂いっぷりがよく伝わってきました(笑)

このあたりは、池上遼一風の劇画タッチで描かれたキャラが大馬鹿をやってくれる“ギャップの可笑しさ”を持ち味としている原作のあり方と
通じるものがあるかも知れません。
大真面目な顔でバカをやってくれるのがいいですね。

キャラクターも、神山やらフレディやら山口ノボルやらプータンやら、原作のイメージにやけにハマるキャスティングが素晴らしい(笑)
髪型が違う林田くんや竹ノ内くんはちょっと残念でしたが、それも見ている内に気にならなくなりました。
髪型は違えども人物像はバッチリ“馬鹿の林田くん”でしたし(笑)
しかし何と言っても素晴らしかったのはメカ沢でしょうか。
特に終盤のCGを駆使したアクションは「宇宙戦争」も真っ青です(笑)(・e・)

オリジナル部分も多いですが、原作のノリやキャラクター性が生きていて素直に楽しめました。オチや話の繋ぎが少々弱い部分も感じましたが、
「ま、いーか」と言えるレベルかと。そう思えるのも原作のいいかげんさのおかげかも知れませんが(^^;
ところで、やっぱりクロ高のキモは“無駄な議論”だなあ(笑)

(オリジナル展開については、同じ今夏の原作付き馬鹿映画の「逆境ナイン」はオリジナル部分が寒く感じたりしたのですが、
あちらはオリジナル部分がキャラや話を壊してるように思えたのかなあ(サカキバラ・ゴウとか)。まあ所詮原作ファンゆえの拘りですが)

で、テンポのいい前半に対して、後半はちょっと息切れ気味だったかと思えます。
宇宙人もとい“宇宙猿人ゴリ”で引っ張りすぎかと。(何故か“宇宙猿人ゴリ”なのは別にいいんだけどさ(笑))
ここら辺が長すぎでダレました。
しかしこの場面で唐突に別のエピソードを繋げてくる無理矢理さは良かったかと思います。

後半が残念と言いつつ、全体として実に『見ても見なくてもどーでもいい映画』に仕上がったなあとしみじみと感じられて(←注:誉め言葉です)、
すばらしく『クロ高』らしい映画だったと思います。
かなり満足しました(・ω・)

あと、鉛筆が妙に美味しそうでした。材質はウェハースか?

http://www.kurokou.com/

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■ザ・コア(ジョン・アミエル監督)(2003/06/23)

★(基本のネタバレ少々)
ペースメーカーを付けた人々の突然死を始めとして、世界中で様々な磁気や電磁波に関連した異常現象が発生する。
その原因は地球の核(コア)が回転を止めて停止した事が原因と思われた。
このままでは1年以内に地球上の生物は死滅する。
それを防ぐ方法は、地球の中心まで潜行し、核(コア)を再び回転させることだけだった・・・


あの「アルマゲドン」的な、災害スペクタクルも美しい自己犠牲で全て解決!!
・・・というような映画かと、見る前は思っていました。

で、見たところ、自己犠牲には違いないのですが、
「アルマゲドン」とは違って、自己犠牲をやたらと美化する過剰な演出や、押し付けがましいお涙頂戴シーンや、
アメリカ万歳的な描写はほとんど無く、素直に楽しむ事が出来ました。
災害物として、普通に面白かったです。
あまり期待していなかった分、評価が甘いかも知れません(笑)

現実にこういう事態が起こりえるのかどうかはよく分かりませんが、
「地球の核(コア)が停止することによる災害」という、これまであまり覚えがないようなアイデアの映像化というのは、
思っていた以上に映像として刺激的でした。
(あえて言うとミクロの決死圏のイメージが少々)

解決策としては地中に潜っていって・・・という、少々画面栄えが難しそうな展開も、
群像劇として人々の思惑ややりとりを面白く描いていて楽しめました。
撮り方が上手い・・・というよりは、「お手本通り」の作りが出来ている、と言うべきなのかも知れませんが、
押えるべき所を外しまくる映画も多く存在すると思えば、誉めて良いかとも思います。

まあ、先の展開が読めまくって、見ていて意外性はないですけどね(^^;
(はっきり言って死ぬキャラクターの順番まで読めます)

あと、「ピンチ」の作り方が少々、いや、だいぶ強引ではありますな(苦笑)
見ていて、あのキャラは死ななくても良かったんじゃないか?と思わせてしまうのも少々・・・

また、ネタバレ風味な発言ですが、
コアが停止した原因、というのがヒネリが効いていて面白かったです。
そして最後・・・、アメリカ万歳的映画への皮肉を感じてニヤリとしますが、
彼のあの後が少し心配です。

http://www.thecore.jp/

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■THE JUON 呪怨(清水崇監督)(2005/02/15)

「ザ・リング」あたりから始まった、日本初ホラーのハリウッドリメイク作です。
なんでも「THE」を付ければいいってもんじゃねーぞ(笑)、とちょっと笑ってしまいましたが、
一種の微笑ましさも感じなくもありません。

なお、私は日本版の呪怨は見ていませんので、その辺は御了承の上お読み下さい。

ハリウッドリメイクと言いつつ、主なキャストはアメリカ人ながら、舞台は日本の古めの家屋で、
作中の所々で日本語が混じり、更に監督自身が日本版の監督その人で、幽霊“俊雄と伽椰子”も日本版と同じ俳優が演じるという作品。
やっている内容も、WEB上での情報を見ると日本版と大して変わらないようです。

これだけ聞くと“ハリウッドリメイクの意味があるのか?”とも思いそうになりますが、
映画のターゲットがアメリカ人であると考えれば、彼等にとって馴染みのない異国感漂う恐怖を、自分たちと同じ、観客の分身となりうるアメリカ人を主役に据えて描けたという意味で十分意味はあっただろうと思えますし、通常の理解の範疇外にある怖さを感じさせる効果があったのではと思えました。
そして日本人として見ても、馴染みのある風景の中で違う文化感を持つ人間の視点で語られる映画は、馴染みと同時に不思議な違和感を感じさせてくれて、なかなか面白い効果を生んでいたと思えました。
なお繰り返しますが、あくまで日本版を見てない人間の感想ではありますが。

と、いうように、映画のあり方としては面白いと感じたのですが、
恐怖のホラー物として私的にどう感じたかと言いますと、
お化け屋敷的なビックリ系の恐怖描写がてんこ盛りで、それに乗ってなかなか楽しめましたが、
怖かったか? と言われると、・・・怖くは無かったですねえ(^^;

よく考えれば確かに理不尽な怖さはあるのですが、
基本的には、キャンプなどでのある種の怪談のような、静かな語り口から最後に突然「わっ!」と脅かして恐怖感を煽るような手法が多いですので、
ビックリドッキリはしても怖くはなかったかと。
この辺は、単に私が静かに心に迫ってくる恐怖の方が怖く感じるという、言わば好みの問題ではあります。

私的には、あまりにターゲットによって呪い方・殺し方の基準ややり方が無秩序で行き当たりばったりで一貫性が無さすぎて、「おまえら(俊雄と伽椰子)殺すのと怖がらせるのとどっちがメインやねん(笑)」とつっこみたくなります。
既に目的と手段がごちゃごちゃになってる幽霊の二人に、不可思議な愛嬌と無類のサービス精神を見て感心してしまった思いでした(笑)
特にエレベーターあたりの描写などは相当に笑えてしまいました。
ターゲットに見られてもいないのにわざわざ各階毎に立っていてくれるなんて、・・なんて芸人魂かと!
名前を聞いたらちゃんと答えてくれるし、過去の出来事までサービスで見せてくれるし、こいつらはサービスやエンターテインメントと言う物がよく分かっている!、と思いました(笑)

私的には中盤以降はすっかりブラックコメディのような気分で見てしまいましたが、こういう見方は間違ってるでしょうか(^^;?
日本版呪怨の感想は読んだことがなかったので判断できません(^^;;
や、ホント面白かったんですよ〜(^^;;;?

http://www.thejuon.com/flash.html

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■ザスーラ(ジョン・ファブロー監督)(2005/12/23)

「ジュマンジ」の宇宙スゴロク版映画。
原作も「ジュマンジの続編」のようですが、映画ではジュマンジとの関連描写は無しでした。(スタッフもジュマンジとは違うようですし)

レトロチックなロボットや宇宙飛行士などの描写はなかなか楽しく、見ている間はそれなりに楽しめました。
ただ、ドラマや人間関係はジュマンジ以上に子供向けで単純化していて、
正直見終わった後に残る物はあまりありません。

ジュマンジと比べてどうにも物足りなさが残りますが、
ジュマンジにあった「ゲームをクリアした事での影響の大きさや達成感」や「周辺まで巻き込む規模の大きさ」が足りなくて、
こじんまりとしてしまったのが原因かと思ったり。
スゴロクの仕掛け自体も割と予想の範疇を出なかった気もします。映像はちゃんと楽しかったんですけどねー。

とりあえず、主役兄弟のクソガキっぷりが2人それぞれに実にウザいです(笑)
最後に繋げるための描写なので仕方ないウザさですけどね(^^;

土日でこのザスーラと「ポビーとデインガン」を続けて見て思ったのは、
子の親になるのは大変だなあと言うことでした(おぃ)

http://www.sonypictures.jp/movies/zathura/index.html

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■殺人の追憶(ポン・ジュノ監督)(2004/04/19)

★ややネタバレ
1986年頃、韓国の田舎の村で、狭い範囲で計10人の女性が次々殺される連続殺人事件があった。
結局現在まで犯人は捕まっていないとのこと。
この映画は実際の事件を元に、警官・刑事達が事件に振り回され、壊れていく様を描いた映画です。

題材が題材で、かつ犯人も捕まっていない事件の映画ですので当然と言えば当然ですが、
鑑賞後に無常感と陰鬱な気持ちがズシリと重く残る映画です。
しかし、『凄い』映画でありまして、一見の価値ある作品と思えます。

この時代の事も現在の事も、私は韓国の警察事情は全然詳しくないですが、
映画ではこの頃の警察は容疑者を頭から犯人と決め付け、殴る蹴る吊るすの拷問をくわえて自白を強要する様子が描かれています。
日本でも昔はこうだったとは聞きますが(今、無いかどうかはともかく)、ホンの十数年前のことと考えると非常に生々しく恐ろしいものがあります。

そしてそういったずさんな捜査に不運も手伝って、事態はどんどん悪い方向に流れていって、警官達に跳ね返ってきます。
特に一番の暴力警官の運命は、非常に愚かで自業自得に思えますが、そうしたやり方しか知らない彼等の育った環境の不運を感じて、哀れでやるせなくもあります。

で、この映画の凄い(恐い)ところは、頭を使ったいわゆる科学的捜査を否定し、勘と足と暴力に頼ってきた警官達だけが酷い目にあうというのではなく、
頭を使う近代的捜査をモットーとしてきたはずの、ソウルから来た新進的な刑事でさえもが、
徐々に壊れていき、感情に支配されていき、前者で延べた暴力的な刑事達と立場が入れ替わっていってしまう所であります。

この描写を、「近代的な考えを持とうとしても、育まれた環境の影響は大きい」と取るべきか、
「近代的捜査と言っても、時代が変わっても人間自体はそうそう変わらない」と取るべきか・・、
Fさんも書かれていたことですが、ラストシーンと考え合わせると“後者”のようにも思えてきて空恐ろしさを感じてしまうのです。

ラストの“普通の人”
美しい風景をバックとしたシーンだけに、静かにぞっとするものがありました。

女の子のバンドエイドのシーン、後から考えると、やりきれなさが倍増でたまりません。

追記)重い重いと書いてきましたが、ブラックに笑えるシーンも多い映画で、見やすい映画でもあります。敷居が高い映画ではありません。

http://www.cqn.co.jp/mom/

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■座頭市(北野武監督)(2003/09/22)

たけし映画を見るのは初めてだったかも知れません。
普通に面白かったです。
思い切りのいい演出・殺陣と、息の抜けたユーモアと音楽とが、いい具合に混ぜこぜになっていて、飽きずに楽しめました。
説明が少ないのも、しつこさを感じずにすんで良かったです。
つっこみどころは気にするような映画でもないのでノープロブレムです。
殺し合いのシーンまで“絵”として美しい映画でした。
あまりごちゃごちゃいう作品でもないと思うのでこの辺で。

ところで、たけし座頭市の金髪頭。
金髪と聞くまで、てっきり白髪かと思い、
「たけしも老けたなあ」とか思っていました。
ごめんなさい。反省してます。(^^;

http://office-kitano.co.jp/zatoichi/

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■サトラレ(2001/03/25)

自分の心が周囲に”悟られて”しまう能力を持つ人々『サトラレ』
だが、彼等は自身を「サトラレ」とは知らない。
己の心が周囲に垂れ流されているなどと分かれば、その人の精神は耐えられない。
例外なく天才的な頭脳を持ち、
人類に多大な貢献をもたらすと見られている「サトラレ」を必要とした国家は
サトラレがサトラレであることを自覚せずにすむように、
全国民を挙げて「サトラレの心の声」に気付かないフリをさせるよう、
法律と委員会を定め、徹底していたのだった。

外科医を目指す里見も「サトラレ」だったが、
患者に全てを知らせるわけにも行かない職業である「医者」は
彼に最も向かない職業だった。
たとえ天才的な手術の腕を持っていても・・・。

国は本人の自由意志の尊重を建前としつつも、
どうにか彼を「新薬研究者」に誘導しようとするのだった。

見ての通り、かなり無茶な設定です。
が、無茶を出来る限り現実的に描こうとした、非常に面白い映画でした。
その能力故に、接する人々に疎まれながら、かつ愛されていく展開は
元々彼に感情移入しやすい状況設定も手伝い、泣ける話でした。

性善説前提的な甘い話だとは思うけどね。

帰りに原作の漫画(講談社 佐藤マコト)を買いました。
こっちは複数のサトラレ達の1話完結式の話でこちらも良かったです。

★漫画「サトラレ」の感想

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■THE NEXT GENERATION パトレイバー 第1章(押井守総監督)(2014/04/06)
実写版パトレイバー観て来ました。押井守ということでもっと独自色が強い内容かと思ったら、予想以上にパトレイバーらしい雰囲気でした。
時代の流れですっかりレイバー業界界隈も二足歩行ロボも寂れているという世界設定がなかなか切ないものがありますな。
あくまでアニメ版の未来のようなので漫画はまた違うでしょうけど。

エピソード0と1ということですが、大した事件も起こらないゆるいゆるい内容ですが、それなりに楽しめたかと思います。
イングラムがほとんど「動く動く詐欺」でなかなか動かないあたりが焦らされますなあ。ホントに最後しか動きません。
まあ、次作ではもうちょっと動きそうですが。

イングラムのコクピットの狭さはよく伝わったかなと。あれじゃあ山崎さんは乗れないやね。

公式サイト

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■ザ・マジックアワー(三谷幸喜監督)(2008/06/24)

古めかしい港町で、街を牛耳るギャングボスの愛人と懇ろの仲になったことがバレた備後(びんご)(妻夫木聡)は、
命を助けてもらうために、伝説の殺し屋"デラ富樫"を探し出してボスの元に連れてこなければならない羽目になる。
当然デラ富樫は見つからず、追い詰められた備後は売れないアクション役者・村田(佐藤浩市)を映画の撮影だと言って雇い、村田に殺し屋・デラ富樫を演じさせることを思い付くのだった…

という話。
無茶な状況を積み上げて登場人物を追い詰めていく三谷監督得意のシチュエーションで、話の無茶っぷりと役者の演技が上手くマッチして面白かったです。いやあ、笑った笑った。
素晴らしく無理のあるお話ですが、嘘くさい舞台セットに演技くさい演技を重ねてうまく"嘘くさいけど楽しい映画"に仕上げていたと思います。

映画の撮影だと信じている村田が"デラ富樫"としてボスの信頼を得ていく様子が実におかしいです。
村田が登場するまでの序盤は少し冗長にも感じましたが、村田登場後の中盤以降は笑いっぱなしでした。
映画としてツッコミ所は多すぎですが、ツッコミ所事態が楽しい映画です。

エンディングで流れる映像が興味深いです。ベニヤ最強。

公式サイト

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■サマーウォーズ(細田守監督)(2009/8/4)

時をかける少女」の細田監督の新作。
一人の少女の気持ちの変化を追った"青春映画"だった「時かけ」とはかなり方向性の違う作品で、
「田舎の大家族」「アクション」「ネット世界」を主軸とした"群像娯楽映画"として、子供からお年寄りまで楽しめる、広い年齢層に向けた楽しいエンターテインメント作品になっていました。
難しく考えずに個性豊かな大家族の面々の奮闘が楽しめる、いい映画だったかと。
ただし、「時かけ」のような"爽やかな切なさ"は少なめなので、「時かけ」が好きだった人が"ジュブナイル・青春物方面"に期待するとちょっとスカされるかも知れません。
門戸は「時かけ」よりも広くて「一般大衆向け」かと思いますが、好みは別れるかも。
(自分も「比較してどちらが好きか?」と問われれば、好きなのは「時かけ」の方だったりします。本作も十分好きですが)

「時かけ」を観た後だと、どうしても最初は主人公とヒロインに視点が行ってしまっていましたが、この作品は大家族達の皆が主役と言っていい群像劇でした。
従って、ヒロインや主人公の存在感はやや薄めです。
主人公とヒロインよりも、やたらと行動力のあるおっさん達や、なんと言っても栄おばあちゃんが非常に魅力的だったりして。
目立っている人も出番の少ない人も、家族の1人1人に味があって魅力的です。球児もおいしいですね(笑)

(今の世の常識的に見ると)いかにもコンピューターに疎そうな田舎のおじさんおばさん達が「コンピューター世界での戦い」なんてものに一体どうやって立ち向かっていくのか?、と思いますが、
実に明快な手段で、皆が予想外の活躍をしてくれるのが楽し嬉しいです。
この世界って、おじさんもおばさんも爺さんも婆さんも、ごく普通にアバターを持っていて、日常的にネットを活用している世界なんですよね。
そのことを「冒頭の説明」だけでなく細々とした描写で納得させてくれます。
ハイテクな事件に、いかにもなローテクな手段や泥臭い人間関係で立ち向かっていくギャップが単純に楽しいなあ。
あと、携帯やDSがあんなに活躍するとは思わなかった(^^;

この作品って、登場人物は主要キャラだけで29人と大変な数だし、設定やストーリーも一見複雑になりそうなんですが、それらを極めて『自然に、簡潔に分かり易く、かつ魅力的に』描いてくれているのが凄いですね。
特に予習をしていなくても、映画を見ているだけでキャラクターも話もスイスイ頭に入ってくるのが素晴らしい。恐ろしい構成力と表現力ですよ。

ネット世界でのバトルの流れは少々ツッコミ所もありましたが、カタルシス優先と考えれば十分に楽しめる物でした。
コンピューター相手にゲームで戦う展開は、懐かしの「ウォー・ゲーム」の三目並べを思い出しますが、この映画では勝負に使うゲームのチョイスが渋くていいですね。
ただ、自分はあのゲームは子供の頃にやったきりで、ルールをあまり覚えていなかったのがちょっと惜しかった気もします。
先に、この映画を楽しむ為に特別な予習はいらないと書きましたけど、『こいこい』のルールだけは概略を掴んでおいた方がいいかも知れません。
予習しなくても映画を楽しむこと自体に支障は無いと思いますけどね。

少々ネタバレですが、予告等で「」が出るシーンを見たときは、てっきりバーチャルな存在なのかと思ってました。
あんな役どころで出てくるとは、ビックリしましたよ(^^;

ネット世界が戦いの舞台になるとは言え、その描き方が必ずしも否定的なものでも無く、後ろ暗さがあまり無いのが心地よく見られるところかと。(まあ、情報管理の一極集中はヤバイと思いましたけど)
基本的にユルくて陽性な映画なんですよね。ラストのアホっぽい空気が好きでした。

公式サイト

◆2回目(2009/8/25)
ストーリー自体はシンプルながら、大人数が入り乱れて状況もどんどん変化する映画なので、
初見では見ながら脳内整理が追いつかない部分もあったと思うのですが、今回は余裕をもって十分に楽しめました。

登場人物それぞれ皆が主人公だと言える作品ですが、
初見時にはやはり健二・夏希を「主人公」として注視して観始めていました。
そのため見落としていた所も多かっただろうと思えたので、今回は最初から「家族達」にも注目して観てみたところ、
家族達のそれぞれ皆が序盤からきっちり個性的に描かれていたことがよく分かって面白かったです。アバターも含めて。
(2回目以降見る人は、家族の誰がどのアバターを使っているかをある程度把握して観直すと、より楽しめるのではないかと)
回数を重ねる毎に楽しみがある、スルメのような映画だと思えます。

健二については、初見時には「主人公としてはキャラクターが弱い」とも思えたのですが、
あらためて見ると立派に主人公をしていたのだと思えました。
皆がどう動くべきか迷った時に「道を示せる」者は立派にヒーローだなと。
そして「おばあちゃんの精神」をケンジもきっちり受け継いでいたのだなと。(夏希も佳主馬も他の家族も同様に)

しかし、本作最大のヒロイン(むしろヒーロー)は、やっぱりおばあちゃんだなあ。
歯の抜けた笑顔が素敵だー!

本当に、娯楽映画としてよく出来た作品で楽しかったですよ。

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■サマータイムマシン・ブルース(本広克行監督)(2005/09/08)

クソ暑い夏のある日のある大学で、
部室のクーラーのリモコンが壊れてぐったりするSF研のメンバー達の前に突然タイムマシンが現れる。
彼等はタイムマシンで「昨日」に行って「壊れていないクーラー」を取ってくればいいじゃないかと思いつくが、それは全ての始まりにすぎないのだった・・・

という映画。
いやー、バカでした。
脳天気なバカ学生ノリが楽しい素晴らしい青春馬鹿映画です。もう大好きヽ(´▽`)ノ
タイムマシンをこんなしょーもない事にしか使わないセコさが素敵です。映画も低予算ぽいですし。
昨日と今日が交錯して話がややこしくなりそうな所ですが、後からでも先に出ていた伏線をちゃんと思い返すことが出来るように工夫されているので、
非常に分かりやすかったです。
タイムパドックスを頑張って律儀に解消しようとしていている脚本が好印象です。

しかし、おまいらSF研ならタイムパラドックスくらい理解しとけとも(笑)
SFを全然知らない人でも理解出来る映画にしようとしたのか、いささかきっちり説明しすぎな印象も受けました。
そこまで言ってくれなくても分かるって、という感覚も少々。

微妙に苦い話もあったりしてとても青春物でした。

ヒロインの娘は可愛かったですが個人的にはメガネの娘が好みでした。
犬も可愛かったです。

出来ることなら、もう2週間ほど公開が早ければ、本格的に暑い時に見られたのになあとちょっと残念(笑)

ネタバレですが
あのクーラーって多分30年くらいは前の機種でしょうねえ。
だとしたらあのリモコンって、約150年以上も経過した
ってことですか。すげー(笑)

追記:「バカフライ・エフェクト」とか呼びたい。

http://stmb.playxmovie.com/

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■ザ・ムーン(デイビッド・シントン監督)(2009/2/12)

子供達がロボに…(略)

…じゃなくて(ジョージ秋山の漫画に非ず)、
実際に月に行った(月に降りた人、司令船パイロット人を含めて)宇宙飛行士達の証言と米国資料保管所に保存されていた蔵出し映像で綴られたドキュメンタリーです。
そういう作品なので“映画的なストーリー”というものはありませんが、飛行士達の自分自身の体験に基づいた言葉が当時の空気を力強く伝えてくれる見応えある作品でした。
自分はアポロ11号の頃には生まれる直前というところだったので、その時代そのものは未体験ですが、
両親が月着陸を見る為にテレビを買ったと言うような話を聞いていましたので、アポロには妙に憧憬を感じる物がありました。
当時を知る30代後半〜40代以上の人には感慨深い映画ではないかと思います。

登場している宇宙飛行士は次の10人↓(正直1度見ただけでは把握仕切れませんでしたが公式サイトによるとこのメンバーのはず)
・バズ(エドウィン)・オルドリン(アポロ11号着陸船パイロット)
 (ニール・アームストロングに続いて人類で2番目に月に降りた人。月に降りたった際のエピソードにニヤリとしました)
・マイク(マイケル)・コリンズ(アポロ11号司令船パイロット)
 (司令船に乗っていて月に降りなかった者としての言葉が印象的)
・アラン・ビーン(アポロ12号着陸船パイロット)
・ジム・ラヴェル(アポロ13号船長/アポロ8号司令船パイロット)(13号の事故で生還した人)
・エドガー・ミッチェル(アポロ14号着陸船パイロット)
・デイヴ(デイヴィッド)・スコット(アポロ15号船長/アポロ9号司令船パイロット)
 (月面でローバーを乗り回す映像がありましたが、この人だったかジョン・ヤングだったかが記憶が曖昧です;)
・ジョン・ヤング(アポロ16号船長/アポロ10号司令船パイロット)
・チャーリー(チャールズ)・デューク(アポロ16号着陸船パイロット)(11号の時は地上通信士を務めていたとか)
・ハリソン・シュミット(アポロ17号着陸船パイロット)
・ジーン(ユージン)・サーナン(アポロ17号船長/アポロ10号着陸船パイロット)
 (月面に足跡を残した最後の人。公式サイトで11号パイロットと書かれてますけど間違いですね)

出てくる飛行士達はみなお爺さんになっていますが、皆格好良かったですよ。
月に行った人間は帰ってきてからもそれに相応しい振る舞いをせねばならなかったという話も印象的でした。

蔵出し映像は、個人的には期待したよりもちょっと少なめだった気もしましたが、
ミッションコントロールセンターの様子や月からの離陸や着陸船と司令船の合体やローバーを乗り回す様子など興味深かったです。
実のところ自分の知識ではどの映像が初公開でどれが公開済みのものか明確には言い切れないんですけど;(おい)
本格的にアポロ計画が始まるまでの発射事故の映像もありましたが、よく月着陸までこぎつけたものだと思えました。

どちらかと言うとお爺さん(飛行士)の顔のアップの場面の多さが印象に残ったりして(笑)、
あくまで私の体感的な印象の話なので、実際の映像比率は分かりません(^^;)。しかしまあ、それはそれで良いかと。

子供の頃は大人になったらもっと手軽に月に行けるようになっているものと思っていましたが、
月を歩いた人はこれまで12人だけなんですねえ。まだまだ月は遠い世界ですよ。
「我々は月を知ることで実は地球について知った」の言葉が心に残りました。
この月着陸が、当時の米ソの宇宙開発競争の末のことだったとしても、“地球人の”成功だと当時の人々が思えたのなら、それは意義の大きいことだったと思えます。
ラストの飛行士達の月着陸捏造論を笑い飛ばす言葉も力強く感じました。

公式サイト

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■さよなら、さよならハリウッド(ウディ・アレン監督)(2005/06/02)

かつてはオスカーを取ったこともある映画監督ヴァル(ウディ・アレン)。しかし変人ぶりが祟ってか近年の彼はすっかり落ちぶれて仕事もろくに無い状態だった。
そんな彼に大作の依頼が舞い込むが、それは大手のプロデューサーである彼の別れた妻からの依頼で、しかもその製作会社の担当役員はよりにもよって彼の妻を寝取った男だった。
そんな仕事が受けられるかと怒りつつも、仕事自体は喉から手が出るほどに欲しいヴァルは結局仕事を受けて撮影を開始する。
しかし、クランクイン直前、ヴァルは心労から心因性の失明になってしまう。
見えないことがバレればお払い箱確実な彼には、失明を隠したまま撮影を続けるしかないが、それで撮影は上手くいくのだろうか・・


軽いパロディタッチの業界コメディで、飛び抜けた面白さとは言いませんが気軽に楽しめました。
まあ、ウディ・アレン映画って大体そんな感じですが(笑)
ころころ言うことが変わる監督の変人ぶりも楽しければ、目が見えない状態でメタメタながらも映画が進行してしまうあたりもそれ自体が笑えてしまいます。
最後のあたりの監督の叫び世の中の夫は一度は失明してみるべきだには奇妙な説得力を感じたり。
そしてアメリカでボロボロに酷評された映画がフランスで受けてしまうと言うのも何とも皮肉なオチでした。
ハリウッドをおちょくる映画かと思ったらそれだけで止まってないのですな。「いいのか?」とか思っちゃいましたが(笑)

http://www.nikkatsu.com/movie/sayonara/index.html

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■劇場版 さらば仮面ライダー電王 ファイナル・カウントダウン(金田治監督)(2009/4/21)

BDで見ました。電王3本目の映画作品。
全然「さらば」でも「ファイナル」でも無い内容だったし、
実際「最後」なんかじゃなかった事は今まさに証明されてるわけですが。
そのあたりは同時収録のイマジンあにめでも自己ツッコミしてるしなあ(笑)

普通に安定して楽しかったです。
最初はちょっと生意気な良太郎の孫・幸太郎も、最終的にはちゃんとこの作品らしく親しみを持てるキャラとして見せてくれるのが良かったかと。

今作ではモモウラキンリュウデネブに加えてジークと孫のイマジン・テディまで一堂に会するという「7イマジン体勢」が凄かった。何このコント空間。
しかしテディは真面目な執事的キャラでセリフが少ないのがちょっと寂しい。
やっぱり味方イマジンを7人も登場させたらキャラ分けが大変だよなあ。

後半は時代劇でしたが、電王による騎馬シーンがなかなか格好良かったです。
EDの日本画も良かったかと。

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■サラマンダー(ロブ・ボウマン監督)(2003/05/19)

現代に蘇った巨大な火竜と人との戦いを描いたアメリカの怪獣映画です。

CMではサラマンダーと戦闘ヘリとの戦いらしい映像が流れ、
ポスターではロンドンのビッグベン周囲の街並みをバックに、
上空を飛翔する多数のサラマンダー&戦闘ヘリが描かれておりました。
これらを見て、ガメラ3のラストの続きとも言えるような、
人と大量の巨竜との壮絶な戦闘が描かれるのかと、ワクワクしていたのですが・・・

結果は、楽しめた事は楽しめたのですが、
そういった期待とはだいーーぶ違う作品ではありました(^^;

★★★以下ネタバレ注

と言いますのは、
大都市での近代兵器との戦闘はモノローグだけで流されて、いきなり「マッドマックス2」的な世紀末廃墟世界での話になってしまうという訳なのですね。
(・・・人類壊滅の経過をすっ飛ばすにしても、
 せめてまともな戦闘シーンのカットのひとつは見たかったなあ・・・)

大量のサラマンダーの登場も、あるのは遠景で1シーンだけで、
後はサラマンダー1体ずつと、ろくな装備も無い『生身の人間』とのガチンコバトルになります。
戦車は出てきますが、全然出番はありません。
ヘリは少しだけ出番があります。(主に移動手段として)

つまりこれは、近代兵器を駆使しての怪獣対決映画ではなく、
古きイギリスの、聖騎士によるドラゴン退治映画の現代版(とゆーか世紀末未来版)なのでした。
主人公も馬に乗ってますし(あまり関係ない)

そんなわけで、この映画を見る際にはくれぐれも、
私が最初に持っていたような先入観は持たないで見ることをお勧めします。
やはり映画を見るときに先入観は邪魔なだけですな(^^;)(宣伝が悪いとも思いますが)

さて、そのへんは別として見ると、まあまあ楽しめました。
オープニングの暗めの雰囲気も良かったですし、
サラマンダーの火の噴き方の解釈なども面白かったです。

しかし、微妙に印象がうすい映画ではあるのでした。

http://www.salamander-jp.com/index.html

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■ザ・リング(ゴア・ヴァービンスキー監督)(2002/11/06)

見たら7日で死ぬという呪いのビデオを巡る鈴木光司原作のホラー、「リング」のハリウッドリメイク版です。
原作小説、というか、1998年公開の中田秀夫監督の日本映画版に対するリメイクになっています。
思っていた以上に日本版に忠実なリメイクになっていて、
結構しっかり作られているなあと感じました。

★以下ややネタばれ気味です。ご注意ください。

ストーリーラインは本当に日本版に忠実で「そのまんま」でした。
話をほぼそのままに、舞台や状況設定、ディテールがアメリカに置き換えられているのですが、
その置き換え方も結構違和感無く、うまく置き換わっていると思えました。
呪いを解こうとする過程でのディテールが、日本版と違っている部分と言えますが、
アメリカの風土に合った変更と感じて面白かったです。
ところで向こうでは『はしご』って縁起が悪いものなんですかね?

日本版リングの恐さの表現として、直接的にはっきりとは見せず、間接的・暗喩的なさりげない描写で
心理的な恐怖感を煽る演出というものがありますが、
本作では、やはりどうしてもハリウッド映画らしい、直接的・視覚的な(悪く言えばベタな)恐怖表現もいくらかあったとは言え、
よくあるショッカームービーなどと比べて極めて抑えられた表現で、
背筋がぞわっとする類の心理的な恐怖を感じさせる演出がされていて好感を持てました。
日本版できっちり話の筋が分かっているのに、ちゃんと恐かったです。
個人的にはホラーとして十分及第点だと思います。

★以下、さらにネタバレ

日本映画版の高山(真田広之)にあたるノアが頼りないキャラで、都合のいい超能力者等ではない
普通のおっちゃんになってる点は良かった気がします。(その分息子が凄いですが(^^;))
蛇足ですが、部分ごとで個人的に感じた不満点を言ってしまうと、
呪いのビデオの映像が少し綺麗すぎるので、もっと汚くしたほうが恐いのになあ、とか
息子がビデオを見てしまう理由とかがつまらないですなあ。とかでした。

今回結構満足出来ましたが、もし安易に続編をやったら失敗しそうな気もします。
(「らせん」と「リング2」のどちらの路線だったとしても。
 まあ、高山役のノアが凡人なので「らせん」「ループ」の路線は無いかな)
予定があるかどうかは知りませんけどね。

http://www.thering.jp/

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■猿の惑星 プラネット・オブ・ザ・エイプス(ティム・バートン監督)(2001/09/09)

“人間”と“猿”の立場が逆転した惑星に流れ着いた宇宙飛行士の話です。
かつての有名SF映画のリメイク(とゆーか、リ・イマジネーションと言うらしい)作品ですが、
前作については、私ラスト以外ほとんど覚えていないため比較はパスです。 

今の時代らしく、異種族(異人種)間の共生を描きつつ、
遊び心のあるエンターテイメント性の高い作品に仕上がっていました。
なかなか画面に引き込まれる映像で楽しめました。

“猿”のメーキャップは凄かったです。演じている役者の素顔が垣間見える見事なメーキャップでした。

★★★ネタばれ★★★
主人公である人間の宇宙飛行士レオと、
猿人である“アリ”の心の交流(愛情?)は見るべき物がありました、が、
レオ、アリ、そしてティム・ロス演じる猿人の将軍セードなどのキャラクターの魅力が立っている反面、
人間のヒロイン(???)ディナ、その他のキャラクターが存在感がとても薄く、
意志を持って行動しているキャラクターに
見えなかった(あくまで私の主観です)のはちょっと残念でした。
奴隷承認リンボーなんかは味がありましたけどね

展開としても人間と猿の対立の決着など、かなり御都合主義な力業ではありますが、
上手く納めてくれたものだと思います。
ただ・・・ 

★★★更にネタばれ、ラストに関わるので見てない人は要注意★★★
あのラストはちょっとひどいよーな気がしてなりません。
意表を突く事だけを狙っているよーで、
そして意表を突けるほどの斬新さも無いオチで
(実際あの建物の前に不時着した時点でネタが予想できたし)
これまでの2時間を台無しにするオチとしか見えなかったです。
テレビの30分ドラマのオチとしてならどうとも思わないですけどねえ。

ところで、主人公、操縦下手すぎ、
チンパンジーのペリクリーズ君はきっちりポッドを着陸させられたのに、
2回も不時着してポッド粉砕とは・・・、
特に2回目は余裕が無かったわけでも無さそうだったのに。

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■ザ・ロイヤル・テネンバウムズ(ウェス・アンダーソン監督)(2002/10/08)

テネンバウム家には3人の天才児がいた。
長男は10代前半で不動産経営に乗り出した天才ビジネスマン、
長女は12歳でデビューした天才演劇脚本家、
次男は17歳で国内大会3連覇を達成した天才テニスプレイヤーだった。
しかし父親のロイヤルは人の心の分からないろくでなしだった。
やがて家族は離散する。

家族がバラバラになって22年、家族は再び一つの家で暮らし始める。
父親のロイヤルが病気であと6週間の命だと言うのだ。
失った家族の絆を取り戻したい、と願うロイヤルと
子供達はしぶしぶ一緒に暮らし始める・・・

予告のイメージではかなり笑える映画というイメージを受けましたが、
あまり大笑いというタイプの映画ではなく、
微妙なおかしさ(変さ)でクスクス笑わせる類の映画でした。

で、私としては、
つまらなくはなかったのですが、いまいちツボにはハマりませんでした。
正直どーにも不愉快な描写が多くて多くて・・・(^^;

じーさんと孫が一緒に遊ぶのは結構ですが・・・
ギャンブルはともかく子供に万引きを仕込むんじゃねーよ、とか、
ラスト、大切な存在が死んだらその場で代わりを与えてめでたしなんかい!?・・・とか、
あー、気分わりー・・・。
「ろくでなしだけど憎みきれない人物」として描いているのであろう老ロイヤルが、
私には「憎めないかも知れないけど係わりたくない人物」に思えてしまった
あたりが敗因かもしれません。感覚が合わなかったのですね。
作品に流れる「微妙に変な空気」とか、
元殺し屋のじーさんのキャラクターとかはよかったです。

ところで義兄弟の恋愛(結婚)って、アメリカの法的にはどーなんでしょ?
日本じゃ(漫画とかではよくある話だけど)法では認められないとか聞きましたが。
(ネットで簡単に調べただけなので正解かどうかは知りません)

http://www.movies.co.jp/royal/

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■サン・ジャックへの道(コリーヌ・セロー監督)(2007/04/10)

会社社長ながら家庭には問題を抱え、ストレスで薬を手放せない長男、
夫が失業中で家計が肩に掛かった、好戦的な頑固オバサン教師の長女、
飲んだくれの無職で妻からも離縁された次男という3兄弟の母親が亡くなった。
極めて仲の悪い3人だったが、母の遺言により、遺産を相続する為にはフランスからスペインの聖地サンティアゴ(サン・ジャック)までの1500kmの道程を徒歩で約3ヶ月かけて旅する巡礼ツアーに3人揃って参加しなければならない。
そうして宗教心も無ければ美しい風景を楽しむ余裕も無い彼らは総勢9人のツアーとして出発する。
ツアーには、何故か目的地を「メッカ」と思いこんだアラブ系少年や、お気楽なハイキングと勘違いしていた女学生達といった面々が参加していた…


というロードムービーです。
仲の悪い自分勝手な人々や個々の事情を抱えた人々が、旅を通して心を通わせていくという話で、予想を超える展開はないものの、緩やかなユーモアの効いたいい作品でした。
強く印象が残るものでは無いですが気持ちのいい話だったかと。
フランスからスペインにかけての風景が美しいです。あれは行ってみたくなりますねえ。3ヶ月どころか1日の臨時休暇ですらなかなか取れない身が「所詮は映画序盤の長男と変わらない」部分を感じて悲しいですが(^^;
宗教に対してちょっと皮肉とユーモアの効いた視点が印象的で、
また、随所で挟まれる"夢"の描写が独創的で面白かったです。何を象徴しているのか解りかねる箇所もありましたが(^^;

公式サイト

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■サンダーバード(ジョナサン・フレイクス監督)(2004/08/17)

60〜70年代に日英で人気だったSF人形劇シリーズの実写映画板です。
なお私は、旧作はメカや主要キャラをなんとなく覚えている程度ですのであしからず。
ストーリーは6号の話をぼんやり覚えている位です。
ですが、メカの発進シーンや音楽やパーカーや(笑)、2号が好きだったという記憶は何故か残っているのが不思議です(^^;

そんな私ですが、今回の映画は楽しみでした。
人形キャラがどう人間に置き換えられているか?、レトロ感に溢れつつ魅力的だったメカがどうアレンジされているのか?
結果としてこの2点については結構楽しめました。
キャラについてはペネロープやパーカーなど、よく探してきた物だと思えるぴったりぷりで素晴らしかったです。
メカも、現代的アレンジは好みが分かれそうですが私的には満足でした。原色メインのカラーは少々オモチャっぽいですが、それはそれで雰囲気に合っていたかと。

ただ、ストーリーは本当に子供向けです。
スパイキッズ外伝と言われても信じそうです。メインが子供3人なのがなんとも不思議;
国際救助隊は全く活躍しません。大人で印象的なのはペネロープコンビ位でしょうか。
救助活動の描写もほんの僅かで、
従ってメカ描写も僅かです。ただの移動手段でしかありません。がっくし;

正直子供向けと考えてさえ辛い物があります。
主人公に魅力がない&活躍しない、仲間はすぐ脱落&活躍しない、ご都合超能力で勝利・・、うーむ;
(途中で出た念力メカを使った方がマシだった気も)

何作かのシリーズ中での一本なら子供メイン話もありかも知れませんが、
数十年ぶりの満を持しての映画でこういう話をやる意図が不思議です。

先にも書きましたが、メカは悪くなく、1〜3号の発進シーンなどは格好良いのですが・・
一番期待していた2号の発進&ジェットモグラの活躍がよりによって悪役の手によるとは、映像が格好いいだけに尚更悲しかった・・。
プラモ狂四郎世代としても泣けます;

続編の予定もあるようですが、次は是非この映像でまともな国際救助隊の話が観たいです。

http://event.movies.yahoo.co.jp/theater/thunderbirds/
http://www.tbjapan.com/

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■Gガール 破壊的な彼女(アイバン・ライトマン監督)(2007/02/22)

地下鉄で知り合った地味な女性ジェニーと付き合うことになった主人公マットは、
やがてジェニーが鋼鉄の肉体で空を飛び街を守るスーパーヒーロー(ヒロイン)"Gガール"(ユマ・サーマン)であることを知る。
当初はそんな彼女との刺激的な日々や空中SEXなどを楽しんでいたマットだったが、
独占欲が強く偏執的に嫉妬深いジェニーに嫌気が差し、元々気になっていた同僚の女性ハンナに惹かれていく。
そうして怒り狂ったジェニーによる恐ろしい報復が始まるのだった…


という話。
"男女逆転版スーパーマン"かと思っていると、とんでもない展開になります。
下品な大人ネタ満載なアメコミヒーローパロディ映画ですが、しかし一本の映画としての完成度もなかなか真っ当に高くて楽しめました。脚本が上手いですよ。
「超人とのSEX」が(直な描写ではないですが)話にがっちり組み込まれているのでお子様には勧められませんが(笑) (と言うかこの映画、年齢制限は別に無いのね)

ユマ・サーマンが地味に派手に実にいい存在感で、可愛くも壊れたストーカー的スーパーヒロインをいきいき演じていて魅力的です。長身が格好良い。
ユマ・サーマンが好きな人なら一件の価値はあるかと。
もう一人のヒロイン・ハンナ(アンナ・ファリス)もいい感じです。

駄目男に嫉妬するスーパーヒロインということで「うる星やつら」的な関係も思い浮かびますが、終盤の展開はなかなか予想を裏切ってくれて痛快でした。いやー面白かった。

36歳のユマ・サーマンは「ガール」とはちょっと言い難い気もしますが(^^;。
高校時代に能力を身に付けたという設定なので、開業当初は確かにガールで問題なかったのですな。
歳と共に改名するのもなかなかタイミングが難しいかも知れませんねえ、
やはり今の年齢ならGレディとか、
母親になったらGマザーとか、
おばあさんになってGグランドマザーとか、
太ったらGブルとか(すみません)

週刊少年ジャンプを読んでない人には分かりませんが、
ジャンプ10号での銀魂を思い出したりもして。(単なる偶然なのか、実は本作を見てのパロディだったのか?)

公式サイト

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■シカゴ(ロブ・マーシャル監督)(2003/05/12)

例によって映画を見る前には情報を入れませんので、ミュージカル映画らしいというだけの前知識で見ました。
前知識なしとはいえ、ミュージカルの歌と踊りの世界を描いた映画なのであろうという固定観念的な先入観は自分の中でもあったらしく、

まさか“このような話”で“あのような映画”であったとは、と、
非常に斬新な驚きを得る事が出来ました。目からウロコです。
たまにこういう作品に出会えるから映画を見るのは楽しいです。
とにかく面白く、大満足でした♪

私自身、大して「ミュージカル映画」というものを見ていませんが、
この映画での「ミュージカル」としての手法は非常に新鮮で、物語の破綻を生まない面白いやり方で見せてくれました。
と言うのも、ミュージカルシーンは(ほぼ)全て、ヒロインの想像上のシーンとして描かれているのです。

ヒロインの脳内で本音の言葉が炸裂し、歌とダンスと物語が「想像」の世界と「現実」の場面とが絶妙のタイミングで交錯する、
最高に『面白い』ワクワクする映像でした。
まさに映像の魔術と申せましょうか。
特に「記者会見」のシーンは爆笑でした。

ところでこの映画、ろくでなしで、逞しく自分勝手な奴ばかりです。
唯一善良(と言うより愚か)な人物も最後まで馬鹿を見るばかりで、
とてもとても、共感や感情移入など出来た話ではありません。が、
モラルも何もかもをぶっとばした感覚は実にスカッと爽快になってしまいます。
やばいなあ(笑)

あまりお子様には見せない方が良いような気がしないでもありません(笑)

映画を見た後、近くにいたにーちゃんが「ヒロインふたりのどちらと付き合いたいか?」というような話をしておりました。
・・・・・・・・・・・・(見た目の好みだけならともかく)
・・・・・・・・・・・・どっちも嫌だなあ(笑)

http://www.chicago-jp.com/

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■ジェームス・キャメロンのタイタニックの秘密(ジェームス・キャメロン監督)(2002/07/21)

サントリーミュージアムのIMAXシアターにて上映中の3D映像です。
映画「タイタニック」のキャメロン監督が、実際のタイタニックが沈んでいる海に潜水艇で潜って撮影した、
海中に眠るタイタニックのドキュメント映像です。
3Dということでグレーのメガネ(今は赤青メガネではないのです)をかけます。
最初ちょっとクラクラしますな。

海中のタイタニックの各所で、俳優が演じる「乗客」の映像を重ねて当時の情景を再現していますが、
個人的には今のタイタニック自体の映像ももっと見せて欲しかった気もします。
(正直、少し趣味が悪いように感じてしまったので)
ですが、興味深い映像であることは確かです。

ところで宣伝ポスターが映画「ゴーストシップ」を思い出すなあ(^^;

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■ジェネックス・コップ2(ベニー・チャン監督)(2002/01/13)

副題(?)は『特報新人類』、
正統派お馬鹿系エンターテインメントアクションロボット刑事香港映画です。
脳味噌空っぽで、かなり楽しめました。
「2」ですが、「1」を見て無くても問題ありません。
・・・てゆーか私「1」見てません。

観客の“こうなって欲しい”という期待がきっちり叶えられる(であろう)
お馬鹿ながらツボをおさえたナイス作品です。
アクションも立体的な殺陣が印象的に格好いいのです。結構おすすめ。
馬鹿ですが度を超した馬鹿馬鹿しさでは無いバランスが好みです。

ロボット刑事、と繋げて紛らわしく書いてしまいましたが(確信犯)、
別に刑事がロボットなのではありません。
目が黄色かったり青かったり赤かったりするわけでもありません。

★★ネタばれ★★
アメリカの研究所で造られた人型戦闘ロボット“RS1”
絶大な破壊力を持つ“RS1”だったが、テスト中ハッカーに侵入され暴走してしまう。
その場は警護のFBIが電源を落として止められるが、“RS1”を披露する予定の、
香港での『国際ハイテク軍備展』は間近に迫っていた。

一方香港、香港警察の刑事のマッチ、エイリアン、エディソンたちは
国際ハイテク軍備展の警護にあたることになる。
“RS1”を守るFBIと共に。

そんな中エディソンはアメリカに渡っていた旧友カートからの連絡を受ける。
再会を喜ぶエディソンだったがカートに催眠材を注射されてしまう。
そして催眠術で操られたエディソンは“RS1”を奪う手助けをさせられてしまうのだった。

友人に裏切られ、警察とFBIから追われる身となったエディソンは汚名を晴らすことが出来るのか?
マッチやエイリアンはどう動くのか?
そして“RS1”を無事取り戻すことは出来るのだろうか・・・?
★★★

ストーリーだけ追うとすごくシリアスそうですね。
全然重くないのですが、軽すぎる訳でもありません。

香港映画なのでセリフは字幕ですが、
“RS1”と表記される度に頭の中で“PS1”と変換してしまっていました。
お弁当箱みたいで可愛くてちょっと欲しいんですよね。>プレイステーション・ワン

国際ハイテク軍備展に出展されている各国(と言っても4カ国だけど)のロボットが味があります。
中国製ロボットがまたいい感じです。
そして、おそらく見る人の期待通りの対決もあります。
いやー楽しかった♪

http://www.minipara.com/movies2001-4th/genycops/img/big.jpg

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■七人のマッハ!!!!!!!(パンナー・リットグライ監督)(2006/01/17)

いきなり関係ないですが、劇場で何故かタイ原産のトムヤムラーメンを配ってました。エビ味とポーク味の2種類。
自分は食べられないので妻にあげましたが、エビ味はかなり赤くて、かなりかなり辛かったようです。

で、映画は
マッハ!!!!!!」のスタッフの作品で、マッハ!!!!!!同様にワイヤーなし、スタントマンなし、CGなしの肉体の限界に挑んだアクションを見せてくれる映画です。
(アクション以外のシーンではCGも使ってるようですが、あくまでアクションについてはガチということで)
やー、凄い凄い。
見ていると「絶対死人が出てるよ;」としか思えません。
エンドロールで映される撮影風景のギリギリの極限っぷりが凄すぎる(^^;

村を襲ったゲリラ相手に、ムエタイ、テコンドー、セパタクロー、ラグビー、サッカー、体操、器械体操といった
各種スポーツのエキスパート達がその技を生かして立ち向かう。
・・と言うプロットや冗談のようなタイトルだけを聞くと、どう考えてもお馬鹿映画だと想像するのですが、
見てみるとかなりハードで凄絶でシリアスな作品でもありました。

敵も味方も死にまくりで、かなりエグイシーンも続出するので気分の悪くなる人もいそうかと。
流血が苦手な人は受け付けないかも知れません。
銃器に生身で晒される恐ろしさや命の軽さ、それに対しての人海戦術の数の暴力の強烈さといったものを肌に迫る迫力で実感させられます。
映画自体はストーリーはひたすらシンプルで、ひたすらアクションアクションアクションな映画なのですが、シンプル故にメッセージ性を結構強く感じたりも。
ツッコミ所は多々ありますが、そう言うところを気にする映画では無いかと(^^;
あの後の“海”の状況は大変心配ですが;

中盤からラストまで数十分、延々延々とノンストップで続くアクションは、勿論エンターテインメント性抜群なのですが、
楽しむと言うよりはひたすら“目を奪われる”と言った方が正しいかもしれません。
正直前半は少々たるくも感じるのですが、後半のテンションはまったくもって凄いです。

ムエタイやテコンドーはともかく、サッカーや体操で戦うなんてのはどう考えてもイロモノなのですが、
なんですが・・・・
サッカーマジで強いよ!
サッカーで世界征服も可能かもとか、思えてきたりしてコスモスストライカー(笑)

さて、アクション面では凄いのですが、個々の人物のキャラクター性は正直印象が薄めです。
「七人の」と言いつつ、スポーツ選手七人のうち明確に印象に残るキャラは3〜4人くらいだったりして。
事前に情報を制限していたころもあって、正直見ている間「七人」が誰を指しているのか悩みました。一部の村人の方が印象が強かったりもするし(笑)
まあ「七人の」はあくまで日本版タイトルですから、言っても仕方ないですけどね。(原題は「BORN TO FIGHT」らしい)

ところで1、「ななにんの」なのか「しちにんの」なのかで迷いました。しちにんが正しいようですが(^^;

ところで2、後半のアクションシーンでの、延々リフレインで数十分続くBGMが頭に残って困ります。
ソ▼マップの店内音楽並です(^^;

http://c.gyao.jp/movie/7mach/

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■シックスセンス(1999/11/03)

やられました。
前半ちょっとたるいかななどと思ってしまったけど、とんでもない
個人的に今年のベスト1と言っていい作品です。 

でも内容には触れられません(だってブルースとの約束だから)
予備知識無しで見て欲しい傑作です。
2回見たくなるのが分かります。 

ところで、「セブンセンシズ」とか連想してしまうのは古いであろうか?

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■16ブロック(リチャード・ドナー監督)(2006/10/17)

NY市警の刑事ジャックは囚人のエディを裁判所まで護送する任務を言い渡される。
裁判所はわずか16ブロック(約1.6キロ)先で、15分もあれば終わる簡単な仕事のはずだったが、護送中に彼等は何者かに襲われる。
実はエディは警察の不祥事を証言する証人で、襲撃はジャックの友人の刑事達の差し金だったのだ。
周り中が敵(警察)だらけの中でジャック達はどうするのか…


という話。
白人刑事と黒人囚人のコンビによる典型的なバディムービーですが、
全体的な地味さ・地道さが効いて適度な重みのある作品になっていました。
「人は変われる」というエディの前向きな姿勢に好感が持てます。

序盤から中盤にかけての展開はやや単調な気もしましたが、
作中で流れる時間(約2時間)がほぼリアルタイムでの進行する事もあり、適度な臨場感と緊張感があるとも感じられました。
終盤に明かされる「事実」もなかなか効果的で、傑作とは言いませんが誠実ないい映画だったかと思います。

しかしまあ、街中で躊躇無く撃ち合う辺り、街の人々の迷惑度が凄い映画だったなあ(^^;

ちなみに1.6キロと言うと、大阪で言うと梅田から淀屋橋くらいの距離だとか。確かに15〜20分くらいですかねえ。
(東京だと東京〜新橋、名古屋だと名古屋城〜テレビ塔くらいらしいです)

映画を見ていて「今どのくらいの地点にいるか」と言うことがもう少し分かり易く描かれていて欲しいと思いました。
ニューヨークの地理に詳しければもっと楽しめるのかも知れないと思いましたが、ロケ地はニューヨークじゃないんでしたっけ(^^;

公式サイト

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■シッコ(マイケル・ムーア監督)(2007/09/11)

マイケル・ムーアの新作プロパガンダ映画。今度はアメリカの医療保険問題を取り上げています。
ちなみに、タイトルの「SiCKO」は手持ちの英和辞典では出ていませんでしたが、「病人」や「病的な物」を差すらしいです。
それでも日本公開時にはどうにかならなかったのか、このタイトル(^^;

アメリカには国レベルの"国民健康保険"が存在せず、民間の保険会社に依存しているとのことで、
無保険の人口は多くて大きい手術だと100万円相当超請求されるわ、民間保険に入っていても何のかんのと理由を付けて保険が下りないわ、民間保険の系列外の病院では受け入れてもらえないわ、WHOによる医療保険制度充実度はアメリカが37位で先進国最下位だわ、911時の救出・復旧作業で尽力した結果で身体を壊した人々は報われていないわ…、と言った事が事例を挙げて描かれ、
そして国民の医療費が殆どゼロというカナダやイギリスやフランスやキューバの様子が描かれていきます。

他国の制度の良いところを描いても問題点はスルーされている等、作為的な映画ではありますが(あの辺りは公式サイトでも認めてますけど)、それでも「考える材料」として見るべき価値のある映画かと思いました。
日本人としても他人事として見てはいられません。恐ろしや…

それにしても、アメリカの医療保険制度は厳しいという話は聞いた覚えはありましたが、正直ここまで酷いとは思っていませんでした。映画では特別酷い事例を集めているかも知れないとしても。
日本の医療保険制度も問題を抱えてると思っていましたが、アメリカのそれは日本と比べものにならず、殆ど"地獄"のようです。
医療費の払えなくなった患者を(当人にロクに説明もなく)タクシーで貧民街に捨ててくる病院って、どんな乳母捨て山ですか…;;;

しかし、そんなアメリカの酷い実情を描きながらも、マイケル・ムーアはアメリカを捨てようとは主張していないようで、彼のアメリカへの愛情も感じる映画でした。

公式サイト

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■シティ・オブ・ゴッド(フェルナンド・メイレレス監督)(2003/08/05)

貧困と麻薬と暴力が渦巻くブラジルのスラム街(現地の呼び方ではファヴェーラ)、
そこでは多数の子供を含む若い世代での抗争が今、現在でも続いていると言います。

映画は、「神の街」と名付けられた街での抗争の歴史を、60年代、70年代、70年代末、と
3つの時代に分けて、一人のカメラマン志望の少年(〜青年)“ブスカペ”の語りと共に追っています。

例によって、映画の前情報はほとんど入れない状態で見に行きまして、
事前には、ただ「凄い映画らしい」との評判だけを聞き及んでいました。
それで、感想ですが、
凄いです。確かに「凄い映画」という言い方が最もしっくりする気がします。
緩急のあるテンポにすっかり取り込まれました。

正直見る前は、テーマからして、もっと暗くて重い映画なのかと思っていましたが、
軽快な語りとテンポの良さと人間臭い“おかしみ”があって、
非常に“取っつきやすい”映画でありました。

後半に近づくにつれて事態はどんどん破局していき、人がばんばん死ぬ、
相当悲壮な状況が描かれたりもするのですが、
しかし不謹慎な言い方でありますが、映画として非常に面白く、入り込んでしまいます。
そして見た後で、現在でも続くという状況に愕然と気付き、ゾーっとしてしまう訳です。
すっかり制作者の手の内な気分ですな。
ラストシーンの●●軍団には背筋が寒くなります。

人の死に方は実に簡単に死んでしまって、人というのは本当に簡単に物体になってしまうのだと実感してしまい、
なんとも言い難い気分になります。無常です。
この映画、人物の、特に子供の演技の自然さが非常に印象的です。
それゆえに更に怖さとやるせなさを感じるのです。

追記:本編と関係ないですが、『えびボクサー』の予告を見ました。
いやー、想像以上にチープそうです(^^;)
楽しみにすべきかどうか迷うなあ(笑)

http://www.cityofgod.jp/

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■Gのレコンギスタ I 行け!コア・ファイター(富野由悠季監督)(2019/12/4)

Gレコ劇場版見てきました。まともに通して見たのはTV版放送時(2014-2015年)以来でしたが、90分程度とは思えない密度の激動展開で大変面白く見られました。
今回はTV版1〜5話+αまでの内容でしたが、続けて見ると話の連続性がより実感出来るのがいいですね。独特でセンスオブワンダーな世界観にのめり込むことが出来たかと思います。

正直TV版の細かいところは忘れているので具体的にどこが違ったとかは言い難いですが、映画では「ベルリとアイーダの話」であることが強く強調されていたのが印象的でした。
ベルリ・アイーダ双方の感情と行動が理解しやすくなっていて良かったですよ。
TVの頃は、海賊側に与してしまうこの辺りのベルリの行動は、状況に流されすぎだなあと思ったりもしましたが、是非はさておき心情は納得しやすくなっていたかと思います。
そして愛する人を殺された怒りと恨みを堪えて、ベルリに礼を言わなければならないアイーダの葛藤も納得出来るように描かれていたかと。
実際ベルリがカーヒルのグリモアを撃たなければアイーダも死んでいてかも知れないわけで、ベルリにしてみれば理不尽さがあるのも確かですが、理屈と感情は違いますし、ベルリもアイーダも人間らしさを感じました。

ベルリとアイーダの話として、映画として一本の筋が通っていたので、クライマックスのコアファイターの辺りがちゃんと映画のクライマックスになっているのもいいですね。
TVだと各話ぶつ切りになってしまうので、その辺があまり実感出来ていなかったですが、映画で通して見ると、アイーダが葛藤を抑えてベルリのコアファイターのドッキングを助けることになるあたりはなかなかグッときます。
タイトルが「行け!コア・ファイター」に決まったと知った時には「なぜそのタイトル?」と思いましたけど、映画を見れば納得出来るものでした。

ところで、コアファイタードッキングの描写は、隙間に挟まってるハッパさんが楽しいですよ。あの人、怪我しなくてよかったですねえ。
ドッキング時のコアファイターとG-セルフ本体のハッチの間の隙間が結構余裕があるというのは、キャピタルからメガ・ファウナに向かう場面での新規カットでも描写されていて興味深かったかと。ああいう何気ないカットがいいなあ。
それにしてもG-セルフのコクピットは広いですね。人間4人が乗れるのが凄いですよ。
コクピットのトイレ描写は久々に見ても新鮮に感じました。しかし、女子3人に囲まれてのトイレシーンはホント狂気ですな(笑)

マスクの人が一体誰なのか謎ですが、前半のいい先輩っぷりを久々に見ると、この人本当に鬱屈してるなあと思えました。

OP・EDがTV版と同じだったのは意外でしたが、どちらも好きな曲なので嬉しかったですよ。EDは画面が途中から黒バックになるのはちょっと残念でしたが。

2作目は2月だそうで、予想以上に早くて嬉しい驚きでした。このペースだと案外来年一杯で完結(5作目)までいったりしますかね。
ともあれ早いペースで見られるなら楽しみです。

ところでG-セルフのMGは出ないんですかね。欲しいんですけどねえ。

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■Gのレコンギスタ II ベルリ 撃進(富野由悠季監督)(2020/2/23)

Gレコ劇場版第二弾。今回はTV版での6〜11話までで、デレンセン大尉殿戦からザンクトポルトに上がっていくまでの話。
95分の上映時間の間に状況も勢力図もどんどん入り乱れて変わっていくハイテンポなダイナミック感がたまりません。Gレコはこのガチャガチャしてる雰囲気が楽しいなあ。
1作目同様に登場人物の気持ちや流れもより分かりやすく感情移入しやすくなっているよい映画でした。

あらためて見ても、各人が自分の意思を最優先であまりしがらみに縛られずに自由に動いてる感が凄いですね。特にベルリ母が自由過ぎる(笑)
勝手に飛んでいった挙げ句ベルリ母のグライダーを(相手が誰かも知らずに)撃っちゃいそうになるアイーダ様とか、アイーダ父のグライダーを(相手が誰かも知らずに)攻撃希望なクリムとかも自由ですが困ったものです(^^;
各人の自由っぷりは、技術の発展がタブーだとは言え迫った驚異には対応しなくちゃいけないし、それぞれに欲望もあるし、禁断の技術で作っちゃったオモチャは使いたいしで、人はやっぱり理想通り清く正しくは生きられないよねと思いました。

ところで、2014年当時の自分のアニメ感想を見てみると、この辺りの話では「ベルリ母がすぐ死にそう」と心配ばかりしていてちょっと笑いました。白富野で良かった!

成り行きで海賊に協力しちゃっていたベルリの行動が、母とキャピタルガードが味方側になったことでお咎めなしになる辺りも自由というか強運だなと。
ベルリとケルベス教官の追加シーンは「これが見たかった」と思える良いシーンでした。デレンセン大尉の死の事にちゃんと触れてベルリをちゃんと泣かせて、導いてくれて本当に良かったですよ。ケルベス男前だなあ…。
この場面のおかげでベルリの今後の行動もより説得力が出るかなと。

追加シーンではアイーダの悪夢も印象的でした。アイーダもそりゃあ色々葛藤があるよね。

続けて見ると、ラライヤの変化が印象的になっていたかなと思ったけど、最後の「お家だね」は追加シーンだったようで。なるほど。

次回は秋ですか。1〜2作目が3ヶ月弱だったことからすると大分間隔が空きますが、むしろ1〜2作目間が早すぎだったのでこれで普通でしょうか。
次からはより追加シーンとかも増えていくのかなと期待です。

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■Gのレコンギスタ III 宇宙からの遺産(富野由悠季監督)(2021/7/22)

劇場版Gレコ3作目観てきました。コロナで延びたりしたけど無事公開されてよかったですよ。そして、最初の頃は全5作まで作れるかは不確定みたいな話だったけど、ここまで来たら最後まで作ってくれそうかなと。
今回は12話から18話までで7話分…でしょうか。ザンクト・ポルトからクレッセント・シップまでということで大分一気に進んだなあと。大分詰め込み過ぎ感があったけど、切りのいいところまでとなったらこうなりますか。
今回展開が大分慌ただしかったですが、残りは映画2本で8話分なので次からは余裕を持ってじっくり描いてくれそうかなと。まあ、終盤は話も変わるのかも知れないですけど。

この辺はTVシリーズでも各話ごとに勢力図がどんどん塗り替わってバタバタしていましたが、1本の映画で描かれると本っ当に勢力関係の変化っぷりが目まぐるしかったです。
各話ごとに区切りが付くTVシリーズの時以上に変化の波が激しく感じられてジェットコースターのようでした。

それにしてもこの世界(時代)の人々の自由過ぎることですよ。その場の気持ちや欲望で立場に縛られずに好き勝手に行動を決めるのが凄い。幼い人類が危険な玩具を手に入れてしまった話だから仕方ないですけどね。
どんどん敵が増えていく中で、メガファウナ一行に各勢力のはぐれ者が集まって呉越同舟になっていく辺りが面白いです。

トワサンガでベルリがアイーダが姉だった事実やお膳立てされたGセルフで自惚れていたと苦悩するところや、ノレドとの会話の辺りは新規シーン…ですよね。このシーンのノレドがいいですねえ。ベルリは見直な子をもっと見てやれよホント。
最後のノレドとマニィのシーンも新規でしょうか。ノレドの好感度がTVシリーズ以上に上がりますが、幸せになって欲しいですよ。

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■Gのレコンギスタ IV 激闘に叫ぶ愛(富野由悠季監督)(2022/7/24)

Gレコ4観てきました。
今回はTVシリーズの19〜22話くらいまでで、
前回クレッセント・シップで旅立ってからビーナス・グロゥブに行って帰ってくるまでの話なので「行って帰ってきたGのレコンギスタ」と呼ぶべきでしょうか(おぃ)

今回も面白かったですが、フォトントルピートが恐ろしかったですよ。TV版の10倍くらいは恐ろしかった…;;;
ただボタンを押すだけで(少し押しにくい形ながらも)発射して、発射自体は静かな描写で、かなりの規模の増援部隊がモビルスーツも人も、キャピタルアーミーもアメリアのグリモアも見境なしに巻き込んで、
ただ静かにエネルギーになって消滅して、宇宙に「穴」が開く描写が本当に空恐ろしいですな。回避も防御も出来ない、あんな絶対兵器は確かに使っちゃいけないですわ。
設計図があって作れるからと言って作っちゃ(使っちゃ)いけないものってのは確かにありますね。
そもそも、使っちゃいけない超兵器を作ってしまってはしゃいでる「戦争を知らない大人達」の話なんですよね、Gレコって。

その後のマスクとバララによる「殺人者!」は、正直「お前が言うな」感もあるのですけど(特にバララは後の展開を思うと…)、
あんなものを見せられたら、マスクが激高するのも仕方なくはあります。
これまでの(TVシリーズの)マスクのベルリへの憎悪は、正直的外れな逆恨みに感じたりもしたけど、今回の映画での怒りは仕方ないよなあ…。
ベルリの立場が辛いですよ。

ともあれ、今回ラストのカシーバ・ミコシでのベルリ(Gセルフ)VSマスク(マックナイフ)の戦いはクライマックスとして素晴らしい迫力と見応えのある戦いでした。
TVシリーズのことは大分忘れてるけど、今回ベルリ達がビーナス・グロゥブから帰還した後の戦いはほぼ新作で、TV版からはかなり大幅に変わってますよね。G-アルケインも変形してたし。
特に大きく変わったのが「フォトントルピート」と「VSマックナイフ戦」の2点で、素晴らしく力が入った心に刻まれる印象深いシーンとなっていたかと思いました。

他に、どこがTV版から変わったかは正直よく分かりませんが(記憶力の問題で)、ラ・グー総裁のムタチオンはTV版よりも印象深いシーンになっていたかと思います。
アイーダの夜の散歩のシーンが良い…。
ラ・グー総裁の秘書さんがしょっちゅう転んでいたのもムタチオンってことなんですかね。

ジット団とのいざこざの辺りはTV版とはそんなに変わっていない…ですかね?(戦闘シーン割増はあった気がするけど)
海に穴を開けちゃったキア隊長のやらかしっぷりは、あらためて見てもやっぱり「何やってんだこの人」という感じです。うっかりが過ぎる。
この人が死後に英雄みたいな扱いになっているのはなかなかやるせない気持ちになりますね。部下達にはいい上司だったのかもですが。

今回の作中描写で見ると、ずっとノレド達と仲良くしているマニィが最後に「裏切ってしまう」ように見えちゃうのが切ないですな。
しかし、ベルリからマスク(ルイン)を守るマニィはまさに「激闘に叫ぶ愛」で、ある意味今回の主役の1人だったのかとも思えました。

さて、あと1回、2週間後の「V 死線を超えて」で遂に劇場版も完結かと思うと感慨深いです。完走出来そうで良かった。

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■Gのレコンギスタ V 死線を越えて(富野由悠季監督)(2022/8/7)
Gレコ5観てきました。今回はTVシリーズ23〜26話(最終回)まで。
以下ネタバレ注意。

決着編と言うことで、ほぼずっと戦っている話ですが、比較的明るめな作風なのに最終局面でどんどん人が死んでいくのが重く恐ろしいですよ。特にユグドラシルと大気圏突入のあたり。
IVの感想でも書いたけど、「戦闘を知らない大人達」が大きすぎる力を手にしてしまって勢いでどんどん死に突き進んでいくのがたまらんですね。
ベルリ組以外はほぼ戦いの空気に飲み込まれてしまってノリで戦ってるんですよね。戦いに吸い寄せられて死んでしまったテン・ポリスの人が実に象徴的でした。

そして、激しく戦い合って憎み合った(←特にマスク)挙げ句、戦争が終わると敵も味方も憑き物が落ちたように落ち着いているのが印象深いですよ。(←特にマスク)
クン・スーンなんかは、最後に戦ったのがベルリだったからこそ憑き物が落ちたのだなという納得感はありました。そこから、殺し合ったクリムやミックと落ち着いた別れを出来るようになってるのは凄いですが。
あちこちの陣営を渡り歩いたフラミニア先生がビーナス・グロゥブの窓口役みたいになってるのが凄いですね。人生どう転ぶか分からんなあ…。
マスク…あらためルインは、あの決着からどうやってあの落ち着いたエピローグの状態になれたのか、あらためて観ても謎ですよ。
やっぱりあのマスクがダメだったんじゃないのという気分にはなります。あのマスクに精神強化みたいな機能があるとは言われてないけど、やっぱり呪いのアイテムじゃね?

TVシリーズからの変化については、細かいセリフの補完や、分かりやすいG-セルフの目やナットの色みたいな映像面のアップデートは別として、IVのクライマックスほどの大きな改変は今回は無かったかなと。
(TVシリーズ完結から7年半くらいなので記憶は曖昧ですけども)
そんな中で大きな新規追加シーンと言えば、やはりED後の最終シーンですね。日傘のノレドがいいですね。ノレドはやっぱり追いかける子だよなーと、大変に納得感と満足感がありました。笑い声が心地よい良いラストです。
後は、エピローグのアイーダに髪留めを渡すケルベスと、「G-セルフのことしか分かってなかった」ベルリも新規シーン…ですかね?
これもまたベルリの恋心のよい決着だったかなと。これでベルリは単独の世界一周に旅立ったわけですかね。ともあれ、観ている側としては「ケルベスなら安心だ」とは思います。

戦闘シーンでは、バララのユグドラシルの大量虐殺がやはり酷いですね。IVのフォトントルピードを凌駕する残虐っぷりですよ。
そのバララは脱出しているように見えるシーンもあるけど(TVシリーズでも一応あったっけ?)、脱出ポッドがすぐ爆煙に飲み込まれてるし、やはり生きているのかは分かりませんな。
仮に脱出ポッドが無事でも、周囲に助けてくれる船もいないだろうし、ポッドで大気圏突入も出来ないだろうし、そこから生き残るのは無理な気もしますけど。

G-セルフのパーフェクトパックでの戦闘は、記憶以上にアサルトモードを何回も使っていたのが印象的でした。他のモードはほぼ1回づつなのに、やはり砲撃形態は活躍させやすいのね。
ガイトラッシュへのアサルトでのトドメとか、かなりトラウマ物でしたけども。
ところで、結局MG G-セルフは出ないんですかねえ…。

2019年11月から始まった劇場版5部作もこれで完結ということで、見届けられた感慨が深かったです。

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■ジャケット(ジョン・メイブリー監督)(2006/06/08)


湾岸戦争で頭に重傷を負い記憶に障害を持つようになった主人公は、
事件に巻き込まれて精神病院に入れられ、治療中に15年後にタイムスリップしてしまう。
そこで会った女性から、自分が“15年前の数日後”に既に死んでいる事を聞いて…
という話


基本的に自分は映画は前情報を出来るだけ入れないで行くのですが、
やー、戦争場面で始まってタイトルが「ジャケット」なので、
「フルメタル・ジャケット」的な話ではあるまいな、と一瞬思っちゃいました(笑)
タイトルは“拘束着”のことだったのね。

「バタフライ・エフェクト」を思い起こさせるような時間サスペンス物です。
独特な設定や精神病院の描写が印象的ですが、展開自体はシンプルで分かり易い話でした。
まずまず楽しめましたが、ちょっと物足りない気分も残りました。

何と言いますか、作中の各要素がどうもバラバラで、上手く一本の作品として噛み合いきってないように思えました。
“湾岸戦争”や“主人公の記憶障害”などの特徴的な設定がイマイチ序盤の状況設定を作る以外の部分で生きていなかったり、
主人公の行動原理が分かり難く、ただ成り行き任せで行動しているように見えて意志を感じにくかったり
(自分の意志でと言うより“映画の場面を成立させるため”に動いているように見えてしまう。
創作物ってのは元々そういうものだけど、それを感じさせずに上手く騙して欲しいのですね)、
主人公とヒロインの関係性が薄すぎたり(何故あんなに簡単に惚れる?)
等々。
各要素は悪くはないのだけど、もう一押し話を練り混んで欲しかったかと思いました。

また、ネタバレですが「自分の死の運命を変えられないと言いつつ」ヒロインの母の生死を変えてしまって、主人公の言動に一貫性が感じられないなど、
どうも微妙に納得がいかない部分も。

精神病院の先生(男先生・女先生とも)など、登場人物はそれぞれ独特な印象強さがあって良かったです。
彼等の意味深そうな表情の演技は素敵でした。

主人公とヒロインですが、時間物でこのくらいの年齢差だと「夏への扉」を思い出したりもして。
ヒロインの名前もジャッキーとリッキィで似てないこともないぞ!(笑)(無理矢理)

ところで、あの後って(以下反転)主人公は2007年の世界にとどまることが出来るのでしょうか?
1992年の体が死にきった時点で2007年の彼も消えてしまったりしたら鬱だなあ
(最後に「あと何時間」云々との言葉があったし)
(^^;

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■しゃべれども しゃべれども(平山秀幸監督)(2007/07/10)

スランプ気味の若手落語家が"話すことが苦手な無愛想女性""転校でクラスに馴染めないやんちゃ小学生""口下手な野球解説者"の3人を相手に「話し方教室」ならぬ「落語教室」を始めることになる話。
主人公を含めて、「話す」事に問題を抱えた人達が触れあっていく人情話です。人とのコミュニケーションがテーマと言えば良いか?

傑作とは言いませんが、見ていて微笑ましくなれる、笑えて気持ちのいい作品でした。
正直予想を超える要素なんかは無いんですが、地に足のついた演技と演出で安っぽくならずに楽しめました。
肝心の落語の場面も「下手さ」「上手さ」に説得力があって良かったかと思います。
まあ、落語に詳しい人から見たらどうなのかは分からないんですが;

「事態の解決方法」に"説得力"があるのかどうか曖昧な気持ちにもなるんですが、あまりハッキリしてないところもこの映画にとっては魅力なのかも知れません。
多少気になったところを挙げると、
まず、"恋愛要素"は正直しっくり来ない気もしました。映画としては入れないといけないのかも知れませんが。
あと、"無愛想な女性"が最後に落語をやるシーンで、彼女が"あのネタ"をあっさりやってしまうと主人公の立つ瀬がないような気もしたりして…;

と、多少のスッキリしなかった点はあるんですが、いい映画だったと思います。
"小学生"の演技が上手くてなかなか引き込まれました。

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■獣電戦隊キョウリュウジャーVSゴーバスターズ 恐竜大決戦!さらば永遠の友よ(坂本浩一監督)(2014/01/18)

今年のスーパー戦隊VSシリーズですが、表題の2戦隊に加えてジュウレンジャー、アバレンジャーまでが登場する歴代恐竜スーパー戦隊揃い踏み映画で、
自分はジュウレン・アバレンはあまり知らなかったのですが、それでもお祭り感満載で満足度の高い映画でした。楽しかったです。
ジュウレンジャーが1992〜1993年で約21年前、アバレンジャーが2003〜2004年で約10年前ですが、
それだけ時間が経っていてもティラノレンジャーのゲキ、アバレッドの伯亜凌駕、アバレブルーの三条幸人の3人がレジェンドとして出てくれていて、こういうのはやっぱり役柄への愛を感じて嬉しくなりますね。
(アバレブルーはゴーカイでも出てましたっけ)

以下箇条書きで。

・ゴーバスは1年ぶりですが、やはり1年でも懐かしさを感じます。メイン3人ともあまり違和感が無くて良かったかなと。
・陣さんの出番はやっぱり泣かせます。Jとの絡みがやっぱりいいなあ。
・ヒロムと鳥ン、もといトリンの対面は、お約束でした(笑)
・ノッさんとリュウジさんのブルー親父コンビのオヤジギャグ合戦が素晴らしかったかと。いいコンビ、と言うかウッチーも含めていいおっさんトリオでした(笑)
・リーゼントノッさんが変に似合ってる(笑)
・ダンテツ親父がいい保護者オーラを出してましたが、明日の放送で裏切るのかと思うと…(^^;
・まあ今回の映画中でも皆が敵に操られたり操られたりしてるので、ダンテツの件もあっさり解決しそうな気もしますが。
・トリケラがピンクなのが珍しいと言ってましたが、過去2戦隊のトリケラは青だったわけですね。なるほど。
・ラッキューロがまだリストラされてなくて泣かせます(笑)
・ダークバスター(エンター)の高速移動への対処法がいい感じでした。

・トッキュウジャーは他戦隊と絡まない形での登場でしたが、漂うまぬけオーラが何と言うか、コウガマン臭がします…(笑)
・「乗り換え」変身設定はちょっと面白さが分かり難い気も。各色の特色がまだ掴めてないからかもですが。
・青は今度もギャグ要員ですかね。まあトッキュウは全員ギャグ枠っぽいけど。

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■主人公は僕だった(+ 微妙に「天元突破グレンラガン第8話」感想)(マーク・フォースター監督)(2007/05/22)

12年間変わらない規則正しい生活を送ってきた国税庁職員のハロルドは、
ある日自分の行動や心理を"小説のように"語る"謎の第三者の声"が脳裏に聞こえてくることに気づく。
そしてその声の語る内容が、"主人公である自分の(文字反転)"を暗示している事を知ったハロルドは、なんとか"ストーリー"を変えられないかと苦闘するのだった…


…という話。
プロットを知った時点で面白そうだと思いましたが、
期待通りに面白く、奇をてらった展開では無くベタすぎもしない、傑作とまではいいませんが、ほどよく満足度の高い気の利いた良作でした。
"アイデアの勝利"とも言える作品で、一つのアイデアを上手く映画化した作品としては去年の「もしも昨日を選べたら」に感覚は近かったかも知れません。内容的には全然違うんですけど。
メタ的な構造という意味では「トゥルーマン・ショー」なんかも思い出したりして。

ネタバレ無しではなかなか語りづらい作品ですが、ホント面白かったですよー。

■てなわけで、以下はややネタバレモードで。注意のこと。

いいですか?
さて、
ぶっちゃけ、ハロルドは自分が「小説の主人公」となっていて、「これまで全ての小説作品で主人公を殺してきた悲劇作家」の手により「自分が作品内で殺されようとしている」のを知る事になります。
この『創作作品の登場人物の死』というテーマが色々考えさせてくれて面白い。

現実世界ではもちろん殺人は許されることではないのは言うまでもないですが、
小説・映画・漫画・ドラマといった創作では作家(創作者)ってのは、作品の為に必要なら登場人物をきっちり殺せるべきなんですね。
たとえどれだけ読者や視聴者から「●●を殺さないで」「復活させて」と懇願されようとも。
しかし、この作品では"実際に生きている主人公から"「自分を殺さないで」と懇願されてしまうのがミソであり、面白いところでした。そりゃあ、創作と現実では違いますわな。
そして、その後の主人公を含めた各登場人物の苦悩と決断が実に面白いところでした。「それでいいのか?」と突っ込みたくなるような所も含めて。

フィクションで"死を描く"という事は読む(見る)人に影響を与えかねない、色々な意味で責任の大きい行為で、大事な登場人物をあえて"殺した"上で"何を語るか、見せるか"こそが作品としては大事な所ですよね。
殺すべきところで殺さなければ、傑作であるはずの作品も凡作や駄作と化して"台無し"になってしまうのもよくある話ですし。 特にジャンプ漫画とか (笑)
(「る剣」とかねえ(^^;)、「リングにかけろ」くらいホイホイ生き返ると既に『芸』とも言えますが(笑)、「ワンピース」なんかも好きなんですけどね(笑))

■以下さらにラストネタバレ、文字反転注意。

今回の映画では結末も"こうなるしかない"と思えるものでしたが、それが決して安易なものとは感じられないのがいいですね。
結末の"理由"も気の利いたものになっていたと思います。
基本的にコメディ作品ですが、なかなかに真面目で前向きな結論が気持ちいいです。
自分も人生の主人公として、些細な日常を大事にしたいと、自然に思わせてくれる描写の積み上げも効いていて良かったですよ。
私の人生の中では私が主人公だと、さだまさしも歌ってますしねえ
(笑)

ところで、
妻が言ってましたが、『小説の主人公の名前』を変えるなんて裏技もあったのではないかとも思えますが、それをやっちゃったら台無しですかね(笑)
ワープロならともかくタイプでは簡単には直せないだろうし。

とりあえず、今後はあの作家は『小説の舞台を過去に設定』すればもう問題は起きないかと思います(笑)

映画公式サイト

■しかしまあ…
よりにもよってこういう映画を

『天元突破グレンラガン第8話』

の放送日(5/20)に観てしまったと言うのが数奇というか、
映画公開は5/19からだったわけですが、タイミングが良すぎです(^^;;;

カミナの死は第1話の冒頭からすでに暗示されていたと思いますが、さすがにここまで早いとは本当に予想外でした。全26話として約3分の1ですか。
しかし、きっと『第9話』以降こそが制作者が描きたい部分なのだろうと思いますので、
中途半端な行方不明や生死不明ではなく、こうまできっちりカミナを殺してくれたのは作品的に真摯な姿勢だと評価したいところです。
まあ、最後までいかないと分からないんですけどね。
(「こんなこともあろうかと」「実はリーロンがカミナをコールドスリープしておいた」なんて温い展開だけは勘弁して下さい。アニキは大好きですがそんないい加減な事をやったらマジで怒りますんで(あり得ないと思いますが))

グレンラガン公式サイト

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■STEINS;GATE(シュタインズ・ゲート)負荷領域のデジャヴ(佐藤卓哉・浜崎博嗣総監督、若林漢二監督)(2013/4/22)

STEINS;GATE劇場版観て来ました。
ちなみにTVシリーズ及び「25話」は視聴済み、ゲームはiOS版をプレイ済み、だーりんや8bitはやってません。

本作はTVシリーズ本編最終回の1年後を描いた完全新作ですが、シリーズ本編は終盤の盛り上がりが素晴らしく楽しめたものの、ロボティクス・ノーツが正直イマイチだったのでやや不安を感じたりもしていましたが、
結果としては楽しめて良かったですよ。

以下ネタバレ注意。

本作は事件規模としてはシリーズ本編ほど大掛かりでは無いものの1本の映画としてまとまりよく出来ていたかと思います。
そもそも本作の「現在」は、本編でオカリンが地獄のタイムリープを繰り返した挙句に得た平和であるわけで、それが覆るような内容じゃなったのはむしろ良かったですよ。まあオカリン自身は大ピンチだったわけですが(^^;

本作ではオカリンではなく紅莉栖が主役で、シリーズ本編とは逆に紅莉栖がオカリンを助けるために奔走する裏返しの構図になっていて、2人の性格の近い部分と異なる部分がよく現れていて対比的に面白かったかと思いました。
タイムリープやタイムマシンを使う事を望まないオカリンの意思を一度は飲んで諦めようとする辺りが印象的です。
そして最終的には「お前らホントにお似合いだよ」と思える内容でした。

それにしても、オカリンから説明を聞いたりデジャヴとしては感じていたりするものの、シュタインズゲート世界線の紅莉栖はTVシリーズラストが初対面だった状態からよくオカリンに惚れたものだと思わざるを得ません。やっぱ運命ですな(笑)

紅莉栖による「だが男だ」は本作は紅莉栖が主役だと象徴的に最初に示しているシーンだと言えますが、とにかく笑えました。あれはオカリン自身が口走っていたのを真似たのか、紅莉栖自身の内から出た言葉なのかが私気になります。
紅莉栖自身から出た言葉だったりすると、ホントお似合いと言わざるを得ない(笑)

最終的な解決方法がキスなのは予想が付きましたが、しかし「他の世界線では無い強烈な記憶体験」ということで「それ以上」があるのではとちょっとドキドキしました(・e・)
しかし、結果を変えずに記憶だけを変えると言いますが、実際どこまでが「結果」に該当するんですかね。あそこでキスをする事自体もひとつの結果と言えなくもない気もしますが、まあ深く考えても仕方ないか。
オカリンが消えてもラボメンが知り合いだったり、行動に関わらず死の収束が起こる時点でバタフライ効果による結果のズレとか気にしても仕方ないと思えますし。

TVシリーズでは端折られた無限サイクリングや綯復讐鬼ルートも少し拾ってくれていたのはいいサービスだったかと。

必要な場面でしかスポットが当たらず、その場にいるはずなのに必要な事しか喋らない鈴羽の扱いについてはもうちょっとどうにかならなかったかと感じました。尺の問題ですかね。

ゲームはまた新作が出るようですが、話が続く限り彼等は困難に見舞われるのだろうなあと思うとちょっと気の毒にもなります。(まあiOS版かPSP版が出てくれないと出来ませんが)

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■ジュブナイル(日本:山崎 貴 監督)(2000/08/15)

子供向けの映画ではあります。
が しかし、 大人も見ましょう。
特に、むかし ドラえもん等の藤子不二雄作品が好きだった人は是非見ましょう。

SF(すこし ふしぎ)チックな良作です。

夏休みの少年達の前に現れたロボット=テトラとの話です。
テトラが可愛いんだ これが。

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■ジュラシック・パーク3(ジョー・ジョンストン監督)(2001/08/27)

恐竜公園映画第3段、前作まではスピルバーグ監督でしたが、今回は”ジュマンジ”を撮った監督さんです。
でもこの人”アイアンジャイアント”のデザインまでやってたんですね、知らなんだ。

ジュラパ2は私個人の独断的な評価としては、キャラもストーリーも煩雑で大馬鹿で、
見た年のワースト映画だったのですが、
今回の3はシンプルな一本筋の通った造りで、
恐竜サスペンス物(とゆーのか?)としてツボが押さえられていて、
きっちり楽しめました。

展開のシンプルさは1作目に近いかも知れませんが、回帰したのかと言うとちょっと違う気もします。
むしろほのぼの・・・というか、頑張ったキャラクターが報われる正統的な冒険物になっていたと思います。
(そのへんジュマンジのテイストに近いかも)
結構御都合主義度も高いですが、やたらな殺戮は嫌気がさしていたので私としては好みでした。

今回の目玉はやはり翼竜、プテラノドンでしょう。
1・2作目の出番の無さを取り戻すように大活躍してくれます。
歩いてくるプテラは妙に味がありました。

『海にいるでっかいの』は結局出ませんでしたが、4作目への伏線でしょうか?
もう次作でやることは海竜しか残って無さそうな気もするしなあ。

今回1作目に登場したグラント博士が再登場していて、なんだか安心して見れました。
イアン・マルカムのキャラクターも好きなんですが、
やっぱグラントは正統的な博士キャラですな。
1作目から出るのはグラントだけかと思っていたら、
相棒だったエリー博士もおいしい役で出ていました。ホントいい役回りだったなあ。

ブロントザウルスが一緒に歩いてくるシーンは良かったです。
こやつらが出るとほっとしました。
ほのぼの度を高く感じたのはこいつらも一因かも知れません。

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■ジュラシック・ワールド(2015/8/24)(コリン・トレボロウ監督)

「ジュラシック・パーク」シリーズ4作目。1作目の惨劇から22年後、遂に恐竜テーマパークが観光施設としてオープンしてしまったというのが今回の話です。
ちなみに、1作目の映画が1993年なので、リアルに22年が経過しているわけですね。時の流れの早いことですよ…;
それにしても、1〜3作であれだけ人が死にまくった後でテーマパーク実現なんてよく出来たものですよ。1の会社(インジェン社)は買収されて別の会社(マスラニ社)に変わっているとはいえ。

さて、オープンして大盛況なテーマパーク「ジュラシック・ワールド」に子供の兄弟2人が訪れるところから話は始まりますが、ストーリーについては…
・恐竜に詳しい頼もしいおっさん(パークの管理人)
・おっさんと因縁のあるヒロイン(パークの運用管理者)
・子供2人
・野心家のお偉いさん
…というキャラ配置を見ただけで大体内容が想像出来るような、「やっぱり、こうなるよね」と言うような話でした。
しかし、期待したものをきっちり大迫力のある映像で楽しめる、実によく出来たエンターテインメントになっていたかと思います。

とりあえず、ストーリーについてはあまり語ることは無いので、以下箇条書きで。


・序盤の「成功している恐竜テーマパーク」描写は、確かに「一度見てみたかった」映像でした。
椅子ごと下降して水中のモササウルスが見られる巨大プールだの、小さい草食恐竜とのふれあいコーナーだの、ジャイロカーでの恐竜サファリ探訪だの、実際体験してみたいものですよ。
・モササウルスでけえ!
・小さなトリケラトプスとか可愛いですなあ。触りたい…

・本作の悪役の遺伝子組み換えオリジナル恐竜:インドミナス・レックスはなかなか凄い悪役っぷりでした。
体色変化や赤外線反射等の極悪スペック、草食恐竜を弄んで殺す残虐性、更には人間を騙す頭の良さと凄いチートっぷりですよ。ビーコンまで自分で判断して外すあたりは賢すぎですな。
こんな制御出来ないようなものを造るなよ…(^^;
・遺伝子が同じだからって、    とすぐ意志の疎通まで出来ちゃうあたりはさすがにご都合感を感じますが、まあお約束は大事ですな。

・本作では(本作でも)やっぱりラプトルが大活躍でした。本作でのラプトルの印象を展開順に記すと、
「ラプトル頼もしい」 → 「やっぱりお前らはそういう奴らだよ」 → 「ラプトル素敵!」
という感じでした。

・ドームが壊れて翼竜が開放される展開は実にパンデミック感がありました。安全な場所に避難しろと言われても安全な場所なんてどこにあるのかと言いたい。
こんな制御出来ないようなものを造るなよ…(^^;

・秘書子さんは本作で間違いなく「1番可哀想な人」でした。子供のワガママに振り回された挙句、シャチにもてあそばれるアザラシのような死にっぷりが酷すぎます。あんな死に方は嫌だ…;
・子供の行動が迷惑なのは伝統ですが、本作は兄がなかなかウザめでした。なぜわざわざ危ない方に行く(笑)
・モササウルスこえぇ…。

・インドミナス・レックスへの最後の切り札としてT・レックスが解き放たれる展開はかなりのワクワク感がありました。やっぱりティラノだよねー。
・ところでこのT・レックスは1作目のティラノと同じ個体だそうで、なかなか燃えますな。よく生き延びていたものですよ。
・インドミナスとの決着の形はちょっと意表を付かれました。そう来るかー。
・モササウルス素敵!

・それにしてもモササウルスのでかいことですよ。モサが18mくらいで、Tレックスは12mくらいみたいですが、ガンダムとガリアンくらいの差ですかね。(分かりにくい)

・ところでこれまでのシリーズは「ジュラパ」と略してきましたが、本作はどう略すればいいのか。「ジュラワ」でいいのか?

公式サイト

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■シュレック(2002/01/05) 

字幕版で見ました。
楽し面白かったです。
姫の壊れっぷりと、ドンキーのロバっぷりがとてもいい味でした。

http://www.shrek.jp/

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■小説家を見つけたら(2001/03/21)

今のところ、今年見た映画の中で1、2番に好きかも知れません。(対抗はリトルダンサー)
すっかり惹き込まれてしまいました。

ところで、どーでもいいことですが
「ゴッド・アンド・モンスター」を同日に見たのですが、
妙にこの2作が符合する部分があって変に楽しくなってしまいました。
もっとも映画の印象は150度位違うのですが。(清々しい方が「小説家」)

★★★以下ネタばれ★★★
符合する部分ってのはただ単に、どっちも老人と青年(少年)との友情の話であること、
老人が過去の有名人で現在隠居してたりすること、
最後に老人が青年(少年)に何かを託して去ること、ラストで数年経っちゃうこと・・・などという
ただそれだけのことなのですが、どちらも全く予備知識を入れずに見たので
妙な偶然を感じてしまったのでした。

ゴッド・アンド・モンスターでは、庭師の青年があることをされて
鼻水まで一緒に涙を流すシーンがありますが、
そりゃあ、泣きたくなるだろーなあと、非常に共感してしまったわい。

今日の日記、タイトルは「小説家・・・」なのに「ゴッド・・・」の事の方が沢山書いてるなあ。
好きなのは「小説家」のほうだけど、だからといって沢山文が書けるとも限らんのね。

追記> 後日、小説家を見つけたらホモだったという夢を見てしまった。うへー

★えいが道「小説家を見つけたら」

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■ 少林サッカー(チャン・シンチー監督)(2002/06/10 )

少林拳を生かしたサッカー映画です。
解説しても仕方ないのでしません。とにかく必見
バカバカしさと映像の爆裂っぷりが最高ですな。

予告篇で流れている映像だけでもかなりスゴイものですが
予告の映像は序の口です。
クライマックス&ラストはもうスゲ−としか!!
少林拳が使えれば解決出来ないことは無い気になりますな。
私も少林拳で筆の速さを上げたいものです(笑

元々監督は「キャプテン翼」にインスパイアされて企画を思いついたらしいですが、
あのトンでも超人ぶりはむしろ「コスモスストライカー」というか、
「爆裂蹴球」というか、「サッカー版アストロ球団」というか・・・

2も考えられているようなので楽しみです。

http://www.shorin-soccer.com/

★えいが道「少林サッカー」を見る★

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■ショコラ(2001/05/15)

古くからの因習に縛られたフランスの小さな町に、よそ者の母と娘がやってくる。
母;ヴィアンヌはその町には無かったチョコレートショップを開店する。
おりしも時期は復活祭前の断食期、因習を頑なに守り秩序を重んじる市長;レノ伯爵には、
教会に通おうともしないよそ者は町を堕落させる害悪でしかなかった。
レノ伯爵は親子を町から排除しようと画策するが、
ヴィアンヌのチョコレートは人々の頑なな心を溶かし、
親子は徐々に町の人々に受け入れられていく。

あらすじを見たときは、理不尽な迫害に耐え忍ぶ辛くて暗い話かと心配したのですが、
前向きで気持ちのいい作品に仕上げっています。
敵役だけどレノ伯爵のキャラクターがいいですね。
やってることは間違ってるけど、彼なりに誠実に筋を通そうとして行動しているところは、
なんか憎めませんでした。

パンフによると原作では、親子を排除しようとする役回りは、
レノ伯爵ではなく教会の神父だったそうです。
映画では、石頭の市長が新米の神父に圧力をかけて親子を迫害していく形だったりします。
結果『教会(宗教)VS親子』みたいな大仰な構図ではなくなって、
ただ欲望を押さえつけるのではない生き方もいいんじゃないか、
と素直に感じられる映画になってくれたと思います。

★★★ちょっとネタばれ★★★
不満なところと言えば、パンフの「ストーリー」紹介では『店の家主である老婆アルモンドと、
長年確執していた娘カロリーヌとがチョコレートパーティーの夜に和解する。』とあるのですが、
映画では和解のシーンは無いまま終わっています。
シーンがカットされたのか、変更になったのでしょうか?
是非とも必要なシーンだったと思うんだけどなあ。
★★★ネタばれ終わり★★★

全編にわたって色々なチョコレートが出まくる映画
(曰く「見るとチョコレートが食べたくなる映画」)ですので、
甘い物が苦手な人は辛かったりするかも知れません。
あと、私は吹っ切っているので平気でしたが、クローン患者にも辛いかも知れない。

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■ジョジョの奇妙な冒険・ファントムブラッド(羽山淳一監督)(2007/02/20)

1987年から週刊少年ジャンプで連載が開始され、主人公が世代交代することで2007年の現在まで20年に渡って続いている、荒木飛呂彦氏作の長寿人気漫画の「第1部」のアニメ映画化作品です。
(現在は「第7部・スティール・ボール・ラン」としてウルトラジャンプに連載中)

『人間賛歌』を全体テーマとしたシリーズの発端に当たる「第1部」は、やがて道を違える2人の青年の因縁と戦いを描いた話(超省略ですんません)
コアなファンの多い作品で、自分も連載開始当初から読み続けてきた作品だったので期待していたのですが…

さて、
映画を見た感想を一言で言うと、『薄かった』です。あらゆる面で。

以下、原作を知っていることを前提とした文章になってしまっていますので御勘弁。
正直原作ファンでなければあまり行く人はいない映画だと思いますので。

例えば、原作の人気キャラ『スピードワゴンが出ない』と言うことなどは、見る前に知っていたのですが、
事前に、久々に単行本1〜5巻を読み返してみたら、それだけで3時間くらいかかったので、
『逆に考えるんだ。「90分程度の映画に全ての内容を入れられるはずが無いのだから、削るところを削って一本の映画として完成度を上げてくれればいいさ」と考えるんだ』
と、思っていました。見る前は。

で、見たところ、 …薄い、本っ当―に薄い;
脚本も、人物描写も、戦闘描写も、セリフも、絵も、全ての要素が原作を数倍に薄めて上っ面をなでたような極めて薄っぺらい映画でした。
原作の特徴的な名セリフや絵を、ことごとく、わざわざ平凡で陳腐なものに置き換えて"荒木飛呂彦っぽさ"を消し去って原作の良い部分を削ぎ落とし、かといってそれに変わる映画独自の工夫も主張も上乗せしない、
原作ファンにも、それ以外の映画ファン・アニメファンにもお勧め出来るところが無い、どういう層に向けて作ったのかが分からない、ただ退屈だけのな作品になっていました。
映画版デビルマソ」のような『見ているだけで脱力感と殺意が沸きあがる駄作』とまでは言いませんが、ただただ『普通に出来が悪いアニメ』です。

★以下ネタバレ注意。

原作からの改変により、ストーリーや人物の行動も整合性が合わないところが多く気になりました。
ツェペリは何故か「ジョースター邸の火災が起きる前に」(その時点では吸血鬼のことも石仮面のことも知らない)中国人(ワンチェン)を訪ねることで「ジョースター家の石仮面」に辿り着いたり、
ディオはろくに事前情報も無しに「波紋法」の事をいつの間にか理解してたり。

各人物の「内心の声」がことごとく省略されて、口に出すセリフも肝心の部分が省かれているので、各人も動機も人生観も分からず、単なるアホに見えてしまうのも痛いです。ディオもジョジョも父親も。
・例えばディオは、「ジョースター家をどうするつもりなのか」が語られずに、ただ低レベルないじめを行うばかりなので、彼の狡猾さや「そこにシビれる!あこがれるゥ!」様なダーティーな魅力は見えず、単なる頭の悪い乱暴者に見え、
・例えばジョジョは、「いじめっ子にあえて名前入りのハンカチを見せる」シーンも無くディオの狼藉には頼りなく狼狽えるばかりで、紳士たらんとする精神の高潔さもない、単なる軟弱で裕福なお坊ちゃんと化し、
・例えばジョジョの父は、「あえてジョジョを厳しく育てた」描写もセリフもカットされ、「ディオの父親の盗みをあえて見逃す」優しさの描写も無く、人を見る目の無いおっさんに貶められ…等々。
…大事なセリフを省略する代わりに、無駄に無言で黙り込むシーンやどうでもいい言葉を話す時間はあるので「尺が足りないから」セリフを削ったとも思えません。あれは「行間を読んでね」という演出なんでしょうか?

本来ならば、ただ対立していただけでもない、表面上とはいえ和解をして青春の数年を過ごしたはずのジョジョとディオの姿も全く描かれないので、2人の奇妙な絆も強調されずじまい。

また、駆け引きも何もない"殴るだけで敵が爆発する戦闘シーン"も辛かったです。
「波紋法」という独自性の高い設定はほとんど生かされません。
ネタバレですが、ディオとの決着ですら「ただ殴るだけ」
"絵柄"がジョジョと言うよりは「北斗の拳」っぽいだけでなく、波紋法の描写まで北斗神拳っぽかったようにも;(北斗の拳を貶めているのでは無いので誤解無きよう)
(絵がどうにも荒木氏の画風からかけ離れて見えるのは、「色気」が足りないんでしょうね。動画で荒木絵を再現するのは難しいとは思いますが)

先にも書きましたが、映画にするために、原作から要素を削ったり変えたりするのは当然のことで仕方有りませんが、それでも一本の作品としてまともに成り立っていると言えないまでに削りすぎては、何のために映画を作ったのか分かりません。
この映画の問題点は『時間が足りなかった』のが原因なのではなく、脚本と演出があまりにお粗末すぎなのだろうと思います。
(そして、あまり言いたくないですが、絵のクオリティもTVアニメレベル以下かと)

とりあえず、『制作者が原作に愛も敬意も無い』と言うことはよく分かりました。
監督はこの映画が初監督のようですが、普通に原作を尊重して作っていればまだ「それなりの出来」にはなったでしょうに。(と言いつつ、監督もしくは脚本家だけの問題とは限りませんけどね。実際の内情は分かりませんし)

最終的には、リサリサ(赤ん坊)も登場しないので、人生の最後のギリギリの状態でジョジョがエリナに「生きること」を示す、「生命の尊さと誇り高い意志」を象徴するシーンも存在しません。
スタッフはこの映画で一体何を示したかったんですかねえ…。

リサリサがいないので、ジョセフ・ジョースターは誕生しないと思われます(苦笑)
スピードワゴン財団もストレイツォも存在しないので、第2部は成立しないでしょう。
少なくとも『このスタッフで』『この映画の続きとして』第2部が作られることは無いだろうと考えれば、ある意味救われるかも知れません。

映画を見ていて、中盤頃から自分は、「デビルマソとまでは言わないけど、キャシャーソでも見るかのように」冷たい残酷な目をしていたと思います。(まあ、キャシャーソにはまだ制作者なりの愛はあったと思いますが)
『かわいそうだけどあしたの朝には原作ファン・映画ファンからの酷評がネットにならぶ運命なのね』ってかんじの。

ところで、存在を抹消されたはずのスピードワゴンですが、チラリと出ていたと言う話も他所で見かけたんですが、画面の隅かモブシーンかで出てたんですかね。気付かなかったですが。
(声優の話では無いと思うんだけど(笑))
数秒の出番で終わったタルカスとブラフォードには"気付きました"けどね(苦笑)

ところで2、「太平洋 アメリカ航路」ってなんなんですかね?
イギリスからアメリカへの航路なので、原作では当然「大西洋上」と書かれているのですが(苦笑)

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■ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章(三池崇史監督)(2017/8/18)

ジョジョ第四部実写版映画を観てきました。
ネット上だとえらく評判が悪そうでしたけど、割と楽しめたかと思います。色々改変は多いですが2時間程度の映画にまとめるためと思えば許容範囲内かと。
期待値を下げて「第一部アニメ映画版や、実写版デビルマンほど酷い事にはなるまい」「スタンド描写が楽しめればいいや」くらいの気持ちで行ったおかげもあるかも知れませんが(^^;
なお、キャラクターやスタンドというものの説明はロクにされないので初見の人には全く向かないと思われます。ジョジョの原作もアニメも知らずにいきなりこの映画を観に行く人もあまりいないでしょうけど。

何故か杜王町がスペインロケだったりしますが、荒木作品を日本でロケしても違和感が強そうだし良かったんじゃないでしょうか。洋画でよくある怪しい日本描写よりも全然オッケーでした。
虹村邸とかほぼ廃墟でしたけど(^^;)、仗助の家もそうだけどあんなに照明を暗くしてよく住めるなあと思ったりして(野暮)

映画は全3章予定みたいですが、今回のストーリーは「アンジェロ戦から虹村兄弟戦まで」で、単行本全19巻のうち2巻くらいまでしか進んでいないですが、
レッド・ホット・チリ・ペッパーや小林玉美は今回の展開からして確実にカットでしょうし、主要な部分だけをピックアップして進めるんでしょうね。
無節操な枝葉末節話こそが第四部の魅力なので、(おそらく)大部分のスタンド使いが削られるのだろうと思うと残念ですが、(大体)原作準拠の再現はアニメでやったし、映画としては仕方ないのでしょう。
でも、チョイ役でもいいからトニオさんには出て欲しいかなあ。(店の名前はチラッと出てたけど)
露伴はさすがに削られないだろうけど、川尻早人がどうなるかはちょっと心配です。
まあ、ちゃんと続きが作られるかどうかも分からないのですけどね(^^;

今回の映画で話をアンジェロと虹村兄弟に絞ったことで映画としてのまとまりは良かったし、祖父の意思を継いで街を守ろうとする仗助の姿も(祖父の出番が多かった事もあり)よく描けていたかと思いますけど、
ただ、後半がちょっと冗長でテンポが悪くは感じました。あと3〜5分くらい詰めても良かった気がしましたよ。
康一くんが矢で射られてから助けられるまでが凄く長いので、よく生きてたなあと思いました。…まあ、それはアニメ版でも思いましたけど(笑)

本作で一番期待していたのは「スタンドバトル描写」でしたが、そこは結構満足出来ました。特にバッド・カンパニーはちっこい兵士達の細かい動きが楽しくて映像映えしますね。
ザ・ハンドの右手の描写もなかなか格好良かったです。

キャスト達は割とコスプレ感が高いですが、仗助の髪の毛や、承太郎の帽子と髪の境界の表現が面白かったですよ。億泰はちょっと丸かった気もしますが。

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■ジョゼと虎と魚たち(犬童一心監督)(2004/01/13)

麻雀店でバイトをしている大学生“恒夫”は客から奇妙な老婆の話を聞く。
この近所で明け方になると老婆がボロボロの乳母車を押して歩いているというのだ。
赤ん坊が乗っているのだろうと返す恒夫だったが、老婆はもう10年もそうしていると言う。
乳母車に乗っているのはお宝か怪しいクスリかはたまたミイラか・・・、客達は好き勝手な妄想を膨らませる。

雀荘のマスターから犬の散歩を頼まれた恒夫は、坂道から転げ落ちてきた乳母車に出会う。
これが噂の乳母車なのか、
坂の上にいた老婆から乳母車の様子を見てくれと頼まれ、覗きこんだ恒夫が見たのは、
包丁を振り回す少女であった・・・


図々しくも気のいい青年“恒夫”と、
足が不自由で自らをフランソワーズ・サガンの小説の主人公の名“ジョゼ”で呼ばせる少女の出会いとその後を描いた作品です。
なお、原作がありますが未読です。

ふてぶてしいジョゼと調子のいい恒夫のやり取りを楽しく見せつつも、
なかなかに、見る者に青春時代の「痛み」を思い起こさせる恋愛映画であります。
恋愛の甘さと、甘さゆえのずるさと残酷さを思い起こさせて、考えれば考えるほどホントに痛いですな。
特に集番とラストの恒夫の心の動きを想像してしまうと。

痛い痛いと言ってはいますが、見た後しばらく心に居座る、存在感のある映画で、面白かったですよ。
主演の2人をはじめ、人物達がとても我がままで逞しく、奇妙にリアリティを感じさせてくれます。
ジョゼの可愛くなさが可愛いくなってくるのがいいですね。
最後の台所に彼女の“芯”を感じました。
いい映画です。

http://jozeetora.com/index_f.html

★えいが道その1を見る
★えいが道その2を見る

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■シリアルラヴァー(2001/08/14)

以前、忙しくて見れないだろうと言ったけど、レイトショーでどーにか見れました。

35歳の誕生日を控えたモテモテのヒロインが、
結婚相手を決めるべくつき合っている男達4人を集めてパーティーを開くことになった。
しかしヒロインは、不幸な偶然に偶然が重なって、何故か男達を殺していってしまう。
本人はまったく悪意も殺意も無いままに、
折しも近所に強盗が潜んでいるとかで警察がしょっちゅう巡回に来る中、ヒロインの運命やいかに…

人がぽこぽこ死ぬたび映画館内に笑いが走る、不謹慎ブラックコメディ映画です。 
一言で言って、まあ、ひでー映画(笑い)
それ以外の言葉がありません。
日本の映画館であれだけ客がはっきり爆笑する映画ってのも、すごいかも知れない。
いつ誰がどうやって死ぬかの緊張感がたまりません。
ビデオなどで何人かで見て、つっこみながら見るのに向いていると思われます。
拒否反応を示す人もいそうだけどねぇ。

しかし、ひどい映画だった(笑い)

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■白い犬とワルツを(月野木 隆監督)(2002/04/22)

40年連れ添った妻を亡くしたじい様の前に、彼しか見えない白い犬が現れるという話。
原作は外国の話らしいですが(未読)、この映画は日本の話になっています。
いい話ですが、映画としてはやや印象が薄いようにも思えます。
犬が不思議な存在のようでもあり、ただの犬のようでもあり・・・
(最後、あれでいーんですかねー?>犬)

映画のポスターの犬は毛がふかふかですが映画では違います。
別の犬なんでしょーか?
(まあ映画の犬はあれはあれでいーんですが、
 ・・・しかし気の弱そうな犬だった)

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■シン・ゴジラ(庵野秀明監督)(2016/8/8)

シン・ゴジラ観てきました。
正直公開される前は(個人的にQがイマイチ楽しめなかったこともあって)あまり期待していなかったのですが、凄く面白かったですよ。
以下ネタバレ注意で。

自分はこれまでのゴジラ映画は観たり観なかったりで、思い入れや知識もさほど深いわけではないですが、
アクション少な目で延々会議してたりとか、普通の映画的な意味での人間ドラマ(家族ドラマ)要素が極めて薄かったりとか、庵野監督の個性が強く押し出されたかなり異端な作品になっていたかと思います。
緊急時の政治シミュレーションエンターテインメント映画としてかなり独特で面白かったかと。

ゴジラ自体も今回は相当異端でした。全身赤い傷(?)だらけで目が小さく凶悪な歯並びのデザインの今回のゴジラはかなり怖かったですよ。
変態してどんどん姿を変えていくところも、ネタバレ無しで観たのでなかなか衝撃でした。最初にギョロ目のゴジラっぽい謎怪獣が出てきた時は別の怪獣なのかと思っちゃいましたよ。
あのちょっと愛嬌がある顔が第四形態で目の小さい凶悪顔に進化する辺りのギャップが効いてます。

ネタバレ無しで観たと言いつつ、事前にイデオンの画像は見てしまっていたのですが、攻撃方法が本当に全方位ミサイル(もとい全方位ビーム)で笑っちゃいましたが凄かったです。
尻尾ビームと言い、だんだん太くなる熱線と言い、これまでにないゴジラ像で新鮮でしたよ。
ここまで従来のイメージを破壊出来るのも庵野監督ならではかなと思いました。一方で最初のゴジラにかなり寄せてる面もあるのですが。

ラストの「凍結」は、一応解決したように見えて“カウントダウン”も保留になっただけだったりして、緊張感があるのがいいですね。
しかし、ラストで凍結したはずのゴジラがピクリと動いてエンドになったら嫌だなあと思って観ていましたが、最後の「尻尾」のアップはそんな陳腐な予想をはるかに超えて衝撃的でした。
あの人骨が蠢いているような尻尾は何を表しているのやら。諸説あるみたいですけど、自分としてはやはり人骨のうち1つは牧教授のものなのかなと思いました。
そもそものゴジラ出現が牧教授が取り込まれたことがトリガーになったのだろうかとか妄想してしまいますが、どうなんでしょうねえ。
あと、形の存在から人の形が生えてるビジュアルは庵野監督ということでセントラルドグマのリリスを思い出したりします。

それにつけても、「無人新幹線爆弾」「無人在来線爆弾」のインパクトが最高でした。バカと燃えは紙一重と言うか、あの格好良さとシュールさの両立っぷりが溜まりません。
実際あのサイズの車両に爆弾を詰め込んだら並のミサイル以上の威力なのは納得だし、あの破壊力もリアルに思えるのがいいですね。
血液凝固剤を飲ませるやり方も直球過ぎて面白かったですよ。

続きがあるかどうかは分かりませんが、作品として綺麗に終わっているのでこれで完結でいいかなと思います。
まあ、万一監督が変わらずに続編が出来たら見ちゃいますけどね。その前に今度こそあっちを何とかして欲しいですが。

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■シン・エヴァンゲリオン劇場版:||(映画)
(庵野秀明総監督)

遅くなりましたがようやく観れました。ちゃんと完結してくれてよかった。正直まだ咀嚼しきれていませんが、かなり気分がスッキリしました。
クライマックスでやっていること自体は割と旧劇場版と被っていた気もしましたが、むしろ被せてたのですね。TVシリーズ終盤を思わせる描写もあったりして、本当に「すべてのエヴァンゲリオン」にさようならする話だったのだなと。
登場人物皆を掘り下げてくれて、大分ポジティブな終わり方になっていて爽快さを感じました。ゲンドウにすら救いを見せるとはなあ。

ラストはまさかリアル世界でカップルエンドになるとは思わなかったですよ。(そういう解釈でいいのか?)
あれは、セカンドインパクトとか無かったリアルの世界になったと言うことなのか、普通にニアサードとかがあった世界の後に復興したということなのか、どっちなんですかね。

まさかのマリエンドでしたが、結局マリはどういう存在だったのか。ゲンドウやユイと同期世代だけど(エヴァの呪いやらで)歳をとってないと言うことなのか、…むしろ若返ってますけど。
旧劇を思わせつつ、アスカとシンジの最後の会話もいい感じになっていたかなと。スーツが破れていたのはエヴァの呪いって解けて身体が成長したってことなんですかね。(エヴァンゲリオンにさよならしちゃったし)

第三村のあたりはこれまでのエヴァで見たことが無い流れで新鮮でした。正直村のシーンが長いのでいつまでいるのだろうとも少し思いましたけど(^^;
トウジとケンスケは頼もしくなりましたね。(エヴァでは珍しい)まっとうな大人と思えましたよ。
と言うか、トウジが出てきた時「生きてたのかよ!」と少し驚いてしまいました。いやまあ、新劇場版のトウジはエヴァには乗っていなかったのですけど、ちょっと混乱してしまいました。
Qでトウジのシャツが出たりしていたこともあって、すっかり死んでる気になっていました。
アスカの裸を見ても特に動じないケンスケが大人だなあと。既に驚くことでもないということですかね。シンジを「好きだった」も過去形だし、案外いい組み合わせかも知れません。
そっくりさんが人間らしくなっていくあたりはほのぼのだったのですけど、結末は辛いなあ…。

そっくりさんと関わるおばちゃん達とか今回第三者と関わる描写が多めなのが世界が閉じていないと感じられて良かったですよ。
サクラやピンクの人のアレも、この世界での(これまで物語の中枢の外にいた)身内外の第三者の思いとして触れるべきところだったので納得感があったかと。

ゲンドウはすっかり人間をやめちゃっていてサイクロプスみたいでした。ゲンドウがもっと早く息子と向き合えていれば大分状況も違ってのだろうかと思いますが、シンジとの会話が出来たのは良かったです。
「周りを巻き込まないでほしい」とは思いましたが、ゲンドウがやらなくてもゼーレが動いただろうしなあ。
さよならジュピター…もといVOYAGERはいい曲でした。ところで渚司令ってなんだったんですかね。

ミサトさんと加持さんの子供がシンジ(の精神年齢)と変わらないのが時の流れを強く感じました。ミサトさんが母になっていたとはなあ。それを言ったら委員長もそうなんだけど、ミサトさんの方が「大人になってる」驚きが強かったですよ。
ミサトさんはQの時点で今回くらいの態度でシンジに接することが出来ていれば良かったんですけどねえ。見慣れた髪型に戻るシーンは感慨深かったです。

TVシリーズから長く付き合いましたが、これでスッキリ出来ました。
シン・ウルトラマンも楽しみです。

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■シン・ウルトラマン(樋口真嗣監督/総監修庵野秀明)(2022/5/15)

シンマン観てきました。
パンフはまだ読んでないけど、とりあえず感想。(デザインワークスは存在を知ったのが帰った後なので、また欲しいところ)

自分の初代ウルトラマンの知識は、子供の頃に見てはいたけどそこまで詳しいわけでもないレベルでしたが、特に観ていて分からないことはあまり無く(←多分)楽しめたかと。
現実世界に怪獣(本作では禍威獣)や宇宙人(本作では外星人)が現れたらどうなるかというシュミュレーション的なシン・ゴジラ路線を期待していたところはありますが、
さすがにシン・ゴジラ以上に「人間の手には負えない」度が高くて未知の存在のウルトラマンに頼らざるを得ない場面も多かったものの、リアル味のある描写が面白かったと思います。

冒頭の禍威獣ラッシュはシン・ウルトラマンと言うより「シン・ウルトラQ」な感じでした(笑)
マンモスフラワーさん+東京駅+高層ビルで、シン・ゴジラと直接は繋がらないのだなとちょっと安心しました。
その後のネロンガ戦、ガボラ戦も迫力と見応えがありましたが、その後は「怪獣物」から「宇宙人物」にシフトしていくんですよね。
外星人や未知の宇宙のテクノロジーに人類が振り回されていく様はまさに「空想特撮映画」で楽しかったです。

ウルトラマン=神永の正体バレが思いの外早かったのは驚きました。ああも早々に正体が認知されてしまうとは。
そしてそこからベータカプセルを大きく掘り下げるのが面白いですよ。あそこまで重要な存在だったとはビックリですよベータカプセル。実物サイズのベータカプセル売って欲しいですよね。
禍威獣が出る理由や、禍威獣が似ている姿も理由付けされているのが「らしい」なあと思いました。そして、そこを掘り下げたら、もう禍威獣ではなく外星人が話の軸になるのも当然ですね。

最初の外星人・ザラブさんは、薄っぺらいデザインが面白かったです。
そして次の…と言うか第0の外星人・メフィラスさんは(チュートリアルな感じだったザラブさんに比べても)手強いいいキャラでした。倒されないまま去っていくのがらしくて満足です。
ダイマックスな浅見さんの画像が拡散される辺りは実に現代らしかったですが、そういうネットの情報を一気に消せるメフィラスさん凄えと素直に思いました。

そして最後の驚異がまさかのゾフィ…ではないゾーフィになるとは。しかし衝撃ながらも納得感はありました。リアルに光の国ならぬ光の星を描くとああもなりますか。
巨大過ぎるゼットンの驚異感は凄かったですねえ。あれはウルトラマンでも絶対勝てないと納得出来ます。
最初に「人間の手には負えない」度が高いと書きましたが、その上で打ちのめされる滝を描いた上で、
最後は本家のように「人間の力で驚異に対抗」…とまでは言えなくても人間の頑張りでウルトラマンを助けられたのもよかったかと。

ところでキュゥべえの登場は吹きました。

本作のウルトラマンのデザインは成田亨氏のデザインの再現を目指したものということでしたが、生物感のある滑らかさと銀色に輝く非生物感が融合されていて、確かに美しさを感じました。
身体の赤の色が変わっていくのが面白いですね。

ラストは、神永の人格にウルトラマンの力が残された…ということのようですが、この世界の未来はかなり多難そうですね。この先も観てみたいですが無理かなあ。

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■シン・仮面ライダー(庵野秀明監督)(2023/3/19)

シン・仮面ライダーを観ました。
シン・ゴジラ、シン・ウルトラマンに続いての昭和特撮リメイクの「シン」シリーズの3つ目ですが(シンエヴァは面倒なので除く)、
前2作と比べても原作…と言うか、石ノ森漫画版リスペクトが大分強そうに思えて、現在で作る新作としての新鮮味は少し薄かった気もします。
一般向き…と言うよりは初代仮面ライダーが好きな世代向きかなあと。いやまあ世間の評価がどうなるかは分かりませんが。

…と言いつつ、漫画版仮面ライダーのことは断片的な知識としては知ってたけどちゃんと読んだことは無かったんですよね。
(映画のラストシーンの場面が漫画でもあったらしいという認識はある)(あとBLACKの漫画版は読んでた)
今日、電子書籍版を買ったのでまた読もう。

以下箇条書きで。ネタバレ注意。

・序盤の印象は「赤い」でした(笑) 血飛沫が凄い。しかし、アマゾンズやBLACK SUNみたいにグロい方向性では無いので普通に観られたかなと。
・バイクが活躍しているのがいいですね。昨今のTVシリーズではバイクはほぼ走れないですからねえ…。
・歩いている本郷達の後ろを低速で付いてくるサイクロン号がかわいかったです。

・怪人(オーグ)のキャラが割と漫画的だったかなと。そのおかげで世界観のリアリティは「シンゴジ>シン・ウルトラ>ライダー」って感じですね。
・仕事を連呼するクモオーグさんがいいキャラでした。口癖にメフィラスさん味を感じる。
・人間の武器で倒されるサソリオーグさん…( ノД`)
・KKオーグは3種合成型だそうですが、カマキリとカメレオンと後は何?…と思ったけど、人間のことか。そーかそーか。
・大量発生型相変異バッタオーグは映画だと何人いるか数えそこねていましたが(10人か11人かよく分からなかった)wikiで見ると11人でいいのね。
 「黒い」と言われていたけどずっと暗いトンネル内で戦ってたのでデザインがよく分からなかったですよ(^^;
・ラスボスはキカイダー01要素(イチロー)やらイナズマン要素やらが混じった感じですかね。デザイン的にちょっとV3っぽくもある?
・ロボット刑事Kとか石ノ森要素が多いなあ。

・緑川ルリ子は、元の特撮だとフェイドアウトで、漫画版だと…検索してもよく分からないけど死んではいないのですかね。
 死ぬとは思っていなかったので、今作では泡になって死んで少し驚きました。ヒロインにも主人公にも容赦ないですよ。
 その後の「遺言」で本郷が泣くところはよいシーンでした。
・暗い本郷に対して明るい一文字がいいですねえ。
・1号と2号が並んで歩いてると割と身長差があるのかね。
・ラストの「立花」と「滝」はニヤリでした。
・2人で1人の仮面ライダーとして新1号カラーになった一文字が本郷と会話しなから走っていくラストシーンはいいですね。

・庵野秀明氏の次の予定がどうなっているのか知りませんが、シンのシリーズをやるのなら「帰ってきたシン・ウルトラマン」は実現して欲しいなあ。

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■親切なクムジャさん(パク・チャヌク監督)(2005/12/08)

『復讐者に憐れみを(未見)』『オールド・ボーイ』の監督による“復讐三部作”完結編。
と言っても三本とも作品としての繋がりはありません。

今回は13年間投獄された女囚人“クムジャ”が、自分に罪をなすりつけた男に復讐する話。
投獄時代、無償の優しさで他の囚人達の困難を助けて“親切なクムジャさん”として人脈を築いた彼女は、
出所後その人脈を利用して男への復讐に動き出していきます。

男に近づいていくまでの部分は、復讐劇ながらもブラックなコミカルさとテンポの良さがあって、ぐいぐい話が進んでいきます。
(ちょっとテンポが早すぎて集中力が必要ですが)

しかしこの辺りまでは正直、「面白いのだけどオールド・ボーイのような吸引力には少し欠けるような」とも思ったりしたのですが・・、
この話の真価は男を捕らえたその後から始まるのでした。
・・あれは凄いですわ。

ネタバレになるので詳しくは言えませんが、ああいう犯罪者に対してああいう処罰を空想することはありましたが、まさにソレを見せられるとは思いませんでした。
アレは、いいとか悪いとかいう判断のつけられるものでは無いですな。
その、いいとも悪いとも言い難いアレを受けてのあのラストも、一見ギャグシーンのようなラストが非常に胸に染みて刺さります。
“白”の美しさが実に切ない。
たまらん映画ですが見て良かったかと。

ところで、オールド・ボーイは非常に引き込まれる作品でしたが、大変に後味も気分も悪い作品でもありました。
それに対して今作は、胸クソの悪いシーンは確かにあれど、映画としての後味はそれほど悪くないのですな。
(無闇に残虐なシーンの描写が抑えられているのもあるでしょうが)
まあ、後味が悪くないと言いつつ、なんとも言えない複雑ーな気分が残るんですけどね。
復讐の為にあえて人々に親切にして利用して、それでも心の平安を得られなかったクムジャさんへの哀しみをより感じてしまうからなのでしょうか。

後半では他の囚人達の姿が見えなくなるのは少し残念でした。彼女達ももう少し生かせなかったものかなとも。
しかし、“結婚”は凄いですわ。

オールド・ボーイでも見られたコミック的な演出が決まっていて見応えがありました。
横スクロール的な演出も健在で面白いですねえ。
「物語的」な語り口調にもあの演出はあっていたかと思います。ネット上で見かけた表現で言えば“童話的”という言い方もハマっているかと。

http://kumuja-san.jp/

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■ZOO(2005/05/26)

乙一氏原作の短編小説集を5人の監督が映像化した5編からなるオムニバス映画です。
なお、私は原作は未読で、乙一氏の本は「さみしさの周波数」「夏と花火と私の死体」を読んだだけですので、映画のみ見た人間の感想であることを御了承下さい。
以下、作品ごとに感想をば。

『カザリとヨーコ』
一方は母親に天使の様に溺愛され、一方は母親にゴミの様に虐待される一卵性双生児の姉妹の話。
ダークな作風は承知の上ですが、それでも順調に気が滅入ります(^^;
予告でも流れている、団地の風景の中でゆっくりと落ちていく少女の姿が現実のすぐ裏側にある非現実感を感じられて印象的です。
俳優達の演技がちょっとわざとらしさが気になった気も。

『SEVE ROOMS』
コンクリートに囲まれた部屋に監禁された姉弟、部屋には小さな弟ならどうにか通れる排水溝があったが、そこから行き来出来るのは7つの部屋のみで、
それぞれの部屋には1人づつ女性が監禁されていた・・という話。
キューブやソウやオールドボーイに通じる監禁物ですが、この作品の場合は短編の強みを生かして限定された7つの室内だけで展開するのがミソでした。
閉塞感と緊張感を保ったまま一気に見せてくれて、今回の5編の中でも一番面白かったです。
ツッコミ所は少々感じますがスルーしていい程度かと。
排水溝の汚さがかなり嫌〜な感じでした(^^;
弟につんけんしながらもの姉の態度は最後まで見ると印象的です。
ただ、後で知ったところではラストは原作の大事な部分をカットしているらしく、その内容を知ってしまうと、そこは飛ばして欲しくなかったと思えます。
かなり印象が違っただろうなあ。

『SO-far そ・ふぁー』
両親が交通事故を起こした日以来、父には母の姿が、母には父の姿が見えなくなってしまった。
父は母が死んだと話、母は父が死んだと言う。
こうして父と母と少年の奇妙な生活が始まった・・・という話。
不可思議な設定とそれに翻弄される少年の姿に引き込まれます。
互いに死んだ相手のことを語る父母の鬼気迫る姿が異様な迫力で恐ろしい。
ただ・・・(以下ネタバレ反転)
あのオチは正直がっくし来てしまいました;
あれじゃ両親(特に父親)はただの鬼畜というか、ただの馬鹿です(^^;
親父は完全に自業自得だなあ。
乙一氏の文章で読めば印象も変わるのかも知れませんが。(氏の文章には奇妙なリアリティと説得力がありますので

『陽だまりの詩』
一人の男に作られたロボットの少女の話。
これだけはアニメです。実写でそのまま撮られると白けそうなシーンもありますので(首もげシーンは実写だとかなり浮きそう)、アニメで正解かと。
自然の描写も美しかったですし。
無常観と切なさを感じるいい作品でした。

『ZOO』
殺した女の写真を撮る男の話。
表題作ですが、正直面白くなかったです。見終わっても「だから何だ?」という気持ちでした。
他の4編に対してこの話はかなり原作と違うらしいですが。
気になるのでいずれ原作も読もうと思います。

http://www.zoo-movie.jp/

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■スウィングガールズ(矢口史靖監督)(2004/09/21)

ビッグバンドジャズに目覚めた女子高生達+男子高生1名を描いた青春コメディです。
「ウォーターボーイズ」の監督の作品ですが、今回も題材が違うだけでやっていることはウォーターボーイズと変わりません。
“ちょっとダメっぽい学生がジャズ(シンクロ)をやるハメになり、最初は嫌々ながらも段々その楽しさに目覚めていく。
途中で色々なトラブルが起きるものの、努力や運や運や運(笑)で乗り越えて、最後は大きな舞台に立つ”と、
キャラクター構成も含めて見事にそのまんま同じです(笑)

ウォーターボーイズのTV版(2は見てませんが)も同じような構成だったこともあって、正直“新鮮み”は無いのですが、
それはそれとして、楽しい事は間違いなく楽しかったです。
(次作も全く同じ文法だったらさすがにどうかとも思いますが、そうなった場合は・・、それはそれで様式美かも知れません(^^;))

この監督の味とも言えますが、女生徒達のダメっぷりがなんともいい味です。
まあ、少々行き過ぎというか馬鹿すぎでないかい?・・と思わないでもないですが(苦笑)
妹のゲーム機のくだりは笑いました。ひどい姉だよ・・(笑)

ところで実はTV版のウォーターボーイズは、正直見ていて辛い部分がありました。
というのは“起きるトラブルの理不尽さ・強引さ”や、そのトラブルが解決しないままで最終回までカタルシスが引っ張られるあたりが
ストレスが溜まって仕方なかったのです。
そういう意味では、今作や映画のウォーターボーイズの場合は、トラブルが起きてもさっさと解決してしまうので、気持ちよく見れました。
まあ無茶な展開はやっぱり多いんですけど、まあいーか(笑)

考え始めるとツッコミ所は大量にありますが、この映画は深く考えずに気楽に楽しんだ方が勝ちとも思います(笑)

ジャズの演奏ですが、私は音楽には非常に疎いのですが、それでも自然に身体が揺れて楽しめました。
演奏は実際に女生徒達(+1)の役者さん達がしているとのことで、最後の演奏も微妙に不揃いだったりもしますが、
それがまた学生らしくていい味だったと思います。
●を忘れたのも良かったかと(笑)
楽しく爽やかな青春映画でした。

ネタバレ追記>
お弁当屋さんが営業停止にならなかったか心配です。

http://www.swinggirls.jp/index.html

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■スカイライン −征服−(グレッグ・ストラウス&コリン・ストラウス監督)(2011/6/26)

宇宙人侵略物ですが、「宇宙人と人類が戦う映画」と言うより「宇宙人にひたすら人類が刈り取られる映画」です。
解説すべきストーリーと言うほどの複雑な話はほとんど無く、マンションという限定空間で、一般人の視点で登場人物達がひたすら逃げ、隠れ、拐われていく姿を描く映画です。

悪趣味ですっきりしない作品ながらも、B級映画としてはそれなりにラスト近くまで楽しめましたが、
最後のオチが、思った以上にあまりにダメB級すぎて、ヒドすぎて苦笑せざるを得ませんでした(^^;

以下ネタバレですが、

何と言うか、「エイリアンマン誕生編」という感じ?
続きがあるのかどうか知りませんし、あの後も絶望的な展開しか思い浮かびませんが。
(まあ宇宙人の侵略規模もよく分からないんですけどね。人類の攻撃もそれなりに通じるし)

とりあえずペントハウスを中心に、(割と)最後までマンションという限定的空間で描いていたのは、低予算らしさを醸し出しつつもアイデア的に面白かったです。

公式サイト

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■スカイキャプテン ワールド・オブ・トゥモロー(ケリー・コンラン監督)(2004/12/14)

1939年、ニューヨークの街を突如巨大ロボット軍団が遅う。
緊急の入電を受けて現れたのは、空軍の頼れるエースパイロット“スカイキャプテン”(ジュード・ロウ)その人だった。
抜群の操縦テクニックと勇気を武器に世界を巻き込んだ大事件にスカイキャプテンは立ち向かっていく・・


昔のSFで描かれたような、来たるべき近未来世界を最新のCG技術を駆使してそのまま映像化した超レトロフューチャー作品です。

いやあツボでした(笑)
全編に流れるインチキ臭さが溜まりません。
ブリキめいた巨大ロボットやら水陸両用戦闘機やら空中空母やら光線銃やらのレトロSFガジェットが実に楽しく、
レトロに脱色した映像で描かれた奇妙なインチキ世界観が溜まりません。
昔のSF少年の夢をそのまんま映画にしたような作品です。

ぶっちゃけストーリーは無駄も多く、今一な部分も色々ありまして、「映画の評価」としては決して高い点を付けられる物では無いのですが、
許します(笑)
制作者の愛を感じる映画でした。そのサービス精神も立派。
まあ、ハマれない人にはさっぱり駄目だと思いますし、好き嫌いは別れると思いますけどね(^^;
宇宙英雄物語とか好きな人は大丈夫じゃないかと思います。
きっとあの世界にはエーテルとかあるに違いない(笑)

キャプテンのジュードロウやヒロイン、そして協力者のフランキー中佐(アンジェリーナ・ジョリー)のキャスティングもハマリ役でした。
みんな真面目に馬鹿をやってるのがいいですな。
馬鹿を馬鹿馬鹿しく演じてもしょーもなくなるだけであって、これをあえて大真面目にやってくれてるのがいいのです。
キラキラなスターっぷりを発揮するジュード・ロウのいい男っぷりや(Fさんが感想で書かれてた「マツケ▼サンバが似合いそう」という表現がピッタリです(笑))、
大真面目に馬鹿馬鹿しく飛んでいくアンジェリーナ・ジョリーは素晴らしかったです。

ヒーローもヒロインも結構馬鹿というか抜けたキャラなのですが、終盤の微妙な役立たずさは今風でしょうか(笑)
ヒロインの足の引っ張りっぷりは凄かったです(^^;

つっこみ所の多い映画でしたが、そういう所が好きでした。

http://www.skycaptain.jp/

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■スキージャンプ・ペア Road to TORINO 2006(真島理一郎総監督・小林正樹監督)(2006/02/14)

http://www.sjp-movie.com/

今回のトリノ・オリンピッグにおいて遂に正式種目となった“スキージャンプ・ペア”競技の誕生から苦難を経ての正式種目認定、
そしてトリノまでの足跡を辿ったドキュメンタリー映画です。
競技の基礎理論を築いた原田敏文物理学博士とその息子達(“あの”原田兄弟)を中心とした人々の熱いヒューマン・ドキュメンタリーでありました。
“プロジェクトX”のような胸の熱くなる感動を与えてくれる映画でした。みんな、元気ですか!
競技の普及に協力されたアントニオ猪木選手の姿も感動です。自分も張り飛ばされてみたい!

日曜の夕方に映画から帰ってきて、感動を胸に抱いたまま、早速テレビのトリノ中継でスキージャンプ・ペア競技を追いかけようとしましたよ。
…なんだけど、おかしいなあ、テレビ欄を見ても競技の中継が見つからないのですよ?
なんでだろう。おかしいなあ…

■とまあそんなわけで、
知ってる人には有名な(あたりまえ)
http://www.jump-pair.com/
の映画化だったわけですよ。
いやあ、馬鹿映画最高(笑)

こんな話に実際の船木選手達まで引っ張り出して大真面目に語らせてしまう、
馬鹿を真剣に作り込む大人の姿勢がすばらしいですな。
それでいて、ヒューマンドラマの部分はマジで感動してしまいましたよ(笑)、なんですかこの熱い胸の高まりは(笑)

肝心のスキージャンプ部分は例のCGになってしまうと事前に知って、それは残念だなあと見る前は思っていましたが、
見てみるとその辺りは大して気になりませんでした。
これ以上あれこれ語るのも野暮なのでこの辺で止めますが、
出来ればオリンピック期間中に見て置いて欲しいナイス映画でした。満足。

追記)帰った後で原田選手の無念の失格を知りまして、残念でありました。
ペア競技であれば長いスキー板もオッケーだったのに(つA`)…(おぃ)

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■スコア(フランク・オズ監督)(2001/10/14)

25年間ミスを犯したことのなく、彼に開けられない金庫は無いという、
金庫破りのプロフェッショナル“ニック”(ロバート・デ・ニーロ)

ある日ニックは不可能とも思える盗みの仕事を依頼される。
“ジャック”(エドワード・ノートン)という若い男をパートナーとして、
ニックは引退をかけて最後の仕事に挑む。

★★★
金庫破りのシーンはきっちり描かれていて見応えがあります。
若いとは言えない身体に鞭打ってアクションに頑張るデ・ニーロも良。

ただ。映画としては印象が薄かったです。
かっちり作られてはいるのですが。

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■スコーピオン (2002/06/17)

「スコーピオンキング」ではありません。
6月末上映予定の映画ですが(私にしては珍しく)試写会で見ました。
ケヴィン・コスナー、カート・ラッセル演じる強盗達が強奪金320万ドルを巡って争う
「悪党VS悪党」のバイオレンスアクションです。

「出てくる奴全員悪党」というのが売りになっております。
人は死にまくるわ盗むわ裏切るわの困った話ですが
全般的にやけに能天気さの漂う映画でもありました。

もうひとつの売りが“エルビス”です。
「インターナショナル・エルビス・ウィーク」とやらでラスベガスのカジノに世界中のエルビスもどきが集まってたりと、
全般的にエルビスな映画です。強盗達も全員エルビスコスプレだし。
ただ、エルビスをよく知らないと(←すんません、私のことです)そのへんのネタはさっぱり分からなかったりします(^^;)

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■涼宮ハルヒの消失(石原立也総監督)(2010/2/11)

エンドレスでかなりテンションが落ちていたのですが、本作は隅々まで素直に楽しめるいい出来でした。
昨年「あらためて放送」の最期で映画化が発表された時は「あらためて放送は宣伝目的だったんかい」と正直微妙な気分になったのですが、
実際映画の出来が良いと現金なもので、作品最大の転換点である本エピソードを映画のクオリティで見られて良かったと思えました。
我ながら調子がいいものです。

また、「あらためて放送」は結局「1期最終回より以前」の話ばかりだったので、
やっと「新たな時間に進んだ」と言う新鮮な感覚を味わえて感慨深かったです。ここまで来るのに長かったですよ。

ちなみに、設定説明とかは無いので、TV版1期+笹の葉ラプソディは最低限見て(読んで)いないと話は分からないはずです。
完全にファン向けの映画ではあります。

原作を読んだのは大分前なので細かいディテールは忘れかけていましたが、上手く原作を一本の映画としてまとめていたと思います。
時間的にもちょうど良かったかと。
(憂鬱が約300ページをTV6回(120〜130分位)だったのに対して、消失は約250ページで映画150分だったから、そもそもかなり余裕があったのね。)

時間に余裕があったため演出にも力が入っていて、キョンや長門に感情移入出来て良かったかと。
前半の「世界改変後」直後のキョンの描写などは緊張感が高く、怖さと痛々しさが生々しく伝わってくるものでした。
みくるや長門相手の、普段のキョンなら取らないような「それは止めとけ」と言いたくなるような行き過ぎた態度も、
いきなり自分の知る世界があんな状況になってしまえば、あのくらい動揺するのも無理もないと実感出来ました。
みくるや鶴屋さんに拒絶されるシーンの痛い事よ。

本作最大のポイントである長門については、
これがもう、とにかく切ないですよ、まったく。
想いが実ることが無いあたりや、「自分で」事態を収めることに協力してしまうあたりが実に切ない。
入部届を返されるところがまた;

ハルヒについては、重いシーンが続いた後での登場時の高揚感がいいですね。

そして今更あらためて言うまでもない事ですが、本作は「キョンこそが最大のツンデレ」であることが如実に現れた作品だったなと(笑)
キョンの自分との問答シーンが映像としてなかなか面白い形で再現されていたかと思います。ちょっと長くはあったけど。

ストーリーは大体原作通りだった(と思う)のですが、ラストの「屋上」での長門との会話やエピローグは変わっていて印象的だったかと。
屋上での「雪」は、旧OPでも使われてた、本来別のエピソードのものだったカットと上手く合わせて見せてくれて、嬉しい演出だったと思います。

ところで、この先TVで新シリーズがあるとしたらどーするんですかね。
TVでハルヒを見る人が皆原作を読んでるわけでも映画を見てるわけでも無いでしょうし、消失を見てからでなければ以後のエピソードは話が繋がらないだろうしなあ。
普通にTVで消失を放送してからやると考えるべきか。
まあ、新シリーズがあるのかどうか分かりませんが。

それより先に、原作の続きが出ないことにはなあ…(^^;

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■すずめの戸締まり(新海誠監督)(2022/11/20)

土曜に観ました。パンフ等はまだ読めていないけど、とりあえず思いつくままに雑感。

途中までは「天気の子」と比べても描写はコメディ寄りかと思ったけど、かなり重い作品ではありました。
先日テレビでやってた冒頭12分放送を見た以外は出来る限り前情報を入れずに観ましたけど、地震がモチーフなのはその放送時点でも分かりましたけども、ここまではっきり現実の震災モチーフだったとは。
いやまあ冒頭の「船」でチラリとは思いましたけどね。だから「神戸」だったんですねえ…。
(自分も阪神淡路の経験者ではあるものの大きな被害は無かったのですが)震災被害者が観るにはかなり覚悟のいる作品かも知れません。
しかし、誠実な描写だったとは思います。…10年以上経った今だから作れる作品ではあるかなと。

ダイジンは途中までは「なんて厄介な猫だ」と思っていたのに、最後に泣かされるのがズルいですよ( ノД`)
人間サイドはハッピーエンドでしたけど、犠牲なしでの決着は出来ないのだなあ。
東京までのダイジンの奔放っぷりは、何百年ぶり(?)かの自由を満喫出来て、鈴芽に優しくされて浮かれちゃってたんですかね。
そして東京で鈴芽に拒否されてしおしおになっていたのが、最後にはふっくらした姿に戻れたのはせめての救いだったのかなと。
人間がたくさん死ぬ事も気にしない辺りとかは、悪意があるわけじゃないけど「人とは価値観自体が噛み合わない」ことが示されているのが印象的だったかと。なにしろ神様だしなあ。
ところで、白いダイジンと黒いサダイジンが巨大化すると白黒が逆になるのは、陰陽モチーフだからですかね。

環おばさんとの口論のシーンは辛いですな。そりゃあ親戚とは言え他人の子を預かるなんて大変なのだから、綺麗事だけでなく内心不満だってあったのは本当でしょうけども、
わざわざ心配して東京まで鈴芽を探しに来てくれる環さんに愛情が無いわけが無いんですよね。愛も憎もあって当たり前、人間だもの。
…このシーンの環さんの暴論は明らかに異常でしたけど、サダイジンの影響だった…んですかね?
そこのところがちょっとよく分からないんですけど、まあサダイジンが邪悪な心を刺激するってわけでも無いのでしょう。人間の善悪の観念には囚われないのだろうし。

「猫が喋る」ことで環さんと芹澤くんに常識外の事態だと伝わってくれたのはよかったですよ。「神さまらしい」ことも伝わったし。
常識外の事態に関わってることを身近な人に分かってもらえるのは助かりますよね。
そして環さんには幸せになってもらいたいので、岡部さんはがんばってください。

新海作品でよく思うことですが、今回も「体力すげえ」と思いました。新海作品の主人公をやるには男でも女でも体力が無ければ務まらない…。
冒頭から海辺と山を2往復している鈴芽が凄いですよ。若さって凄い!

芹澤くんは、第一印象はそこまで良い印象じゃなかったのに、描写が重なるごとに「いいやつ」感が高まっていく面白いキャラでした。
テッシーといい新海作品の友人キャラはいいやつ多いですよね。
それにしても選曲が渋いな芹澤くん(笑)

車での旅路の途中で、綺麗な景色だと言う芹澤くんに、鈴芽が怒ったように「綺麗、これが?」と言うところが印象的でしたが、日記の「3.11」で「ああああ!!」となりました。
あの日記が出てくるところは、死生観が達観した感じだった鈴芽に納得がいった場面でもありました。

東京の描写は「雨が降っていない」のが印象的でした。「天気の子」とは明確に別世界なのね。
「君の名は。」の時のユキちゃん先生とか、「天気の子」の時の君の名はメンバーとかみたいな過去作キャラの登場は今回は無かった…、ですよね?

自分が神戸出身なので神戸周りの描写は感慨深いものがありました。
と言いつつ「山の上の遊園地」は観ている間はどこがモチーフが思い出せませんでしたけど、あれはかつての奥摩耶遊園地がモチーフなんですかね。(観覧車は無かったようだけど)
それにしても、観覧車のアクションは色々凄かったですよ。鈴芽はよく落ちなかったものです。そして猫と椅子のアクションが凄え。なにその身軽さ。

今回は犯罪描写は無かったかな…と思ったけど、二人乗りはしてるか(笑)
あと無賃乗車…は、「椅子」だしノーカンでよかろう。(最初の船のも払ったのだろう、たぶん)

本作を観て以降、椅子にかわいさを感じるようになってしまいましたよ。椅子の解像度が上がってしまった…。

事前のCMで「走るかわいい椅子」=「イケメン草太さん」だと初めて知った時は衝撃でした(笑)
あのおかげで草太さんがめっちゃ親しみやすくなって助かります(笑)
検索していると「イケボ椅子」とか呼ばれていて笑いました。
焼きうどんにポテサラでちょっと引いてる草太さん(椅子のすがた)が良いよ。
寝相が悪くて寝起きも悪い草太さん(椅子のすがた)がかわいいぜ。…まあ寝起きの方は、後で意味が分かると危ないところだったのですけども。
それにしても、JKに踏まれるイケメン(椅子)とか、JKに座られるイケメン(椅子)とか、性癖を隠さない監督がステキだ(笑)
乗られた時とか3本足で倒れないようにバランス頑張ってたんだろうなあ草太さん(椅子)

鈴芽が椅子に乗った後で「乗っていいですかー?」と聞くところは笑いました。そりゃあ草太さんもツッコむわ。
鈴芽は(なにしろ椅子が相手だから)スキンシップに遠慮が無いのが可愛いかったですな。後から鈴芽当人が気付いたら赤面しそうな密着っぷりでした。

ラストの子供鈴芽とのシーンは、常世で会ったのが母親では無かった辺りが、子供鈴芽にとってはなかなかビターで厳しい話ではありましたが、
ここで子供鈴芽相手に語る鈴芽の言葉が心に沁みます。生きてさえいれば、また笑うことも愛することも出来るのね…。

ところであの「椅子」って、幼い鈴芽が高校生鈴芽から受け取って、高校生になるまで持っていたわけで、そこで完全に循環でループしてるんですね。
…あの椅子は、お母さんが作った椅子そのものなのだろうか???

マクドナルドの絵本「すずめといす」は、映画を観た後で読むと泣いちゃうじゃないか…。

愛媛でも神戸でも東京でも、鈴芽は出会いに恵まれてよかったですな。女子高生の1人旅(いやまあ椅子もいるけど)なんて危なっかしいのに優しい人達に出会えてよかったですよ。

着の身着のままで家を飛び出したのに、どうにかなる電子決済が便利ですな。スマホが濡れて壊れたりしなくて本当によかった!

本編の時間経過はきっちりとは分かりませんが5泊6日(エピローグで+1日?)くらいだったんでしょうか。
鈴芽は勉強の遅れが大変そうだけどがんばれ。

教師の試験を受けられなかった草太さんは、来年再チャレンジとなるんですかね。頑張れ草太さん。
それにしても、教師なんて時間に縛られそうな職に付いて「閉じ師」と両立出来るのだろうかと心配になるよ草太さん。閉じ師の仕事がどれくらいの頻度で発生するのか謎ですけども。
鈴芽は看護師を目指すようだけど、この2人が結婚したら互いに忙しくてなかなか大変そうですよ。

大変にどうでもいいけど、ロン毛な草太さんは教師になる時はさすがに切るんですかね? いやまあロン毛な先生もいるけど、金八先生とか…。
お爺さんも割とロン毛だし、一族的な理由でもあるんですかね。神に霊力が宿る的な…(たぶん違う)

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■スターウォーズ エピソード1/ファントムメナス(1999/07/24)

★★★ネタバレ注意★★★
エピソード1のラストシーンは
ボス・ナスが「ピース」と言ってでっかいボール(?)を持ち上げるシーンで
終わるのですが、
我が家では「ぴーす」と言いつつ
いちぶんのいちピカちゅうを持ち上げるのがマイブームです。
大きさがぴったり。

★えいが道「スターウォーズ・エピソード1・ファントムメナス」

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■スターウォーズ エピソード2/クローンの攻撃(2002/07/14)

ダースーベーイダーは黒い〜
デースースーターは丸い〜♪

ダースベイダーのテーマが流れるたびに思わずニヤリとしてしまう。
暗黒ゲージが上がったという感じでなにやら黒い楽しみがあります。

映画として普通に面白かったという印象です。
これまで・これからの話を知らないと辛い物はあるかも知れませんが、
4〜6を見てない妻でも問題はなかったようです。

ヨーダがイカしすぎです(笑

http://www.foxjapan.com/movies/episode2/

★えいが道「スターウォーズ・エピソード2・クローンの攻撃」

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■スターウォーズ エピソード3/シスの復讐(ジョージ・ルーカス監督)(2005/07/12)

ジェダイ騎士のアナキンは、暗黒面に落ちていくのだった。


スターウォーズシリーズの最終作です。(予定)
やー、面白かったです。
ストーリー自体は結末が分かり切ってる話なのですが、
そこに至る描写の積み重ねは結果が分かっていても(むしろ分かっていてこそ)楽しめる十分な見応えのある物でした。
後半どんどんダークな悲劇に転じていくあたりや、その中での未来への希望を感じさせるラストシーンにはかなりのめり込めました。
若干寝不足気味だったのですが、観ていて完全に目が覚める描写に満足です。
アナキンVSオビ=ワンやラストの2つの太陽などが実に「絵」になる。色々と絵的においしい映画でありました。

それにしても、アナキンがダークサイドに勧誘される辺りを観ていると、
人はこうやって怪しい宗教や悪徳商法にハマるのだなあと変な感慨が。
議長(皇帝)の勧誘トークは、まさに『この壺を買えば不幸をはね除けられますよ奥さん!、今だけ!今だけ20%オフの大チャンス!』
といった感じに聞こえて仕方ありませんでした(笑)
議長のアナキンへの執着っぷりはえらく甲斐甲斐しいというか献身的で妙な微笑ましさもありました(おぃ)

アナキンの暗黒落ちは、きっぱり言って本人の傲慢さや世間知らずさ、精神の幼さが主原因とは思いますが、それでも彼だけを責め難い、彼の不幸さを感じました。
本来彼を正しい道に導く存在のはずのジェダイの面々の対応の不味いこと不味いこと(^^;
まさに『こうすれば部下を育てるのに失敗出来る』事例のお手本を見ているようでした(苦笑)
Fさんも書かれてましたが)
もっともそういったジェダイの面々の不完全さ故に、彼等を完璧な存在では無い、血の通った存在としての魅力あるキャラとも感じられたのですけどね。
次々に消えていくジェダイの面々は無常感を感じました。

後の歴史を知っているからこそ言えることですが、
「ああ、ここでこう行動(言動)しちゃったのが失敗だったんだな」というターニングポイントが要所要所でよく見えて、
悲劇の楽しみどころがよく分かる不思議な感覚がありました。
オビ=ワンやメイスに「バタフライ・エフェクト」の主人公みたいな能力でもあればねえ、という気分にも(笑)

ところで今回の見所はやはり“R2D2”ですよ奥さん!
詳しくは言えませんが実に強い。
暴れっぷりが序盤だけなのが少々残念ですが。中盤以降でもアナキンを倒すくらいに活躍して欲しかった(笑)

「万雷の拍手の中で自由が失われていく」の台詞はとにかく印象深いでした。現状の特定の国に限らない普遍的な恐さを感じました。

ライトセイバーによる踊りながらの剣戟は、EP1で見たときは正直えらく優雅そうと感じたりもしましたが、EP2、3と回を重ねる毎に迫力も増してきたと感じました。
見ようによっては隙だらけに見えたくるくる回転も、相手の虚を付くのに有効なのだろうかなどと感じました。(実際どーなんでしょう)

今作を見て、やはりEP4〜6をまた観たくなりましたが、・・・映画観賞後に帰ってTV欄を見たら、当日「EP5」をやってたじゃないですか! ガーン!!
ケーブルTVに加入して以来、民放のチェックが見落としまくりで困った物です(^^;

http://www.starwarsjapan.com/

★えいが道「スターウォーズ・エピソード3・シスの復讐」ネタバレ無し篇

★えいが道「スターウォーズ・エピソード3・シスの復讐」ネタバレ篇

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■スター・ウォーズ/フォースの覚醒(J・J・エイブラムス監督)(2015/12/31)

エピソード7観てきました。以下ネタバレ注意。
特に情報を入れずに行きましたが、今回はエピソード6から30年後の話だったようで、懐かしい人やらメカやらがあれこれ出てきて嬉しかったです。

誰が主役かすら知らない状態で行きましたが、新キャラのレイが次の世代の主役と考えていいんですかね。
作中ではレイの正体は明確には明かされていないですが、あれって「ルークの娘」ってことでいいんでしょうか。
「レイ」は「レイア」から取った名前っぽいし、レイアとハン・ソロの娘という線もありそうだけど、ライトセイバーとの因縁とかラストシーンとかからするとルークの方がしっくり来る気はします。
新たなダース・ベイダーポジションのカイロ・レンとはいとこ対決なのか兄妹対決なのか分かりませんが、どちらにしても宇宙を股にかけた肉親対決なんでしょうねえ。多分。
そもそもエピソード4〜5が宇宙を股にかけた親子対決でしたし。

とりあえずダース・ベイダーポジのカイロ・レンについては、すごくヘタレ臭を感じさせるキャラでした。
ハン・ソロとレイアの息子でありながら話がスタートした時点で闇堕ちしてるわ、フォースに目覚めたばかりのレイとの対決で敗北寸前になるわ、少なくとも威厳のある悪役ポジションでは無いですね。
イラつくとすぐに自分の船内を斬りつけてキレちゃうあたりもダメな昨今の若者という感じでポイント低いです。ヘタレ悪役としては妙な親近感は感じないでも無いですが。
レイアは息子に戻ってきてほしいと望んでいましたが、父殺しをやっちゃった以上はもう無理でしょうねえ。アナキンといいこちらといい不幸な一族ですよ。

ハン・ソロ登場はなかなか嬉しかったのですが、橋の上で息子と対面した時点で「あ、これはダメだ」と思いました。合掌。
ただ、あのシーンは「ハン・ソロが可愛そう」と言うより「チューバッカが可哀想」という感じでしたよ。

行方不明のルーク探しが今回の話の芯になっていましたが、見落としてるかもですが、そもそもあの地図って誰がどうやって用意したんですかね。まさかルーク本人が流したのでもあるまいし、いやまさか(^^;
ルークは弟子(甥)がダークサイド堕ちしちゃってショックで世捨て人になってたみたいですが、そんなヘタレ1人を大いなる手間をかけて呼び戻したところでどれほど役に立つのだろうか、と思ってしまったのは秘密です(・e・)
ルークに関してはどうもヘタレな印象を持ってしまっていて困ります。もしかしたら育児放棄までしてるかも知れないし。
ですが、まる1話かけて呼び戻した(?)からには次回作ではきっちり活躍してほしいところです。まあ(オビ=ワン的)に元弟子と対決して死んじゃいそうですけど(^^;

それにしても、行く場所行く場所で知り合いや重要人物に出会う本作を見ていると、宇宙って狭いなあと思ってしまいました。
「スタンド使いは引かれ合う」的な感じかもですが。…てかフォースの導きと言うべきか。

新キャラのフィンは最後に意識不明になってましたが、次作で治るんですかね。
ストームトルーパーに強制加入させられた過去があるようですが、トルーパーってクローンばかりってわけでも無いんですね。時代が違うからかもですが。

BB-8はかわいいなあ。

公式サイト


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■スターシップ・トゥルーパーズ2(フィル・ティペット監督作品)(2004/08/10)

前作ではVFXを担当されていた方でこれが監督デビューとのこと。

クモ型宇宙人と地球軍(歩兵だけ)のSF戦争ホラー話です。

ある種独特な黒い面白さのあった前作の続編で、前作同様に軍事主義を皮肉ったブラックパロディとも言える作品です。
前作同様に悪趣味な作品でもあります(苦笑)

表向きの映像に反して実は反戦映画と言えますが、物事の判断がつくある程度の年齢以上向きの作品で、
子供にはお勧めしませんし、大人でも見る人を選ぶと思います。
なお、前作同様に原作(宇宙の戦士(ロバート・A・ハインライン))とは全く別物です。
予算がさらに減っているようなので当然パワードスーツも出ませんし(笑)

時期設定は一応前作より後ですが、特に続けて出ている人物はいない・・と思います。多分。
まあ、私も前作は一度見ただけでかなり忘れてますので断言は出来ませんが、
とりあえず前作を知らなくても特に問題ないと思います。

どうもアメリカ本国では映画ではなくビデオ・DVD向けの作品として作られたらしく、とてもチープです。
しかし、舞台を絞り込んだり闇を活用したりと、低予算を工夫で補おうとする姿勢が感じられて、なんだか好感を感じてしまったりも(^^
展開もエイリアンを彷彿とさせたりして意外性はありませんが、細かい展開の中での定番の安心感とちょっとした捻りがいい具合で、
まずまず楽しみました。
間違いなくB級映画ですが(笑)

ネタバレなので細かくは言いませんが、注射で頑張った彼女のシーンには意表を付かれて迫力でした。
そしてこの映画のキモはなんと言ってもラストの皮肉さです。
ああ来るとは「やられた」との印象でした。
ナイスブラックです。

しかし本当に心底B級で正しくつっこみ所のある映画でありました。
なんで歩兵メインなんだろうなあ、ホント(笑)
まったくヒドい映画だ(笑(褒め言葉))

どうでもいいことですが、私の場合「えいが道」の一作目がコレだったなあと思うと微妙な感慨が無いでもないような気もします。

http://www.sonypictures.jp/movies/ST2/

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■スターシップ・トゥルーパーズ3(エド・ニューマイヤー監督)(2008/07/22)

「宇宙の戦士」の映画化作品でありながら、何故かずっと歩兵が生身でバグズと戦い続けてきたシリーズでしたが、3作目にして遂に『パワードスーツ"マローダー"』が登場!(←注:この文章には誤りがあります)

…うん。
パワードスーツじゃないねアレ。巨大ロボットだね(・e・)

1・2作目同様に今作もヒドい映画でした。期待通り!(笑)
軍国主義を皮肉った悪趣味極まりない戦意高揚的ブラックギャグはこれまでと同様ですが、加えて今回は宗教の扱いもヒドい(笑)
全編通してあまりの頭の悪い皮肉全開のヒドい展開に笑いまくりでした。Nice bugs!(←注:全て褒め言葉です)
好感が持てる人物が1人も登場しないあたりも、突き放して物語を見られてGoodです!
誰が死んでも心が痛みません。

軍の総司令官が歌手で大人気で、戦意高揚にコンサートするわ、CD(だっけ?)の販促はするわ、戦地に視察に行けば皆にサインを求められるわ。ここは歪んだマクロス世界ですか?(笑)
でもマクロスFだと歌が虫を引き付けるみたいですよ!?(←伏線)

巨大ロボが登場した今作ですが、強力な虫相手に生身の歩兵が銃一丁で立ち向かって惨殺されまくる展開はやっぱりいつもどおりで歩兵は無意味に死にまくりでした。
いや、否、終盤で強力なロボが"神々しく(笑)"活躍するがために、これまで以上に歩兵の命の軽さが際だっていたと言えるでしょう。
人の命の軽いこと安いこと。
つーか、とっととロボ出しとけよ!(笑)

あー、ヒドかった。
今作では1作目で活躍したリコがまた登場してますが、割とどうでもいいことですね。
ところで、『新開発されたシャベル』が一体どのあたりが新しかったのだろう。刃先の形?

1作目漫画
2作目感想

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■スチームボーイ(大友克洋監督)(2004/08/31)

聞こえる範囲ではイマイチとの評判ばかりでしたので、映像だけ楽しめればいいかと思って行きました。
期待が無かった分それなりに楽しめた気もします。
正直中盤くらいまで眠かったですが、後半の破壊の連続映像は見応えがありました。

なお私は、「AKIRA」「童夢」の漫画は当時読んで迫力に唸らされましたが、
映画「AKIRA」は見ておらず、大友氏の関わった作品では「ロボットカーニバル」のOP・ED、「メトロポリス」(脚本)、
最悪の映画だった「スプリガン」(監修)を見たくらいで、
氏に特別思い入れは無いことを断っておきます。

予告では「ラピュタ」を思わせるような19世紀的少年冒険活劇という印象でしたし、宣伝もそういう売り方をしてましたが、
実のところ、少年ロマンの皮をかぶった皮肉な視点のブラックコメディだと思えます。
それぞれ自分勝手な人々がマッドサイエンティスト(達)に振り回される“珍騒動物”と思えました。
好感を持てる人物がいないのも、一々キャラクターが極端なのも、主人公の少年少女が自分の意見を持たず大人に振り回されるばかりなのも、
ブラックコメディと考えれば意外に合点がいく気がしました。

ヒロインはなかなかに魅力が無いのですが、味はあるように思えました。
実際に人の死を見ないと事態の大きさに気付かないあたりなど馬鹿っぽく見えますが、
実際、実感を持って事件を捉えることなどは、事件を目の当りにしなければリアリティを持って受け入れ難いのも確かで、
意外にリアルな描写だったかとも思えました。
「想像力に欠けることの罪深さ」を感じてしまって、自戒も感じ、意外に深いシーンだった気がします。

ところで表立ってはあまり描かれてませんが、これって絶対数千・・いや万単位で人が死んでますよねえ。
(お偉いさんや軍人だけでなく関係ない市民も山ほど)
表向き描かれて無いだけに、脱出して喜んでいる主人公達にかえって後味の悪さを感じてしまいます。
やっぱり少年物じゃないですよ、コレ(^^;

この話をひとことで表現するなら、「迷惑な話」かなと(^^;

破壊やレンズなど映像は凄かったと思います。

19世紀ロンドンのクリスタルパレスは綺麗で興味深かったです。
もっと街の情景も描写して欲しかったなあ。

http://www.steamboy.net/intro.shtml

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■STAY ステイ(マーク・フォースター監督)(2006/06/29)

快晴の天気の中、精神科医サムにこれから雹が降ると予言して見せた青年ヘンリー。
彼は3日後に自殺すると告げる。
サムはヘンリーを救おうとするが、その中でサム自身の日常も崩れていくのだった…


いわゆる「最後まで見ると謎が解ける」タイプの映画で、ネタバレなしで感想を書くことが甚だ困難な作品です;
不可解で理解しがたい現象が続きますが、最後まで見ると、感動というより何ともやるせない切ない気持ちになります。
不条理でシュールな映像が美しく怪しくて印象的でした。

見終わってみると、意外と最初からヒントは(かなり大胆に)出ていたのだなと気付かされます。
複回数見ると理解が深まる映画かと。正直一度見ただけでは内容を100%拾い切れてない気がしますし。
ぼんやり見ていると訳の分からないまま終わってしまいそうだし、正直中盤は眠くなったりもしましたので、
頭クリアな状態で気合いを入れて見るべき映画かと思います。

好きな人はハマるだろうけど、入り込めない人は辛いかも知れないと思いました。
患者役のライアン・ゴズリングの存在感が大きく、彼の存在をどう受け止めるか次第でこの映画への評価は大きく変わると思いました。

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■ステキな金縛り(三谷幸喜監督)(2011/11/24)

妻殺しの容疑を賭けられた男の弁護を担当することになった三流女弁護士が、「事件のあった夜には旅館で金縛りにあっていた」という男のアリバイを証明して無罪を勝ち取るために、落ち武者の幽霊を法定に連れて行って証言をしてもらおうという話。

「幽霊を裁判の証言者にする」設定から思いつく限りのネタを詰め込んだ愛すべき馬鹿映画で、実に面白かったです。

普通の人には見えない幽霊に法廷で証言をさせるための工夫や、人を説得させるための手段が、「笑い」と「涙」の両方に上手く使われていて本当によく出来ていたかと。
とりあえず、犬は卑怯で泣き笑いしてしまいましたよ。
「幽霊が見える人、見えない人の条件」の設定の使い方も上手くて、最後の最後はホロリと来ました

エンディングの心霊写真の雄大さが笑えます。

心霊写真がポイント制ってなんだそりゃ(笑)
それ町でも心霊写真は有料だったりしたっけなあ。

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■ステルス(ロブ・コーエン監督)(2005/10/11)

テロリストがいると聞けばどこの国にでも(ステルス機能を生かして相手国に無断で)飛んでいって(民間人を巻き込んでも)ミサイルをぶち込んで退治する。
それが米海軍テロ対策チームに選ばれたエリートパイロット、ベン、カ−ラ、ヘンリーの3人に与えられたゴキゲンな任務だ。
しかしチームには彼等3人の他に人工頭脳を積んだ無人のステルス戦闘機“エディ”が加わると言う。
機械野郎を気にくわないベンだったが、案の定、落雷を受けたエディの人工頭脳はあっさり狂って命令を無視し始める。
エリートパイロットVS人工頭脳の戦いの明日はどっちだ?

※多少脚色して書いてますが概ね間違ってはいません(・e・)


なんで人工知能って雷を受けると自我に目覚めるんですかねえ(笑)

予告を見て、“深く考えずに見れば楽しめるタイプの脳天気なバカ映画”かと思ってたんですが、甘かった・・・。想像の斜め上を行く“ダメ映画”でした。
空中戦の映像は確かに迫力がありますし(やたらゲーム画像っぽいけど)、「空中給油機」のシーンなど見所もありますが、
それも予告を見るだけで充分という気もします。
とにかくストーリーがダメすぎて、映像の魅力を損なって余りあるダメさでした;
少々のダメ映画でも楽しみどころは見つかるものですが、これは“ダメ”の振り幅が大きすぎました;;

しかしまあ、これほど“アメリカ万歳”な映画は久々でした。
チーム★アメリカ/ワールドポリス」を皮肉ではなく本気でやって、しかもそれを肯定したままで終わってどーするのやら。
この無邪気さはある意味羨ましくもありますけどね。

自分たちの正義を守る為や、仲間1人を助ける為なら他国に勝手に侵入して他国兵を何百人殺そうが他国民が何万人被爆しようが万事オッケーですよ?
ひでー(;'A`)
まったく、テロリストはあんたらの方だよ(超苦笑)
クライマックスの展開も非道いこと非道いこと。あの後は絶対戦争になってますな;

予告では「自我を持った人工知能との対立」が主テーマかと思えましたが、そのあたりの話は途中で霧散してしまって、話は全然違う方向に流れ出します。
よく言えば“意外な展開”ですが、実態はストーリーがあっちにフラフラこっちにフラフラで一貫性がない中途半端な映画で、
この映画は“何をやりたい映画だったのか”が分からず、とても首をかしげました。
“アメリカ万歳。仲間の絆と愛の物語”が描きたかっただけですか?

見る前は“自我に目覚めた機械の反抗”を扱った映画として「アイ,ロボット」を頭に浮かべていましたが、
見終わってみると、「ステルス」と比べるのは「アイ,ロボット」に失礼かと思い直しました(^^;
人と機械の対立の描写も「子供の喧嘩」以上のものには全く描かれていません。

この映画を作った人は脳天気だなあ、と微笑ましく感じる気持ちもありますが、
それでもやっぱり「こりゃマズイだろ」という気持ちの方が大きいです。
これをマズイと思わなかった制作者の心の目にステルス機能が付いてるのかなあと。(上手くない^^;)
これがブラックギャグとして作られていたのなら評価も違うんですけどねえ。

ところで、わざわざ冒頭に「エンドタイトル後に映像があります」と忠告してくれますが、
何が出るのかと思ったら・・・
正直「ハア?」としか言えませんでした(苦笑)、
下手なホラー物ですか(失笑)。
あの後は、北朝鮮に部品が回収されてスカイネットが出来て「ターミネーター」に繋がりでもするんですかねえ。

http://www.sonypictures.jp/movies/stealth/site/

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■ストライクウィッチーズ劇場版(高村和宏監督)(2012/3/17)

ストライクウィッチーズ劇場版を見る。
展開の意外性は有りませんが、ファンが見たいであろうものを王道で作っていて素直に楽しめました。
ぶっちゃけ御都合主義全開だったりしますが(笑)、元々ストレートな作りの本作らしい映画だったかと。

2期最終回で魔法力を失った芳佳でしたが、魔法力があろうと無かろうと芳佳は芳佳だとよく分かる作品でした。
一見個性弱めの主人公っぽく見えるのに、あの無謀な行動力が恐ろしい。結果を出してるからいいけど確かに周りは大変だなあ(笑)

以下箇条書き。(ネタバレ有り)

・芳佳の登場シーンに吹いたクマー。金太郎か(笑)
・魔法力も無いのにネウロイを撃破する芳佳さんがすげえ。何という男前か。
・リーネと再会してすぐおっぱい星人化する芳佳先生がさすがです。
・最後は留学は有耶無耶になっちゃったんですかね。
 501に復帰するのはいいけど、魔法力が戻っても医者の勉強はちゃんとしておくべきと思いました。

・芳佳の復活は当然そうなるだろうと思っていたので、いつイヤボーンするだろうとピンチになるたびに待ち構えてしまいました。
・年齢的にも限界だったもっさんと違って芳佳はバリバリ現役だったわけだし、 そもそも歳をとっても魔法力が使える宮藤一族だしで、
 一旦は真烈風斬で枯渇した魔法力も時間経過+イヤボーンでまた溜まったって所なんですかね?
・「つづく」と言うことで次は普通に3期ですかね。劇場で続編よりはTVシリーズがいいなあ。

・今回は新キャラの静夏が芳佳と一緒に行動しているので、芳佳の芳佳っぷりが更に際立っていたかと。
・静夏はちょっと損な役回りでしたが、この先ももし一緒に行動するならそのうち芳佳に感化されるかも知れません。ペリーヌのように。
・ペリーヌはすっかり落ち着いて「きれいなペリーヌ」になってました。劇場版ジャイアンと言うか劇場版ペリーヌと言うか(おぃ)
・もっさんの「こんな事もあろうかと」っぷりに笑いました。
・芳佳に対してもっさんの復活はさすがに無し。そりゃそうだ。目も普通になってるし完全に魔法力は無くなったのね。
・アフリカの加東隊長はあがりを迎えてても空は飛べてるけど、あちらは魔法力を吸いつくされたわけでもしなあ。
・エイラの占いの「タワー」はある意味実に正確に当たったのね。>タワーっぽいネウロイ>ツクシかと思った。

・各地のウィッチが結構沢山登場していい感じでした。ハイデマリーや赤ズボン隊は出番もレギュラーとの絡みも多くて良かったかと。
・501復活後はハイデマリーや静夏はどうなるのかね。静夏は3期新レギュラーに普通になりそうだけど。
・ハイデマリーのデザインは白ペリーヌという感じだなあ。
・先にも書いたように静夏は損な立ち位置でしたが、他のキャラは基本「負の感情」を全然出さないので見ていてストレスが少ないです。
 赤ズボンの治癒能力の人が特に芳佳に嫉妬してないのがいいやね。

・2期最終回からは2ヶ月?
 扶桑への船での往復だけで3週間〜1ヶ月くらいかかりそうなので、芳佳は2期ラストで扶桑に戻ってからほとんどトンボ返りだったのだろうか。

・ストライカーユニットの増槽とかサブ装備とか銃身交換とか軍事ネタの小ネタが多かった様子。
 自分はミリタリーは詳しくは無いので、「あー、ガンダムUC4話で旧ザクスナイパーがやってたなあ」とくらいしか分からなかったですが(^^;
・冒頭は陸上戦だったので陸ウィッチが出ないかとちょっと期待してしまいましたが、あの時点だとストライカー開発前なのか。

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■ストライクウィッチーズ サン・トロンの雷鳴(2014/9/20)

ショートストーリー3部作の1作目が公開されたので観て来ました。

前情報はほとんど入れてなかったですが、TV版2と劇場版の間の時期(芳佳が魔力を失っていた時期)の、他のメンバーの話なわけですね。
そんなわけで今回はカールスラント組3人+ウルスラの話で、ハルトマンメインの姉妹の話でした。
民族衣装でドヤ顔なお姉ちゃんがナイスです。

TV版でテストに失敗したジェットストライカーを改良する話でしたが、ジェットはジェットでいいですが、やっぱり回転するプロペラが無くなるのは寂しいので、
ここぞという時以外では今後もこれまで通りでレシプロ機でやって欲しいかなあ。

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■スネーク・フライト(デビッド・エリス監督)(2006/10/31)

いやー、最高に面白かった!!
職人芸的によく出来たB級ジェットコースターパニック映画でした。大満足です。
制作者達がノリノリで作っているのがよく伝わってくるいい娯楽映画でした。エンディングの最後の最後まで楽しめます。

“殺人現場を見られた犯人が証人を暗殺するために、証人の乗った飛行機に大量の蛇を送り込んだ”というお話。
設定の有り得なさ加減と、そんな設定を力業で不思議な納得力のある映画に仕立てた手腕が素晴らしい(笑)

監督は「デッドコースター」や「セルラー」の人で、それらと同様に今作もパニック映画としてのツボの押さえ方が実に上手かったです。
次から次へと形を変えて起きるピンチを飽きさせずに見せるアイデアの充実と畳み掛けるスピード感、
意外な「絵」で作品世界に引き込んでくれる導入やラストシーンの絵的なセンスの良さ、
多量の登場人物をそれぞれ印象的に紹介して見せる手際の鮮やかさ、
緩い場面と緊迫した場面の緩急の上手さ、
お約束としてニヤリとさせる場面と、予想を裏切ってくれる場面の配分のバランス感覚の絶妙さなどなど、
この手のB級映画が「どうすれば面白いB級映画になるか」を知り尽くした職人的な技が光ります。
もう、こういう映画大好き。

B級映画B級映画と言ってますが、うちでの「B級」は褒め言葉ですので誤解無きよう(笑)
本当に興奮できて楽しめる、よく出来た映画なのでお勧めです。見るべし。
そのうちテレビでやった時でもいいから(おぃ)是非見るべし。
(実際“絶対大画面で見なければダメ”という映画では無くて、テレビでも楽しめるタイプだとも思うのですね。ツッコミながら見るのも楽しそうですし)

数々の登場人物は、活躍しそうな人、ヒドイ目にあって死にそうな人、生き残りそうな人、などは大体登場時点で予想出来ますが、
一方で意外な人物が意外な形で活躍もするので面白いです。
プレステ様!」には爆笑しました。きっとフライトシミュレーターなんだろうなあとは予測したけど、まさかプレステとは!(笑)

反撃に転じる際の開き直ったアメリカ映画的なバカノリが楽しいなあ。

ところで犯人は、ああいうことをやれば簡単確実に誰が犯人だかバレると思うわけですが、(実際速攻でバレて証拠も押さえられてるし) … … … バカだなあ(笑)
こういう頭の悪さも素晴らしい。

実際に飛行機内で蛇に襲われたら逃げようもない訳で、“有り得ない状況”でありながらも、“リアル”に感じる恐怖感も感じました。アレは確かにパニックになりますよ;
「蛇の怖さ」「飛行機の怖さ」のどちらもが、案外多くの人に馴染みのある怖さで臨場感を感じさせられるのですね。
自分が仮に俳優だとしても、(無害な蛇だとしても)蛇と触れ合う撮影は勘弁して欲しいだろうなあ(^^;

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■Stereo Future(日本:中野祐之監督)(2001/06/24)

正直自分にはピンとこなかったりしましたが、印象的なシーンは割とありました。
2002年を舞台に、時代劇と環境問題と恋愛を混ぜ込んだ映画です・・・って
全然分かりませんね、これじゃ

出てくる奴出てくる奴、皆が精神的に子供で疲れました。

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■スパイ・ゲーム(トニー・スコット監督)2001/12/26

http://spygame.eigafan.com/

★ネタばれ★
中国の刑務所で、
ある受刑者を逃がそうとして潜入したCIAエージェント、トム(ブラット・ピッド)が逮捕された。
それは任務とは関係のない彼の独断による行動だった。

ワシントンDCのCIA本部で、
今日でCIAを退官する予定の初老の男ミュアー(ロバート・レッドフォード)は
トムの逮捕と、トムが明日の朝には処刑される予定であることを知る。

ミュアーはかつて、トムをスパイとして育て上げた師だった。
しかし、任務のためには犠牲も厭わないミュアーの冷徹なやり方は二人の間に亀裂を生み、
二人は長い間会っていなかった。
かつてミュアーはトムに言った。
“お前がヘマをやらかしても、私は助けたりしない”

CIA幹部の集まった会議室に呼ばれ、ミュアーは“トム”という人物について証言を語る。
彼との出会い、彼がどんな人物であったか。

折しも米大統領が訪中を迎えた時期、事を荒立てたくないCIA上層部はトムを見捨てることを決める。
しかしミュアーは…、

ロケットランチャーやマシンガンを手に単身中国に乗り込むのだった!

…、という話ではありません【要注意】
★★★

すんません、最後のはウソです。
ロバート・レッドフォードはランボーやコマンドーみたいに単身暴れ回ったりはしません。

派手なアクション(も無いわけでもないのですが)とは対極にあるような、
渋く、静かな印象の残るスパイ映画です。
ミュアーはかつてトムに語った言葉とは裏腹に、己を犠牲にしてかつての愛弟子を助けようとします。
あくまで静かに淡々と、

彼が戦う相手は中国の刑務所ではなく、会議室のCIA幹部達であり、
彼の武器は銃ではなく、言葉であり、スパイとしての技術であり、タイミングと己の余生なのです。

…いやもう、ミュアーが渋くて格好いいですわ。
彼の行動の是非はさておき、漢っぷりが実によいっす。
(しかしまあ、この後大変だったろうなあ。登場人物の誰にとっても。)

なお、寝不足の状態ではこの映画は避けるべきでしょう。
「言葉」の多さを処理仕切れない恐れがあります。

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■スパイダーパニック!(エロリー・エルカイェム監督)(2003/01/06)

製作総指揮のローランド・エメリッヒとプロデューサーのディーン・デブリンは、あの悪名高い「GODZILLA(アメリカゴジラ)」を作った人達です。
アメリカゴジラは、なんというか、どーしようもない駄目映画だったとプロデューサーのデブリン氏自身も認めている(スパイダーパニック!のパンフによる)駄作でしたが、
今回はやってくれました。
実に正統的なB級モンスターパニック映画で大満足です(笑

内容は、アメリカの田舎町を舞台に、化学物質のせいで人間以上の大きさに巨大化した無数のクモが人間を襲いだすという、
聞いただけでネタが割れるような「超王道B級パニックムービー」です。
「トレマーズ」系の映画ですな。
バカな内容を登場人物は大マジメに必死に演じてくれているのがグッドです。結構ハラハラ感がありまして、やはり良質なB級映画はこうでなければと思わせてくれます。
満腹でした。

こういう映画にあまりあれこれ言っても仕方ないのでこの辺にしておきます。
この正月はちょっと重めの映画を続けて見た後だったので、なんだか砂漠に清涼剤を得たような気分でした。癒し系です(違

http://www.walkerplus.com/kansai/phtml/all/movie/flyer/index.cgi?file=mo1638_f3.jpg

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■スパイダーマン(サム・ライミ監督)(2002/05/20)

例によって前情報を極力入れずに見ました。
私のスパイダーマンへの認識と言えば・・・、
“古―いアメリカアニメ版を大昔に見たことがあるような気がする・・・”
又は、
“日本特撮版を幼な〜い頃に微妙に見たような記憶があるような気がする・・・”
(レオパルドンは分かるけど(笑)、第一、日本版はまるっきり別物ですな)、
という程度のもので、
アメコミ版原作のストーリー、キャラクターの知識はまったく無いことを最初にお断りしておきます。

映画に対しての期待は実はアクションに対してだけでした。
ビルからビルに飛び回るアクションをいかに映像化してくれるか、が楽しみだったのです。

映画での摩天楼の街をクモの糸を駆使して飛び回るアクションは、実にスリリングで爽快でした。
普通に空を飛ぶスーパーマンなどに対して、うまく飛び回る為に当人は相当『頭』を使わねばならないだろう所が、
制約がある分映像としてとても面白みを感じました。
飛び回りのアクションを見ているだけで楽しかったですね。

で、ストーリーの方は、見る前は特に期待も不安も無かったのですが(失礼な話です)、
面白かったです。はっきり言って。

主人公が本当に普通・・・より少々ドン臭く、要領が悪く、善良ながらもエゴも虚栄心もある、
ごく普通〜の人間でとても好感を持ちました。
そんな普通の青年が、大きな力を得た為に自分に「責任」を課していくあたりが、
結構上手く、説得力を持って描かれていたと思うのです。
哀愁ですね。本当に哀愁です。
私はこのヒーローがとても好きになりました。

しかし、平屋や2階建ての住宅街やら農地やらでは活躍しづらそうなヒーローであります。

最後に少々ネタバレ発言、
彼女にあれだけ暴言を吐いた親父を庇うなハリー、あそこはセリフが違うだろが、おい。

http://www.spider-man.jp/

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■スパイダーマン2(サム・ライミ監督)(2004/07/06)

ストーリー・人間関係はきっかり前作の続きです。
とは言えOPで「これまでのあらすじ」を見せてくれるので前作の復習は無しでも問題ないかも知れません。

★ややネタバレ注

いやー、面白かったです。
中盤まではウジウジとヒーローの役目と自分の人生のギャップによる苦悩を見せてくれて悶々としますが、
溜めに溜めただけあって後半はかなり楽しゅうございました。
“電車”のシーンは熱く嬉しい名シーンです。
スーツが手作りの安っぽい物であることが最大限に生きたシーンと言えます。
ビリビリが熱い。

しかしまあ色々とツッコミ所の多い映画でもありました。
言っても仕方ないのでスルーしますが、1つだけ。
MJはやっぱりヒロインとして非道いですよ(^^;
前半での「自分の事しか考えてないなー」と思えるような発言は、まだ「普通にこういう言動もあるか」と許容出来なくもないですが、
最後の『卒業』もどきはなんですか?アレは非道い。
せめて式の前に、望ましくは最後の戦い後の時点で決断すべきでしょうに。
ヒロインとして以前に人間として駄目駄目です。
人に多大な迷惑をかけながら嬉しそうに走ってんじゃねえよという気分で一杯でした。
ハアハア・・、すみません、取り乱してしまいました。
まあ、女優が悪いのではなく脚本の問題ですのでキルスティン・ダンストも可哀想な気がします。

そもそもこの映画、人物描写が等しく極端ですから、ヒロインのアレも芸風で済ませるべきなのかも知れません(?)
ちなみに、極端な人達の中でも飛び抜けて極端な新聞社の発行人(J.K.シモンズ)ですが、
あの人はあのまま馬鹿でいいと思います(笑)
特に今回は「あんたはずっとこのままでいてください」と思いました(笑)

ツッコミ所について、もう1つだけ。
主人公は友達(ハリー)へのフォローはしっかりしておけよと。
説明不足が故に3作目の敵決定ですよ?
3作目では彼と他の怪人とで三つ巴って所でしょうか。

今回の敵について書いてなかったですが、タコアクションは良かったです。
普通の中年でもヒーロー(の敵)になれるのだと、なんか希望を感じました(間違ってます)

http://www.sonypictures.jp/movies/spiderman2/

えいが道を見る

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■スパイダーマン3(サム・ライミ監督)(2007/05/05)

「スパイダーマンヨ」(←友人談)ではないらしいですよ?(笑)
今作も「2」と同様にオープニングで前作の主要な展開が描かれる親切設計で導入から入りやすくてグーでした。

さて、ニュー・ゴブリン、サンドマン、ヴェノムといった3体もの敵と戦う今作は、さすがにやや詰め込みすぎにも思えましたが、
シリーズで通して描かれてきた"等身大の青年ヒーローの成長物語"の姿勢は本作でも一環していて、きっちり楽しめました。

「なんで実験施設に外部の人間が簡単に入れるねん」とか「あの実験施設は監視とかしてないのかよ」とか「ペンダントは何故に(略)」とか「知ってるなら早く言えよ(反転)執事」とか、
今作でもやっぱりツッコミ所は多いですが、そのへんはご愛嬌で(笑)

今回のテーマを一言でぶっちゃければ『人を呪わば穴二つ』と言いましょうか、
真面目に言えば『復讐と赦し』ですね。
「2」で主人行・ピーターが父を殺した敵だと知った(誤解だけど)ハリー・オズボーンを初めとして、3つもの『復讐』が絡み合う話になっています。
ピーター自身も、とある理由で「黒スパイダーマン」という新たな力を手に入れたタイミングで、1作目での"おじさん殺しの真犯人"を知ったりして、「復讐」と「強大な力」に囚われていくわけですが、
…このあたりの「復讐か、赦しか」の話は、911後の戦争を体験したアメリカに向けて語られているんだろうなあと思いました。

また、出てくる人物がどいつもこいつも自分勝手なあたりも、とてもアメリカ人らしいなあとも(笑)
特に前半のMJの「自分のことしか考えてません」っぷりはやっぱりヒドイ(笑)、中盤以降は彼女にも同情してしまったりもしましたけどね。
ハリー・オズボーンはまだしも、とある敵の逆恨みっぷりもヒドイし、「力」に呑まれたピーターの浮かれポンチっぷりも中々のものでした。
そんな映画の中で、"ピーターのおばさん"と"家主のおっちゃん"の2人だけがオアシスだったかと(笑)

アメコミアクション物としては、序盤・中盤から惜しげなく"VSニュー・ゴブリン戦""VSサンドマン戦"が本作らしい縦横無尽のアクションで描かれて、まさに「俺は最初からクライマックスだぜ!(Cモモタロス)」という感じ。
最後の戦いもジャンプ漫画的な展開が実に熱かったですな。フェニックス一輝と言うかヒュンケルと言うか(笑)

ただ、詰め込みすぎゆえに、個々の要素の掘り下げはどうしても物足りなくなってしまったとも思いました。
特にサンドマン周りの描写と決着の付け方はちょっと納得がいかなかったかと。
悪意がなかったのだとしても罪を償う事は必要だし、現金輸送車やらを襲ってる時点で「俺は悪人じゃない」と言われてもなー、と思ってしまいました。
サンドマンになった時点で(ヴェノムのように)性格にまで影響を受けてる…わけでもなさそうだったしなあ。

しかし、三部作として色々な因縁にも決着がついて満足度は高かったです。(ハリーは殺さなくてもいーじゃんとも思いましたが、原作通りなんですかね?)
と言いつつ、なんだか六部くらいまでやるという話も見ましたが、続くんですかね?

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■スパイダーマン:ホームカミング(ジョン・ワッツ監督)(2017/8/14)

スパイダーマンの新シリーズ。
スパイダーマン映画は過去に2シリーズありましたが(サム・ライミ版、アメイジング版)、今作はアベンジャーズシリーズとしての仕切り直し版でした。
自分はアベンジャーズシリーズは見たり見なかったりで、スパイダーマンが登場したシビル・ウォーを未見だったので少し分からないところもありましたが、話自体は分かりやすくて概ね問題は無かったんじゃないかと。
これまでのスパイダーマン映画とは大分設定も印象も違いましたが、明るめの学生ノリながら少年の成長を描いた映画になっていて楽しめました。

以下はネタバレ注意で。

今回のスパイダーマンは、アベンジャーズ…、と言うよりアイアンマン社長と絡む事で、ピーター・パーカーの未熟な子供っぽさが強調されていたり、スパイダーマンのスーツが物凄くハイテク化されていたのが印象的でした。
良くも悪くも“大人”な社長との対比で、ピーターの高校生らしい独りよがりな子供っぽさが強調されていたことで、後半での“挫折と成長”がきっちり描かれていたのが良かったですよ。

あと、社長がパトロン化しているおかげでスパイダーマンの貧乏そうなイメージが無くなっていたのも印象深かったかと。
スーツはパラシュートだの多機能な糸だのドローンだの声が低くなるモード(笑)だのと、想定外のハイテクっぷりが楽しかったです。ナビAIのカレンがアイアンマンのジャーヴィスのようで漫才的で面白かったですよ。
特に便利な機能というわけでは無さそうだけど、目の表情が変わるのも面白かったかと。
そして、そんなハイテクスーツを見せた上で、決着はあえてお手製スーツでという辺りがヒーローとしての原点に立ち返ったと思えて良いですね。

最後の“敵”をも助けるとことがまた良かったですよ。やはりスパイダーマンには「助けるヒーロー」であって欲しいですし。
クモの糸で敵を必要以上に傷付けないところがスパイダーマンの魅力かと思いますが、カレンが必要以上に瞬殺モードを勧めてくるのがヒドくて笑いました。

ところで「ピーターがどうやってスパイダーマンになったか」の下りはほぼ描かれていなかったのですが、てっきりその辺はシビル・ウォーで描かれたのかと思ったけど、調べてみるとそういうわけでも無いんですかね。
友人・ネッドとの会話からして「クモに噛まれた」のがキッカケではありそうだし、おじさんはどうやら亡くなっているようだし、スパイダーマンになった敬意自体はこれまでの作品と似た感じではあるんでしょうか。
あと、肉体の能力としては糸はシューターによるとして、「怪力」と「壁や天井に貼り付く」能力は本作でもスーツに頼らない肉体準拠ということで良さそうでしょうか。

アメコミの原作は未読で今回のヒロインのリズの事は知らなかったですが、ラストでのMJ登場(と言うか判明)はビックリしました。こちらが正式なヒロインなんですかねえ。
友達のネッドは、口の軽さがヒドくて笑いました。有能で頼れるところもあるけど、アホっぽさの方が印象深くて困ります。てか、本作のキャラって割とみんなアホっぽいんですけどね(笑)

ラストの指輪オチはヒドかったです。いいのかアレで(笑)
そして最後の最後のオチは、あれは正体バレしちゃった…んですかねえ?

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■スパイダーマン: スパイダーバース(2019/3/24)
(監督:ボブ・ペルシケッティ、ピーター・ラムジー、ロドニー・ロスマン)

スパイダーバース観てきました。
本作は平行世界のスパイダーマン達が一同に集う話ですが、
スパイダーマンのことは映画のピーター・パーカーのスパイダーマン(サム・ライミ版、アメイジング版、ホームカミング版)くらいしか知らなくて、派生作品はあまり把握していなかったのですけど(日本のスパイダーマッ!もちゃんと見てはいなかったかと)、
作中でそれぞれのスパイダーのことを分かりやすく紹介してくれますし、予備知識無しでも全然問題無く楽しめました。いやー面白かった。

スパイダーマンは合計7人(匹?)出ますけど、知らなかったスパイダーもそれぞれ魅力的で見ていて好きになれるいいキャラクター達でした。
本作の主役と言える、まだまだ未熟で若いマイルスも、疲れたおじさんと化しておなかの出たピーターBもそれぞれ(ダメな所も含めて)愛すべき人間味があるし、
グウェンもノワールもそれぞれに格好いいし、日本アニメ的なペニーもかわいいし、ブタなポーカーも味があるしでみんないいキャラだったかと。
ただ、メイン級のマイルス、ピーターB+グウェンの活躍度に対して、残りの3人はちょっと出番と活躍が少なめだったのが(仕方ないけど)残念ではありました。贅沢でしょうけどもっと活躍シーンを見たかったなあ。

そして、なんと言ってもメイおばさんがやたらと格好良くて惚れてしまいます。なにあの司令官ポジション。あんなイカして格好いいメイおばさんは初めて見ましたよ。まあ今回出てない平行世界の中には戦うメイおばさんもいるみたいですけど。
そんなメイおばさんは家を壊されて気の毒でした。家の壊れっぷりがあまりにヒドくて笑っちゃいましたけど。そしてあの異様に広くてオーバーテクノロジーな地下基地が凄え。

そんな楽しいキャラクター達ですけど、スパイダーマンだけに割とみんな共通して重い背景を背負ってるんですねえ。てか、「蜘蛛に噛まれること」と「身内を失うこと」はスパイダーの必須条件なんですかね(^^;
本作でもまさかあのキャラがいきなり死ぬとは思わなかったですよ。さらにはマイルスの慕っていた身内も死んでしまうし、容赦ないなあ。

今回の悪役のキングピンは凄い体型でしたけど、自分の非道がバレて家族にドン引きされて逃げられたのにスパイダーマンのせいにしてるところがホントにダメな人だったなあと。
大体、平行世界から別世界の家族を召喚しても、こっちの世界で生きていけないじゃないですか。(その辺りはキングピンは把握していなかったかもですが、ドクターはキングピンにちゃんと説明はしてなかったでしたっけ、その辺りちょっと記憶が曖昧ですが)

本作はアニメーションとしてもかなり見応えがある意欲作でした。ところどころに入るコミック調の演出とか面白いですねえ。

1人じゃないことを認識しての別れも綺麗ないい終わり方でしたけど、世界は別れてもテレパスだかなんだかで会話は出来るんですかね。
続編があるなら是非観たいですねえ。ED後にいかにも続きをやりそうな描写があったし期待したいところです。
そしてエンディングの歌詞が割とヒドい(笑)

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■スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース(監督 ホアキン・ドス・サントス/ケンプ・パワーズ/ジャスティン・K・トンプソン)(2023/6/17)

「スパイダーマン:スパイダーバース」の続編です。
以下ネタバレ注意。

予備知識は宣伝CMくらいの状態で見ましたが、一言で言うと、
「おのれディケイド」
という感じでした。(世界の破壊者的な意味でも)
別世界のおじさんやら別世界の自分やら重要そうなキャラが終盤で出てきて、どう収拾を付けるのだろうと思ったら「つづく」だったとは。そもそも今回で風呂敷を畳む予定は無かったのね(^^;

ラストのグウェンの新しいチーム結成は燃えましたよ。ペニーとか出番がちょびっとだけなのか? と思ったけど他の1作目メンバーと合わせて次回で活躍してくれそうで楽しみかと。

しかしまあ、カノンイベントの恐ろしいことですよ。
スパイダーマンになったらおじさんや警察署長やら大事な人を「失わなければならない」とは、なんという酷いクソルール。
マイルスは1作目でおじさんやら初代スパイダーマンを失ったんだからそれでノルマ達成でいいじゃないかとは言いたくなります。酷い話だ…。
頑張って助けたら世界自体が滅ぶかもって、なんですかソレは…;
マイルスが「別の世界のクモに噛まれた」異分子だとミゲルに糾弾されていましたが、いやそれマイルスのせいじゃないやん…としか思えないですな。本人の責任じゃないじゃないですかー。

続編で希望のある解決になってくれればいいですが、ノー・ウェイ・ホームも悲惨な終わり方だったので希望はもたない方がいいのかも…という気分にはなります。
まあ、アメコミのいろんなスパイダーマンは必ずしも悲惨な人ばかりでも無いみたいですけど。

恐竜や馬のスパイダーマンは吹きました。色んなのがいるなあ…。
レオパルドンが出なかったのは残念でした(笑)
続編に機体、…じゃない期待しますが、東映版スパイダーマンはちゃんと見たことが無いのですが、身内を失うカノンイベントってあるんですかね。wikiってみると父親は失ってるようですが。

今作の序盤はグウェンの世界が描かれて興味深かったです。
1作目でもピーターを失った話はありましたが、父親に追われたり、彼女の状況もホントに悲惨だったんですねえ。辛い…。

世界に応じて映像表現を変えるのが面白かったですよ。映像がホント凄い。
特にグウェンの世界の絵画表現的な世界が凄いなと。

次作がいつになるか分かりませんが(来年予定?)、待ち遠しいですよ。

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■SUPER8 スーパーエイト(監督:J.J.エイブラムス/制作:スティーブン・スピルバーグ)(2011/7/18)

ストーリーも撮影技法的にも懐かしさを感じるノスタルジックなSFでした。
もっとETっぽい感じかと思ったけど印象はかなり違ったかと。アグレッシブで宇宙人との繋がりが大して無いETと言うか何と言うか。

予告の印象では、もっと「知ってはいけない事を知ってしまった少年達と軍との追いかけっこ」がメインに来るかと思ってたけど、その部分のウェイトはさほど大きくなかったですね。

あの事件の後で、主人公達や父親の立場は(軍的に)大丈夫だろうかと思ったけど、「映画」が無事完成してるよなので心配いらなそう?

タイトルの由来が最後にバンと出るのが笑いました。
そして、「映画」の中で爆弾好きの少年が何度も何度もゾンビ役をやっているのもナイスです。

保安官さんは死んじゃったんですかねえ?
はっきりとは分からなかったですが可哀想に。

ところで映画に出る宇宙人ってなんで大概似たような色合いで服着てないんですかねえ。
服は軍に剥かれてたのかも知れないけど。

無免許運転の人間に話しかけたり食い物を薦めるのは、見ていて不安になるので止めて欲しいと思いました。

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■スーパーサイズ・ミー(モーガン・スパーロック監督)(2005/01/18)

「肥満はハンバーガーが原因」とマクドナルドを訴えたアメリカの少女2人に対して、企業は「自社食品と肥満に因果関係は無い」と反論。
そのニュースを見たモーガン氏(監督)は、
『自分自身を実験台に、30日間1日3食マクドナルドの製品だけしか食べない』ことで、
どちらの言い分が正しいかを証明しようと思いつき、実行してしまったのでした。

この映画は30日の実験を記録し、またアメリカの肥満問題やファーストフード業界事情を調べてまとめられた、実験ドキュメンタリー映画です。
マクド三昧の食生活は監督の身体にどんな影響を与えるのでしょうか?・・


いやはや、身体を張った映画です。思いついたにしてもよくやるなあ(^^;

マイケル・ムーア監督の「ボウリング・フォー・コロンバイン」に連なるような「業界告発映画」です。
軽快なテンポでユーモアを交えつつ見せるスタイルも近いものがあるかと。

映画としては途中でやや冗長に感じたり、“知らなかった意外な実態や解釈”を見られるかという意味では「ボウリング〜」と比べれば物足りなく感じもしましたが(あくまで個人的に)、
しかし、日本人としては“銃”よりはるかに馴染みのあるテーマで、より身近な怖さと、見る意義を感じました。
ネットで感想を見ると「日本人には関係ないテーマだ」という意見も見ましたが、
「クローン病」患者の身としては、「他人事のつもりでいては不味いだろう」とも思いました。
アレは「食事の西欧化やジャンクフードの蔓延が戦後日本で患者が大幅に増加した原因」との説もありますので。
(↑まあ、私自身は病気前も特にジャンクフード三昧だった覚えもないですし、肥満でもないのですが(^^;))
(↑自画像はあんなですけどね(笑))

実験の結果は、ジャンクフード三昧で身体にいいわけがないという意味では「予想通り」ではあるのですが、日に日に体調が悪化していく監督の映像はやはりゾッとします。
ネタバレですが、1ヶ月でどのように監督の体調が変化したかは以下の通り。
体重は1ヶ月で11キロ増加しスリムだったお腹はぽてぽてに、肝臓がボロボロになり、血液検査ではあらゆる数値が異常を示し、動悸と頭痛に苦しみ、EDになり、情緒不安定になって落ち込みつつもマクドのメニューを食べると気分が回復すると言った中毒症状を示し、しまいには命の危機としてドクターストップ・・、等々。

実験終了後も体調が回復するのに数ヶ月を要したようです。
(体重に関しては戻るのに14ヶ月でしたっけ?(うろ覚え))
うーむ、先に「予想通り」とは言いましたがやはり恐ろしや(^^;

まあ、体重に関しては実験のルールで「運動量をアメリカ人の平均水準にする」として元々の運動量からかなり減らしていましたので、それだけでも「増えて当たり前」ではあって、
実験の公平性や信頼性という意味では疑問に感じるところもありますが、
体重を除く面で見ても充分圧巻ではあります。

「バランスの悪い食事だけを食べ続ければマクドでなくても体調を崩して当然」という意見も見ましたが、マクド単体をではなく、
そういう食生活全般を問題としている映画なので、そこはつっこむ所ではないと思いました。

この映画で実験以外で印象的だったのは「企業の戦略の矛先はまず“子供”を狙う」という所でした。
企業戦略として分かる話ですが、恐い話です。
大人なら多少身体に悪い嗜好をしようが「本人の責任」ですし、その程度も自身で調整すればいいのですが、子供ではそうはいかないですから。
判断力を身につける前にそういう食事が“当たり前”になってしまうとすると恐いですな。

まあ、企業や社会の動きは簡単に変わる物でもないですので、
大人は自力で、子供には周りの大人が自衛せねばということですね。
結論としては「食うな」とは言わないまでも「食うなら内容を考えて量と程度に気をつけろ」ということですね。当たり前の話ですが。

ちなみに「たばこは周りから注意されるのに、何故肥満は注意されないのか」という下りがありましたが、それは当たり前だと思います。
たばこは他者に迷惑だけど、肥満は基本的には迷惑ではないですから。
故に、「自己管理」が大事という事で。

ところで気付いてなかったですが、テレビでは全然紹介されてないのですね、この映画。
まあ当然か(^^;
しかし、こういう物が上映できるというのは、アメリカや日本にもまだ健全性はあるかとも思いました。

ところで2、面白かったですが、見てるだけで胸焼けがする映画でした(^^;
私自身はファーストフードは病気して以来7年食べてませんが、
一生食えなくてもいーやと思いました(^^;;

ところで3、監督「一生物の病気」にはならずにすんだようで良かったですよ〜

http://www.supersizeme.jp/

★「今日のでんでん」を見る

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■スーパーヒーロー大戦GP 仮面ライダー3号(柴崎貴行監督)(2015/3/29)

仮面ライダー3号観て来ました。
オールライダー映画にはもうすっかり内容に期待しなくなっていますが、えーと…、仮面ライダー3号のデザインやキャラクターは良かったんじゃないかと思います。黒いマスクに黄色い目が渋いですよ。
トリプルライダーキックは良かったです。V3の扱いは雑だったけど。

ライダー集合映画としては、数人の俳優有り以外のライダーの扱いがとことん雑で、ショッカーに洗脳されたただの悪役雑魚戦闘員扱いになっているので、ガッカリしそうな人も多いんじゃないかなと。
とりあえず3号以外でまともに活躍していたのは、ドライブ、マッハ、ゼロノス(+デネブ)、BLACK&RX、555、ギャレンってところですかね。

ギャレン以外も剣のライダー(俳優無し)の出番は多かったですが、剣は未見なのでそのあたりはよく分からなかったりします。
555は平成ライダーVS昭和ライダーに続いての活躍でなかなか美味しい立場だったんじゃないかと。まあ自分は555もほぼ未見なのでやっぱりよく分からないですが(^^;

ゼロノスこと桜井侑斗が準主役級で出ていましたが、電王はちゃんと見ていたので嬉しかったかと。デネブとの漫才が健在で良かったですよ。
ただ、今回の話が時間改変物だから、タイムトラベル要員として活躍するのかと思ったけど、その方面の活躍ではなかったですね。

南光太郎は、BLACKとして倒されたと思ったら当たり前のようにRXとしてあっさり復活してきて笑いました。
ドライブメインの映画と言うことで、ライドロンの出番があったのが嬉しかったです。と言うか、ドライブに合わせての車ライダーだからこその出番の多さだったんでしょうね。

何故か開催されるチキチキライダーグランプリでは、リボルギャリーが目立っていたのも楽しかったかと。あれも車ですしねえ。ただし、Wは全然目立ってなかったですけど。

マッハもドライブに並んで目立っていたのですが、最後はまさかの展開で唖然としました。TVとの整合をどうするんだよと思いましたが、おまけDVDに繋げていたわけですね。
しかし、このおまけDVDってもらえるのは先着順らしいので、遅れて映画に行った人はDVDを見れずに映画を見てモヤモヤしたままの気分で終わることになっちゃうあたりはかなり問題じゃないかと。
一応ネット配信もされてるみたいですけど、気付かない人も多いでしょうし、そもそもDVDの内容も完結してないし。

ところでマッハが555のアクセルフォームと戦って高速戦闘をやっていましたが、マッハってそこまで早かったっけと思って調べてみたら、
「走力」がマッハが100mを2.4秒でアクセルフォームが100mを0.0058秒だそうで、スピードが桁違いじゃないですか(^^;
まあオールライダー映画で作品別のライダーの能力差の矛盾とか気にしても仕方ないですけどね。

・おまけDVD 仮面ライダー4号 エピソード1
映画の続きの話ですが、先にも書いたように完結してません。エピソード2は配信されてるみたいだけど会員にならないといけないそうで、面倒だなあ。

とりあえずエピソード1は、映画よりも登場人物とストーリーを絞ったおかげで見やすくて、映画よりむしろこっちの方が面白かったですよ。終わってないですけど。

マッハの衝撃展開の後の展開を描いていますが、何というシュタゲと言うかバイツァダストと言うかレクエイムと言うかでした。子供用としてはムゴいんじゃね?、とか少し心配してしまいましたよ。

ゼロノスがマッハの口上のことを派手だとか言ってましたが、侑斗は人のことは言えないと思います。

公式サイト

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■スーパー戦隊MOVIEレンジャー2021(2021/2/23)

戦隊映画三本立てを見てきました。以下ネタバレ注意。

・魔進戦隊キラメイジャー THE MOVIE ビー・バップ・ドリーム
現戦隊。
夢の中で魔女ミンジョと戦う話でしたが、いい出来で楽しめました。
夢の主は結局ガルザだったわけですが、キレイな花畑とかを夢で見ているあたり、現在のTV本編での展開を思うとガルザの善良さとかを感じられて切ないものがあります。オラディンの扱いは悪かったけど決定的に悪意ある扱いではないしなあ。
そしてダンサブルなエンディングでは、踊りはしないものの音楽に合わせての足踏みが後半になるに従って段々とノリノリになっていくガルザおじさまがなんというか萌えますね。
時雨のかき氷万力は吹きました。万力が既にキャラの一部として機能している(笑)
赤いショベローは特別感があっていいですね。PPAP目覚ましは吹きます。ザビューンと魔女の因縁を忘れず描いてくれるのが丁寧ですね。

・騎士竜戦隊リュウソウジャー 特別編 メモリー・オブ・ソウルメイツ
前戦隊。
未見だったので話やキャラを把握出来ていないのですが、TV最終回より前の話だったようですね。この手の映画って割と「最終回後」の話をやるイメージだったので意外でした。
どうも、死んだ仲間との楽しかった思い出を振り返っている感じだなあと思いましたが、検索してみると本当にそういうことだったようで、なるほどなあ。

・機界戦隊ゼンカイジャー THE MOVIE 赤い戦い!オール戦隊大集会!!
次期戦隊。
これまでの戦隊シリーズとの関係とか基本設定はまだ詳しくは分からないところもありますが、キャラは魅力がありそうなので放送開始が楽しみです。
歴代戦隊との繋がりは、基本的に同じ世界内で繋がってることになっていたゴーカイに対して、今回は平行世界な扱いのようで、ディケイドの○○の世界って感じになるんでしょうか。
ところで本編中でもうがい手洗い消毒とか言ってたけど、4人がロボで気ぐるみなのはやっぱりソーシャルディスタンス戦隊なのか?(^^; でもまあコロナ対策としては有効かも知れず。
戦闘時のロボは動きにくそうな造形に見えますけど、結構アクションを頑張っていたかなと。必殺技が生身ゴレンジャーハリケーンなのは吹きます。お前がハリケーンになるんだよ!
音声とかちらほらゴレンジャー感が強かった気がしますよ。
「お前、バカじゃないのか」ではなく「赤じゃないのか」でよかったです。
歴代レッドの紹介シーンはどんどんパネル分割が細かくなっていって全然追いきれなかったです(笑)
これまでのワルモノの皆さんは懐かしいですね。それぞれの世界に戻って悪事を働くらしいけど、それぞれの戦隊の本編中に戻ってその後倒されるんですかね。本編途中でグランドジオウに呼び出された感じでしょーか。

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■スーパーマン リターンズ(ブライアン・シンガー監督)(2006/08/29)

別名「帰ってきたスーパーマン」

19年ぶりのスーパーマンの新作で、リメイクではなく、きっちりこれまでの映画シリーズの続編として作られています。
ただしストーリー的には旧シリーズの2・冒険編の後のようです。3・4は考慮してない…のでしょうか? (4は見てないのでよく分かりません。)
一応自分の鑑賞歴は、シリーズ1〜3は子供時代に見て結構内容も覚えていて、
1は先日TVでやっていたのを再見しました。4とスーパーガールが未見。

以下ややネタバレなので注意。

5年間地球を離れていたスーパーマンが帰ってきたところ、地球では事件が増えてたり、
想い人のロイス・レーンが子供を作って他の男と結婚を控えてたりした、という状況です。

スーパーマンの続編として、「ヒーロー物」として実に直球な作りで素直に面白かったです。
昔ながらのテーマ曲にはやはり胸が熱くなり、鑑賞後も気持ちよく劇場を出ることが出来ました。
監督はX-MEN1・2の人で、ヒーロー物の映画化には流石に手慣れた様子。
154分の時間の長さが気にならなかった良作です。

映画はかなり旧作を踏襲していて(制作者の愛が籠もっていて)、
旧作ファンであればかなり楽しめるのではないかと思いました。
クラシカルな世界観を保ちつつ、随所に旧作へのオマージュを挟んでいてニヤリとさせます。(「飛行機〜」のセリフとかがまたニヤリ)

そして、その一方で現代的な要素も盛り込み、最新のSFXでスーパーマンが立ち向かう事件のスケールも広げて、“今の時代”にスーパーマンを作る意義を感じさせる映画として仕上がっていると思えました。

ただ、旧作を知らない世代にこの映画が受け入れられるかどうかは自分には分かりません。
やはり、旧作ファン向きの映画には違いないでしょう。設定の説明もあまりされてませんし。
ですので、旧作の1は復習しておいた方がよさそうです。
出来れば2もでしょうね。(ロイスとの仲のあたりとか)

それでも、旧作を知らないと全く理解できない、と言うことも無いのではないかとも思いました。
確かに説明は少ないですが、元々が割とベタな、と言うより「ヒーロー物の典型的基本」と言える設定ですし。劇中のセリフから推測は出来ると思いますし。
最低限、
・スーパーマンとロイスは元いい仲だった
・スーパーマンはクリプトンナイトが弱点
・レックス・ルーサーは宿敵
が理解できれば概ね大丈夫ではないかと。

主役のクラーク・ケントを演じるブランドン・ラウスは素晴らしいハマり役でした。ホントスーパーマンですよこの人。
今の時代でもあくまで「土地」にこだわるレックス・ルーサーもニヤリでした。
ちょっとネタバレですが、「あんな土地はいらねー」と思いました(笑)

ヒロインのロイスとの恋愛劇は、ロイスがスーパーマンを「待ってなかった」あたりが実に現代的。
そりゃあ5年もほっとかれたら普通はフラれますよ。
想い人に他の相手が出来ていたりする展開は最近の「スパイダーマン2」を連想しましたが、
今作ではロイスも相手役も大人なので、スパイダーマンのMJに感じたようなモヤモヤ感があまり感じずにすみました(笑)
ちなみに、ロイスの相手役の人はX-MENのサイクロプス役の人と言うことで、
いい人なんだけど、微妙な可哀想感がサイクロプスと被ります(笑)

劇中で描かれる「スーパーマン不要論」はもう少し突っ込んで欲しかった気もしました。
まあ結論をぶっちゃけると
『お父さんは子供の宿題を手伝いすぎても駄目だけど、子供の手本にはならないといけない』と言うことか?(超意訳)

スーパーマンの衣装がちょっとバージョンアップしていて綺麗になっていました。
最近のスパイダーマンみたいな生地で通気性の良さそうです。
ところであのコスチュームって、スーパーマンの育てのお母さんの手作りじゃなかったっけ?(これってアメコミ版だけの設定でしたっけ?)
器用だなあお母さん。

20年近く前の時代から約「5年後」くらいのはずですが、デイリー・プラネット社ではパソコンや液晶テレビが使われているのはご愛敬です(笑)、携帯電話も出てますし。

飛行機事故のシーンでは、先日「ユナイテッド93」を見たばかりと言うこともあって、さすがに揺さぶられました。
所々で9.11を連想する要素が織り込まれているのは、やはり「今」の映画です。

それにしても飛行機シーンのロイスは頑丈です(笑)

今作では悪人が結構死んじゃってますよね。そのあたりがちょっと残念。

「スーパーマンの子供」問題については、スーパーマン - Wikipediaで「 地球人の体は彼から放出される精液弾により容易 に破壊されてしまうのでロイスとの間に子どもを作る事は物理的に不可能」とありますが、これって本当に公式設定なんでしょうか?(笑)、
検索してみると、ara.logさんの記事で「スーパーマンの子孫存続に関する考察」がラリイ・ニーヴン著の「無常の月」という本(トンデモ本?)で書かれているがとのことですが、もしかしてwikiで書かれたことの元ネタってこの本なのでしょうか?(^^;

その辺はさておき、映画については、2で一度スーパーマンが人間化した時に出来ちゃったと考えればいいんですかね。
(2を見たのはかなり前なのでウロ覚えですが)

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■スペース・トラベラーズ(2000/05/06)

宣伝を見て、ナンセンスギャグ物かと思ったら、何故かラストだけシリアスになってしまった。

こういう馬鹿な話で最後だけ現実的になられても困ってしまうなあ。

ギャグとしてもシリアスとしても中途半端で思いっきり笑うことも泣くことも出来ない。
(ついでに人物に共感も出来ない)
御都合主義の断片の寄せ集めだけで構成されたような印象でした。

この映画の前日見た「グリーンマイル」の3時間は平気だったけど、
「スペーストラベラーズ」の2時間は長かったです。
まあ比べるものでもないけど。

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■SPACE BATTLESHIP ヤマト(山崎貴監督)(2010/12/7)

期待せずに気楽に見たおかげで案外楽しめました。もとい、結構笑えました。(おぃ)
(原作を知っている人はもっぱら笑うか達観するか受け付けないかなんじゃないかと。)(かと思ったら劇場では泣いてる若い人もいたようで、予備知識や先入観が無いと泣けるのかなあ…。自分が汚れちゃってるのかも知れませんが)
一言で感想を言うなら「よく出来た新春かくし芸大会」なんですが、
一本の映画としては原作の要素をそれなりに取り入れつつ、それなりにはまとまっていたんじゃないかと。
少なくとも、映画版CASSHERNや映画版デビルマンよりははるかにマトモに楽しめました。

森雪が強気で攻撃的なエースパイロットだったり、佐渡先生が女だったり、デスラーがとんでもないことになっていたり、アナライザーがまたとんでもないことになっていたりと、なんとも凄かったですが、
原作とはまるでイメージが被るところがないスパルタンな森雪のキャラのおかげもあってか、かえって清々しく見られた気もします。
以下羅列。ネタバレありで。

・古代があまり古代っぽくないですが、森雪も森雪っぽさは皆無なのである意味問題無いかも知れず?
・佐渡先生は案外あれはあれで合っていなくもない気もします。それにしてもカイジもそうだったけど、何故漫画やアニメが実写になるとおっさんキャラが女性になるのやら。
・真田さんは見た目は結構いい印象でした。あまり賢そうじゃないですが。
・波動砲もワープもイマイチ演出があっさりなのね。
・ワープの変な演出が無かったのが残念。
・どこの世界のエイリアンだ<ガミラス まあ青いことは青かったけど!
・短い時間で話がスイスイ進んだのはガミラス側の描写がほぼカットだったおかげもあるのかねえ。
・先にも書いたけど、アナライザーがまったくもってとんでもないことになっとるがね。
・ドリルミサイル詰めたままで帰ってくるなよ;
・古代の前に死んだ人達が出てくるシーンでアナライザーだけいないのが悲しい。所詮無機物の扱いはこうなのか。
・地球のピンチを前にして何をグダグダやってるのやら。よく間に合ったものだ。
・この終わり方だと続いたりはしなさそうね。
・とりあえず猫(ミーくん)は可愛かった。

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■300(スリーハンドレッド)(ザック・スナイダー監督)(2007/06/12)

紀元前480年、ペルシアとギリシアの戦いにて、レオニダス王率いる僅か300人のスパルタ兵が、クセルクセス1世の1000000人のペルシア大軍を迎え撃つと言う、
史実のペルシア戦争の「テルモピュライの戦い」をベースにした、フランク・ミラー氏のアメコミの映画化作品です。
なお、史実は詳しくなかったですし(概略に何となく覚えがあった程度)、アメコミ原作も未読でしたが、映画を楽しむには(多分)問題無かったのではないかと。
細かい時代背景やストーリーよりも、ひたすらにアーティスティックなビジュアルと圧倒的なアクションを楽しめばよい作品かと思います。

映画の大部分の時間を費やした、CGを駆使したド迫力の戦闘シーンがもう凄い、問答無用で凄い。筋肉隆々の男達の肉体美の美しいこと。
血湧き肉躍り、手足や首が飛びまくる、暴力のカタルシスがもの凄い作品でした。
ストレス解消でテンションを上げるにはもってこいですよ。ぷっはー(笑)

良いも悪いも細かいことはどうでもよくなる、観ていて『男汁』の出まくる快作でした。
アメコミチックなビジュアルが美しく、スタイリッシュに暴力的で実に心地よかったです。
満足―
血がドバドバ出まくるのにむしろ「美しさ」を感じさせる映像がアート的です。
ストーリー自体は単調なので観る人によって好みは別れるでしょうし、
子供にもオススメしないですけどね(笑)(てーかR15か)

史実ベースとのことですが、アメコミ原作というだけあって極めて荒唐無稽な"漫画的"な映画になっています。
カニ男やサイやらゾウやら、どこのファンタジー映画の住人かと思いました。ゾウなどはロード・オブ・ザ・リングに出ても似合いそうかと(笑)
ただ、荒唐無稽でありながらも決して「バカ映画」ではない、男の熱さを描いた映画なのが良かったです。

映画での背景描写は、現代の世界情勢を考えると少々焦臭い物も感じましたが、
個人的には(先にも書きましたが)この映画はあくまで「おはなし」として映像美を楽しんでしまえばいい作品ではないかと思います。
そして、史実に興味を持てば調べればよいのではないかと。
(とりあえず史実に関するwikiの記述はこちら、ペルシア部隊の実数なども諸説あるようです)

ともあれ、数百から数千倍の敵を相手に勝ち目のない戦いを戦い抜いたレオニダス王の生き様は、ぬるま湯に浸かった現代人の身としては良いも悪いも通り越して、とにかく凄絶としか言えません。"英雄"と呼ばれる訳だなあ。

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■THREE 臨死(2004/06/22)

3人のアジア映画監督による三作品からなるホラー・オムニバスです。
それぞれ内容は以下の通り。

「メモリーズ」キム・ジウン監督(韓国)
妻が行方不明になった男は悪夢に魘される。
一方妻は見知らぬ路上で目覚め町を彷徨う。
途中、鏡を見た妻は自分の姿が死人のように黒ずんでいる事に気付く・・

「ホイール」ノンスィー・ニミブット監督(タイ)
人形劇団団長の妻と子供が溺れ死に、葬儀中に団長も原因不明の火事で死んでしまう。
参列していた舞踏団団長に人形劇団の生き残った弟子は“人形の呪い”だと話す。
舞踏団団長は呪いを信じず人形を手に入れるが、次々に悲劇が起こる・・

「ゴーイング・ホーム」ピーター・チャン監督(香港)
取壊し間近の廃墟のような共同住宅に警官の父と幼い息子が越してくる。
住宅には殆ど人がいないが、隣には陰気なメガネの男と幼い娘、そして半身不随で姿を見せない妻が住んでいた。
ある日警官の息子が行方不明になる。隣を疑った警官がメガネの男の家に踏み込むと、そこにはメガネの男の妻の「死体」がバスタブにつけられていた・・


「メモリーズ」
冗長で単調で展開は予想通り、「リング」以降のホラー演出をコケおどし的に意味不明に散りばめただけの映画。駄目です。

怪奇話に整合性を求めるのもどうかとは思うけど、映画にするなら誰が誰を呪っているのか程度の整合性は必要かと反面教師的に教えてくれます。
まあ、整合性があると見せかけて不条理な恐怖に叩き落す手もありますが(女幽霊とか)
この作品はただ「意味が通ってない」だけです。

「ホイール」
馴染みの薄いタイ文化は興味を引きますが、
ホラーとしては面白くないです。子供向け怪談レベル。
舞踏団団長が人形にこだわる理由が分からないのが辛いです。どーもタイでは人形劇が舞踏より地位が高いかららしいですが、
映画からそれを読み取り難いのは減点かと。

「ゴーイング・ホーム」
前ニ作が全く駄目で、見て失敗だったと後悔しましたが、これは良かったです。1本で元が取れました。
恐いというより物悲しい話。夫婦の愛を描いた悲哀を感じる話です。
最後のビデオに何とも言い難い思いを感じます。

いるはずの無かった娘は何を思って息子を誘ったのかと考えたりもして、あの結末を望んだのではなどと、
ラストから想像するに過ぎませんが。切ないなあ。

http://kadokawa-pictures.com/THREE/

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■青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない(増井壮一 監督)(2019/6/16)

青ブタ映画観てきました。TVシリーズは視聴済み。原作はTVでやった1〜5巻まで読んだ状態で鑑賞。
TVシリーズを通じて引っ張った、今の咲太の人格形成に大きな影響を与えた“翔子さん”メインの話ということで楽しめました。
と言うか、メインヒロインの麻衣さんも大きく絡むので実際“咲太、翔子、麻衣”3人の話ですね。
他のヒロインもそれぞれに出番があって良かったかと。
以下ネタバレ注意。

★★★

いきなり修羅場同棲でハーレムラブコメみたいな導入でしたが、
3人のうち誰かが死なないと収まらない話でどう収めるのかと思いましたが、最後はいい終わり方で良かったですよ。
いやまあ、バッドエンド・ビターエンドな作品もそれはそれで嫌いじゃないし否定はしないけど、本作のこれまでのスタンスからすると出来るだけハッピーエンドで終わって欲しいわけで。ラストシーンはホッとしました。

最後はつまり、元の世界線(という言葉を本作でも使っていいのかどうかはともかく、とりあえず)での記憶に影響を受けた麻衣さんが臓器移植を扱った映画に出たことでドナー登録者が増えて翔子も助かったということなんでしょうけど、
咲太・麻衣・翔子は助かったとは言え、誰かがドナーになったことは確かなので、ハッピーエンドと言っていいのかという気持ちにならないこともないですが、それを言い出したらキリがないし、見えない範囲までは救えないよなあと。
少し複雑ではありますが、3人の行動で新たな犠牲者が増えたわけでも無いしなあ。

咲太と翔子さんとの出会いが無かったことになっても、以後の出来事は大きく変わっていなさそうなのは、プチデビルの時と同じような感じなんですかね。
翔子さんと出会っていないと咲太の精神性に大きな差が出そうなんですけども、それも「元の世界線の記憶の影響」で咲太の性格もあまり変わっていないと考えていいのかなと。やや都合はいいけど、まあいいか。
歴史の修正力…みたいなものかとも考えますが、「決定した人の死は容易に覆せない」シュタゲみたいな世界観じゃなくで良かったですよ、いやホント。

翔子は大・小とも魅力的で観ている方としても助けてやりたいと思いますが、人のために自分の命まで差し出せる咲太・麻衣は凄いなと。翔子さんにしても自分以上に咲太・麻衣を助けたくて現在に来たわけで凄い覚悟ですよ。
自己犠牲はあまり肯定したくないし、本作でも肯定はされてない(むしろ否定されてる)と思いますけどね。
ところで、少し歳上のお姉さんキャラかと思いきや、実は歳下キャラでもあるとは、翔子さん一粒で二度美味しいなあと(おぃ)

先にも書いたけどメイン3人以外の皆もいい感じに出番があって良かったですよ。
花楓はTVシリーズのその後が気になっていましたが、やっぱり(かえでではない)花楓の方もいい子じゃないですか。
双葉は思った以上に友達として咲太を大事に思っているのだと分かって良かったですよ。
「誰も認識出来ない」未来咲太を認識出来たのが朋絵だったのは、翔子さん同様に時間関連の思春期症候群の関係者として納得感がありました。何気に今回の話のVIPかも知れない。

満足度の高いよい作品でした。
今回の映画の話が原作6・7巻の内容のはずですが(これから読みます)、原作既刊は現在9巻までだし、アニメとしての2期は難しいかもですが、以後は原作を追いかけて楽しもうかなと。

ところで大変に大変にどうでもいいことだけど、ブタ野郎なのにウサギの方が印象的なのはどういうことかと思いました(笑)
まあ最初からバニーガール先輩だし仕方ないね!

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■青春ブタ野郎はおでかけシスターの夢を見ない(増井壮一監督)(2023/6/24)

青ブタ映画2作目。前作は2019年だったので3年も経ってるんですね。
今作は「かえで」から元の人格に戻った「花楓」の受験の話。
これまでTVシリーズや前作映画で大きな扱いになっていた思春期症候群は控えめで、かなり現実的な話になっていました。(痣が思春期症候群だけど、それ自体はどうしようもないのね…)
話がリアル寄りなだけに、受験で体調を崩してしまった。花楓の場面はより辛いものがありましたよ。

終盤は通信制についての話が主でしたが、実際の通信制高校のことは知らないのであまり言えることが無いのですが、全日制以外でも色んな選択肢が選べるのはいいことなのではないかなあと。
最後に花楓が自分の意思で決めたのはよかったかと。
消えた「かえで」の残したノートは泣いちゃいますねえ…。
それにしても咲太はいいお兄ちゃんをしてますな。

次はランドセルガールも映画でやるんですね。冬が楽しみです。

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■青春ブタ野郎はランドセルガールの夢を見ない(増井壮一監督)(2023/12/23)

高校編完結。
咲太が母を顧みる話でしたが、咲太の家の場合は大分大変な状況でしたけど、普通の家庭でも親をちゃんと顧みる機会って意外と無かったりするよなあと、耳が痛い話です。

今回の思春期症候群は咲太が周囲から認識されなくなる話で、シリーズ最初の麻衣さんが認識されなくなる話の裏返しで、シリーズの一区切りとしてはふさわしい内容だったかも知れません。
大学編も続いていますけどね!
とりあえず、咲太がバニーガールにならなくてよかったぜ。
それにしてもこの世界、(認識されていない)行方不明者が大量にいそうで恐ろしい世界ですな。(なお原作…)

問題解決は割とあっさりでしたけど、そもそも思春期症候群ってきっかけも些細なことだったりするので、妥当なのかなと。

ところで古賀は可愛いな。

大学生編もやるみたいですが、今後も映画でやるんですかね。

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■聖闘士星矢 LEGEND of SANCTUARY(さとうけいいち監督)(2014/6/22)

3D版星矢観て来ました。
星矢達と沙織さんの出会いから十二宮突破を93分でやるためかなりの高速展開でしたが、テンポよく割と楽しめたかと思います。
ストーリーについては今更という気もするので、以下キャラ別感想で。

星矢… 3Dでリアル寄りの絵でありながら馬鹿っぽさがあるのは良かったんじゃないかと。3Dの聖衣はともかくマスクは被ってると個性が薄れるのがちょっと今一ですかね。 
紫龍… 何だか凄くボケキャラになってました。なんだあのラスト; やっぱり戦闘中に脱ぐあたりは安心しました(笑)
氷河… 尺が無いので印象控えめでしたが師弟対決があったのは良かったかと。クールさはさほど感じなかったですな。ヘッドパーツのでかい羽根が無いのが物足りないけど、あったら腕を上げられないから仕方ないか。
瞬… 冒頭の雑魚戦以外活躍全然無し! 弱い!
一輝… 矢座相手にしか強さを発揮出来ず。出番が無さ過ぎでちょっと悲しいよ兄さん。シャカ戦があれば良かったんだけどねえ。

沙織さん… 人を馬代わりにするような原作初期の鬼畜さが皆無で実に「きれいなお嬢様」でした。最近のスピンオフ物しか知らない若い人って城戸沙織の鬼畜っぷりを知らない人をいるかも知れず。
城戸光政… まさかの冒険者て(笑)
辰巳… 眼鏡はいいけど禿げてないのが残念。というか車事故の時の様子が不自然だったけどヅラ? 3Dで竹刀持って暴れる姿が見たかった。

ムウ… 何故眼鏡男子だし。原作通りにおいしい理解者ポジションですが、修復シーンが無いしセブンセンシズの解説もしないので有能アピールは少なめ。尺が無いから仕方ないね。
アルデバラン… 尺が無い中で割とまともに戦いが描かれていい扱い。その後の豪快な理解者っぷりもおいしいですな。沙織さんのアッシーになってたのはある意味原作より納得感がありました。ヒゲ。
サガ… ラスボスだけど二重人格要素は無かったような。言葉通りに化け物でした。つーか冒頭で羽根も無いのにビュンビュン飛んでたのがビックリ。
デスマスク… なぜミュージカル風(笑) ラスボスのサガ以外で本作の悪役ポジションを一手に引き受けてました。過去の蟹座はマニゴルドもデストールも格好良かったのにどうして現代蟹座はこうなのやら。ヒゲ。
アイオリア… ライトニングの名前の通りに技が電撃っぽくなってるのが格好いい。理解者かつ操られ役で原作とあまり印象は変わらなかったけど、なぜヒゲ。
シャカ… いきなり理解者役としての登場でおいしいと言えばおいしいけど、おかげで一輝の出番が一気に激減。罪な人だ。
老師… えーと、出てないですよね?(見落としてなければ)
ミロ… まさかの女性化で「さそり座の女」、何故か星矢相手に戦ってたけど、尺が足りなくてなし崩し的に味方になっちゃった印象。
アイオロス… 原作とあまり変わらず。でもヒゲ。
シュラ… ガチ敵役かと思いきや、真相を知らされてあっさり味方化。原作と違って死ななかったのは山羊座的に嬉しい。サガ同様に冒頭で空を飛び回ってたのが不思議。舞空術でも使えるのか? たしかヒゲ。
カミュ… 肩の水瓶キャノンに吹く。師弟対決があったのはいいけど尺が足りないためにあっさり負けすぎ。この展開だとシュラ同様に生き延びてもよかったんじゃないですかね?
アフロディーテ… 本作で一番かわいそうな人。何あの意味ない殺されっぷり。ある意味印象は深いと言えなくもないけど。

サンクチュアリはすごい未来都市になってて吹きました。
それにしても、異様にヒゲが多かったのが不思議です。

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■世界最速のインディアン(ロジャー・ドナルドソン監督)(2007/02/13)

■以下ネタバレ注意

60歳を越えて、40年以上独自に改良を続けた骨董品的に古いオートバイ"インディアン・スカウト(1920年生)"にて、現在でも破られていないスピード世界記録を1960年代に打ち立てたという、漫画のような実在の人物"バート・マンロー"を描いた映画です。

自分はバイクには詳しくないですが、それでも全く問題なく素直に面白かったです。
ゆるい空気感と御都合的にも見える展開は好みが分かれるかも知れませんが、アンソニー・ホプキンス演じるぶっ飛んだじじいは見物だろうと思います。
映画で描かれるバート・マンローの人間性や行動がどこまで実話に即しているかは分かりませんが、
まずこのバートのキャラクターが面白い。

年金をバイクの改良に注ぎ込み、若者とスピードで張り合い、
ニュージーランドから地球の裏側とも言えるアメリカ・ソルトレイクのスピード競技会に財産を注ぎ込んで向かうと言うのに、宿の予約もしていないという行き当たりばったりぷり。
それでいて異様な行動力と他者の親切に助けられてピンチを乗り越えるという、これまた漫画のような人物像が実に楽しいです。
とてもはた迷惑な人なのに、人懐っこくて憎めない愛すべきじじい像を演じるアンソニー・ホプキンスが楽しそうで、存在感たっぷりで実にハマり役でした。とてもレクター博士と同じ人とは思えません(笑)

実在のバート氏は、元々最高時速80キロのバイクを改良して300キロを越える記録を出したとか。映画では資金不足もあって「台所のドア」まで改造に組み込んでましたが、どんな改造をすればそこまでの改造が出来るのやら。
繰り返しますが本当に漫画のような話です。現実はフィクションより奇なりだなあ。

映画で競技会の舞台になった"スピードの聖地"アメリカのボンヌヴィル塩平原(ソルトフラッツ)は『氷の無いスケート場』のようで、とても不思議な風景でした。
塩の湖が乾いたデザートエリアで、地面が塩でガチガチに固められた広い広い空間のため、時速500キロ以上を出すことが出来る地球上でも数少ない場所の一つなのだとか。

1960年代のゆるやかで大雑把な空気感がなんともいいですね。情報社会の現代では同じ話は成立しないでしょうねえ。

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■ゼーガペインADP(下田正美監督)(2016/10/17)

2006年のTVシリーズからの10周年プロジェクト作品。
単なる総集編ではなく、新キャラを足しての新解釈らしい…と言う程度のことは分かっていましたが、それ以上は深くは調べずに観に行きました。
なお、TVシリーズは本放送時と何年か前の再放送時に視聴済みですが、細かいところは忘れていました。

★★★以下ネタバレ注意★★★

上記のような認識で観に行ったので、「TVシリーズとは違う結末の新解釈編」とかだとTVシリーズを台無しにされるようで嫌だなあとか思っていたのですが、
序盤に妹が出た時点でどういう内容かが分かりました。
きっちりTVシリーズにつながる、エピソードゼロの前日譚だったわけですね。
TVシリーズのシーンを多く使いながら少し違った展開を見せるというやり方が、サーバ内で5か月を何度も繰り返すゼーガペインのループ構造にピッタリで面白い試みでした。

TVシリーズ開始前の、「一度死ぬ」前のキョウとシズノの絡みとか、妹とのやりとりとか、カミナギが覚醒する切っ掛けになった映研のカノウ・トオルの登場とかが興味深かったですよ。
引っ越したキョウの先輩のコハクラ・ナツミも(ちょっとだけ)登場しましたが、こちらはTVシリーズで名前が出ていたかどうか忘れていました。妹との会話で出てたんだったかなあ;
コハクラ・ナツミの出番は本当に少しだけだし、カノウ・トオルも存在感はあるけどそれほど活躍するわけでも無いのですが、
「ループを繰り返すうちに知っていた人達が消えていく」重みや「いつか目覚めさせたい」という願いを表す存在として良かったんじゃないかと思います。妹が消えてるところは切なかったですよ。

気になったこととしては、「TVシリーズで再生される前のキョウ」はもっと冷静で繊細な性格だったんじゃなかったっけ?、…と思ってましたが、たいしてTVシリーズのキョウと変わらなかったことかなと。
まあ、ループを繰り返しての終盤だと大分重い感じになってましたけどね。
とりあえずシズノと話すキョウはイケメンでした。

見落としたかもと思いましたが、「ミテイルセカイヲ シンジルナ」のメッセージを残すところが描かれるかと思ってましたが、直接的には無かった…ですよね。先にシズノを帰らせたところでやってたんでしょうか。

カミナギの未来予知的なシーンは正直謎でした。そんなことが出来るとほぼ超能力なんですけど、単に今回カミナギが覚醒しないままだからファンサービスとして入れたんでしょうか?

先生が記憶を消していたのはなかなか切なかったですよ。そりゃあ、ループに耐えられず擦り切れちゃう人も出ますよね。

どのループでも水泳部の仲間と最後は仲直りしているあたりは微笑ましかったです。

ラストがTVシリーズに繋がるところで終わるのは予想が付いたので終盤はなかなか重苦しい気分で観ていました。やっぱりあそこで終わりますよねー。

ミナトさんはあんなにポンコツっぽい人だったっけと思ったけど、元々あんな感じだったかも知れません。

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■セルラー(デビッド・R・エリス監督)(2005/03/08)

タイトル通り、携帯電話を小道具に生かしたサスペンス映画です。
宣伝ポスターを見るとホラー映画と勘違いしそうですが、ホラー映画でも無ければ「着信アリ」のハリウッドリメイクとかでもありません(笑)
95分という短い時間で序盤から最後までハイテンションのままでグイグイ引っ張ってくれる、
緊張感とユーモアとアイデアに満ちた娯楽ムービーでした。
ツッコミ所もありますが、テンポの良さのおかげで全然気になりません。
後に心に残るような物はありませんが、
始終のドキドキ感と、スカッとした爽快感で劇場を出させてくれる、実に痛快で無駄のない、正しい娯楽映画でした。
いやー面白かった(^^


高校教師の女性ジェシカは、ある日見知らぬ男達に誘拐される。
監禁された部屋の壊れた電話の配線を独力で復旧させた彼女は、ビーチにいたナンパな青年ライアンの携帯電話に繋げることに成功する。
ジェシカは誘拐されたことをライアンに訴え、警察に連絡して欲しいと頼むが、
いきなりかかってきた見知らぬ相手の言葉をライアンは当然なかなか信じようとはしない。
ライアンに繋がったのはあくまで偶然で、思い通りの相手に電話をかけることも、ライアンの携帯にリダイアルすることも出来ないジェシカにとって、
やっと繋がったこの細い回線はまさに命綱だった。
果たして彼等は事件を解決できるのか・・・


“携帯電話”を映画の小道具としてここまで(利点も欠点も含めて)最大限に活用した作品は始めて見ました。
まさに『タイトルに偽り無し』
映画としての携帯の生かしっぷりは「着信アリ」の比ではありません。(何を比べてるのやら(笑))

携帯が普及した現代ならではの映画です。
携帯にしても、その他の細かい諸々にしても、伏線や小道具の生かしっぷりが素晴らしい。
練り込まれたアイデアと勢いとが相乗効果で、実に楽しい娯楽映画になっておりました。
細かい部分への配慮が心地よかったです。金魚とか(笑)

原案は「フォーンブース」の脚本のラリー・コーエン氏ということです。
フォーンブースはほぼ公衆電話ボックスだけを舞台に、電話ボックスから一歩も出られなくなる男を描いた映画でしたが、
今回は携帯電話に振り回されて街中をあちこちに飛び回らせられる男を描いた作品という訳で、
ある意味、姉妹作と言ってもいいかも知れません。監督は違いますが。
なお、今作の監督は「デッドコースター」の人らしく、テンポのスピーディーさも納得です。
映画開始から5分で事件が発生して、以後は突っ走るのみと言う無駄の無さと潔さも爽快でした。

ドラマの脚本が実に面白いのですが、演じる俳優も作品の雰囲気に合って映画を盛り上げてくれていました。
3人の主要人物がそれぞれ味と粋があっていいのです。
序盤軽いだけの若造に見えた主人公の憎めない逞しさも、3人目の人物のヒゲも味わい深いです。

ところで映画を見て、自分は携帯の機能をほとんど活用してないなあと思いました(^^;
もっとちゃんと機能を使いこなさないとなあ。いざという時の為に(笑)

ところで2、携帯を受けたのが自分だったら絶対信じないだろうなあと思いました。詐欺まみれの昨今ですし(^^;
せいぜい警察に電話を渡そうとするまでだろうなあ。
主人公は今の世の中だと騙されやすい人かも知れませんが、でもいい奴ですよ。

http://www.herald.co.jp/official//index.shtml

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■ゼロ・グラビティ(アルフォンソ・キュアロン監督)(2014/2/23)

12月の上映開始から随分経ってますが、1〜2月でバタバタしていた状況が落ち着いたのでようやく観て来ました。
宇宙空間での船外活動をしていた宇宙飛行士が事故で宇宙服だけで宇宙に1人放り出されて孤立する話です。

ストーリーは至極単純で、最後までの展開を説明しようとすれば数行でもまとめられてしまう話ですが、宇宙空間の映像と臨場感が素晴らしかったです。
宇宙で孤立する恐怖や、シャトルや宇宙ステーションに取り付くという地上なら容易く出来そうな移動が全く思い通りにいかないもどかしさや、刻々と減っていく酸素残量の緊迫感などなど、
身に迫る思いで楽しむことが出来ました。3D版だったこともありますが、ほとんどアトラクション的な体感ムービーですよ。

作中でまともに登場している登場人物は実質2人くらいですが、男の宇宙飛行士“マット”が頼もしくて実にいいキャラでした。彼があそこであのように出てくるのは「もしや」とは思いましたが、やっぱりそうだったあたりは泣かせます。

ところで、本作を見ていると、宇宙でモビルスーツ戦をやるのがいかに大変かというのが実感出来ます(笑)
射撃戦ならまだしも、宇宙で格闘戦とかありえないと思えてきますな。つーか真っ先に思うことは「宇宙でデブリ増やすな」ってことですが(笑)
プラネテスみたいなデブリ掃除業っていつかは実現するんですかねえ。人間がやるのは相当危険だし非効率的だし難易度が高そうだしで、やっぱり掃除用衛星とかになるんでしょうか。

逆に、こんな大変な状況でモビルスーツがあればなあとも思ってしまいました。Zでもあれば大気圏突入&着陸まで自力で出来て楽勝でしたよ。

それにしても宇宙で1人取り残されるというのは本当に恐怖ですな。テム・レイやファラ・グリフォンやケイト・ハザウェイがおかしくなるわけですよ。すぐ救出されたセシリーは本当に幸運だったと思いました。

公式サイト

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■007 ダイ・アナザー・デイ(リー・タマホリ監督)(2003/03/25)

ダブルオーセブン40周年&20作目記念作品です。
スパイ映画も冷戦が終わってからは敵役にいろいろ工夫をしたりしていますが、
今回の敵役は、よりにもよってというかタイムリーというべきなのか、北朝鮮の大佐と諜報部員だったりします。
(一応配慮したのか、あくまで悪役は「一部の軍人」となっています。)

そして今回のジェームス・ボンドはこれまでと一味違って、
冒頭でいきなり北朝鮮に拉致監禁されて14ヶ月間拷問を受け続けるわ、
MI6に見限られてクビになるわと、これまでの“水戸黄門的安定感”のあるストーリー展開とは一線を隔した、意表を突いた展開になっている・・・
・・・ように見える気がするのは実は最初だけです。

話が転がりだしてからはいつもと大差ありません、とゆーかバカです。

北朝鮮を舞台に国際的な問題意識を盛り込んでいるかというと、そんなことは微塵も無く、
ひたすら能天気なエンターテインメントとして爆走してくれて、ある意味とても微笑ましいです。
これはこれで潔いかも知れません。
消える車などのガジェットも面白く、見ている間は気楽に楽しめました。
(評価が高いという意味ではないです)

ただ、私はCGにはあまりこだわりは無いのですが、それでも一目で浮いて見えるCGシーンはちょっと残念でした。(後半のサーフィンとか)

この映画にこういうことを言うのも野暮ですが、ちょっとだけ。
山の中にお寺の釣り鐘がぶらさがってたり、軍人の部屋に日本刀や日本の鎧カブトが飾ってたりする北朝鮮像ってのも凄いものがありますね。
シュールと言うか・・・。見られて問題になったりしなけりゃいいですが。
(よく覚えてないですが、昔の007の日本像も凄かった気がするけど^^;)

http://www.foxjapan.com/movies/dieanotherday/

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■009 RE:CYBORG(神山健治監督)(2012/11/4)

攻殻機動隊TVシリーズの神山健治監督による、フル3D版で描かれた009です。
009は原作・アニメとも見たり見なかったりで、熱心なファンと言うわけではありませんが観てきました。
そんなわけで思い入れが中途半端なためか、3Dでリアルに描かれたキャラのデザイン自体は予告で見て以後数ヶ月の間にそれなりに慣れたのですが、
実際描かれたキャラクターとしては、こういうキャラだったっけ、と違和感もありました。特に序〜中盤の009。まあ記憶喪失だったらあんな危ない感じにもなる…んですかね?

話としては9.11以後の現代を舞台にしたシリアスな世界観でミステリアスさがいい感じに進んだかと思いますが、最後は結局奇跡で落とすのか?、と釈然としないものがありました。不可思議な部分が全部「 」に押し付けられてぶん投げられたようで、実にスッキリしません。
ラストのあれが「彼の声」に抗ったご褒美だとでも捉えればいいのやらどうやら。00ナンバーだけ贔屓されすぎじゃね?とも思えてしまいます。
まあ、昔の映画でも死んだ004が生き返ったりしていましたけどね。

002の「改変映像」とかも誰が用意したのやら。「彼」と言うのもおかしい気がしますし、機関が用意したとするのも映像の用意が早すぎるし、謎が残ります。

と、ストーリーの疑問点や不満点はありますが、アクション面は非常に見応えがありました。特に009、002、戦闘機による空中戦や、核爆発から加速で逃げる009は凄かったです。

アクション面では009、002の他に004、005、006もそれぞれ見せ場があって満足感がありました。その他の001や003も出番は多くて満足でしたが、
この7人に対して可哀想だったのが007と008でした。
まあ、007については序盤で説明役としての出番があったのでまだマシでした、008は本当に登場時間自体が非常に少なくて可哀想だったかと。
「彼の声」に関しての008の推測を004が説明していましたが、せめてそこはイメージとしてでも008自身が喋るシーンにしてやれば良かったのに(^^;

ギルモア博士と裁判で争ってるらしい006には笑いました。

002は、飛行時にはマッパで飛んでることになるんですかね。マッパでマッハ…(ボソ)
赤いコスチュームを着たら飛行性能が落ちそうですよ。

00ナンバーの赤いコスチュームは、リアルなデザインに対して浮いていましたが、あのコスチュームでの登場場面はやはり燃えました。
マフラーはちょっと長すぎで危なそうな気もしましたが(笑)

ラストの宇宙の場面では、てっきり「どこに落ちたい」の再現をやるのかと思いましたが、あえて避けたんですかね。

歳を取らない00ナンバーはともかく、ギルモア博士っていったい何歳なんだろうと気になりました。

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■ゼロワン Others 仮面ライダー滅亡迅雷(筧昌也監督)(2021/3/27)

滅亡迅雷観てきました。以下ネタバレ。

まさか1本で終わらないとは。
観に行く直前にバルキリーのスピンオフもやるらしいという情報は得ていましたが、本作がこんな救いのないバッドエンドで終わるとは思っていなかったですよ。
バルカン&バルキリーでちゃんと終わるんですよね? そこで完結せずに3作目のサウザーに続くとか言わないよな?(^^;

本当に救いのないところで終わってしまいましたが、(あんなアホとは言え)人死が出てしまったし(生きてるとか言わない?)、滅亡迅雷のボディも破壊しちゃったし、次作でもハッピーエンドは無さそうですよ。
或人が宇宙に行って不在の間にえらいことになってしまいましたが、帰ってきた時に無事に解決してるといいのですけどねえ。4人の滅亡迅雷はもう戻らないかもだけど。

滅亡迅雷が主役の作品ではありますが、なんとも悲しい結末ではありました。滅は不破さんと話して吹っ切れた感じで現場に行ってあの結末とは。むしろ不破さん話して覚悟が決まっちゃったんですね。
本編で謎に終わった「迅は何のためのヒューマギアだったのか」は描かれていましたが、それは「復元された後の迅」ってことなのか、最初からだったのか、どうなんだろう。
とりあえず、結局ZAIAが真っ黒だったのは分かりました。トップのCEO・リオン=アークランドがアカン奴だっただけかもですが。
CEOは割とリスク管理が出来ないアホだったなあと。マッチポンプ失敗で生命まで失うハメになりましたが、なんでも自分の予想通りになると思ってたんですかね。会社が破壊されて一般社員も巻き込まれてたらかわいそうだなあ。
…ところでちょっと分かってないですが、1000%もあのビルにいたんですかね? 一緒に埋まってしまっていたらちょっと笑うんですが。

1000%天津はCEOを疑うような素振りを見せて、どこかでいい活躍をするのかなと思ったらあれっきりでしたよ。次作で活躍するんですかね。CEOに取られたサウザンドライバー自体は無事だったっけ?
与多垣ウィリアムソンが今回休暇を取らされて不在でしたが、黒幕っぽく登場した割にまともな人だったし、或人だけじゃなく与多垣さんもCEOから邪魔だと思われて排除されたんですかね。
CEOにさくっと処分されたアズはちょっと物悲しいものがありました。人を利用しようとする奴は切り捨てられるんですねえ。

正直言って本作だけでは消化不良なので次に期待したいです。次は秋なのかー。

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■ゼロワン Others 仮面ライダーバルカン&バルキリー(筧昌也監督)(2021/8/29)

バルカン&バルキリー観てきました。バッドエンドだった仮面ライダー滅亡迅雷の続きです。
以下ネタバレ注意。超注意。


滅亡迅雷のラストが超バッドエンドだったので、本作でも滅亡迅雷.netの4人に救いは無いだろうとは思っていましたが、…まさか不破さんまで逝ってしまうとは…。
明言はされていないけど、あのEDで消える描写からして死んでますよねえ…。面白かったし格好よかったですが、正直救いが無くてメンタルダメージの大きい作品でした。
劇場版REAL×TIMEでは皆で協力して戦って高揚感の高い希望を感じるラストを迎えられたのに、そこから5人がごそっといなくなるとは…辛いですよ。もうゼロワンとしてはこれで本当に最後なんでしょうねえ。切ない…。

滅亡迅雷の目的はヒューマギアに行き過ぎた正義は悪になるとラーニングさせるためだったとのことですが、滅亡迅雷も不破さんも自己犠牲し過ぎです。まあ不破さんは別に犠牲になるつもりだったわけでは無いですが。
この事件は人間のせいだった…と言うか前作のZAIAのバカCEOのせいだったわけで、唯阿さんとしては人とヒューマギアを繋ぐために今後もソルド9&20達と頑張るつもりですけども、あれだと唯阿さんクビになっちゃわないですかね;

「株式会社仮面ライダーバルカン」は笑いました。株式あるの?
ローンウルフへの変身時の不破さんが「殴る」変身はいいですね。
宇宙の或人と不破さんの“友達らしい”会話に和みましたけど、これが最後の会話になってしまったのかと思うと悲しいですよ。或人が宇宙から帰ってきたら知り合いがごっそり死んでいるのが辛い。

1000%は今回数少ない癒やし要素だったかも知れません。やっぱり地下にいたんですね1000%
そしてゲンムズは(何かで知った気もするけど)本作の後の最後の時系列だったわけね。

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■戦国自衛隊1549(手塚昌明監督)(2005/07/14)

「戦国自衛隊」(1979年)のリメイクです。
ちなみに旧作は未見。子供の頃に見た予告は印象に残っているのですが(^^;
旧作との共通点は自衛隊が過去にタイムスリップするという設定だけのようです。


自衛隊の実験中隊が極秘実験中の事故で戦国時代にタイムスリップしてしまう。
実験中隊隊長の的場1佐の部下だった鹿島を含む救出部隊は、実験中隊を救う為にタイムスリップするが・・・


正直あまり期待してなかった為か、思ったよりは楽しめましたが、良くも悪くも「それなり」な印象の薄い映画でした。
しばらくすると忘れてしまいそうな作品かと思いました。
とりあえず、御都合主義が凄かったなあという印象だけは強く残りました(^^;
つっこみ所の多い映画でした(^^;;

事前に分かってはいましたが、「自衛隊VS戦国武将」ではなくて「自衛隊VS自衛隊」を描いた映画になっていて、
正直このタイトルから期待した物ではなかったなあと。
近代兵器に驚く戦国時代の人の姿なんておいしい絵が作れそうな設定なのに、そのようなシーンは殆ど無く、
中盤で自衛隊VS戦国の人が実現したと思ったら、戦国の人は近代兵器への対応法をバッチリ対策済みでがっかりしてしまいました。ちっ。
展開にも登場人物の反応にも“サプライズ”というものが無かったのがこの映画の一番の問題という気もします。

現代と戦国時代のが交錯する「強烈な違和感」のある絵が見たかったんだけどなあ。
鎧姿で腕時計をしている人のシーンもありましたが、“違和感”を感じると言うよりは、“下手なコスプレかサバゲープレイヤー”にしか見えなかったりしました。
どうにも芝居に奥行きを感じられない為なのか、全体的に世界の空気感も希薄で、緊張感や緊迫感やリアリティを感じられませんでした。

現代に侍がいきなり出てくるあたりは楽しかったですけどね。

まあ、私としては不満を感じる映画ではありましたが、観る人の期待所次第で判断は変わるかも知れないとは思いますけどね(^^;
とりあえず、見所として期待されそうな部分についてまとめますと、
・「ヘリ・戦車・車両VS侍」・・・根本的にヘリ・戦車・車両の出番が少ない。
・「銃・小火器」・・・出番は割とあるけど、「銃VS侍」より「自衛隊VS自衛隊」がメイン。
・「自衛隊VS自衛隊」・・・メインだけど主役同士の対決はおしゃべりばかりで冗長。長すぎ。
・「芝居」・・・はみんな今一浮いてる。でも現代に来た侍は浮きっぷりが楽しいかも。
・「SF考証」・・・こんな半端な形で取り上げるなら無かった方がいい気も。
・「登場人物への共感」・・・人物像も台詞も薄っぺらで出来ない。
・「矛盾」・・・いっぱい。なんで最後はヘリが落ちないんですか?
・「御都合」・・・いっぱい(笑)
・・・という感じでしょうか。
・・・うーむ誉められるところは誉めようと思ったのだけど、ちょっと難しかったです;
あくまで私見ですけどね(^^;
やっぱり自衛隊VS自衛隊よりも、的場1佐が戦国時代を生き抜いていくあたりの部分の方が見たかったなあ。

■追記
自衛隊の最新鋭イージス艦「みらい」が戦国時代にタイムスリップするが、戦艦も潜水艦もない時代なので敵と戦うこともなく
乗員達がその時代にこっそりとけ込んでいく様子を描いた『ジパング1549』というのはどうか?(どうかと言われても)

■追記2
いっそ戦国時代に現れるのが現代の戦車やヘリどころでなく、モビルスーツだったりする『戦国ジオン軍1549』はどうか?(どうかと言われても;)
とりあえずランバラル隊なんかがしっくり来そう。キュイあたりなら戦国の武器でも戦いが成立しそうか?
(てーかターンエーの序盤の感覚が既にソレかも。ターンエーはむしろ『宇宙戦争』かも知れませんが)

■追記3
いっそ戦国時代に現れるのが火星、もとい宇宙人のトライポッドだったりする『宇宙戦争1549』はどうかと思ったけど、
それって『清太郎出初式』(梶尾真治)と対して変わらないじゃないか(^^;;;

■追記4
いっそテニス部が戦国時代に飛ばされる『戦国テニスの王子様』(以下略)

■追記5
いっそ、幾人もの女の間でフラフラしていた超駄目駄目屑男“真中”がいきなり1人で戦国時代に放り出されて完結する『戦国いちご100%』はどうか。
こんな最終回を迎えてくれたらあの漫画を評価します。

■追記6
『戦国仮面ライダー』は今度「響鬼」でやるんですよね(・e・)

■追記7
『戦国予備校生』は椎名高志先生が4コマで描いてましたっけ。好きでした(笑)

■追記8
もはや映画の感想でもなんでもないよ(;´д`)

http://www.sengoku1549.com/pc/

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■センコロール(宇木敦哉監督)(2009/8/22)

かつての新海誠氏のように、宇木敦哉氏がたった1人の人間が作り上げられたアニメーション作品です。(声と音楽は除く)
テアトル梅田で上映が始まったので行ってきました。

公式サイト
トレーラー版動画
(本編はトレーラー版とはかなり違っていました)

街に現れた謎のモンスターと少年と少女の話です。
30分と短い作品なのでストーリーや舞台背景の説明は結構バッサリと切り取られていますが、
あえてストーリーを一言で要約すると、

男達がヘタレで女の子が頼もしかったです(おぃ)(要約しすぎ)

ビジュアル的にとても魅力のある作品で、その映像は非常に見応えがありました。
やはり大きな見所はモンスター(センコ)で、
異形な姿が街中に普通に制服少年少女と並んでいる図自体が魅力的ですし、
その目まぐるしい変形も面白いものでした。
可愛いパンダ的なものなどに変身しつつも、しっかりブキミさを演出してくれるギャップが良いね!
人間の思い通りになってくれない感じも良かったかと。

そして、やっぱりこういう作品は創作意欲に刺激を受けます。描かねばー描きまくらねばー

続編もあるかも知れないようですが、続編にせよ新作にせよ今後の活動に期待したいです。

センコロール絵

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■戦場のピアニスト(ロマン・ポランスキー監督)(2003/03/18)

第二次世界大戦時のポーランド・ワルシャワを舞台に
ナチスのユダヤ狩りを生き延びた実在のユダヤ人ピアニスト“ウワディスワフ・シュピルマン”を描いた作品です。
シュピルマンの書いた回想録を元に、シュピルマン同様にユダヤ狩りを生き延びた体験を持つ監督が撮った実話映画です。

★途中までネタばれ★
1939年9月、ワルシャワの街をドイツ軍が襲う。
しかし街に住むユダヤ人達は、シュピルマンも含めて、まだそれほど危機感を持っていなかった。
英仏が対独宣戦を告げていて、事態はすぐ収まると希望を持っていたのだ。
だが事態は少しずつ、確実に悪い方向に進んでいった。
ユダヤ人は財産を取り上げられ、狭い居住区(ゲットー)に移住させられ、
ナチスの暴挙は日毎にエスカレートしていった。
シュピルマンはピアノ弾きの仕事を得てどうにか生活していたが、
ある日遂にユダヤ人の『強制収容所への大量移送』が始まる。

シュピルマンは期せずして、たった1人収容所行きを免れてしまう。
それはワルシャワの街での、隠れ、生き延びるための孤独な戦いの始まりだった・・・


ナチスのユダヤ狩りを描いた、“ホロコースト物”ですが、
ナチスを絶対悪、ユダヤ人を被害者としてのみ描くことが多かったこれまでの多くの映画とは少し違っていて、
極めて冷静な客観的な視点で撮られた映画になっています。
ナチスにも人間性のある人物はいたり、ユダヤ人やポーランド人の中にも悪人はいたりと、とても相対的な目で描かれているのです。

これは監督自身が当事者だっただけに、感情や己の体験に流されずに出来事の事実を描こうと普請したのだろうと思います。

それゆえ、この映画には日常的なリアルさがあります。
特殊な悪人の悪行ではない、立場次第で誰が被害者に、加害者になるか分からない。
時代や集団の勢いで日常はどうとでも狂うという、リアルな怖さを感じました。
“映画の中の他人事”、では無いのです。

序盤の人々の楽観的な空気もリアルです。
いつもこうして何気なく、事態は動いてしまうのですね。
嫌でも昨今の情勢が頭に浮かびます。

前半は、まだよくあるホロコースト物にも見えますが、
後半、1人になってからがこの映画は凄いです。
極めて静かに展開しつつ、強く感じる緊張感や虚無感・・・
そしてピアノのシーン

深い見応えのある映画でした。

http://www.pianist-movie.jp/pianist/index.html

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■千と千尋の神隠し(アニメ:宮崎駿監督)(2001/08/26)

宮崎駿監督の久々の新作、
とても素直に面白かったです。

★★★ネタばれ注意★★★
言い尽くされてそうですが、思ったことを書きます。

今回の主人公”千尋”はとても『普通の子供』として描かれてました。
宮崎アニメの主役キャラは割と出来すぎ君な優等生的イメージがあるのですが
(実際は必ずしもそうじゃ無いですけどね、あくまでイメージです)
今回の千尋は決して優等生でも美少女でもない、臆病で鈍くさくてひ弱な現代っ子です。
冒頭でのブータレっぷりなど、
望まない引っ越しで小学校を転校する羽目になった子供としては実にもっともな態度で、
『そこらにいる普通の子供』に見えました。

そんな千尋がこれまでの常識の通用しない世界に放り込まれて、
両親の命までその手に握らねばならない状況の中で、元の世界に戻るため、
両親を助けるため、恩を受けた大切な相手を助けるために頑張っていくのですから、
こりゃとても感情移入して応援してしまいます。 

こうした状況の中で無気力な現代っ子だった千尋は生きる為の力を発揮して、
次第に輝きを放っていきます。
これは状況の中で千尋が成長していったのだと、
普通だと考えてしまいそうですが、監督が言うにはこれは”成長”を描いたのではなく、
特別に努力をしなくてもそれなりに生きていける現代社会の生活の中では発揮されていなかった、
”本来人が持っている力が表に現れてきたのだ”、ということのようです。
困難を乗り切った千尋が特殊な存在なのでは無い、
「あなたたちにもできるはずだ」と映画を見た子供達に伝えたかったのだ、と言うことです。
嬉しくなってしまいます。
見た人がそういうことを明確に言語化出来なくとも、見た人に元気をくれる映画だと思います。
かなり好きですな。 

登場人物は誰もがそれぞれ魅力的ですが、印象的なのはカオナシでした。
彼の不器用さは割とよくいるタイプに思えて、なんとも他人事でなく思えてしまいました。
湯婆婆(ゆばーば)もすごく味がありました。単なる悪役じゃないところが良いですね。
個人的には「オオトリさま」がお気に入りです(ゆでひよこ)

深読みすればどこまでも深く、軽く流しても楽しめて心に残る、ちょっと切ない、いい映画でした。
遠からず、また見たいです。

追記>大変蛇足ですが、
夏休みのキャンプなどで子供が生き生きしてくる状況が重なるなあとか思ってしまったり

★えいが道「千と千尋の神隠し」
★ザ・一発屋「千と千尋の神隠し」

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■千年女優(アニメ)(今敏監督)(2002/10/09)

千年生きている女優の話・・・、ではありません。(以下ややネタバレ)

映像製作会社の社長・立花とカメラマン・井田は、
30年前に映画界から忽然と姿を消した大女優・藤原千代子に取材を申し込みます。
立花は千代子の大ファンで、千代子の生涯のドキュメンタリーを製作したいと願っていたのでした。
立花は千代子に一本の古い鍵を差し出しました。
それは千代子が昔紛失した思い出の品だったのです。
千代子はかつての自分を、鍵にまつわる過去を語りだします。

その鍵は女学生だった千代子が出会った運命の人から預かった鍵でした。
大事な何かを開ける鍵でした。
戦争の時代、彼は思想犯として追われていました。

そして、千代子の思い出話を聞いていた社長・立花とカメラマン・井田も
いつのまにか千代子の話の世界へと“入り込んで”しまっているのでした。

憲兵に追われて逃げた彼が駅に向かったと、家の番頭に教えてもらった千代子は駅へと走ります。
しかし彼の乗った機車は既に発車した後でした。
「またいつか会おう」との約束と「鍵」だけを残して彼とは離れ離れになったのでした。
社長・立花は泣いて言います。
立花『俺はこのシーンで何度も泣いたんだ!!』
井田『いつから映画の話やったん?』

千代子は女優になっていました。いつか彼が自分に気付いてくれるかも知れないから。
彼は満州に向かうと言っていました。
折りしも映画のロケ先は満州、撮影を抜け出し彼を追い始める千代子・・・、

そして、千代子は彼を追い始めます。
ある時は戦国時代で、ある時は幕末の世で、そしてある時は未来でロケットに乗り・・・

千代子が出演した映画の話とも、現実の話ともつかないまま、
立花たちを巻き込みながら話は続きます。
過去と未来、映画と現実を行き来しながら、千代子は彼をひたむきに探しつづけます。
それは千年の時代を渡る愛でした。

あまり例のなかったような映画で、
一言で説明し難かったため文章が長くなってしまいました。

前編で概略を記しましたが、なかなかイメージが伝わり難いかも知れません。
異なった時代から時代へ、異なった場面から場面へ、
目まぐるしくシーンが変わりながらも話が連なって、
万華鏡のような、映像的斬新さに満ちた映画でした。
とても面白かったです。
こうした映像は、まさに映画ならでは、まさにアニメーションならではでしょう。
美しく、静寂さと激情を併せ持った作品でした。
そして鑑賞後は少しの悲しさの中にも明るさと爽やかな印象が残ります。
少し短い映画ですが、満足でした。

戦前戦後の日本映画史の足跡を辿る側面をもった映画でもあります。
といっても私はその辺は大して詳しくないのですが、
その時代の映画を良く知る方にはまた別の面白さがあるのではないか、と思います。

千代子が語った話は、老女となった彼女の戯言だったのかも知れません。
どこからどこまでが「本当のこと」かも分からない思い出話ですが、
「彼」を想い、彼を追いつづけたのはまぎれもなく彼女の真実でしょう。
少し、先日見た映画『ダスト』にも通じるものを感じました。

見た人の感想が分かれる作品のようで、
「なんじゃこりゃ」という方もいるようですが、私は結構好きです。

監督は話題になったアニメーション作品「パーフェクトブルー」の監督さんですが、
私は実は未見です。いずれ見てみたいです。

http://www.1000nen.net/

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■ソウ/SAW(ジェームズ・ワン監督)(2004/11/11)

青年アダムと医師のゴードン、
二人が目覚めたのは薄汚れた、閉ざされたバスルームだった。
部屋には死体が転がり、二人は太い鎖で足を部屋の角に繋がれていた。
そして、それぞれにはメッセージのテープが残されていた。
アダムには“自力で脱出出来なければ死ぬ”と、
ゴードンには“6時までにアダムを殺さなければ自身も妻子も命がない”と
テープは言う。これは「ゲームだ」と。
果たして二人は生き残ることが出来るのだろうか。
そして犯人の正体とは・・?


密室に閉じこめられた二人を描いたサイコサスペンスです。
密室劇で登場人物も少なく、序盤は「CUBE」を連想したりしました(ソウも低予算らしいですし)。が、
密室の中だけで進むかと思えた話はゴードンの回想等を絡めて意外な広がりを見せていきます。

面白かったです。
ホラーやグロイのが苦手な人にはお勧めしませんが(^^;

正直途中、いや終盤近くまでは「評判は良かったけど、こんなものか」と思ってしまっていました(^^;
展開は割と予想通り進むし、密室劇に徹していないことで緊張感が殺がれてダレ気味だし、元刑事は無能だし、密室の二人の動きも今一物足りないし、と。
しかし最後でやられました。参った(^^;
最後まで見ると(犯人のみならず主人公その他も含む)狂気性がより押し迫ってかなり怖いです。
冗長に感じた部分も後から考えるとムダでは無かったと知らされますし、後から色々伏線に気付かされるのはやられました。
騙されてソウ快です。(c編集子さん・・ということにしておこう(笑))

ただ、ハッキリ言って(色々工夫しているとはいえ)基本的にワンアイデア物ですので、
オチに気付いてしまった人は評価が変わりそうな気もします。
穴も無理も大きいですし、手放しで褒めていい物かと思わないでもありません。
いえね、監督達が今後こういうサプライズ路線(別名シャマラン路線)しか撮れなくなりはしないかと、
ちょっと危惧してしまった訳です(^^;
今作は最終的には満足したのですが、途中経過では映画としての弱さを感じてしまったので、そのように感じたのだと思います。
しかし何のかんの言いつつ、後味の悪さは最高です(褒め言葉)
また最初から見てみたいですな。

http://sawmovie.jp/

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■ソウ2/SAW2(ダーレン・リン・バウズマン監督)(2005/11/08)

“あの”衝撃のラストを見せた問題作のパート2です。
正直パート2というものは、“パート1を越える”どころか“パート1に匹敵する”のも大変に難しい物で、正直(いい評判が聞こえてきていても)そこまでは期待していなかったのですが、

・・・・・また、やられました。油断はしていなかったつもりなのに、ラストできっちり“前回並みの衝撃”をやられてしまいましたよ。
無念で爽快です。相変わらず気分も後味も悪くて痛い映画で、
実に面白かったです(笑)

詳しくは言えませんが、見終わった後であれば「こいつ確かに嘘は言ってないよ!」とよく分かります(^^;
とは言え、前作よりも“気づく人”は多いかも知れません。
実際の所、(以下ネタバレ反転・超注意)“よくある基本的な手法”とも言えますし。
ただ、自分は「あの人物」に割と“前にも酷い目にあったのに”と同情的に見てしまっていたので、ラストの破壊力は倍増でしたよ(^^;
前作が「2人で監禁」だったのに対して、今回は「8人で監禁」です。
友人(あんのさん)は「『キューブ』っぽくなるのかも」と言ってましたが、キューブよりもやはり前作の「ソウ」の雰囲気に近く、正当に続編と感じました。

見ていると、「監禁された連中も、もっと気を付けていれば罠を回避出来ただろうに(ぶっちゃけ“火葬装置”なんて見るからに怪しいのだから入り口の蓋を押さえとくとか、バットをかましとくとか、考えれそうな気も)」とか「皆で協力すれば上手く逃げられるかも知れないのに」とも考えてしまいましたが、
あの極限状態では実際なかなか正常な判断は出来ないんでしょうねえ(^^;(それでももう少し頭を使えよとは思いますが。「ゲーム」だと言われてるわけだし)
とりあえず、自分がジグソウに試されたいとは全く思いませんでした(苦笑)

http://saw2.jp/

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■ソウ3/SAW3(ダーレン・リン・バウズマン監督)(2006/11/21)

 

さて、衝撃的なラストで話題になったサイコサスペンスの3作目なのですが、自分的には正直言って今作はイマイチでした。
物語の破綻はあまり無いかと思いましたが(ツッコミ所はまた別の話として)、意外性も無く、淡々と事態の経過とちょっとした「1」の種明かしが描かれただけという印象です。
(その“種明かし”も描くまでもない余計な物だと思いました)
“ゲーム”の描写もアイデアに欠けてパッとせず、心理戦の要素は減って直接的なグロさばかりが無意味にエスカレートして、
ひとことで言って前作よりもかなり『頭が悪くなっている』と思いました。

“ゲーム”の部分でほとんどドキドキすることが出来ず、一番心臓がドキドキしたのが“ゲーム”とは関係のない手術シーンだったのが残念です。
「話を完結させる事」に縛られすぎているのかと思いましたが、 …えーと、まだ続編やるんですか? マジ?

個人的評価でシリーズの面白さを比べると【1>2>  >  >  >3】という感じでしょうか。

無駄に「1」の回想シーンが長いのもテンポを殺いでいます。どうにも全体的に流れが悪くて冗長でした。
特に肝心のクライマックスまでがダラダラしていて辛いです。
ケリーの描写は意図が分かりませんでした。

今回はジグソウ側の人間描写を掘り下げようとしたのでしょうが、あまり上手く描写出来ているとは思えませんでした。
登場人物がみな「頭が悪すぎる」と思えてしまうのですね。ゲームの被験者にせよアマンダにせよ、
心理的に追いつめられた状態とは言っても、“学習能力”が無さすぎるのではないかと。
とりあえず、「ドアが閉まる」事くらいは2回目以降は気付こうよ;(気付いた所で事態は変わらないでしょうけどね)

公式サイト

■とか言いつつも、「追いつめられた時に普段出来ることが出来ない」ってのは、やはり分からないでも無いか。
自分もこの間『記憶だけで絵を描いてみようゲーム』をやったのですが、
「パンダ」というお題でとっさに描いたのがこんな代物でした。

以前にこれで散々パンダを描いたと言うのに;

うちには王子動物園のパンダぬいぐるみもいると言うのに;;

…やっぱり人間時間を区切られたり、とっさの事態だとダメなんですかねえ(^^;;;
自分もジグソウのゲームでは生き残れそうにありません。

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■装甲騎兵ボトムズ ペールゼン・ファイルズ劇場版(高橋良輔監督)(2009/1/27)

2007〜2008年に発表されたOVA6巻12話分を1本の映画として再編集した作品ですが、自分はOVA版は未見。
昔のOVA「野望のルーツ」の後でTVシリーズの前の時点の話です。
劇中話の繋ぎが微妙に悪かったりしますが、総集編映画だと理解して見れば「そう言う物だ」で済むと思います。
この作品を見ようとするのは元々ボトムズを知ってる人だけだろうから、これ以上の解説は省略。

以下ネタバレ注意。

ストーリーは「キリコは今回も不死身でした」の一言で終わる気もしましたが、それで済ますのもあんまりなのでもう少し書くと、
"異能者野郎Aチーム(モナドだけはかんべんな!)"に選抜されたキリコを含む5人のメンバーが、あちこちの生存率の低い超過酷な戦場に叩き込まれてどのくらい不死身かを試される話です。
基本的には同じ展開の繰り返しで、正直ちょっと見ていて途中で飽きたりしましたが、
"零下200度のダウンバースト"のエピソードは面白かったかと。

実のところストーリーよりも、もっぱら3DCGで描かれたATがどんな感じかを目当てに見に行きましたが、
「違和感が強いだろう」と覚悟していた為か、思ったより悪くなかった気もします。
ただ、アニメ塗りな人物とATが同じ画面で出るとやっぱりCGは浮きますし、"ゲームくさい"映像だとは思いましたけどね。
個人的に手描きとCGとどちらが好きかと言ったら断然手描きですが、大量にATを登場させるにはCGも有りかとは思いました。
それにしてもたった5機のATに蹴散らされまくるバララント軍の弱いことよ…。(キリコ達が強いと言うより、そう感じちゃいますよ)

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■ソウル(長澤雅彦監督)(2002/02/25)

日本の警視庁の新米刑事(長瀬智也)が韓国での現金輸送車強奪連続事件に巻き込まれ、
ソウル市警の刑事部長(チェ・ミンス)に殴られたり反目したりしつつ
事件解決に動いているうちに絆が芽生えるという、
ストーリーだけ言えばとてもよくある刑事相棒物(バディムービーと呼ぶらしい)です。
抜きん出た印象は残りませんが、ちゃんと作られた作品でテンポも良く、
どんでん返しがありつつも話も分かり易く、
軽すぎず重すぎずに楽しめました。素直に面白かったです。
新鮮味はあまり無いですが、退屈のしない、好感度は高い作品と思えました。

ラストシーンはやりすぎですな(笑

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■ゾディアック(デビッド・フィンチャー監督)(2007/06/26)

1969年以降にアメリカを騒がした現実の連続殺人事件を元に、
刑事や新聞記者、そして後にこの映画の原作本を書くことになる風刺漫画家(ロバート・グレイスミス)といった人々が事件を追っていく姿を描いた映画です。
監督は「セブン」や「ファイトクラブ」の人ですが、今作は(作品テーマ的に当然ですが)ドキュメンタリー色の強い、割と淡々とした映画になっていました。

事件については、正直名前と概略くらいしか知りませんでしたので、まさにドキュメンタリー番組を見ているような感覚で「なるほどー」と見ていました。
興味深かったですが、「サスペンス映画」を期待していった人には物足りないかも知れません。あと、経緯を描く為に仕方ない気もしますが157分の時間が少々長いかと。
後半に主人公的な風刺漫画家が動き出してからは話も"動く"ようになりますが、
ただ肝心の風刺漫画家が『何故そこまで事件にのめり込むのか』といった感情的な部分は伝わってこなかった気もします。
自分にマニア的な"こだわり"の気質が無いから理解出来ないのかも知れませんが。

映画と関係無いですが、漫画「HUNTER×HUNTER」の暗殺一家のゾルディック家の名前の元ネタがこれではという説があるっぽいですね。
ゾディアック事件は映画「ダーティーハリー」の元ネタにもなったと言うことで、この映画の中でも「ダーティーハリー」公開当時の情景が描かれていてニヤリとしました。

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■ソードフィッシュ(ドミニク・セナ監督)(2001/11/12)

95億ドル強奪の話。
冒頭のつかみがなかなか強烈です。
宣伝文句は『全米が、ハメられた。』いわゆるひっくり返り系作品ですが
ネタばれ→ラストはそれほど意外性に溢れるというものでは無いです。
映像的な面白さは結構ある作品でした。
しかしまあ時期的なタイミングがいいというべきやらなんというか・・・
トラボルタの髪型が面白いっす。

http://www.swordfish.jp/

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■それでもボクはやってない(周防正行監督)(2007/02/06)

「Shall we ダンス?」の周防監督の11年ぶりの新作です。
満員電車で痴漢に間違われ、容疑を否認した為に1年に渡る(99.9%勝ち目がない)裁判を戦うことになった青年を描いた冤罪物。
3年以上の取材の上に描かれたという、逮捕から裁判にかけての描写が緻密かつ冷静に描かれ、地味な裁判の描写が長く続きながらもきっちり映画として面白いという見事な作品です。
後味はテーマ上"当然の事ながら"とびっきり悪いですが(^^;
老若男女が見ておくべき問題作にして傑作です。

と言いつつ自分は、評判がいいのは知っていましたが、見るのにかなり決断力と覚悟がいりました。
見ると怒りで血管が切れるのではないかと思いましたので(^^;

と言うのも、自分も10数年前に満員電車で女子高生に痴漢と間違えられた事がありましたから。
自分の場合は、"真犯人"がその場で名乗り出てくれたので事無きを得たのですけどね。
ちなみに、真犯人=女子高生の友達=女で、女友達同士のイタズラだったのでした。
"被害者"と"真犯人"の2人でケタケタ笑っていましたが、結局コチラには詫びの一言もありませんでした。

思い出すだに腹が立っていましたが、この映画の主人公のように無実の罪で人生を破滅させられた人の辿る道を詳細に見せられると、自分はどれだけ運が良かったのかと思いつつゾッとします。
本当に、男なら誰でもが容易に冤罪に巻き込まれる可能性があると思うと、下手なホラー映画などよりよっぽど恐ろしい映画です。

こういう映画だと、下手な監督なら冤罪を受けた主人公=善で、裁判所や痴漢被害者が作品的に単純な悪役というような描き方にもなりかねないですが、本作は「本当の痴漢犯人」の描写なども挟み、ただ一方の立場のみに肩入れせずにドライに描かれており、作品としてのバランス感覚も気を使われていたと思います。
バランスのよい視点で描かれるからこそ、描かれる話に説得力があります。

映画は、これまでは何となく分かったようなつもりになっていた『日本の刑事裁判の現状』の姿と問題点を明確に表してくれます。
何のかんの言っても『裁判は真実を明らかにする正義の場』という"幻想"をある程度は持ってしまっている人は多いかと思いますが、
実際のところは『"神ならぬ、万能ではない人間"が集めた証拠を元に有罪か無罪かをただ決めるだけのところ』に過ぎないと言うことを、自然にストンと分からせてくれます。
そしてソレにいかに多くの立場や思惑や因習や制度が大きく絡んでしまうかと言うことも。
『裁判官が無罪判決を出すことがいかに難しいか』『無罪判決を出しても被告人以外に誰も得をしない』といった話や、『有罪率99.9%』という『事の真偽より、まず有罪ありき』の数値が実に恐ろしい。
当然ながら「痴漢の冤罪」に限った話では無いですしね。

実際に犯罪を犯した痴漢犯人はとっとと僅かな示談金を払っておとがめ無しで、無実ゆえに罪を否認をした人は何ヶ月も拘留され裁判になれば勝ち目はない。果たしてどちらが「反省の色がない」のやら。

そして、映画「ゆれる」を見た時にも思いましたが、
いかに人間の記憶という物が曖昧か、裁判というものがいかに曖昧な情報に左右されてしまうのか、と言うことも感じさせられる映画でした。

主人公があまりに無防備すぎて、あれでは痴漢に間違えられても仕方ないとも思ったのですが、人間一度は痛い目に合わないと学習しないものかも知れないですね。
冤罪を無くそうと思えば、究極的には「男性専用車両」でも作ってもらうしかないのではと思えてきます;

見る前には「見ながら怒り心頭になってしまうかも」と思っていましたが、その点は大丈夫でした。
映画の描写がドライだったこともあり、落ち着いて見られました。
143分という長時間も苦にならずに引き込まれる、いい映画です。

男性は誰でも簡単に覚えのない罪で破滅する可能性があり、
女性は勘違いでも簡単に無実の人間の人生を破壊することが出来る訳で、
勿論、一番悪いのは痴漢を働く犯罪者に間違いないのですが、
女性の方はくれぐれも犯人を適当に選ばずに、慎重に犯人が誰かを見定めてから痴漢を吊し上げていただきたい。
犯人が「男」であるとは限りませんから。 実体験から大マジで。

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■ゾンビランド(ルーベン・フライシャー監督)(2010/7/27)

ようこそ、悪夢と腐臭の王国へ!
…と言うわけで「ゾンビランド」に行って生還してきました。
お隣にはゾンビで溢れかえった海「ゾンビシー」とかもあるかも知れません。(ねーよ)

今、アニメで「学園黙示録ハイスクール・オブ・ザ・デッド」をやっていることもあって、最近は個人的に結構ゾンビづいてたりします。

世界がゾンビで埋め尽くされた世界で、独自の「生き残るための32のルール」を駆使して生き延びてきた引きこもりゲーマー青年が、道中危ないマッチョガンマン親父・タラハシーや怪しい少女達と出会いながら旅をするという、ロードムービー的ゾンビ映画です。

いやー、楽しかった。
見た後に特に何も残らない、スカッと爽快で、実に正しく気持ちいいB級ゾンビ映画でした。
いや…、ゾンビ映画的には「気持ち悪い、いいB級映画だった」と言う方が誉め言葉として正しいか?(笑)
OPでの乳揺れとかが悪趣味で汚くてヒドいヒドい(笑)

ゾンビ映画のお約束を逆手に取ったような、生き残るためのルールの扱いが面白いです。いちいち主人公が該当する行動を取るたびにルールを画面上で提示してくれる辺りが親切かつ馬鹿でナイスでした。大事なことなので二度撃ちますよ。

ゾンビ映画…なのですが、出てくる登場人物達がやたらと頼もしいので悲壮感はほぼ無く、戦闘シーンでも妙に安心感がありました。特にタラハシー親父の頼もしさは素晴らしく、クライマックスの戦いは実に見事でした。

以下、ややネタバレ

「頭の切れる姉妹」は悪女っぷりが良かったですが、あれだけ大規模にライトアップをしたらゾンビも寄ってくるって気づこうよ(笑)

カメオ出演のビル・マーレイの扱いがヒドいヒドい(笑)
まあ、アレは自業自得だし、御本人は喜んで演じていそうですが。

予告でも出ている「ピアノの罠」を仕掛けたおばあちゃんのエピソードももっと知りたかったところです。老人の細腕でどうやってアレをセットしたのやら。

ところで「ゾンビがいない遊園地の"噂"」って、人がほぼ全滅した世界で、主人公達はどこから噂を入手したんだろうかと疑問でした。
まあ、普通に映画開始以前の時点で何人かの生き残りと行きずっていたんでしょうけど。

しかし、あの状況だとゾンビからは生き延びられても、すぐに食べられるものが無くなりそうですよ(^^;

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