使用上の注意

 「色即是音、音即是色」を正しく使うために、次の三つの注意を守ってください。

注意1. 対応表の色を全面的には信じるな

 この「色即是音、音即是色」の対応表の色は、正確な音の高さと音のイメージを表す目印です。 ですが、あくまで単なる目安です。 絶対的なものではありません。 どうか、これらの色を全面的には信用しないでください。

 その理由は大きく三つあります。理由の一つは、この対応表の色は、デジタル画像を使った色であって、生のスペクトルの色ではないからです。そのため、実際の色とは、若干の誤差があるはずです。

 理由の二つ目は、色の感じ方には個人差があるからです。

 理由の三つ目は、演奏する曲の音律や調が変わると、同じ音名の音でも、周波数や対応する色が少し変わることがあるからです。  たとえば、同じ B の音に対応する色でも、純正律の C-dur と F-dur では、下のように色が違います (詳しくは「詳細説明」の「4.使用上の注意』を参照)。

図: C-dur の B と F-dur の B に対応する色
図: 純正律の C-dur における B (D の長三度下) に対応する色 (左側) と
F-dur における B に対応する色 (右側) のイメージ。音名はドイツ式表記。

注意2. 色を自然の事物や感情に対応付けよ

 色のイメージと一緒に、その色に合った自然の事物や感情などをイメージして演奏みてください。たとえば、青は海や空のイメージ、緑は草や木の葉など、爽やかな自然のイメージ、黄色は土のイメージ、赤は夕焼け、あるいは燃えるようなエネルギーのイメージ、紫は菖蒲の花や気高い感じのイメージというように、色に象徴されるものをイメージして、それを表現するように意識してみてください。より美しい音楽づくりができると思います。

注意3. 色にこだわり過ぎるな

 注意1 にも書いた通り、色の感じ方は人それぞれです。しかも、音楽でイメージする色となると、一定の色にはこだわらず、いろんな色を表現したいという思いがあるでしょう。

 もし、曲を演奏していて、なんとなく色のイメージが心の中に湧き上がってきたり、上から色のイメージが降ってきたように感じたならば、それがこの表の通りの色ではなかったとしても、どうかそれを否定することなく、そのまま受け入れてください。 なぜなら、それがあなたの本当のイメージだからです。

 では、この表の色は、もしかすると本物のイメージではないのかも知れないのに、なぜ役に立つのかというと、この表を使えば、ある程度本物に近い、共通的なイメージを伝えやすいからです。


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