●クローン病の部屋●

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でんでん闘病日記

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●このページについて

ここではクローン病という病気を扱っています。
漫画メインの当サイトでは浮いているページではありますが、
病気の知名度が絶対的に低い事、また対外的に見て分かり難い病気である事で
患者が社会的・精神的に不利な立場にある場合が少なからずあります。

そう言うわけで当サイトとしては、他の題材を求めてやってこられた方の中で何人かでもここを見られて、
こういう病気もあるという事を知ってもらうのは意味のないことでは無かろう、との考えでこのページを置いております。

そういう観点でのページですので、深く情報を知りたい患者の方にとっては踏み込みの足りない内容になってしまっていますが、
一般の方や病気を発症したばかりの方への、病気の案内として活用いただければと思います。
よろしくお願い致します。

クローン病と言う病気があります。
原因不明の難病ですが、日本では知名度が低いため
はじめてこの名前を知った方も多いかも知れません。
私も自分がなるまでは知りませんでした。

この部屋では、こういう病気もあるという事を広く知ってもらいたいと思い、
クローン病の情報をまとめましたが、読むのが面倒な方は赤字の箇所だけ
拾い読み
していただければ、概略はつかめるかと思います。

当方医学にはど素人ですので勘違いなどもあるかも知れませんがご了承ください。
(間違い等に気付かれた場合、メールで御指摘頂ければ幸いです)
なお患者の方はここの内容を鵜呑みにはしないで、主治医の先生の話を
優先して下さい。私の私感も入っておりますし、
あくまで当方は(ページ作成時)クローン病歴1年のど素人です。
また、内容は1999年5月時点の物です。

項目のアンカーを打っておきます。

概略 症状 検査 制度 治療

栄養療法 食事療法 原因 脂肪の話 参考書籍 

●概略

・クローン病(Crohn's disease = 略してCD)がどんな病気かを一言で言えば
 「食事をすると消化器官で炎症が起こり潰瘍(かいよう)ができる病気」
 
です。
 現在の所、原因不明で完全な治療法が無いため一生付き合う病気になります。
 病気の活動期(再燃期)落ちついた時期(緩解期(かんかいき)
 繰り返します。

 普通の食事で病状が悪化するため、患者には栄養療法食事療法が必要です。
 同種の病気に潰瘍性大腸炎があります。これとクローン病をまとめて
 炎症性腸疾患(IBD)と呼びます。

・割と新しい病気で、単一の病気と認められたのは1932年。
 アメリカのクローン氏によって報告されました。だからこの名前はクローン羊
 とはなんの関係もありません(スペルも違います)。
 日本でクローン病が認識されたのは1970年代で、日本の当時の患者数は100人
 程度だったようですが(詳細不明)、1999年現在の患者数は約16,000人で、
 日本人10万人に対して約12人の割合です。
 累計患者数はもちろんですが、新規発症患者数も年々増加しているそうで、
 これは戦後の食事の西欧化の影響が大きいだろうと、考えられている
ようです。
 
世界的には白人の発症例が多く、西欧では割とポピュラーな病気らしいですが
 有色人種の発症例は少なく、
 日本でも戦前はクローン病はなかったと考えられるそうです。 

・10〜20歳代の若い時期に発症する場合が多いですが、高齢の発症例もあります。
 男女比は日本では男性>女性で約2:1ですが、西欧では女性>男性です。

感染、直接的な遺伝の心配はありません。家族間での複数発症率は1.5%との
 事ですが、これは同じ食生活をしているためと見られ、遺伝の確率は問題外
 とのことです。
 ただし、クローン病になり易い体質の遺伝は有り得るとも言われており、
 患者の家族も食事には注意が必要でしょう。

緩解期であればスポーツは問題ありません。
 
(クローン病患者で競艇選手をしている方もいます)
 ただし、ステロイドを使用している場合は注意が必要です。
 また
女性の場合、緩解期には出産も可能です。

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●症状

・クローン病は「腹痛・下痢・発熱」が3大症状です。
 他に「体重減少・肛門病変(痔瘻(ぢろう))・腸などの瘻穴(ろうこう、
 穴があくこと)
・貧血・出血」等が特徴的な症状ですが、症状は個人差が
 大きく様々なパターンがあります。

大腸、小腸だけでなく食道、胃、十二指腸など、口から肛門までのあらゆる
 箇所で炎症・潰瘍が起こります。
潰瘍がひどくなると穴が開いたり、
 腸壁が癒着(ゆちゃく)したりします。
 
炎症の起こる箇所によって「小腸型」「大腸型」「小腸大腸型」等とタイプが
 分けられ、薬の種類も違ってきます。

小腸の消化・吸収能力が悪くなります。食べても吸収できないので下痢が起こり
 体重が減少し、体力も落ちます。
 
1日6回以上の下痢は危険信号です。

・発症当初の自覚症状が腹痛・下痢などで、あまり特徴的とは言えないため、
 病院に行っても慢性胃炎や慢性腸カタル等と診断される場合も多いらしく、
 さらに、
腸自体が痛みを感じないため自覚が遅れることもあり
 
クローン病の特定が遅れる場合が多いようです。
 数年かけて何カ所も医院を渡り歩いた後で、やっと特定された例も少なくない
 と言います。

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●検査

・代表的な検査は下の3種ですが胃カメラや腸の組織検査(生検)等もあります。

1. X線検査:小腸までバリウムを入れるため、鼻からチューブを入れて直接
  腸にバリウムを落とします。緩解期でも年に1度位はした方が良いらしい
  ですが、苦しくてヤな検査ではあります。小腸造影とも言います。

2. 大腸内視鏡検査:肛門から内視鏡を入れて直接大腸等を見ます。
  これも苦しくてヤな検査です。

3. 血液検査:栄養状態の把握、炎症反応(CRP値)、貧血の有無等を見ます。
  私の場合1〜2ヶ月毎くらいで行いますが、この検査は楽です。
  
CRP値は炎症具合の目安になりますが、この数値があてにならない人も
  いるようです。
  CRP値は一応0.45〜0.5mg/dl以下であれば正常と見なせるようです。

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●制度

・一生病院と付き合わねばならない病気ですが、医療費の補助があります。
 クローン病は厚生省の
特定疾患医療給付の指定の難病になっており、
 各地域の
保健所で受給の申請が出来、これで医療費の一部が免除されます
 1998年までは自己負担0円だったようですが、国の医療費福祉費削減のあおりで
 現在は一部自己負担となりました。今後が心配ではあります。
 念のため、
クローン病以外の病気の医療費は自己負担です。

・自治体によっては難病手当金・見舞金が支給される市町村もあるようです。
 大阪市の場合は1年で1万円の難病見舞金が出ます。
 窓口は大阪市健康福祉局 障害福祉課です。

・腸を手術で切った場合や、肛門病変でストマ(人工肛門)を造設した場合などで
 
障害年金を受けられる事もあるようです。(私は受けてないので詳しくないです)
 
住民票のある自治体の年金課社会保険事務所が窓口になっているようです。

・小腸を大量切除した場合や、ストマを造設した場合、身体障害者手帳の申請が
 出来る事があります。車の税金免除(軽減?)等があるようですが、
 これも私は受けてないので詳しく分かりません。
 
自治体所轄の福祉事務所で申請できるようです。

学生など若い世代の発症が多いため、就職で苦労するケースが多いようです。
 入院の可能性が高いこともあり会社に敬遠される事が多いわけです。
 病気自体が知られていない事と、見た目は健常者と変わらない事から対人関係で
 苦労する人もいるらしく、クローン病の社会的な認知は大事な課題と言えます。

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●治療

根本的な治療法が無いため対処療法になります。
 大別して
薬物療法、栄養療法食事療法、外科療法の4種の療法があります。
 大雑把に治療と日々の生活パターンを書くと

  薬物療法で炎症を抑え、
  日々の
栄養療法で腸に負担をかけずに主要な栄養分を摂取する、
  病気の
活動期は栄養療法のみで食事は行わない。
  
緩解期では主要な栄養は栄養療法で摂取し食事は味を楽しむ物と割り切って、
  負担の少ない物を1日に1〜2回食べる、
  手術が避けられないほどに悪化した場合に
外科療法を行う。

 と、なります。(病院によって方針の違いはあります

・薬にはサラゾピリン、ペンタサ等があり、病変のタイプで使い分けます。
 副腎皮質ホルモン(ステロイド剤)を使用する場合もありますが、
 慎重に使わねばなりません。

・漢方薬は腸の状態を整えたり、ステロイドを減量する際に有効との話です。
 大健中湯、紫苓湯、人参湯、柴胡桂枝湯などがあるそうです。
 ただし、漢方薬には特定疾患の補助はきかないと思います。

・市販のカゼ薬などが問題になる場合も稀にあるそうです。
 主治医と普段から相談しておけばよいでしょう。

・現在様々な治療法が研究されています。その中に白血球除去療法がありますが
 18人に療法を行って9人に効果があったとのことです。
 若い人、発症後の年数が少ない人ほど効果が高かったとのことです。

外科療法は出来るだけ避ける方針が多いそうです。これは手術で悪い箇所を
 切除しても別の箇所で再発する可能性が高いためです。

 また腸を切りすぎると、将来治療法が確立された時に腸が短くなっていて
 食物を食べられない事になるため、出来るだけ内科的な療法で対処し、
 手術する場合も、切除箇所が出来るだけ少ない方法で行うとのことです。

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●栄養療法

・主に成分栄養剤「エレンタール」によって栄養療法を行います。
 
これは粉末状のもので、水か微温湯で溶かして、口から飲む(経口)か、
 鼻からチューブを通して直接腸に注入する
(経腸)かで摂取します。
 各栄養素が最初から消化された状態になっている事と、クローン病に良くない
 脂肪分が極端に少ない事で、腸に負担をかけずに栄養を摂取できます。

 (もともとは宇宙食として開発されたという話があります)

経口摂取の場合、そのままでは大変不味く、匂いもきつい代物なので
 フレーバーで味を付けて飲みます。

 フレーバーには
青りんご・パイン・アセロラ・コーヒー・オレンジ・
 ヨーグルト・抹茶
等の種類があります。
 他にエレンタールをゼリーにするゼリーミックス(青りんご・コーヒー)が
 あります。(私は使ったことはないです)
 料理に混ぜて摂取する人もいるらしいです。

・エレンタール1袋で熱量は300kcalになります。
 
経口の場合1袋を250〜300ccの水か微温湯で溶かします。
 (溶かすと300〜350cc位になります)
 
経腸では1袋を600ccの水で溶かすとの事です。
 (私は全て経口ですので経腸のことは詳しくないのです)
 
食事無しでエレンタールのみで栄養を摂取する場合、
 1日6〜8袋位を摂取します。

・エレンタールは腸への負担は少ないですが、浸透圧は高いため急に量を飲むと
 下痢をしやすい面があります。
 そのため時間をかけて寝ている間などにゆっくり摂取できる経腸摂取が奨励
 される事が多い
ようです。(ちなみに経腸ではポンプを使用することで定期的に
 腸にエレンタールを落とす事が出来て良いようですが、病院によってはポンプが
 なかなか手に入らないこともあるようです)
 
経口で下痢に対処するには「なるべく時間をかけて飲む」「溶かす水・湯の量を
 増やして浸透圧を下げる」といった方法が考えられます。
 
講演会で「1袋を600ccになるように溶かすと、一気に飲んでも下痢を
 しない」との話を聞きましたが・・・そこまでやるのは大変すぎますよねえ。
 (計4800cc)

・経腸と経口はどう違うかと悩む方も多いようです、
 
経腸の長所は、睡眠中に摂取すれば昼にエレンタールのためにとられる時間が
  少ない。不味い物を飲まなくて良い。下痢しにくい、等でしょう。
  
短所は、鼻にチューブを通すことが苦痛な人がいる。夜間に行うことで寝不足
  になる人がいる、等があります。
 
経口の長所は、曲がりなりにも味わうことが出来ること。チューブを通さなくて
  良い事でしょう。
  
短所は下痢をする事がある。1日の多くの時間を摂取に取られる、
  等が考えられます。
  実際職場などでも仕事をしながら飲むことが出来るような環境でなければ
  経口のみで1日分を全て飲むのは難しいかも知れません。

・エレンタールは成分栄養剤の中で最も脂肪が少なく、アミノ酸レベルまで
 分解されていることで、クローン病では1番奨励されています。
 成分栄養剤のみで栄養摂取する場合は他の成分栄養剤でもよいが、
 食事を併用する場合は、やはりエレンタールがお薦めとのことです。

・エレンタールのみで栄養摂取を行っている場合、体に必要な脂肪分が足りない為、
 脂肪の点滴を行う事があります。

・経腸摂取でも状態が好転しない場合、完全静脈栄養療法(TPN)という方法が
 あります。
 鎖骨下の静脈にカテーテルを入れ、静脈に直接栄養素を送り込む方法です。
 従って胃腸には負担がかかりません。
 これを家庭で行うことも出来ますが、長期間これだけで栄養摂取を行っていると
 胃が小さくなってしまい、食事を始める時に大変になるようです。
 また、カテーテルに細菌が溜まりやすく合併症が起こる危険性があるなどの
 問題点もあり慎重に使用する必要があります。

エレンタールの話をすると、食事をしないならダイエットになるかもしれない
 などと思う人が結構多いのですが、大誤解です。食事なしでエレンタールを
 飲んでいると確実に太ります。
だって摂取した栄養分がほとんど無駄にならずに
 身に付くんだからねえ。

・栄養療法だけをしていると繊維が足りないこともあり、お腹の張りや下痢を伴う場合があります。
 元々「不溶性食物繊維」はクローン病では危険ですが、「水溶性食物繊維」は比較的安全とされています。
 そこで、
下痢を防ぐ方法として、エレンタールを溶かした溶液に「イージーファイバー等の水溶性食物繊維」
 を入れる方法
があるそうです。(うちのクローン病掲示板で、クリさんから情報をいただきました)
 水溶性食物繊維には便中の水分を吸収することで下痢の緩和や腸内細菌の状態を良くする機能があるとのことです。

 クリさんの場合はエレンタール1パックに対し、ファイバースティック1/2本
 (水は250〜350ccで試されたとのこと)で使われたとの事ですが、
 適応量については個人差がありそうですので、摂取量には注意が必要と思われます。
 小林製薬の製品注意書きには「一度に大量に摂りすぎるとおなかがゆるくなることがある」
 と書かれているとのことで、少量から始めるのが良さそうです。
 また、この方法が合うかどうかも個人差があるかも知れませんが、
 クリさんの体験では狭窄のある状態でも問題は無かったようです。

 なお、イージーファイバー(小林製薬)の原材料の難消化性デキストリンはとうもろこし(危険食)を精製して
 得られる水溶性食物繊維だそうですが、食品中の水溶性食物繊維の部分だけを取り出して精製されており、
 そういう面での危険性はないと思われるとのことです。

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●食事療法

クローン病は原因不明で治療法が確立されていません。そのため病院によって
 治療方針が違ってくることが多い
わけですが、患者の立場としてその差が
 一番現れるのは、やはり食事療法の方針だと思います。

 極端な話、緩解期でも食事は絶対させない方針の病院もあると聞きました。
 また、鳥ささみなどは安全とする病院が多いですが、兵庫医大では薦めないと
 言います。これは
 
「体に良くない物を入れないで安定を目指す」方向性と
 「少々体に良くない物を食べても良いように薬でどうにかする」方向性という
 病院によるアプローチの差がある
ためとのことです。
 そんな状況ですから、これから書く内容は
あくまでひとつの例と考えて下さい。

緩解期では栄養療法と組み合わせて、1日に1回〜2回の食事が出来ます。
 とはいえ、
なんでも自由に食べて良いわけではなく制限が付きます。
 
基本的な考え方は「高エネルギー低残渣(ざんさ)、低脂肪」です。
 残渣とは食物が消化・吸収された後に便となって残る物のことです。
 消化されにくい食物繊維などが残渣になります。つまり
低残渣とは
 消化の良い、繊維の少ない物を指します。
 
特にクローン病では水に溶けないタイプの繊維が問題になります。
 
脂肪は炎症を助長すると言われており、こちらもクローン病の大敵です。
 
脂肪の話は具体的に後述しています。

食事を始めても1日に最低3袋はエレンタールを摂取した方が再発率は低い
 
とのデータがあります。

・特に危険とされる食品は「脂肪と、水に溶けない繊維です。
 他に
アルコール刺激物食品添加物シュウ酸(チョコレート等)」
 また
個人差が大きいですが「乳糖を含む乳製品甲殻類軟体動物(たこ、
 いか、貝)、
コーン」等も注意が必要です。
 
人によっては卵や小麦粉、イーストがダメな人もいます。

ある物が安全かどうかは個人差が大きいですが、その判断方法として
 「
エリミネイションダイエット」があります。
 
1つの食品を数日間食べ続けて、腹痛や下痢の状態をチェックします。
 この「数日間」が何日かは病院(先生)の方針に寄ります。私は2人の先生に
 見てもらいましたがそれぞれ「1週間」「2〜3日」との回答でした。
 「2週間位」という話も聞いたことがあります。
 
1つの食品のチェック中も、それまでに安全と分かった食品は食べられますが、
 まともな「料理」が食べられるようになるには数カ月かかります。

 なお、安全と思っていた食品が、年月と共に体質が変わってダメになる
 場合もあるようです。

・エリミネイションダイエットでは、好きな食品から試し始めるのではなく、
 安全度が高いとされる食品から始めます。
 私が主治医からもらった資料を元に
エリミネイションダイエット進行表
 作っています、クリックして御覧下さい。

・大雑把なクローン病の食品表を作っています、クリックして御覧下さい。
 なお表はあくまで日本人向けのものです。イギリスでは食パンが危険食と
 されているなど、人種による差もあるらしいです。

低残渣・低脂肪食用に開発された食品として「まんぞく君」があります。
 レトルトになっていて「
チキンカレー、ホワイトシチュー、ラーメン
 ビーンズミートソース、ビーンズバーグ(大豆蛋白のハンバーグ)
 おかゆ、いわしのつみれ等
」が腸に刺激を与えないように作られています。
 カレーやラーメンなどは本来、一生食べられそうもない物なので
 有り難いです。インターネットで注文も出来ます。
 また、「お好み焼き、スパゲティ、焼きそば、肉まん、餃子、ケーキ等」
 が冷凍食品になった「
楽チンライフ」もあります。
 また、「そうめん」は製麺の過程で油を使うため、あまりクローン病に
 良くないのですが、油を使わずに仕上げた宮城県白石の名産品
 「温麺(うーめん)は安全なようです。

・食事が出来るようになっても、外食はかなり制限されます。
 行けるのは、普通はうどん屋か魚料理の店くらいかと思います。
 
ただし、IBD用の食事を用意してくれる店がある場合もあります。

・マヨネーズは脂質が高いため普通危険食に属しますが、ノンオイルマヨネーズ
 なら危険性は少ないと思われます。「
リケンノンオイル」が出ています。

・以下はクローン病の講演会で聞いた食事に関する話を列挙します。
・クローン食は濃い味付けは避けますが、「とろみ」をつけることで
 薄味でもよく味を感じれるようになります。
・ある医大でクローン病の患者でもある3人の先生が、自ら「肉を噛んで
 味わった後で吐き出す」という実験的行為をしたところ、3人とも失敗して
 手術をしたそうです。
・魚は酸化しやすいので新鮮なうちに食べないといけません。
・不足しがちな微量元素のセレンはいわし、にしん、かつお、さけ等の大衆魚で
 補うといいそうです。
ひとつの食品に対して、病院によって安全かどうか判断が分かれる例
 あります。例えば「日本茶」は「カテキンが良い」「シュウ酸が悪い」と
 分かれますし、「ほうれん草葉先」も「ビタミンが良い」「シュウ酸が悪い」
 と分かれます。「生魚」を奨励する例があるかと思えば「生魚・生卵は
 抗原性が高く腸内での発酵性も高いので控えるべき」という話もあります。
 患者としては困ってしまいますねえ。

結局クローン病はお医者さんに「直してもらえる」病気ではありません。
 最も大事なのは自分自身の病気への理解と
自己管理です。
 (と、自分にも言い聞かせておこう)

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●原因

・前述の通り未だ原因不明です。様々な説がありますが決定的な物はありません。

ストレスが原因と考える向きもありますが、ストレスがクローン病の直接の
 発症原因とは考えにくい
との話もあります。
 いずれにせよ、発症後にストレスによって病状が悪化することはあります。

九州方面で発症率が高く、北陸・中部方面では低い傾向があるようです。
 証明はされていないようですが、豚肉をよく食べる地域が発症率の高い地域と
 リンクするとの見方もある
ようです。
 なお、豚肉には健康な人でも消化分解出来ないタンパク質が含まれており、
 健康な人でも食べ過ぎは注意した方がよい
とのことです。

クローン病になった人は、ファーストフードの利用率が高かったとのデータが
 ある
そうです。

・食生活の西欧化が原因のひとつとの考え方は強いようです。
 具体的に
「食生活の西欧化」とは以下のような内容です。

 1. 米食からパン食への移行により食物繊維の摂取が減少
    = 繊維の不足で便通が悪くなり腸に負担
 2. 肉・乳製品・砂糖の摂取量増加による食生活の「無繊維高脂肪化」
    = 脂肪は炎症の引き金になる

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●脂肪の話

一般的に脂肪には動物性脂肪植物性脂肪があると思われていますが、
 この分類は間違いだと現在では分かっています。

 実際は
脂肪は体内での作用の違いにより3つに分類されます。

 1. 飽和脂肪酸と一価不飽和脂肪酸の系列 = 肉・乳製品・卵・砂糖・
                        オリーブ油など
 2. 
リノール酸系列 = ベニバナ油・ヒマワリ油・コーン油など
 3. 
アルファ−リノレン酸系列 = シソ油・菜種油・エゴマ油・魚介類・
                   海草の油など

 動物性・植物性という分け方には意味がないわけです。

 1.の飽和脂肪酸と一価不飽和脂肪酸は飢饉対策として体に貯蔵される脂肪
  
です。エネルギーとして消費しない限り体に溜まり続ける物で、
  現代人には必須の油とは言えないもので、
  
健康な人でも控えめの摂取が良いようです。

 2.のリノール酸系列は細胞の成長・維持に必須の脂肪です。
  N-6系脂肪とも言います。
  
少し前までされていた宣伝のおかげで、日本では
  「リノール酸は体にいい」と思われがちですが、これは間違いだと
  現在では分かっています。
  
リノール酸がコレステロールを低下させると言われていましたが、これは
  あくまで一時的な物でしかないと、現在の研究では分かっています。
  さらに、リノール酸を過剰に摂取し続けた場合、以下のような弊害が
  生じる事が分かっています。

  ・ガン化を促進させる。
  ・血栓を作り、狭心症や脳卒中になりやすくなる。
  ・アレルギー体質を過敏化させる。
  ・免疫力を低下させる。

  とはいえ、リノール酸も体に必須の脂肪ではあるのですが、
  その
必須量は体重60kgの人で1日1〜2g程度ということです。
  
クローン病患者にとって避けなければいけないのはもちろんですが、
  
健康な人でも過剰な摂取は危険です。

 3.のアルファ−リノレン酸系列は脳・神経の働きに必須の脂肪です。
  
N-3系脂肪とも言います。
  近年魚の油「
DHA」「EPA」が頭によいとブームになったことが
  ありますが、この油のことです。

  ・ガンの発症・転移・増加を抑える。
  ・学習能力を向上させる。
  ・高血圧や脳卒中の予防に効果。

  等と言われています。
  
炎症を抑える作用があるためクローン病患者でも摂取できます。
  魚によく含まれていますが、食用油としてはシソ油、エゴマ油があります。
  普通の店ではあまり売っていないと思いますが、健康食品の店等で入手
  出来ます。
  ただし
クローン病患者は、この油でも過剰な摂取は厳禁です。
  
1日の摂取量が25gを越えると病状が悪化しやすいとのデータが
  あります。
また、長時間の加熱は酸化するため避けた方がよいとのことです。

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●参考書籍

このページはクローン病に関する書籍や患者会の小冊子、講演会で聞いた話等を
元に作成しています。
現在本屋で入手出来ると思われる書籍を記しておきます。
それでも一般の本屋では見つけにくいと思いますので、注文が確実かと思います。

「炎症性腸疾患ケアマニュアル」 高添正和・前川厚子著
                医学書院 2,400円 + 税
  クローン病では有名な社会保険中央総合病院の高添先生の著書です。
  総合的な視野でクローン病を含む炎症性腸疾患の基本的な事が書かれてます。

「クローン病ってどんな病気」 監修:下山孝 診断と治療社 2,000円 + 税
  兵庫医科大学の先生方が中心になって書かれています。
  クローン病食のこんだてやQ&Aのページがあり、患者にとっては
  分かり易い内容です。

「若者の腸が危ない」 八木田旭邦著 ハート出版 1,500円 + 税
  一般書として書かれていて分かり易い本です。脂肪についても分かり易く
  書かれています。

「食卓が危ない!!あなたの油選びは間違っている!」
           奥山治美  ハート出版 1,165円 + 税
  脂肪の本です。クローン病の本ではありませんが参考までに。
  このワイドショーみたいな題名がちょっと・・・(すいません)

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