●でんでん闘病日記●

割と軽い内容になっていますが、これはあくまで私がクローン病患者としては軽度だった
ためです。これが一般的な患者像とは思わないようご注意下さい。


1996年夏頃〜1997年冬

この頃、ときどき腹の違和感を感じては近所の医院に通って整腸薬をもらう。
このころからクローン病のきざしがあったのだろうと今では思う。


1998年2月〜3月

会社の定期健康診断で「白血球数増多」「胃酸過多の疑い」とでて再検査。
そこで病院での精密検査を指示される。

病院は戦前から建っているような古い建物で、曇り空と合わせてムード満点。
検査の結果、クローン病の疑いと言われる。まだ詳しい説明もなかったので特に深く考えず。
帰宅後、実家の母に連絡すると、TVでその病気のことを見たことがあると言う。
ほとんど食事が出来なくなると聞く。
驚いて、インターネットで情報を集める。母の言ったことが正しかったと理解し、落ち込む。

1日後、落ち込みから浮上する。
悩んでどーにかなる事でもなし、食事がダメなら他のことで楽しめばいいやと開き直る。
(おかげで以後、生活の中で趣味の比重が増える。
 学生時代以来やめてた模型製作まで復活しちゃって・・・とほほ)

更に詳しい検査の結果、クローン病と確定。病室が空き次第、入院に決定。

2月頃は下痢も少なく、自覚症状は軽い腹痛と食欲の減少くらいだったが
(なにしろこの直前にスキーで北海道まで行った。さすがに疲れてへばったけど)
3月になるとどんどん体力が落ちていくのを自覚し、下痢も増える。歩くのも辛く、
入院の予約をしてからベッドが空くまで3週間待たされたが、この時期が一番辛かった。


1998年4月

4月2日、入院。・・・といっても手術はせずに済んだので、栄養療法の指導のみである。
エレンタールを1日8袋、経口で飲むことになる。
経腸を覚悟していたが、経口の方が長続きするとの先生の方針で
不味さに耐えられるようなら経口で摂取することになる。
薬はペンタサを処方される。
エレンタールは不味い不味いとの前情報を仕入れていたため覚悟していたが、
フレーバーを使えばそれなりに飲める。
(フレーバーは全種類試したが、どれも悪くないと思った。抹茶以外は!)
エレンタールを始めて1週間ぐらいで下痢も止まり、腹痛も感じなくなってくる。良好。

病室は糖尿病の人達が多かった。こちらは完全絶食なのに、やれ病院食が不味いと騒いだり
脱走して街で食事をしてきたりと、まじめに絶食してるのがバカらしい気分になる事しきり。
(気のいい人達ではあったんだけどね)

はじめて外から見たとき、古くておどろおどろしい病院に見えたが、
入院してみるとやっぱり実に暗く、薄ら寒く、まったくもってムード満点だった。
病室で小説「らせん」(鈴木光司著、リングの続編)を読む。臨場感たっぷり。
入院して1週間後、出来たばかりの新館病棟にお引っ越し。近代的でなんとまー明るい。
小説「シャイニング」(スティーブン・キング著)を読む。病室が明るいためか、いまいち
乗り切れず。残念。(おいおい)

病室が近代化して電気コンセントが増えたため、セガサターンを持ち込む。
反射神経不足のためクリアできなかった「パンツァードラグーンツヴァイ」をクリア。
ヒマがあればどうにかなるものだ。

入院してから体重を量ってみると、それまで 65kg前後だったはずが 50kgまで落ちていた。
体力が落ちてるわけである。
エレンタールを始めると体重はどんどん増えるはずなので、
毎日先生に体重が増えましたか?、と聞かれる。
いくらなんでも1日単位では増えても分からないっす〜。

3週間後、退院。体力も大分回復した。割と早期にクローン病と発覚した為、この程度で
すんだらしい。


1998年5月〜9月

4月からちょうど半年間、完全絶食。この間エレンタールと水・薬以外で口にしたのは
お茶、紅茶、ガムだけだった。
エレンタールは栄養の吸収がすこぶるいいため体調は良好だった。ひょっとしたら
病気になる前より元気かも知れない。
会社にはエレンタールを持ち込んで飲んでいた。基本的には社内勤務なので助かる。
仕事をしながらでも飲めるので効率的。

母の勧めで漢方薬局に行く。小健を処方される。大健中湯は体質に合わないと言われる。

エレンタールだけでは必須脂肪が足りないため、脂肪点滴を月に2回程受ける。

食欲については、食事のことを考えないことで割と平気だったが、人付き合いで困る。
会社の付き合いに関しては、理解してもらい、酒の席に出なければすむが、
休日に友人と外に出たときは困る。喫茶店で紅茶は飲めてもあまりエネルギーにならないため
長時間の付き合いが出来ないのだ。
いっそ屋外ならエレンタールを携帯することも出来るんだけど、街中じゃあなあ。


1998年10月〜1999年5月

食事療法をスタート。エリミネイションダイエットをはじめる。
絶食中は割と平気なつもりだったが、いざ食べられるようになるとやはり嬉しい。
エレンタールを1日6袋まで減らして。1日1食、夜に食事することにする。
おもゆから始めて、徐々に食べられるようになる。
安全度が高いとされる物ではほぼ問題ないようだ。
体重も 63kgまで戻った。
肉も試してみて良いと病院では言われたが、試す気になれない。

しかし、外食は思った以上に難しい。
うどん屋でも「かけうどん」「卵うどん」がない店も多い。
「ちからうどん(餅入り)」は大丈夫そうだが、アレは結構油が浮いてるのだ。

きついストレスがあると、やはり悪影響があるようで、
下痢が続くなど、調子を崩すとすぐにエレンタールのみにして調子を整えるようにしている。

しかし、いざ病気をすると妻や両親、友人の存在は有り難い物である。


・・・現在に至る

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