●新年特別企画:えいが道エッセイ編 2000年尻塚的映画ランキング●

えいが道のまんが描き担当「尻塚・D・喜殿」こと「でんでん」と、
えいが道の原作担当「尻塚・A・喜殿」こと「あんのよしたか」の
それぞれによる2000年の映画ベスト5です。
あくまでもそれぞれの単なる趣味と偏見に基づくランキングですので御了承下さい
なお、正月映画等も関係なく、「私達が2000年に劇場で見た映画」の中で選んでいます。

とりあえず、でんでんに関しては、2000年は一級建築士の受験や、残業地獄であんまり映画を見れなかったため
大変偏っています。ご了承ください。


●2000年映画ベスト5:『尻塚・D・喜殿』こと『でんでん』編●

1位「マルコヴィッチの穴」
   入ると15分間「ジョン・マルコヴィッチ」になれるという穴を巡る人々の話。
   これと「タイタス」とで今年の印象深い映画大賞でした。
   ただ、「タイタス」については、どーゆー映画だと人に説明も出来るんだけど、
   こっちは観てもらわないと伝えられません。(少なくともおいらには)
   人の心のダークさに満ちた傑作。(怪作?)

   でも、おいらは「マルコヴィッチの穴」には入りたくありません。

   作中に出てくる 『人形劇』 がすごい動きです。実際のものを見てみたいなあ。

2位「アイアンジャイアント」
   巨大ロボットと少年の友情の物語。
   子供だましと分かっていても泣かされる涙腺刺激大賞。
   くぅ〜、つぼを心得てやがるぜぃ

3位「ジュブナイル」
   こっちはちんまいロボットと少年たちの友情話です。
   藤子不二雄(FでもAでも)ファン必見。
   子供向け映画ですが、大人も見ましょう。

4位「シュリ」
   韓国映画のメジャーアクション娯楽作品として評判になった作品です。
   泣けます。
   ただ、極めて個人的に悔しかったのが、深夜残業・勉強地獄の合間を縫って見に行ったため、
   序盤で少しうとうとしてしまい、悔しい思いをしました。・・・いつかリベンジせねば。

   それにつけても、1位から5位までのそれぞれに対する文章量の差はなんだろう。
   好きな映画だからって多く語れるとは限らんのね。

5位「タイタス」
   シェイクスピア原作の復讐劇を、ライオンキング(演劇)の演出者が監督した作品。

   演劇的手法が盛り込まれた斬新な映像が強い印象を放つ作品。・・・と言っても
   演劇的手法ってのがどういうものか、実は私もよく分かってるわけじゃありません。
   舞台演劇は好きだけど、数を豊富に観てるとは言えないし、観てるものも偏ってます。
   だからこれはあくまで、自論です。
   演劇的手法の利点のひとつは、表現が 『抽象的』 なところでしょう。
   舞台空間にせよ、配役にせよ、時間にせよ、演技しだいでたちまち役割を変えて
   観客の想像に委ねられる部分が多い。
   ようするに、表現の自由度が極めて高い世界なのです。
   そして、ディティールを 『抽象化』 出来る事で、テーマをより際立たせることが出来る。

   このタイタスもそういった手法でもってテーマを際立たせた、極めて印象深い作品でした。

   ただ、それでも 『復讐の女神』 には笑っちゃったんだけど。
   

次点「グリーンマイル」


ワースト大賞「スペーストラベラーズ」

   笑わせて笑わせて、最後に泣かせる手法ってのは、巧くはまると大変効果的だと思います。
   漫画だと、川原泉の作品が思い当たったりします。
   この映画が、その手法を狙おうとしたのか、はたまた何も考えずに撮りたいシーンを繋げただけなのかは謎ですが、
   (どーも後者のような気がしてならないけど)
   前半のコメディタッチの展開と終幕の展開とがあまりに遊離していて一本の作品に見えませんでした。

   どんな作品が撮りたかったんだろう?


今年見逃した映画賞「マグノリア」


●2000年映画ベスト5:『尻塚・A・喜殿』こと『あんの』編●

1位『ペパーミント・キャンディー』
   韓国映画です。破滅した主人公の人生を昔に遡りながら描いていく構成で、
   上映中、観客はひたすら「主人公が通り過ぎた人生」の風景を見ることになるんですが、
   その主人公が通り過ぎた人生の「風景」がひたすら痛い。
   でも、その「痛み」の向こうに「どんな人生にもある美しい一瞬」が見えてくるすごい映画です。

2位『Chikin Run』
   養鶏場から大脱走するニワトリの物語。
   職場旅行で行った台湾で見ました。しかも中国語吹き替えの中国語字幕スーパー(笑)。
   日本語しかできない僕には凄まじいハンデキャップで見たんですが、この映画の面白さに圧倒されました。
   春に日本公開らしいので、もう一度絶対見るつもりです。

3位『氷の接吻』
   今年、劇場で見逃したことを一番後悔してる作品です。
   この作品が持つ映画的スリルは本当に素晴らしい。
   物語の着地点もそのラストシーンになるまで予想が全然できず、見てて本当に面白かったです。
   DVDに、その作品観をひっくり返すような別バージョンのエンディングが収録されてるんですが、
   僕は劇場公開版のほうが好きです。

4位『ドグマ』
   キリスト教に詳しくない僕ですが、とにかく笑えました。
   去年の僕の収穫の一つが、この作品でケヴィン・スミス監督を知ったことです。
   この映画から『チェイシング・エイミー』『モールラッツ』と遡って見ることによって、
   この監督の才能の豊かさを感じました。

5位『グリーン・ディスティニー』
   中国武侠物語をベースに作られたラブストーリーというのが新鮮でした。
   アクションも決闘マニアの僕を満足させてくれましたし(笑)
   ドラマ部分も個人的にすごく好み。
   DVD買っちゃうんだろうなあ、これ……(笑)

次点『パレット・バレエ』
   邦画で一番よかったのがこの作品。この監督のパンチ力のある映像は大好きです。

個人的わがままワースト3(趣味が合わなかったんですよね)
   『U−571』『チャーリーズ・エンジェル』『さくや』

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