注意。針の城とはわがご主人のすみかの通称です。
この5日間針の城を訪れていた。わたし自身のまわりで起こったできごとを順を追って書いていくことにする。一部に誇張したり意図的に覆い隠して記述している部分がある。日付が狂っているかもしれません。誤りがあったらどうかお教えください。
29 may(mon)修正。少年語録に追記。針の城を追加。その他細かい追記。
モノレールが揺れるので字が書けず困る。「うーたんのこうかんノート」をおっ広げてリアルタイムでご主人さまに渡す日記を書いちまえと思っていたのだが、とても書けたものではない。そこで清書はあきらめて、うさぎぽんのちいさなメモ帳にちまちまメモを取ることにした。その揺れときたら上下動だけではなく、前後にも揺れる。自転車でも追いつきそうなぐらい走るのが遅いくせに揺れる。
うっかり。空港までの所要時間から家を出る時間をあらかじめ計算していたのに、15分間違えて家を出てしまった。それも遅い方に間違えてしまった。これでモノレールがもちっと速ければと思うのだがもう遅い。駅を降りて空港の搭乗手続きのカウンターまでがとても遠く感じられる。搭乗手続きのカウンターでおねいさん緊急事態宣言。おねいさんが数か所に電話連絡を入れる。飛行機の後ろ姿を拝まずにすむよう急いで搭乗口まで向かうことになった。おねいさんとふたり、駆け落ちでもするのかってな具合で白い廊下をひた走る。
なんせ非常事態なので、手荷物検査の行列もなんのその。謝って謝って謝り倒しながら行列をすっ飛ばして機械の前に立ち、かばんを機械に通し、わたし自身は門をくぐる。かような非常事態時こそお客はへんなことをしでかすものである。わたしのかばんの中には、針の城たこ焼き大会(仮称)で使うために用意したたこ焼き用の鉄板が入っているのだ。
X線だかなんだかの装置で係の人がかばんの中身を透視しているらしく、すぐにかばんの中に「たこ焼きの鉄板」が入っていることを指摘される。しかし、問題なのは鉄板ではなく一緒に入っていた串であった。鉄串は凶器なので機内には持ち込めないのだ。だから荷物を調べられる。と、いっても串は竹串なので時間はかかったがなんとかこの関門も突破できた。
さらに搭乗口まで走っておねいさんとお別れ。さようなら。
ひょっとしたら、わたしのせいで運行が遅れてしまったかもしれないので、狭い通路を通りながら謝って謝って謝り倒しながら席までたどりつく。
機が動き出すまでにはさほど時間はかからなかった。機は滑走路までのろのろと走っていく。前に飛行機に乗ったのは5年前だ。この間にわたしは離陸という恐ろしくも感動的で強く激しく(以下略)なできごとのことを忘れていた。
窓から見た、他の機が飛び立つのを見たときの印象は、カタパルトからはじき飛ばされる戦闘機の離陸のようだった。機が動きだしてすぐに浮き上がるさまはアクロバット飛行のようだ。わが機の主翼にぶら下がっているエンジンが急に大きな音をたてはじめたと思ったら、数秒遅れて機が前に押し出される。
かくして新幹線での移動とは比較にならないほどの大きな加速度で機は前方に押し出され、10秒後にわたしたちは華麗なるヒコーキ野郎(1975)となった。5年前に乗ったときには、もっとおだやかな運動だと思っていたのだけど。国際線のもちっと大きな機は、もちっと大きな国際線用の滑走路を、もちっと穏やかに滑りだすのかもしれない。
機首を上に傾け、地球の重力から逆らって逃げる。こんな硬く重いものが、わずかな空気の硬さに頼って浮かんでいるとはとても思えない。機はあいかわらず重力から逃げ続け機首を上に向けながら、さらに左翼を下げる。大きく左に旋回をはじめた。わたしは左側の窓際に座っているので、この場合席が下がる。機は上昇し続けているので、実際には席の位置は下がっていないのかもしれないけれども、しばらくの間わたしの席が地球の中心に向かって加速度を得たことは間違いない。
雲の上まで上昇した。地面から雲を見たときと同様に、雲は大局的には安定な固まりに見える。ついさっきまで雲の中を突き抜けて飛んでいたときは透けた気体に見えたのだが、少し離れると固まりに戻る。
となりの席の少年(推定4歳)は落ち着きがない。常になにかしゃべっているか、なにか食べているか。なあに、子供のすることだ。よくあることではないか。あるとき少年は大切な収集物であるらしい金色のカード群をながめていた。「シルバー・フォング」だとか「死者蘇生」「ワイルド・ラプター」 だとか書いてある。「遊戯王」のカードだろうか。
少年(4)はカードに飽きてしまい、袋を集めだした。前の列の座席の裏側に取り付けられている、雑誌だとかお客への注意書きなどと一緒に入っている紙の袋である。母親の袋、祖母の袋。そしてなんのことわりもなく、わたしの袋もその見知らぬ少年(4)の収集物に加えられてしまった。少年(4)が袋を折り曲げたり破ったりしているのを見ていて、やっとその袋が何のために用意されているのかを知った。もし飛行中に気分が悪くなったら、すでに袋を失っているわたしは、少年(4)の着ているシャツを首の通る穴を前から引っ張って、その膨らみのない胸に嘔吐してやればいいのだ。なあに、子供のすることだ。よくあることではないか。……などと黒いサクリア(?)が心を満たしたりなんかしちゃったりしつつ、機は離陸から1時間後に針の城空港(仮称)に着く。これから針の城の長い一日がはじまる。
空港からバスと電車を乗り継いで1時間。針の城駅(仮称)にたどり着く。ピンクのサングラスをかけて駅から出たらば、黒いサングラスをかけたご主人が目の前にいた。いきなり写真を撮られる。げふ。
さらに車で秘境を進むこと数十分。途中の道でクマ看板を発見。ただ、倒れてしまっていて文字が読めない。これは看板を見て怒ったクマが張り倒したのだと推定。不幸なクマたちは、人間と出くわしては猟銃で撃たれて小学校に剥製を飾られるのだ。
さらに道を進むと、この集落を覆うように空に浮かんでいる無気味な城があらわれる。青い血を持った妖魔。無慈悲な王。ご主人のすみかである。いまにして思えば1999年8月14日午後6時半に渋谷の駅前で胸ポケットのキティさん手帳をご主人に奪われてから、わたしはこの無慈悲な王の寵姫となったのだった。……目を皿のようにしてこの日記を読んで、さらに別の予備知識がないとさっぱり意味が分らないけれど。
城に着いてから、針の城ネクストキング大会(仮称)がはじまる。わたしがディル姉さん、ご主人がフェンネル嬢、キサキチさんが眼鏡のカモミールってことで、奪い合いはなし。しこたま遊んだあと、買いものを兼ねて少年(12)を迎えにいく。まず少年(12)を拉致した後、中ジャス(通称)へ向けてレッツらゴー。この少年はなかなか見どころがある。「ドラエモン」(すべて片仮名)というキーワードでwebを検索したら出てきたという短い妙な小説っぽいものを印刷して持ってきたらしい。ふむ。そんなわけで車の中で朗読大会がはじまる。読むのはわたくし。うぐ。なんじゃこりゃ。少年(12)の趣味の一端を垣間見た気がする。
中ジャス(通称)でたこ焼きの材料を買って城に戻る。中ジャスの、遊園地っぽい空間に「ちいさな映画館・みちゃ王」があるという話だったが、すでにない。1999年12月27日にまなちゃで報告されているとおりだ。そのそばで昼食のハンバーガーを食べる。えぐえぐ。
城に戻って、4人で近所の神社のお祭りをのぞきに行く。針の城ではお祭りの屋台といえば「かたぬき」は欠かせないらしい。……長い戦いのあと、残ったのは淡いピンク色の破片だった。
少年(12)はアイスクリームの形をした玩具を入手した。球状のアイスクリームがコーンに盛られているという外観で、コーンの側面のボタンを押すとバネのエネルギーが解放されて球が飛びだすという仕掛けである。しかして、
「200円はわたしが払ったんだからね」
と、その玩具はご主人に取り上げられてしまう。球が飛んでいくというのは少年(12)をいたぶるのになかなか適した道具である。お祭りでは長居せず、城に戻る。
針の城たこ焼き大会(仮称)を始める。最初は粉の調合で失敗したりねぎが多すぎて水っぽくなったりしつつも、しだいにまともな仕上がりになっていく。おいしい。梅干し入りやチーズ入りも作ってみる。梅干し入りは想像以上の味であった。ただ、チョコレート入りはいただけない。わたし一人で随分チョコ焼きの罠にかかってしまった。
たこ焼き大会の最中に、ERさんが自分の車で登場する。はじめてお会いしたが話に違わぬ好青年。わたしがたこ焼きを焼いている間、ご主人とERさんは少年(12)で遊んでいた。少年と遊んでいたのではなく「少年で」遊んでいた。ああ。無慈悲な王よ。ときどき少年遊びから戻ってきてはチョコレートを入れていく妖魔よ。「わたしチョコレート入ったやつ食べらんなかったんだよね」とのたまう無慈悲な王よ。わたしは4個も食べたのだ。
そのあとERさんのお土産のワインを飲む。ふむ。いい香り。さらにERさんを加えた4人で、また最初からネクストキング大会。ERさんの勝利を目前にしながらゲームを放っぽりだして、わたしはご主人さまの遊び相手になる。深夜の針の城で行われたことを詳しく語ることはできない。ただ、ことがすんだあとわたしの唇には赤い口紅が塗られ、まゆ毛は細く形を変えていた、とだけ書いておく。部屋には茶色の制服や黒のドレスが散乱していた。そのときの写真を撮ってあるが、誰でも見られるわけではないし、そもそも写真が現像されるかどうかさえあやしい。
あとで思い出したのだが、ERさんとご主人と2人がかりで押さえ付けられて全身くすぐられたことは決して忘れまい。あの現場を録音でもされていようものなら、ちょっと生きていけない感じ。
長い一日が終わった。
「ニュージーランドって羊が多かったでしょ?」
「うざかった」
「へえ、ソフトテニス部に入ったんだ」
「それは内密に」
「……?」
「テニス部ってさ、最悪なんだよ? 素振り2,000回やって、35キロ走って」
「どうせうそなんでしょ?」
「あ、秋田ナンバーだ」
中ジャスでは他にも名台詞を残している。2,000円の「遊戯王」のカードのセットを買ってくれとご主人にねだったらしい。ブルーなんちゃらドラゴンが入ってるんだよ、だとか1,000円出すから、などいろいろと手を尽くすも買ってもらえず。遠慮しているのは分かるが1,000円出されても。こういうところが微妙にかわいくない。
「妖精にいたずらされるんだよ?」
「止ーせー(妖精)ばーいいのーにー」
前日に力を使い果たしたため、そろそろ活動が鈍くなってくる。ERさんが仕事のため去り、Viewさんとかをすさん登場。まったりモードに入る。
朝からトランプ遊びに興じる。「七並べ」に改良を加える。ジョーカーを置くとその位置にあてはまるべきカードを持っている者は必ず出さねばならない、というルールはよく知られていると思う。新しい点は、あてはまるべきカードを出したときに、引き換えにジョーカーを引き取るという点である。これによりあまり意地悪く、長々と誰もが出してほしいと願うようなカードを出さずに温存することができなくなる。「六並べ」や「五並べ」なども試してみたが、あまりに難しくなるので結局「七並べ」に戻す。
他になにをしたか記憶にない。最後に銭湯に行く。
内装に派手にピンク色が使われていて、吹き抜けの屋根に反射して外からよく目立つ。入ってみると下駄箱や柱もピンク色。ふむ。貴重なピンク資源がここで大量に見つかるとは。2時間ほどまったりする。このあと城に戻る。
キサキチさんの部屋をのぞきに行く。新しい方のPCの向かい側あたりの本棚の、上の方に積まれているA5版の本がとってもとっても妖しく読んでほしそうな雰囲気である。しかし帰ってくるのはつれない返事。2年ばかし前に訪れたときにキサキチさんに見せてもらった、もりしげ著「子供の森」の表紙だけは見せてくれた。この2年の間に守りに入ってしまわれたか。
ちなみに前日の夜、キサキチさんが別の部屋で寝ている間にご主人とこっそり忍び込んで「子供の森」のそばに並んでいる本をのぞいてしまったことは本人には内緒である。中身を見て後ろめたい気持ちになった本もある。あんまり読んでいたのでご主人に肩をげしっとたたかれた。この日の活動はこれで終了。
この間に別の部屋でViewさんの恥ずかしい写真でも撮られているんじゃないかと思ったが、なにもなかったらしい。
「ランドセルってなにするもの?」
「かしゃんかしゃん(擬音)いわせるもの」
ご主人の無言のツッコミがひざに一発入る。
「ねえ(少年の名前を呼ぶ)アイス食べる?」
「それなりに」
「それなりに」の元ネタは「スターオーシャン2nd story」の台詞から取られたということが判明。まなちゃのログ(05/26[22:28])から要約すると、
男主人公が最初の方で女主人公の母親に「クロードさんは男の子ですもの。沢山食べますよね?」と訊かれ、その時に「まぁ、それなりに……」
と答えたのが元ネタらしい。なるほどなあ。半分照れながら半分かっこよく言わなきゃ駄目だぞう。
針の城で飼われている犬がいい感じに茶色の毛をしている。そこで1998年5月から気になっている「赤犬」について話す。
「赤いから赤犬っていうんですかね。実は柴犬を指しているとか」
「赤いから赤犬っていうんだよ。ただ猫はねえ、アワ吹いてしまうから」
……と、聞きもしないのにすごいことを教えられた。後日「猫はアワを吹く」という点に関して、食べるとアワを吹いて倒れるという意味なのか、それとも煮るとアワが出てくるという意味なのかを訪ねたところ、後者であることが判明。大人の話は聞いておくものである。
しだいに起きる時間が遅くなってくる。この日のできごとは小まんが大会と深夜の飲み会の2つ。
昼ごろに海の方まで出かけていって小まんが大会をのぞきに行く。
わたしはキサキチ車に乗る。車内では「悠久幻想曲3」のCDを聴きながら脱力する。メロディの西原久美子さん声って、なんかこう、やりすぎというか、かわいくないと思うのだけど。やっぱティセでしょう。ティセでしょう。ええ。CDでは「ご主人さま〜」がオトコ心をくすぐるだのなんだの言われているけれども。そんなんじゃない。そんなんじゃないのさー。
会場でSianさんと遭遇する予定が、いい感じで時間が一致して駅で拾えることになった。この時点で参加者はわたし、ご主人、キサキチ、View、かをす、Sianの6人。だんだんすごいことになっていく。どうも港の方へ行くと道が混んでいる。キサキチ車はあからさまに止めてはいけないっぽいどっかの会社の駐車場に入り込んで止める。ご主人車は渋滞をえんやこらと抜けて、しかるべき場所に止めたもよう。
下調べもなんもしてないので、会場ではさして探すものもない。美咲恋さんの「ぷちプリ」というでじこな本1冊のみ購入。うさださんの格好をしたぷちこが。ぷちこがあああっ。げふごふ。あと、他の場所にどれみさんの本もあったのだが、先日えるぱれで買って持っていた。
会場では身長160cmぐらいのかっこいいうさださん2名が見られて大満足。二人のうさださんの衣装が似てたのだけど、既製品が売られているのだろう。140cmのでじこもかなり満足にょ。他にはセーラーヴィーナスがいてびっくり。アニメが終わってもう3年経つというのに。あと、会場でピンクが流行の予感。ピンクなサングラス着用者を二人も見てしまった。ちゃんと世の中にはいるのだ。わたし以外にもピンクをつける人が。二人のサングラスは、どちらも見たことがあるような形だった。わたしのコレクションの中にあるものと同じかもしれない。
帰り道で酒屋「やまや」に寄る。このあと黒泪さんが来て、針の城酒盛り大会(仮称)がはじまるのである。それで店内をうろうろしながら、わたしは重大なことに気がついた。ご主人の左腕にキティさんの腕時計がはまっている。わたしの時計ではないかー。
やまやから出てくるとき、ご主人に背後から「お行儀が悪い」と言われてしまう。周りを見渡しても他には誰もいない。どうもわたしのことらしい。足がいけないらしいので、車までの数十メートルのあいだ内股ぎみに歩いてみる。
針の城に戻ってみると、少年(12)がいなくなっていた。約束通り親に連れ戻されたらしい。勉強するでもなく「スターオーシャン」でひたすら遊んでいたことは内緒である。すまないねえ。遊びに行ったらこんな変な来客がいて。
黒泪さんが来るまでのあいだ、しばらくまったりタイムに入る。ぼへーっと。のんびりと怠惰な時間の始まり。わたしは件のアイスクリームの玩具で遊び続ける。ボタンを押すとスポンジでできた球が飛んでいく。糸を引き寄せてがしゃこんとコーンにはめ込んで、また飛ばす。「かっこよく」「りりしく」「素早く」などのお題が出たので、その場でそれなりにかっこよかったり素早かったりする飛ばし方を考えてみせる。Sianさんが「わけ分かんねーよー」と言いながら笑っていたので、それなりに受けていたのだろう。「軽やかに」はわたしの力不足のためできなかった。
動きではなく台詞で笑わせていることがばれたので、黙々と4,000回の素振りに入る。3回でやめる。
やっとこさ初日に3人でやっていた「ネクストキング」の続きをやる。ところでご主人の話だと、わたしもそうなのだが、髪が緑のちっちゃい王子を選ぶ人はたいていディルを追っかけるらしい。なんかこう、ディル姉さんと並べるといい感じじゃあないですか。
で、わたしはディル姉さんひとすじなので、最初っから国王選挙に勝とうなんて思っちゃいない。一回目の投票では決着がつかず決選投票に持ち込まれたのだが、どういうわけかわたしが勝ってしまう。どういうわけか。で、これまた通説として国王選挙に勝つ者は往々にして思い人に去られるらしい。
そんなわけで、わたしは試合に勝って勝負に負けたのであった。でぃいるぅうう。あんなことやこんなことまでしたのにぃぃぃ。
で、どういうわけかキサキチさんもカモミールさんに去られ、ご主人もフェンネル嬢に去られたのだった。ああ。さようなら。青春の日々よ。
夕方頃に黒泪さんが到着。晩飯を食べたりゲームしたりしたあと針の城酒盛り大会(仮称)がはじまる。長時間飲み続けたため、わりとわけ分かんないことになった。途中、コンビニまで氷を買いに行った。このとき、わたしはキサキチさんと一緒に件のクマ看板まで走って行って近くで観察した。せっかくなので、倒れた看板を垂直に立て直す。しかし、風でも吹けばすぐに倒れるだろう。
あまりにもくだらない話なのでキーワードだけ書いておく。
T大組の「奴(進学できなかった方)」と「彼(無口な方)」
ツッコミを要求するときには手を上げて「HELP」と叫ぶルールを定める
「このヒト感じ悪い」
「さいころ二倍」 -- 上記の逆の意味
「赤色137号入ってるから顔が赤くなってもしょうがないよ」
「『うぐぅ』は一日五回までにしないと免停」
「そこまで墜ちてない」
「せっかく起こそうとしたのに、ぜんぜん起きなかったから」
「キサキチさんが結婚してくれないと、わたしら後がつかえて結婚できないんスよ」
「で、Sianはどうなんだよ」
くだらなくない話もしたが、書けない。朝7時ぐらいまで続いた。どうがんばっても黒泪さんにはかなわない感じ。いろんな意味で。
この日は怠惰回路が最強に強まって5月に寝正月ありという感じ。なんせ朝まで起きて飲んだくれていたため、昼まで寝るしかない。Sianさんは二日酔いで起き上がれずに丸一日寝ていた。ゲームするか寝るか。そんな一日。
ドリームキャスト版の「ぷよぷよーん」は「ぷよぷよ」シリーズとしてはかなり派手なゲームだった。ドリームキャストだけあって、ちゃんと偶数・奇数走査線両方を使っていて画面がきれいで見やすい、とか、背景上に人物の絵を載っけるときに多階調のアルファブレンディングの計算をしてくれている……って見るところを間違ってるような気も。とにかく絵がきれい。あと、ゲームショーで配布されたらしいぽよんぽよん飛びまわるゲームを後ろから眺める。
黒泪さんが3PMごろに去る。Sianさんと一緒に帰る、という話だったが相変わらずの二日酔いで立ち上がれず。
針の城から歩いて10分ほど。Sianさんを置いて5人でパスタの店へ行く。建物は小さいが、太い木の柱の木目と高い天井が目立つ店。わたしはスパゲティとピザを注文するも、スパゲティの量が想像以上に多くおなかいっぱいになってしまった。あと、サラダを5人でつついたから、結構豪華な食事である。サラダはキサキチさんのおごりってことでいいんでしょうか……ってもう遅いか。
で、どういうわけかテーブルごとにノートが用意されてあって、ノートには好き勝手書いてある。小学生のおんなの子が描いたとおぼしきまんがの登場人物の絵だとか、どういう意図でか漢字のテスト問題が書かれていたり。ご主人がうさださんを描いたので、わたしはでじこを描く。「それなりに」がマイブームなので、とりあえず吹き出しに「それなりにょ」と書いておく。しかし。でじこの鈴の向きを間違えたということに、一日経ってから気付くのであった。恥ずかしいぃぃっ。あと、ご主人のおとこの子の絵がやや攻撃力高かった。
パスタを食べているとき、キサキチさんがはじめてわたしのキティさん腕時計に気づいた。あたくし、労働者となって着実に前進しておりましてよ。
針の城に帰ってまったりゲームな時間。ここで「針の城」の元ネタを見せましょう、と「ロマンシングサ・ガ」のさわりを見る。最初はわたしが動かしていたのだけど、なにをやったらいいのかさっぱり分からないのと、いきなり針の城に放り出されて迷子で泣きそうだし、時間も掛かるしってことで、ご主人に代わってもらってわたしは横から眺める。
話は変わって、わたしは難しい言葉を使わないようにしている。なんせ言葉を知らないので下手に難しい言葉に頼ろうとするとその言葉に飲み込まれそうに思うのだな。で、そのついでに漢字も小学校で習っていそうな漢字以外はできるだけ使わないようにしている。なんでこんなことを書くかというと、このゲームの台詞を横で音読していたのだけど、漢字が難しくて読めないのですご主人さまー。わたしが日本語で文章を書くといったらほぼこのwebだけである。この日記の漢字の少なさがつもりつもってわたしから漢字の使いかたを忘れさせていたんである。ゲームは子供も遊ぶから、難しい漢字を使ってはいけないというのは大きなお世話だし、またそれを書き手に押し付けようというのもどうかしている。書きたいように書きゃいいのだ。ゲームを横で見ながらそんなことを考えたのだが、いまだもってわたしの難しい漢字や難しい言葉の使用が増えたわけではない。
話がそれた。主人公が妖魔の王の馬車にひかれて死んだところを、青い血を受けて生き返るところから始まって、城をうろうろして寵姫たちの棺なんかを見学。そっかー。寵姫の扱いってあんまりよろしくないのね。で、王の登場がまためちゃんこかっこいい。それにしても空気が重い。音読する台詞も音楽も重い。で、数十時間分すっ飛ばして、どういういきさつでかは知らないけれど、王のオルロワージュさまを亡きものにするところを見る。そうしてぼくは青い血の支配から脱する。
わたしの飛行機の席の都合で9:30AMに針の城を発つ。この時点で参加者はわたし、ご主人、一介のキサキチ、Sian、かをす、Viewの6人。かをすさんとは駅でいろいろさようなら。いろいろお気をつけて。そこから1時間強で空港に着く。ここでわたしが去って、せんせいさようなら。みなさんさようなら。そのあとどうなったかは知らない。
空港では少し時間があったのでおみやげを探してみる。「山のきぶどう」というジュースを買う。「木ぶどう」なのか「生ぶどう」なのか気になるところである。一瓶で1,500円もして、もったいなくて飲めないという代物。あと、保冷パックに入った冷凍ずんだもちを買う。ところで「ずんだもち」はたくさんあったのだけど「づんだもち」はなかった。「づんだ」も確かにあるらしいのだけど、どこかの商標なのだろうか。
で、突如わたしの持ち運べる電話がないことに気付く。最も落としそうなところとしてご主人の車の中を探してみたところ、見つかった。これに関してはご主人の母上に電話して探してもらったりと手数をかけた。
で、離陸25分前に搭乗待合室に向かう。ここで4人とさようならする。手荷物検査ではこんどはなにも指摘がなかった。串をもうすべて使って、捨ててしまったからだろう。やはり、手荷物検査においてはたこ焼きの鉄板が問題なのではなく、串が問題なんである。今後あなたが出張たこ焼きをすることがあるなら、串に気をつけることを勧めたい。それにしても、針の城空港(仮称)の係の人は、X線装置であのくぼみの多い鉄板を見つけて、これはなにかの武器だろうか、などと考えないのだろうか。
不意に電話で呼ばれる。待合室とみやげ物屋の間に大きなガラス窓を隔てて、互いに見えるようになっている。そして、窓には電話器がついていて囚人と面会人のように話ができる。「あたし、リカちゃん」「あ、どうも。お久しぶりですー」などのベタ(ありがち)な会話をおおむね4回やって、もう一度せんせいさようなら、みなさんさようなら。いろいろさようなら。
今度は走らずにすんだ。
5/06 「針の城」の元ネタ。
5/07 Sian、彼との出合い。レンズフレア効果。