エルサレム旧街道にある嘆きの壁(撮影 V. ソベリ)
エルサレムの中心に、昔ユダヤ人の神殿があったところで、イスラム教のモスクが建っています。その下の部分にある石の壁は、ヘロデ大王が建てた城壁の遺跡だと言われます。この「西の城壁」の遺跡は今日「嘆きの壁」と呼ばれ、ユダヤ人のお祈りの場となっています。手前に見える、同じ門から入る人が、イスラム教徒は左に見える道をモスクに登り、ユダヤ人は金のドームの下に見える石壁に向かいます。
嘆きの壁に向かって祈る(撮影 V. ソベリ )
石の壁に向かっている女性の中に、ユダヤ人の祈祷書シヅールを唱える老婦人、子供にお祈りを教える若いお母さん、頭を石にあてて泣いている人もいます。後ろに見える低い壁の向こう側にユダヤ人の男性が、額や手にテフィリン、聖句が入った小さいケースを結んで祈っています。
平和の祈り(撮影V.ソベリ)
私も壁に向かって、静かなお祈りのひとときを過ごしました。それから人に見えないように、石の間にはさんである紙切れの一枚を開いて見ました。ヘブル語で書いてある、戦死した子供を嘆く母親の平和の祈りでした。紙切れを静かにもどして一心に平和を祈りました。
「キリストはわたしたちの平和であります。敵意という隔ての壁を取り壊し、十字架によって敵意を滅ぼされました。」(エフェソの信徒への手紙2:14以下)
イエス・キリストが与えてくださる平和がこの世の中で実現するようにと。