日本に来る前に私は聖地イスラエルのガリラヤで冬を過ごす時がありました。「イエヒアム」というキブツ(イスラエルの特殊の集団生活をする村)でへブル語を勉強したり、旧約聖書やユダヤ人の日常生活について学んできました。このキブツは、イエス様が活躍されたカファルナウムから西へおよそ20キロメートルのところで、文字通り「ガリラヤの丘」にあります。あの冬は記録的な寒さで、30年振りにあの丘で雪が降りました。シクラメンやバラが咲いている庭にひらひら降る雪が実に美しかった。
ところが、霜がおりた後、丘のふもとにあるキブツのバナナ園は美しい光景ではありませんでした。幹が折れて、寒さに弱い葉も枯れてしまいました。大事に包まれてあったバナナの一部が冷害を受けなかったのですが、大部分は皮が割れたりして売り物にはなれませんでした。被害は大きかったけれども、バナナをご馳走にする日が当分続きました。
大人が被害を惜しがっていましたけれども、子供たちは大喜びでした。生まれて初めて雪を見、触れることが出来た子供は夢中になって玉を投げたり、雪像を作ったりしました。手が冷えても、雪が解けるまでは中々家に入りませんでした。子供たちの喜びを見て、使徒パウロが書いた言葉を思い起こしました。「いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。どんなことにも感謝しなさい。」(1テサロニケ5:16-18)<V.ソベリ>