イスラエルで旅をする観光客が必ず出会う食物はオリーブです。どの食事にも出るオリーブの塩漬けは、猛暑中で汗をかく人には必要な塩分を提供します。
またオリーブの木で出来た十字架や馬艚がイスラエルの代表的な観光おみやげとなっています。美しい模様のある木材は、小物に最適です。
ソロモンの時代には高価なオリーブ油はイスラエルの最も大事な輸出物でした。イエス様の時代から、油を絞るとき回せるような石臼が用いられました。カファルナウム町の遺跡の中にもこのような絞り場が見られます。オリーブ油は最も栄養のある食物でした。お祝いのしるしとして頭に塗る習慣もあったし、女性の化粧品としても使うことがありました。
聖書の時代に最も大事な植物はオリーブでした。オリーブの名前が初めて登場するのは、ノアの箱舟の話しです。洪水が減り、ノアが外に出した鳩が帰って来て、「くちばしにオリーブの葉を加えていた」。このようにしてオリーブの葉は、命や平和のシンボルとして用いられるようになりました。
聖書の中で出てくる「油」はいつもオリーブ油です。一番絞りの高価な香油は、「油を注ぐ」祝福式に用いられました。この習慣から「油注がれた者」即ち「メシア、キリスト」という呼び方が生まれました。(ビリピ・ソベリ)