エクソダスー出エジプト


 教会の暦で四旬節に入りました。イエス様が過ぎ越し祭のためエルサレムに上られた、その旅路を覚えて、聖金曜日とイースターを迎える準備の季節です。過ぎ越し祭は、イスラエル人がエジプトの奴隷から開放された出来事を記念する祭りで、今日も全世界のユダヤ人は出エジプトを覚えて祭りを祝います。

過ぎ越しの食事

 過ぎ越し祭の中心は家族皆で祝う前日の夜の晩餐です。出エジプトの出来事を語る式文を朗読したり詩編を歌ったりしながらの晩餐は真夜中までつづきます。晩餐のときいただく最も大事なものは種無しのパンとぶどう酒です。

過ぎ越しの食器

 晩餐の食器は銀の杯や美しい絵がついた式文と共に家族の宝物です。セットされている塩水、苦い野菜とゆで卵はエジプトでの苦難を思わせます。エルサレムの神殿が崩壊された後、ユダヤ人はこの晩餐のとき羊の肉を食べません。チキンの骨を焦がして彼らは神殿の崩壊を嘆いている気持ちを表しています。


教会の過ぎ越し際

 ハイファのルーテル教会の会員の大部分はイエス・キリストを信じるユダヤ人です。100人を越える教会の大家族は長老たちの指導で過ぎ越し祭を祝います。会員の中で迫害を逃れてイスラエルに渡った老人たちもいます。彼らは自分で「出エジプト」を経験してきました。

教会の晩餐

 教会の過ぎ越し祭は、聖餐式で終わります。主イエスの十字架によって、この晩餐に新しい意味が与えられました。信仰の自由と喜びに導かれた教会の家族は、声を合わせて感謝し、そして最後に「マラナタ、主よ、来てください」というお祈りに声を合わせます。この祈りに私たちも声を合わせましょう。(写真・文責 V.ソベリ)


表紙に戻る