聖書の学び-使徒言行録
初代の信仰に学ぶ

No.8

  障害者の贈り物
(使徒言行録3:1−8)

  「ペトロは言った。『私には金や銀はないが、持っているものをあげよう。ナザレの人イエス・キリストの名によって立ち上がり、歩きなさい。』…すると、たちまち、その男は足やくるぶしがしっかりした。そして、歩き回ったり踊ったりして神を賛美し、二人と一緒に境内に入って行った。」
 
 ペトロとヨハネが、祈るためにエルサレムの神殿の礼拝に行く途中、門の前で足の不自由な男に出会いました。障害者は、神殿の礼拝に参加することがゆるされていませんでした。しかし神殿の入り口は、物乞いをするには良い場所でした。祈るために入る人々が気持ち良く施しをくれるからです。
 

 午後の礼拝に出席する二人の男性がこの障害者の前で足を止めました。普段人々が目も向けないで、小さな銅貨を投げて通り過ぎるのです。しかしこの二人が立ち止まって優しく彼を見てくれるのです。金や銀を持っていないけれども何かくれると言われました…。この二人の贈り物はなんでしょう?障害者の心に新しい希望が湧いてきました。
 

 この足の不自由な男が主イエス・キリストの名前によって癒されました。この癒しはただの奇跡ではありませんでした。奇跡は、どの時代にもどの宗教にも起こるものです。しかし大切なのは、癒しが誰の名前によるものか、そしてそれによってだれに栄光が与えられるのか、ということです。
 

 この男は、癒しと共にもう一つ大事な贈り物をいただきました。彼は、賛美しながらペトロとヨハネと境内に入ったと書いてあります。彼は、神様に栄光を与える信仰と感謝する心が与えられました。そして差別され、礼拝にも出席することも出来なかった彼は今、他の皆さんと共に礼拝の恵みに与ることがゆるされました。素晴らしい贈り物でした。


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