聖書の学びークリスマスに向けて

「イエス様を迎える」
(マタイによる福音書21:10〜11)

 「イエスがエルサレムに入られると、都中の者が、『いったい、これはどういう人だ』と言って騒いだ。そこで群衆は『この方は、ガリラヤのナザレから出た預言者イエスだ』と言った。」マタイ21:10〜11

 教会の暦では、12月の第一日曜日に新しい一年の歩みが始まりました。新しい気持ちでクリスマスを迎える準備をしています。礼拝堂には、緑のクランツに四本の赤いローソクを立てて、毎週一本ずつ灯してきます。クリスマス、イエス様の誕生日になると、真ん中にもう一本、喜びを表す白いローソクを灯します。
 

 この「待降節」に入ると、イエス様がろばに乗ってエルサレムに上られたという聖書の話しを読みます。重い荷物を運ぶ小さいろばにイエス様が乗っておられたことを不思議に思われるかも知れませんが、その昔新しい王様が自分の民の所に来られた時ろばに乗っていたと言われます。それは平和のしるしでした。その時、戦争や敵に苦しめられた人々が、「ホサナ、助けてください」と叫んだり歌ったりして王様に祝福を祈りました。
 

 イエス様を囲んでついて来た人々は、全く王様を迎える様子でした。ローマ帝国に虐げられた彼らは、この方こそイスラエルを解放し、平和をもたらす方であると期待し、「ホサナ」を叫びました。しかし、イエス様はどういう人であるか、分からない人もいました。
 

 その時、ガリラヤからイエス様について来た人々は大胆に説明しました。イエス様が彼らの指導者、預言者であると、彼らは自信をもって言い表しました。都の人たちが、北の果てガリラヤは神様を知らない、宗教的に劣っている田舎であると軽蔑していました。それでも尚、ガリラヤの人々が恥じることなく、大胆にイエス様への信仰を告白しました。彼らはその時まだまだ、イエス様がもたらす救いと平和はどんなものであるか、充分理解しませんでした。しかし、彼らの喜びに誘われて次から次へと新しい人々がイエス様に従う群れに加わってきたでしょう。
 

 彼らの信仰に倣いたいと思います。「ホサナ」と、主イエスの助けを求めて平和を祈り、喜びを持ってイエス様を王様として迎え、そしてその喜びを大胆に皆に伝えることが出来るようにと、祈り願っています。


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