聖書の学び-使徒言行録
初代の信仰に学ぶ

No.42

「ヘロデ王の急死」
(使徒言行録12:18−24)

 「主の天使がヘロデを打ち倒した。神に栄光を帰しなかったからである。ヘロデは、蛆に食い荒らされて息絶えた。」

 神さまの不思議な導きによってペトロは牢獄から解放され、信徒の皆が大喜びでした。しかし、ペトロを捕らえたヘロデ王は大変に立腹したわけです。無罪の番兵たちが死刑にされ、この事件はヘロデの残酷な性格を現しています。
 

 その後ヘロデ王はローマ人の町カイサリアに下りました。ところで、カイサリアではまた恐ろしい出来事が起ったのです。聖書のほか、その話しはユダヤ人の有名な歴史家ヨセフスの古代史にも載っています。
 

 ヨセフスによると、カイサリアに下った目的は、ローマ皇帝を祝う祭りに参加するためであったそうです。ヘロデは王服を着て群衆の前で話しをしました。純銀で作られた王服は太陽に光ると群衆が憧れて、「今日まであなたを人間として尊敬しましたが、人間以上の方であることが今分かりました」と叫んだそうです。
 

 その時、祭りの最中で王様が急に倒れました。「蛆に喰い荒らされた」という聖書の表現は、盲腸炎のような急性の炎症を現しているようです。「生活習慣病」と現代の私たちが言えますが、王様の贅沢な生活は悲劇的な結果を招いたのです。
 

 聖書はまた、「天使がヘロデを打ち倒した」と説明します。ヘロデ王は傲慢になり、神さまには栄光を与えなかったからです。神さまの働きはいつもこのような劇的な形で見られるものではありません。しかし、神さまは必ずみ心を行い、正義を守ってくださることをこの記事は私たちに訴え続けています。


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