聖書の学び-使徒言行録
初代の信仰に学ぶ

No.41

「主は御使いに命じて…守らせてくださる」
(使徒言行録12:6−17)

 「天使はペトロのわき腹をつついて起こし、「急いで起き上がりなさい」と言った。すると、鎖が彼の手から外れ落ちた。…町に通じる鉄の門の所まで来ると、門がひとりでに開いた。」

 ペトロはヘロデ王によって捕らわれ、番兵たちにつながれて牢獄に監視されていました。ユダヤ人の「過ぎ越し祭」の前日でした。10年ほど前にイエスさまは、この同じ時期に捕らわれ、殺されました。ペトロはそれを思い出していたでしょうか。次の日ヘロデ王が死刑を下す予定であることをペトロは知っていましたが、それでもなお眠っていました。それは、神様のみ手に身を委ねる揺るぐことのない信頼を示しています。
 

 表題に選んだみ言葉は詩編91:11にある神さまの素晴らしい約束です。
 「主はあなたのために、御使いに命じて
 あなたの道のどこにおいても守らせてくださる。」
 牢獄に眠っているペトロは文字通りこの御守りを経験したのです。神さまは信徒たちの熱心な祈りを聞き入れて、天使に命じて鎖を落とし、牢の門を開き、ペトロを安全な場所に連れてくださいました。
 

 天使が離れていくと、ペトロはようやく我に返って救われたと実感しました。それから信徒たちが集う家に向かいました。家に着くと、皆の驚きと喜びはどんなに大きかったでしょう。しかしペトロは、ヘロデ迫害を逃れてエルサレムを離れました。逃れた場所が知られていませんが、その時からペトロは多くの地方を歩き回って伝道したと言われています。後ペトロはローマデ殉教者の死を迎えたという伝節が残っています。しかし、今回ペトロが救われたのは、神さまがまだ彼を用いてくださるためでした。


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