聖書の学び-使徒言行録
初代の信仰に学ぶ

No.40

「迫害と祈り」
(使徒言行録12:1−5)

 「そのころ、ヘロデ王は教会のある人々に迫害の手を伸ばし、ヨハネの兄弟ヤコブを剣で殺した。そして、…ペトロを捕らえて牢に入れた。教会では彼のために熱心な祈りがささげられていた」

 コステファノの殉教以来エルサレムの教会には平和な成長の時が与えられましたが、およそ10年後に新たな迫害が起りました。
 

 この話しに登場する王様はヘロデ・アグリッパと呼ばれ、イエス様がお生まれになった頃国を治めていた恐ろしいヘロデ大王の孫でした。ヘロデ家族の中に外国人の血が流れていたので、彼らは純粋なユダヤ人に嫌われていました。ですから彼らは自分の権威を守るためにローマ帝国と良い関係を保ち、そして敵と思われる人を次々と殺したわけです。
 

 ヤコブとその兄弟ヨハネがイエス様の最初の弟子たちでしたので、ペトロと共に教会を指導していました。ヘロデ・アグリッパ王は教会を迫害し、ヤコブを殺した理由は明らかに、ユダヤ人の宗教的な指導者たちの好意を求めていたからです。「剣で殺す」ことは、殺人犯人や強盗に当てられた最も重い罰でした。ヤコブが殺人犯人のように殺されたことは、教会にとって大きな悲しみであったと思われます。しかしユダヤ人の指導者たちが喜んでいたので、ヘロデはペトロをも捕まえ、祭が終わってから同様に死刑にしようと計画していました。
 

 教会の信徒たちが心を一つにして、ペトロのために祈りました。このような熱心な祈りは、使徒言行録の中に何回も紹介されます。イエス様は、絶えず祈ることを弟子たちに教えてくださいました。「主の祈り」と呼ばれるイエス様のお祈りは今日に至るまで、信徒が集う度に教会で祈られます。祈りは、私たち一人一人の日々の日課でもありますように。


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